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ディスポーザーとは?デメリットやメリット、リノベーション時の注意点を解説!

ディスポーザーとは?デメリットやメリット、リノベーション時の注意点を解説!

マンションの広告などで、「キッチンにディスポーザー付き」と記載されていることがあります。ディスポーザーとはどのような設備なのでしょうか?この記事では、ディスポーザーがもたらす便利さと、知っておきたい注意点、リノベーション時のポイントについて詳しく解説していきます。

こんな方におすすめの記事です
  • ディスポーザーのメリット・デメリットを知りたい
  • ディスポーザーの使用法やメンテナンスについて知りたい
  • ディスポーザーを設置する際の注意点を知りたい

■ディスポーザーとは

ディスポーザーは、キッチンのシンク下に取り付ける、生ゴミを処理するための設備です。排水口から野菜の切れ端や食べ残しなどの生ゴミを投入し、処理します。

ディスポーザーを使用するには、生ゴミをシンクの排水口に投入し、水を流して本体のスイッチをオン。内蔵されたブレード(刃)が回転することで生ゴミを細かく粉砕し、排水管を通じて敷地内に設けた専用の処理槽に流れ込みます。そこで適切に分解されたあとに、処理水が公共下水道や浄化槽に流れていくという仕組みです。

・ディスポーザーの基本的な仕組み

家庭用のディスポーザーには、生ゴミを次々と投入できる「連続投入方式」と、ゴミを入れた後にふたを閉じてスイッチを押す「一括投入式」の2種類があります。一般的なディスポーザーでは、三角コーナーに溜まった程度の生ゴミであれば一度に60秒ほどで処理することが可能です。

特に一括投入式のディスポーザーは、ふたがスイッチの機能も果たしていることから、安全性が高いです。そのため、近年販売されているディスポーザーは、どなたでも安心して使用できる一括投入式が主流となっています。

【連続投入方式ディスポーザー】のおもな使用手順
(1)水道から毎分約8リットルの水を流す
(2)ディスポーザーの運転スイッチをオンにする
(3)生ゴミを排水口に少しずつ入れて粉砕していく
(4)粉砕したら、さらに15秒間ほど運転を続けた後スイッチと水を止める

【一括投入式ディスポーザー】のおもな使用手順
(1)ディスポーザーへ生ゴミを一度に入れる
(2)水道から毎分約8リットルの水を流す
(3)排水口にふたをセットする
(4)ふたをスイッチ位置に入れて、生ゴミを粉砕する
(5)終了したらふたを取り外して、水を止める

・ディスポーザーの設置費用

ディスポーザーの本体価格は、5万円から15万円程度が目安です。それに加えて、工事費用が3万円から5万円ほどかかります。ただし、キッチンのタイプや既存の配管の状態によっては、追加費用が必要になることもあります。工事業者に見積もりを依頼する際には、ディスポーザーの本体価格、工事費用、出張費、部品代などの内訳を提示してもらい、総額がどれくらいになるのか明確にしてもらうことが重要です。

多くはありませんが、ディスポーザーの設置に助成金を交付している自治体もあります。お住まいの市区町村の役所窓口やウェブサイトで確認してみるとよいでしょう。

また、ディスポーザーを撤去する場合にかかる費用は、2万5,000円から3万円程度が目安となります。ただし、マンションなどの集合住宅では、ディスポーザーの使用を前提とした規則が設けられていることもあるため、注意が必要です。まずは管理規約等を確認してみましょう。

・ディスポーザーの普及状況

不動産データ会社「東京カンテイ」によると、新築マンションにおけるディスポーザーの普及率は首都圏がもっとも高くなっています。2011年以降、首都圏に新築された戸数規模100戸以上のマンションでは、約70%にディスポーザーが設置されているそうです。

出典:マンションの設備機器の設置率を過去10年の変化で追う③│東京カンテイ

■ディスポーザーのメリット

キッチンにディスポーザーを導入するメリットは、おもにキッチンの清潔さと利便性を大きく向上できることです。

・キッチンの清潔度の向上

ディスポーザーを使えばキッチンまわりの清掃が格段に楽になります。通常、キッチンの三角コーナーは頻繁に掃除しないと、すぐにカビが生えたりヌルヌルの汚れが付着したりしてしまうもの。「見るのも嫌」という方も少なくないのではないでしょうか。ディスポーザーがあれば生ゴミをその場で処理できるため、三角コーナーが不要になり、その分掃除の手間が減ります。

・ニオイや害虫の発生を防ぐ

通常、キッチンで出た生ゴミはゴミ出しの日まで自宅で保管することになります。ゴミ箱から漂う腐敗臭や、コバエやゴキブリといった害虫に悩まされる方も少なくないでしょう。ディスポーザーによって生ゴミがなくなれば、悪臭や害虫の発生を防止でき、ゴミ箱の汚れも大幅に軽減できます。また、ごみステーションでのカラスなどによるゴミの散乱も減らせます。

