日本を代表する高級商業地・銀座。買い物や観光地としてのイメージが強い一方で、近年は住まいとしての関心も高まりつつあります。しかし、地価や物件価格の高さ、日常生活の利便性、治安や子育て環境など、気になるポイントも多いエリアです。この記事では、2025年最新の地価推移やマンション相場、丁目別の街の個性、教育・治安の実情まで詳しく解説。銀座での暮らしを検討している方へ、参考になるデータと判断材料をお届けします。
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銀座は日本を代表する商業エリアでありながら、住まいとしての魅力も兼ね備えた街です。高級ブランドショップが並ぶ一方で、裏通りには落ち着いた雰囲気もあり、交通や生活利便性にも優れています。老舗文化と国際性が共存する、洗練された都市空間です。
江戸時代に銀貨の鋳造所が置かれたことが、「銀座」の名の由来です。明治以降に西洋文化の象徴として発展し、日本初のレンガ街や電灯が設置された先進的な街でもあります。戦後は商業地として再生し、現在では世界有数の高級ブランド街へと進化。松屋や三越といった老舗百貨店とルイ・ヴィトンやシャネルなどの海外高級ブランドが共存する姿は、銀座ならではの品格と歴史の積み重ねを象徴しています。
銀座は東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線をはじめとした複数路線が交差し、都内各所へのアクセスは抜群。ファッションやグルメはもちろん、明治屋や成城石井といった高級スーパー、区役所や保健所もあり生活インフラが整備されています。静かな裏通りには落ち着いた住環境が広がり、都心でありながら利便性と居住性を両立した街といえるでしょう。
銀座は1丁目から8丁目まであり、それぞれに異なる表情を持ちます。銀座1〜3丁目はオフィスと高級マンションが共存し、銀座4丁目は商業の中心地。5〜6丁目はブランド街の象徴的エリアであり、7〜8丁目は老舗の飲食店とオフィス街が混在する落ち着いた雰囲気です。比較的小規模な建物が多く、静かな環境を保っています。
銀座1〜3丁目はオフィスビルが多く立ち並ぶ一方、高級マンションも点在するエリアです。銀座一丁目駅や有楽町駅に近いことから交通利便性も抜群。商業と住宅が共存するため、都心に住みながら働く環境が整っており、投資用物件としても人気です。とくに銀座1丁目は銀座内でも比較的居住者数が多いエリアとなっています。
銀座4丁目は、銀座を象徴するエリアです。和光や銀座三越、銀座プレイスといったショッピング施設が集まり、観光客や買い物客で常に賑わいます。土地価格は日本で最も高く、住宅用途の建物はたいへん少ないですが、ビルの上階に住戸が設けられているケースもあります。タワーマンションのような大規模住宅はなく、商業地に溶け込むように暮らすエリアです。
銀座5〜6丁目は、銀座でも屈指のハイブランドエリアです。複合商業施設のGINZA SIXのほかエルメス、グッチといった高級ブランドの路面店があり、エリア全体に洗練された空気が漂います。住居はたいへん希少ですが、一部のビルの上階にリノベーションされた住戸やサービスアパートメント(賃貸住宅とホテルの中間のような機能を持つ住居)が存在することがあります。静かで格式高い環境を好む富裕層に選ばれる立地です。
銀座7〜8丁目は、新橋寄りに位置するエリア。高級クラブやバーが軒を連ねる夜の街としての顔を持ちます。一方で、老舗の和菓子店や個人経営の飲食店も多く、どこか下町の風情も感じられます。オフィスビルのなかにマンションも点在し、静かに暮らしたい人にとっては意外な穴場。新橋駅へのアクセスも良く、通勤にも便利な立地です。
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詳しくはこちら>>銀座は全国でも最も地価が高いエリアとして知られています。国土交通省が定める2025年(令和7年)の平均公示地価は、2,700万円/㎡でした。なかでも山野楽器本店前(銀座4丁目)は6,050万円/㎡となり、過去最高を記録。19年連続の全国1位で、坪単価に換算すると約2億円となります。2020年から2021年はコロナ禍で若干の下落があったものの、その後はインバウンドの回復や再開発によって持ち直し、2024年には再び上昇傾向に転じています。今後も地価は安定的な高水準を維持すると予想されています。
