マイリノ
オーダーメイドで実現する
自分だけのリノベーション

リノベーション事例とお客様の声のご紹介

支えをかたちに

大阪市西区(一人暮らし)
  • 工事費
    1,910万円
  • 間取り
    1LDK+WIC
  • 所在地
    大阪市西区
  • 専有面積
    54.34㎡
  • 家族構成
    一人暮らし
  • 築年月
    昭和59年9月
  • 1
    一年以上かけて見つけた中古マンション

    首から下を動かすことが難しい難病を抱え、電動車いすと共に日々を過ごしているTさま。朝・夕・晩のヘルパー支援が欠かせません。以前お住まいだった賃貸マンションには広い土間があり、その空間は車いすでの旋回に適していましたが、浴室やトイレは介護を想定していない一般的なつくりで狭く、不便さを感じていました。さらに、最上階の角部屋であったため、暑さや寒さも気になっていたそうです。

    「賃貸で暮らし続けるという選択肢もありましたが、車いすでの生活や介護を考えるとどうしても制約が多く、 “今の家の不満を解消したい、もっと良くしたい"という思いが少しずつ強くなっていきました。リノベーションって良さそうだなという漠然とした印象は以前から持っていましたし、これからの人生において住まいにどうお金をかけるかを考え、物件購入とリノベーションすることを決めました。」(Tさま)

    物件探しでの必須条件は、勤務地から近く、平坦な道でアクセスできること。加えて、エントランスや共用部がバリアフリーであること、扉やオートロックの仕様に至るまで細かい条件をクリアする必要がありました。そのため内見できる物件は限られ、図面の段階でも条件に合わないものは次々と除外せざるを得ませんでした。こうして一年以上をかけ、ようやく出会ったのが現在のお住まい。そこからリノベーションがスタートしました。
  • 2
    介護者を選ばない住居を目指して

    Tさまが大切にしたのは、「生活の大変さを少しでも和らげ、どんなヘルパーが来ても介護しやすい空間にすること」でした。

    「ヘルパーさんには力仕事が得意な方もいれば、料理が得意な方もいます。どんな方でも介護ができる環境を整えることが、自分の生活を支えることにつながると思いました。例えば、腕力が足りない方にはリフトを、洗濯物を干すのが苦手な方には乾燥機を導入しました。要所要所に十分な広さがあるだけで、介護のしやすさは大きく変わります。以前住んでいた家のユニットバスやトイレは狭くて不便さを感じていたので、そこは必ず改善したいと考えていました。」(Tさま)

    設計はパラマウントベッド監修のもと進められ、玄関・寝室・浴室(今後設置予定)のリフト計画では、設置面や可動域について専門的な助言を受けました。特に浴室については、Tさまも「十年以上ぶりに湯船に浸かれるかもしれない」と期待を膨らませています。

    造作キッチンはカウンター下をオープンスペースにし、電動車いすのまま足を入れて歯磨きができる仕様に。リビングの造作カウンターは二段構えで、食事の際に腕を上げやすい高さに設計しました。

    寝室の床に座って過ごすことが多いことから、将来的にリクライニング付き電動座いすの導入を検討していました。しかしそのまま置くと座面が高くなり、床に手が届かず踏ん張れないという課題がありました。そこで床の一部を掘り下げて小下がりをつくることで、無理なく座いすを使用できるようにしています。

    また、寒さに弱い体を守るため、バルコニー側の外壁に断熱工事を施し、さらに3つの窓には内窓を設置して断熱性を強化しました。
  • 3
    暮らしを支える住まいに

    リノベーション後の新しい住まいで感じたことを、Tさまに伺いました。

    「前の家と比べて一番変わったのは、暑さ寒さがかなり緩和されたことです。夜も静かで、外の音も全然聞こえません。設計士さんには思いをよく汲み取っていただき、生活の大変さを少しでもカバーできればという視点で考えてきたので、実際に住み始めて『しっかり実現できているな』と思えたら嬉しいですね。ヘルパーさんの視点ではこれからの部分もありますが、広さは十分に確保できたと思います。住まいの環境は整ったので、あとはヘルパーさんに安心してお願いできるのではと思っています。」(Tさま)