・生ゴミの削減と環境への貢献

ゴミ出しの手間が省けることもディスポーザーの大きなメリットです。一般的に、家庭から出るゴミのおよそ3分の1(重さによる比率)は生ゴミと言われているため、ディスポーザーを使用すれば、ゴミの量が大幅に減らすことができます。生ゴミを家から持ち出す必要がなくなり、ゴミ出しの頻度や手間も軽減できるでしょう。

通常、生ゴミは自治体で回収され、廃棄物処理場で燃えるゴミ(燃やすゴミ)として処理されますが、この際ゴミを高温で完全燃焼することが義務付けられています。これは、有害物質の「ダイオキシン」類が、低温でゴミを焼却する際に発生しやすいためです。生ゴミは多量の水分を含んでいるため、火力の低下につながるという問題をはらんでいます。つまり、生ゴミを削減することがダイオキシンの発生を防ぎ環境負荷の低減につながるのです。

■ディスポーザーのデメリット

・設置コストと電気代

キッチンでディスポーザーを使用するには、初期費用(設置費用)に加えて毎月のランニングコストがかかります。設置費用の目安は、本体価格(5〜15万円ほど)工事費用(3〜5万円ほど)の合計です。そのほか出張料や部品代等が必要な場合もあります。

ランニングコストについては、ディスポーザーのメーカーやモデルによって消費電力は異なるのですが、1日に2〜3回の使用で、水道料金と電気料金の合計が月額数百円から1,000円程度アップすることになります。

また、ディスポーザーを適切に機能させるためには、排水処理システムと定期的なメンテナンスが欠かせません。敷地内への処理施設の設置費用に加えて、維持管理や清掃費用がかかり、マンション等の場合は毎月の管理費に加算されることになります。たとえその月にディスポーザーを使用しなかった場合や、ディスポーザーを設置していない世帯であっても、管理費の金額は変わりません。

戸建ての場合、排水処理施設の設置費用は100万円ほど、維持管理や清掃にかかる費用は年間10〜40万円ほどです。マンション等の場合は戸数の規模が大きくなるほど費用も高くなりますが、入居者が共同で使用するため一戸あたりの負担金額は割安になります。

・適切な使用方法を知らないと故障の原因に

ディスポーザーはキッチンでの生ゴミ処理に非常に便利な機器ですが、不適切な使い方をすると、機器の故障や排水管のトラブルの原因になる場合があります。定められた手順を守り、必ず水を流しながら使用しましょう。

ディスポーザーには食器やカトラリーなどを入れてはいけません。食器が割れた際の破片や、スプーンやフォークなどは、機器内のブレードを破損させる可能性があります。ゴミを投入する際には、これらが混入しないよう注意しましょう。適切に使用することで機器の寿命を延ばし、キッチンを清潔に保つことができます。

・特定のゴミは処理不可

また、ディスポーザーはすべての生ゴミを粉砕できるわけではないため、注意が必要です。硬いもの(カニの殻や大きな貝殻・骨など)、弾力があるもの(生の魚や鶏の皮、大量のご飯、タコ・イカなど)、繊維質の強いもの(トウモロコシの皮、栗の鬼皮、枝豆のさや、切り花の枝など)は、ディスポーザー内で適切に処理されず、故障や詰まりの原因になります。また、ディスポーザーの一部モデルには卵の殻や小さな貝殻(アサリ・シジミなど)を処理できない製品もあるため、取扱説明書をよく確認してください。

さらに、熱湯や調理に使用した油といった高温のものを流すと、ディスポーザーの変形や水漏れを引き起こす可能性があります。最後に、生ゴミ以外の物はディスポーザーに入れないようにしましょう。食品の包装材(ビニール、発泡スチロールトレーなど)、紙類(キッチンペーパーなど)、石や砂、タバコの吸殻などは、粉砕できなかったり、排水管の詰まりの原因になったりすることがあります。

■リノベーション時のディスポーザー設置の注意点

・適切なディスポーザーを選ぶこと

いくつかのメーカーからディスポーザーが販売されており、製品ごとに推奨総世帯人数の目安が記載されています。ディスポーザーを設置・交換する際は、1回に処理する生ゴミの量や家族の人数に合ったものを選びましょう。推奨人数を超えた環境で長期間使用を続けると、不具合が生じやすくなり、劣化を早める原因になります。

