天井や壁がガラス張りのコンサバトリーは、自然光を取り入れた屋外と屋内をつなぐ空間です。本来のコンサバトリーは戸建てに設けられるものですが、マンションでもコンサバトリーに近い空間が設けられていることがあります。
ここでは戸建てで設置されるコンサバトリーを中心に取り上げながら、マンションにコンサバトリーを取り入れたリノベーション事例についても触れていきます。
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コンサバトリーは現在ではガーデニングのための温室として使われるほか、セカンドダイニングやセカンドリビングなど、住まいの一部として設けられています。コンサバトリーの定義や歴史についてみていきます。
コンサバトリー(conservatory)とは、温室やサンルーム、貯蔵庫といった意味を持つ言葉です。もともとコンサバトリーは庭に張り出すように造られた、天井や壁がガラス張りの空間をいい、一部屋分の広さがあります。
ただし、「コンサバトリー=サンルーム」ではありません。サンルームよりも広く、庭に突き出すように設けられたもののみをコンサバトリーと呼ぶこともあります。
昨今ではコンサバトリーは住まいの一部として設けられ、屋外と屋内をつなぐ空間としても位置付けられています。コンサバトリーは温室やサンルーム以外にも、第二のダイニングやリビングのほか、趣味のスペースなどの多目的スペースとしても用いられています。
コンサバトリーが生まれたのは、18世紀ごろのイギリスとされています。コンサバトリーは、もともとは南国の果物や植物の貯蔵庫として設けられていました。その後、コンサバトリーは、植物を育てるための温室として使われるようになりました。
さらに建築技術が発達したことにより、コンサバトリーは住まいの一部として発展してきました。現代ではコンサバトリーは庭とリビングをつなぐ住空間として設けられることが多く、快適に過ごせるようにエアコンなどが設置されていることもあります。
また、日本では広義の意味になりますが、マンションのインナーテラスもコンサバトリーのように活用できる空間として、図面集などでコンサバトリーと表記されることが一般的になってきました。
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詳しくはこちら>>リノベーションなどでコンサバトリーを設けると、明るく開放的な室内空間ができるため、冬場でもリラックスして過ごせる空間ができることがメリットです。また、コンサバトリーの設置による居住性の向上から、資産価値がアップすることも期待されます。
コンサバトリーを設けると、住まいに自然光を取り入れた明るく開放的な室内空間がつくれることがメリットです。
コンサバトリーは空や庭などの自然に触れながら、リビングやダイニングの延長として活用できる場所です。セカンドリビングとしてお茶を飲んだり、セカンドダイニングとして食事を楽しんだりするなどして過ごすことができます。
また、本来のコンサバトリーの用途とは異なりますが、洗濯物を干す場所としても向いています。コンサバトリーなら雨や花粉の付着の心配をすることなく、室内干しで自然光で洗濯物を乾かすことが可能です。
コンサバトリーはガラス張りの空間のため、季節を問わず明るい空間が広がることもメリットです。日照時間が短い冬でも自然光を取り入れたリラックススペースとして、あたたかな環境で過ごせます。日差しの中でまどろんで過ごせるスペースとなります。
また、LDKと隣接してコンサバトリーを設けた場合には、リビングダイニングまで冬場でも自然光が差し込むことが期待できます。コンサバトリーを設けると、夏場はコンサバトリー自体は日差しがきついケースもありますが、隣接するリビングダイニングにはやわらいだ自然光が入ることもメリットといえます。
リノベーションでコンサバトリーを設けると、居住スペースが広がるため、家の資産価値が向上することが期待できます。単純にコンサバトリーの分だけ、床面積が広がるだけではありません。室内と外をつなぐコンサバトリーはセカンドダイニングやセカンドリビングとして活用できるなど、心地よく過ごせる空間があることで、住まいの居住性が高まることが魅力です。
ただし、実際に資産価値が向上するかはケースバイケースです。住み心地の向上による住宅の価値の向上が資産価値の向上につながる可能性があるというくらいに捉えておきましょう。
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詳しくはこちら>>コンサバトリーはガラス張りの空間なゆえ、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けやすいことがデメリットです。断熱対策などを講じることで快適性がアップしますが、相応の費用がかかります。また、ガラスをきれいに保つにはメンテナンス費用も必要です。
コンサバトリーは冬でも日差しが差し込みやすいことがメリットですが、一方で夏は過度に暑く、冬は冷え込む可能性がある点がデメリットです。ガラス張りのため、サッシやガラスの断熱対策をとらなければ、夏は熱が流入しやすく、冬は熱が流出しやすい空間となります。さらにエアコンを設置していても、冷房も暖房も効きにくいなど冷暖房効率が悪いことから過ごしにくさを感じる可能性があり、夏や冬に電気代が高くなりやすいこともデメリットに挙げられます。
コンサバトリーを設置するには、工法や仕様、大きさにもよりますが、100万円~300万円程度の高額な費用が必要です。費用を抑えるには屋根にポリカーボネートを使用する方法もあります。
また、コンサバトリーはガラス張りのため、こまめにメンテナンスを行わないと、汚れが目立ちやすいこともデメリットです。キレイに保つには自分で掃除をするほか、届きにくい天井などの清掃のために専門業者などに清掃を依頼したりするなど、手間や維持費がかかります。