    支えをかたちにしたこの住まいは、Tさまのこれからの暮らしに寄り添い、そっと希望を灯していきます。
  • マイリノ担当者からのコメント

    プラン検討にあたっては、リフトなどの設備を確認するため、Tさまと一緒に医療用展示会へ2度足を運びました。長い時間を共に過ごし、電車での移動にも同行する中で、車いす生活の実際に触れ、日々感じる不便さや、街に施された工夫を学ぶことができたのが印象に残っています。
    リノベーションプランを考える上で大変だったのは、普段馴染みのないリフトやバスルームの検討や、住設に求められる細かな高さ調整でした。正解がわからない中でも、Tさまの生活や製品理解を深め、打ち合わせを重ねながら「絶対に譲れないこと」と「妥協できること」を整理し、濃密な検討を進めていきました。
    完成した住まいは収納が充実し、すっきり整えられた大人の男性らしい空間になったと思います。なにより当初の目的だった「湯船につかる」「どんなヘルパーさんにも安心して来てもらえる」暮らしを実現し、快適に過ごしていただけることを願っています。(プロデュース担当)

    難病を抱え電動車いすで生活されていることもあり、これまでの施主さまとは異なる暮らし方や考えを明確にお持ちでした。そのため、それを言語化して形にすることを大切にしました。資料を用いながら一つひとつ合意形成を重ねていった時間は特に心に残っていますし、物件購入まではプロデュース担当者と二人三脚で進められたことも強く記憶しています。
    補助金の手続きやローンに関連することは、その都度調べたり関係先に相談したりしながら確認を重ね、一歩ずつ確実に前に進めることで乗り越えることができました。
    完成した住まいは、当初伺っていた「望まれていた暮らし」が形になったと感じています。これから実際に暮らしが始まり、日々どのように変化していくのか、とても楽しみにしています。
    ストレスを感じることなく快適にお過ごしいただき、介護者の方とも自然にコミュニケーションを楽しみながら、安心して心地よい毎日を送っていただければと思っています。(営業担当)

    私たちにとっては気にならないことが、Tさまには大きな支障になることを実感しました。例えば、私たちは平気でもTさまは脂肪や筋肉が少ないため寒く感じられたり、数ミリの段差やテーブルの高さの違いで生活に支障が出ることなどです。私たちは椅子に座れば上半身を動かして調整できますが、Tさまの場合は微調整の範囲がわずか数センチに限られ、ちょっとした違いが大きな不便につながるのだと驚きました。
    福祉機器の選定も大きな課題でした。普段は取り扱うことがないためメーカー探しから始め、Tさまと一緒に「介護福祉エキスポ」や「バリアフリー展」に足を運びました。カタログだけでは分からない、サポートする側への負荷や技術の必要性を体感でき、改めて難しさを実感しました。メーカーにデモ機を依頼し、実際に試乗を重ねることで利点も課題も確認しながら最適な選定につなげられたと思います。
    福祉施設のような雰囲気にはしたくなかったので、その点は実現できたと感じています。広いスペースの確保や車いすが当たりやすい足元の保護など工夫していますが、暮らしが始まってからどう馴染んでいくかが気になるところです。賃貸では難しく我慢されていたことが少しでも解消され、快適に過ごしていただけると嬉しいです。(設計担当)

リノベーション内容
  • フローリング・タイル新規施工
  • 壁・天井クロス新規施工
  • 造作建具
  • 造作キッチン
  • 洗面化粧台新規設置
  • ユニットバス新規設置
  • 洗浄便座付トイレ新規設置
  • ガス乾燥機新規設置
  • リフト新規設置(寝室、トイレ、浴室)
  • 照明器具新規設置
  • ハウスクリーニング …等

気になることがあればお気軽にお問い合わせください。リノベーションアドバイザーが何でもお答えいたします。(10:00-19:00)

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