生ゴミの量に対して処理能力が低いディスポーザーを選んでしまうと、使い勝手の悪さから結局設置し直すことになる場合もあります。

・設置スペースとキッチンの構造を配慮すること

ディスポーザーはキッチンの排水口につなぐため、シンク下に設置スペースを確保する必要があります。シンク下の収納が開き戸(扉)の場合は問題ありませんが、引き出し収納の場合は、ディスポーザーの設置場所を確保するための加工が必要になる場合があります。キッチンメーカーがディスポーザー用の特殊な形状の引き出しも用意しているため、キッチンごとリフォーム・リノベーションする場合はそちらを選ぶと良いでしょう。

また、シンクの排水溝が標準的な口径の丸形であれば、基本的にそのまま設置することが可能ですが、キッチンメーカー独自の形状の場合は、特殊な加工が必要になります。

さらに、ディスポーザーに接続するためのコンセントが必要です。シンク下に電源がない場合は、電気工事でコンセントを設けるか、延長コードでつなぐことになります。

・保守・メンテナンスの考慮すること

ほかの家電製品と同様に、ディスポーザーには保証期間が定められています。保証期間内の自然な故障であれば、無償で修理を受けることが可能です。ディスポーザーの耐用年数は、一般的な使用状況で7〜8年ほどといわれています。もちろんその期間を過ぎても、不具合が生じなければ長く使い続けることが可能です。ただし多くのディスポーザーメーカーでは部品の最低保有期間を6〜7年ほどに定めているため、その期間を過ぎた古い製品は、交換部品がなく修理不可能になります。

故障の予兆としては、稼働時に異音が聞こえる、水の流れが悪い、といった症状があります。説明書に記載された方法でトラブルが解消できない場合は、業者に点検を依頼しましょう。10年近く使用しているディスポーザーに不具合が生じた場合は、修理よりも買い替えを検討したほうが良いかもしれません。ディスポーザーを長く使うためには、推奨された使用方法を守り、定期的な清掃を行うことが大切です。

■ディスポーザー設置のお手入れに関して

シンクを掃除するのと同様に、ディスポーザーもお手入れしましょう。日頃の清掃方法としては、まず電源を切り、スポンジに台所用中性洗剤を使用して投入口まわりとふたを洗います。あまりディスポーザーを使用しない場合でも、1日1回水を流しながら1分ほど空運転させましょう。

週に1回ほどは、粉砕室の半分くらいの氷を入れ、水を流さずに運転することで内部をキレイにすることができます。長期間不在にする場合は、特に入念にお手入れしておくのがおすすめです。

ディスポーザーのお手入れは原則的に中性洗剤を使用しましょう。熱湯や強い薬剤(漂白剤、パイプ洗浄剤の原液等)はディスポーザーを傷めたり、処理槽のバクテリアに悪影響を及ぼしたりする可能性があります。安全性の高い洗剤としては、重曹やクエン酸がおすすめです。氷によるメンテナンスの際に、重曹とクエン酸を振りかけてから運転します。

■ディスポーザー設置の実例

・マンションにおける設置例

マンションにおける設置例

ホワイトで統一した爽やかなキッチンにディスポーザーを設置した事例です。正面にバルコニーの大きな窓があるため、眺望を楽しみながら家事ができます。

落ち着いた色調のシックなキッチンにディスポーザーを設置した事例

落ち着いた色調のシックなキッチンにディスポーザーを設置した事例です。コンロの前に壁があるため、煙やニオイの広がりを防ぐことができます。

タワーマンションにディスポーザーを設置した事例

タワーマンションにディスポーザーを設置した事例です。動線が短く作業効率が良いL字型キッチンとなっています。

・高級リノベーション時の設置例

高級リノベーション時の設置例

タワーマンションのディスポーザー事例です。独立キッチンのため、調理に集中できます。背面に大容量のカップボードを設けました。

40階建てマンション最上階のディスポーザー設置事例

40階建てマンション最上階のディスポーザー設置事例です。スタイリッシュな田中工藝製システムキッチンを採用しています。

開放的な対面キッチンにディスポーザーを設置した事例

開放的な対面キッチンにディスポーザーを設置した事例です。約18.6帖の伸びやかなLDKに自然光があふれます。

■まとめ:ディスポーザー設置を検討する際のポイント

ディスポーザー設置のポイントをまとめると下記のとおりになります。

・設置場所の確認:キッチンのシンク下に十分なスペースがあるか確認する
・電源の確保:ディスポーザーの運転には電源が必要
・設置コスト:ディスポーザー本体の費用のほか工事費用がかかる
・運用コスト:毎月のランニングコスト(電気代、水道代)も考慮する
・メンテナンス:正しい使用方法を守り、定期的な清掃と点検をする

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編集者: 山口美智子

ウェブデザイナーを経て2014年よりフリーライターに。おもに住まいに関する記事を執筆しています。猫が大好きで、自宅のDIYリフォームが趣味。
監修者:原田 直生之
宅地建物取引士の有資格者。

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