コンサバトリーを1年を通して快適に過ごせる空間にするには、保温性や遮熱性を考慮する必要があります。過断熱性の高いサッシや2枚のガラスの間に中空層のある複層ガラスを採用する方法もありますが、一般的なサッシやガラスよりも費用がアップすることがデメリットです。
また、夏に過ごしやすくするには、風が抜けるような設計にするなど、コンサバトリーだけではなく、快適に過ごすための対策は住まい全体の通風・換気計画にも関わります。
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詳しくはこちら>>新築マンションには、コンサバトリーが設けられていることもありますが、中古マンションにもコンサバトリーに近い機能を持つ空間を設けることは可能です。中古物件をリノベーションしてコンサバトリーを設けたグローバルベイスの事例を紹介します。
植物との暮らしに特化したリノベーションプラン『GREEN DAYS』により、リノベーションでバルコニーとリビングの間に、インナーバルコニーとしてコンサバトリーを設けた事例です。室内緑化とソファなどの家具の設置により、植物に囲まれながら縁側のようにくつろいで過ごせる、コンサバトリーらしい空間を実現しています。
コンサバトリーとリビングとの間は全面をガラス戸にしているため、リビングにも明るい光が降り注いでいます。
窓際の洋室の一部だった場所をリノベーションで、インナーテラスとして多目的に活用できるコンサバトリーにした事例です。
リノベーションで間取りを大胆に変更し、洋室はLDKの一部となりましたが、出っ張っている部分があり、2方向に窓があることから、部屋の形状を活かすために生まれたアイデアです。こちらの事例もLDKとの間をガラス戸として、光が通るつくりとしています。
楽器の演奏を楽しむほか、テーブルを置いて仕事をすることもあるなど、多様な用途で活用されています。
リノベーションで広い洗面室を確保し、コンサバトリーと呼べるような明るい室内空間を確保した事例です。窓側には洗濯機の設置スペースがあり、洗濯物を干すこともできるようなゆとりがあります。
さらに、洗面台の前はたとえば、イージーチェアを置いたり、フローリング部分でヨガやピラティスなどを楽しんだりすることもできる広さがあります。一室分のゆとりある洗面室のため、お風呂上りのリラックスタイムを過ごす場所としても、洗濯物を干すスペースとしても、多目的に活用できます。
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詳しくはこちら>>コンサバトリーは天井や壁がガラス張りの空間のため、快適に過ごせる空間にするには工夫が必要です。日差しが強く入り過ぎないように設置する位置を考慮するほか、ガラスやサッシによる断熱対策や設備の導入を検討しましょう。
コンサバトリーはガラス張りが基本。サッシは樹脂製など、断熱性に優れたものを選びます。また、ガラスは2枚のガラスの間に中空層のある複層ガラス、あるいは室内側のガラスに特殊な金属膜をコーティングすることで断熱性をより高めたLow-E複層ガラスなどを選びましょう。
ガラス以外の選択肢では、複層ポリカーボネートが挙げられます。ポリカーボネートは衝撃に強く紫外線カットに優れた素材で、複層ポリカーボネートは断熱性もあります。ただし、ポリカーボネートは光を透過するものの、ガラスと比較すると透明度に劣るため、屋根への使用に向いています。
日本では、コンサバトリーを設置する際に方角や周辺環境を考慮することが大切です。たとえば、南向きにコンサバトリーを設置すると、夏はほぼ真上から日光が差し込みます。気候や周辺環境によっては日当たりが良すぎてしまい、日差しが強くて過ごしにくい空間になってしまう可能性がある点に注意が必要です。
周辺環境による対策としては、コンサバトリーを設ける場所を検討する際に、既存の庭の樹木の木陰を利用できる位置に計画します。あるいはコンサバトリーの近くに木陰をつくるための樹木を植える計画を立てると、室内環境の面でも景観の面でも役立ちます。
コンサバトリーはガラス張りのため、サッシやガラス以外の省エネ対策として、日よけとしてルーフカーテンやカーテン、ブラインドの設置が挙げられます。季節や天気、時間帯に応じて、日差しの入り具合をルーフカーテンやブラインドなどで調整すると、室内で快適に過ごしやすくなります。
また、コンサバトリーは熱がこもりやすいため、通気口や通気窓を設けて換気扇や換気システムを設置すると、室温の上昇を抑えられるほか、結露対策としても有効です。暑さ対策・寒さ対策としてエアコンを設置する際には、サーキュレーターを併用することで、冷暖房効率を高めることができます。
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詳しくはこちら>>コンサバトリーをリノベーションなどで設置すると、明るく開放的な空間がつくれ、ガーデニングスペースやセカンドリビング、セカンドダイニング、パーティースペース、趣味の部屋など、多用途で活用できるのが魅力です。
ただし、リノベーションでコンサバトリーを防火地域や準防火地域に増築する場合や、10平米を超える増築となる場合には、建築確認申請が必要となります。また、コンサバトリーの増築によって、固定資産税が上がる可能性がある点にも注意が必要です。
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詳しくはこちら>>グローバルベイスでは、中古マンションのリノベーションでインナーテラスなどのコンサバトリーを設けた豊富な実績があります。グローバルベイスは設計力や施工力に定評があり、機能的でデザイン性に優れたリノベーションを得意としています。コンサバトリーに関しても、家族構成やライフスタイル、嗜好などを踏まえて、理想のカタチを実現します。
コンサバトリーを設けた住まいへのリノベーションも、ぜひグローバルベイスにご相談ください。