リノベーションとは
リノベーションとは、簡単にいうと「建物に“付加価値”を加えること」、つまり現状の部屋を大きく変えて、「住みたいと思える部屋に改装すること」と言えます。たとえば、以下のような内容はリノベーション工事と言えます。
・家族の対話の時間を増やすために、独立性キッチンからオープン型キッチンへ間取りを変更する
・空気環境を快適にするために、湿度を一定に保ち、においも吸収してくれるエコカラットという特殊なクロスを壁全面に取り入れる
・従来の一般的なデザインのマンションから北欧風のデザインに全面的に変更する
一口にリノベーションといっても、様々な種類がありますが、「居住者の好み・希望のスタイルに合わせた改装」であるという点はすべてのリノベーションの概念に共通して言えます。
単純に「住むため」というより「こんな家に住みたい」という理想を、実際の部屋の間取り、設備、機能などに落とし込んでいるのがリノベーション、ということですね。
間取りを大きく変える、内装を自分好みのデザインにアレンジする、古くなった内装や設備を一新して新築並みにに使いやすくする・・・
そういった、「これまで以上」「プラスアルファ」といった要素が、リノベーションでの改装にともなうイメージです。
リノベーションとリフォームにかかる費用の比較
リノベーションにかかる費用
中古住宅のフルリノベーション費用は工事の内容により大きく異なりますが、大まかな費用相場は下表のとおりです。マンションは一戸建てよりもコストが低い傾向がありますが、断熱改修を行ったり、水まわりにハイグレードな設備を採用したりすると、25万円/㎡を超えるケースもあります。
住宅種類 |
費用相場 |
マンション |
10~17万円/㎡ |
一戸建て |
20~25万円/㎡ |
リフォームにかかる費用
リフォームの費用は工事の種類や施工面積によって異なるため、単純な比較は難しくなります。特にキッチンは設備グレードによって価格に大きな差が出やすいです。また、部分リフォームを繰り返すよりも、複数箇所をまとめて一度に施工する方が、工事費用の総額は安くなります。
リフォーム箇所 |
費用相場 |
キッチン |
50〜120万円(キッチンのみ入れ替え) 100〜150万円(周囲の内装も含む) |
トイレ |
10〜25万円(便器の交換) 25〜50万円(内装まで一新) |
浴室 |
50〜140万円(システムバス→システムバス) 65〜150万円(在来工法→システムバス) |
洗面室 |
〜20万円(洗面台の交換) 20〜50万円(内装まで一新) |
クロス張り替え |
2.6〜4.8万円(6畳・スタンダードクロス) 4.0〜6.8万円(6畳・ハイグレードクロス) |
フローリング張り替え |
10〜15万円(6畳・スタンダード) 14〜17万円(6畳・遮音フローリング) |
リノベーションとリフォームどっちがいい?どんな人に向いている?
リノベーションが向いている人
・間取りを変えたい
部屋の位置を入れ替えて変えて効率の良い生活動線にしたい、子ども部屋を確保するために居室を増やしたい、子どもが独立したので部屋数を減らしたい、といった希望がある人には、間取り変更をともなうリノベーションが適しています。
・住まいの性能をアップしたい
室内をすべて解体してから行うスケルトンリノベーションであれば、壁や床に断熱材追加して省エネルギー性能をしたり、建物の構造に耐震補強工事をしたりすることができます。
・新築同様にしたい
老朽化した内装や設備を入れ替えて、新築同様の空間にしたい人にはリノベーションがおすすめです。スケルトンリノベーションなら、自分好みのこだわりのインテリアや個性的な間取りも実現できます。
リフォームが向いている人
・工事費用を抑えたい
必要な箇所だけをリフォームすることで、予算の範囲内で住まいをリフレッシュすることができます。中古住宅ではキッチンや浴室といった水まわりに使用感が出やすいため、これらの設備を優先的に入れ替える人が多いようです。
・できるだけ早く入居したい
転職や子どもの入学時期などの事情からできるだけ早めに入居したい人には、部分リフォームが向いています。リフォームの範囲が狭く簡易な工事になるほど、工期も短くなります。
・今の住まいのイメージを変えたくない
室内を一新するリノベーションは住まいの印象を大きく変えてしまいます。今の間取りを気に入っている人、イメージを変えたくない、という人にはリフォームが向いているでしょう。
リノベーションの流れ
/スケジュール
ここでは、リノベーションを検討するの具体的な⼿順について解説いたします。
リノベーションの主な流れは以下の3ステージに分類できます。
STAGE1 |
ライフプラン&資⾦計画 |
STAGE2 |
具体的な使⽤の決定 |
STAGE3 |
⼯事着⼯&完成 |
リノベーションの種類によって流れは異なる場合がございますが、上記の3ステージを更に区分することができます。
ワンストップリノベーションを利⽤する場合、物件探しから完成までの流れは以下のような流れになります
- 1.ご相談(ヒアリング)・
ライフプラン&資⾦計画
- 2.物件探し・ローン審査
- 3.設計デザイナーによる間取りの
ご提案・プラン決定
- 4.仕様・設備の決定
- 5.解体後の確認
- 6.中間確認
- 7.最終確認
- 8.完成
1~2は個人差があるため一概には言えませんが、早い方で1~2か月程度かけます。仮に1~2を2ヶ月と想定した場合、1~8までのおおよその期間は6~7ヵ月となります。
各⼯程の詳細を知りたい⽅は、グローバルベイスの「マイリノ」ページを御覧ください。
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費用・予算別のリノベーション内容
さて、リノベーションとリフォームにはそれぞれどのぐらいの費用面での違いはあるのでしょうか。
結論から言うと、リノベーションだからこのぐらい、リフォームだからこのぐらい、という費用面の差はありません。
基本的にはそれぞれ工事規模により異なります。前述したとおり、リノベーションもリフォームも工事規模によって定義しているわけではありませんので、どっちがどっち、というわけではないのですね。
また、工事規模だけでなく、物件を購入するかどうかによっても総額の費用は異なります。(
こちらの記事では、物件購入とリノベーションを同時に実施した場合の費用を、さらには
ローンに関することはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ご参照ください。)ここでは、それぞれざっくりどれぐらいの費用をかければ、どれぐらいのリノベーション工事ができるかを見てみましょう。
費用 |
規模感 |
リノベーション内容 |
100~300万円 |
特定箇所 |
トイレ・キッチンなど 温度調節用便座 / 洗浄機付きトイレなど |
300~800万円 |
中規模工事 |
間取りの変更(3LDK→1LDK) / 子供部屋の増設など |
800~1000万円 |
大規模工事 |
各所設備のアップデート アイランドキッチンへの変更 / 食洗器の備え付け対応など |
1000万円以上 |
物件全体工事 |
各所設備のアップデート アイランドキッチンへの変更 / 食洗器の備え付け対応など + 間取りの変更(3LDK→1LDK) / 子供部屋の増設など |
費用100~300万円のリノベーション
部分的・局所的に工事をする場合は、これぐらいの費用でできます。
例えば、キッチンや洗面台の収納が水で傷んでいるので一新したい、トイレが昔ながらのものなので温度調節便座・洗浄機付きにしたい、といったときに実施するリノベーションです。また、収納スペースが少ないので、リビングの壁一面に改装し新たな収納スペースをつくる、といったこともこのぐらいの費用で実現できます。
費用300~800万円のリノベーション
こちらも部分的なリノベーションにはなりますが、もう少し大規模な工事が可能です。
この費用帯では、主に間取りの一部を変えるような内容になることが多いです。例えば、物件3LDKと部屋数はそこそこあるものの、ひとつひとつが手狭のため、壁をぶち抜いて1LDKにしたい、といった場合。あるいは、以前は広いリビングだったが、子供が大きくなったため個室を用意する必要があり、リビングを壁で仕切って部屋を増設する、といった場合。壁と床、裏側にある配線等をいじる必要がありますので、そうしたリノベーション工事にはこのぐらいの費用が必要になります。費用の幅が大きいのは、結局実現したいこととそこのどのぐらいの手間・工数がかかるかにより、費用が大きく異なる、ということです。
費用800~1,000万円のリノベーション
この費用帯では、全面変更とはいかずとも、かなり大きな改装をすることが可能です。
例えば、マンションの面積の大部分を占めるリビングが、昔ながらのデザインや設備で、住み心地や使い勝手があまりよくない、といった時も、このぐらいの費用をかければ多くの部分に手を入れるリノベーション工事が可能です。間取りの変更はもちろん、昔ながらのキッチンを好みのカラー・好みの機能を配したシステムキッチンに変更するとともに、食器洗い機やオーブンを設置する。あるいは
クローズ型のキッチンを人気の
オープン型のアイランドキッチンに変更する。床材に白い味のある木材を活用し、
西海岸風の部屋にする…などなど。このレベルの投資ができれば、単純な改装の域を超えて、かなり自分好みのデザイン・機能にすることができるでしょう。
費用1000万円以上のリノベーション
この費用帯であれば、平均的な中古マンションであれば物件全体に及ぶレベルで、
デザイン性・機能性の高いリノベーション工事が可能です。
一戸建てであればまた異なりますが、中古マンションであれば古い床材や部屋の内壁を取り除き、住んでいれば目に入ってこない配管・配線の交換といったところから、リノベーション工事が始めることができます。中古マンションであれば物件の骨格・構造部分を変更することはできませんが、裏側の配線・配管、床材や壁材を変更することで、取り返しのつかない水漏れなどのトラブルのリスクを低くすることができます。当然ながら、間取りを変更して、(配管の位置にもよりますが)水回りの変更、リビングを狭くしたり広くしたり、あるいは収納を増やしたり減らしたりするなど、部屋の内部構造を大きく変えることもできます。また、デザインや機能にもこだわって、自分好みのテイストを導入したり、設備機器を新しいものに一新し、新築並の住み心地も実現できるでしょう。一般的にイメージされるリノベーション工事というのは、この規模のものが多いですね。