出典:全国の土地の価格 4年連続上昇 去年より上昇率が拡大│NHKニュース
銀座の公示地価平均は、コロナ禍により2021年から2022年にかけて一時的に下落。その後はインバウンドや都心回帰の流れもあり、2025年には2,700万円/㎡とバブル期以来の高水準となりました。地価の下落幅が小さく、回復が早かった点からも、銀座が極めて資産性の高いエリアであることが分かります。
年 | 公示地価平均 | 変動率平均 |
---|---|---|
2021年(令和3年) | 2,597万8,182円/㎡ | -7.11% |
2022年(令和4年) | 2,395万0,000円/㎡ | -2.22% |
2023年(令和5年) | 2,423万0,000円/㎡ | +1.21% |
2024年(令和6年) | 2,504万3,333円/㎡ | +3.51% |
2025年(令和7年) | 2,700万7,500円/㎡ | +8.22% |
東京を代表するエリアの地価は軒並み上昇していますが、そのなかでも銀座の地価の高さは際立っています。2025年公示地価の平均値で比較すると、銀座(中央区)は約2,700万円/㎡(前年比+8.22%)と突出しており、他エリアを大きく上回ります。
例えば、新宿駅周辺(新宿区)の約1,413万円/㎡(+8.88%)、渋谷駅周辺(渋谷区)の約918万円(+13.88%)など、変動率平均は銀座よりも高いのですが地価の高さは及びません。そのほか、六本木(港区)は約505万円/㎡(+10.57%)、南青山(港区)は約714万円/㎡(+9.98%)、代官山駅周辺(渋谷区)は約326万円/㎡(+12.92%)に留まります。銀座は他の高級エリアと比べても数倍以上の地価水準。土地の希少性と商業価値の高さを物語っています。
エリア | 公示地価平均 | 変動率平均 |
---|---|---|
銀座(中央区) | 2,700万7,500円/㎡ | +8.22% |
新宿駅周辺(新宿区) | 1,413万0,714円/㎡ | +8.88% |
渋谷駅周辺(渋谷区) | 918万6,666円/㎡ | +13.88% |
六本木(港区) | 505万5,000円/㎡ | +10.57% |
南青山(港区) | 714万8,750円/㎡ | +9.98% |
代官山駅周辺(渋谷区) | 326万6,666円/㎡ | +12.92% |
出典:不動産情報ライブラリ(国土交通省)より作成
銀座の地価や物件価格を押し上げている要因のひとつが、外国人投資家や日本国内の富裕層の需要です。とくにアジア圏からの高額投資が増えており、銀座の商業施設や高級マンションが購入・賃貸対象となっています。観光地としての魅力も相まって、インバウンド需要が不動産市場を後押ししているのです。再開発によるホテル・レジデンス一体型施設の増加もその傾向を示しており、富裕層の資産保全としても人気が高まっています。
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詳しくはこちら>>銀座エリアのマンション市場は、新築・中古ともに高価格帯で推移しています。新築物件は供給数が限られており、希少性と立地ブランドにより高額での取引が一般的です。一方、中古市場では築年数や立地により価格帯に幅があり、リノベーション済物件も含めて多様なニーズに応える形で流通しています。
中央区全体で見ると新築分譲マンションの供給は一定数ありますが、なかでも銀座エリアの物件はたいへん希少です。不動産情報サービスのLIFULL HOME’Sによると、中央区における2024年時点の新築マンションの平均価格は1億5,741万円(70㎡換算で1億6,709万円)に達しており、銀座エリアではそれ以上となるケースが一般的です。住戸数の少なさや立地の希少性から、販売開始と同時に完売する物件も多く、富裕層を中心に高い人気を維持しています。
出典:LIFULL HOME’Sが東京23区の2024年新築マンション1㎡あたりの価格上昇率を調査│LIFULL
銀座エリアでは、中古マンションも高水準で取引されています。国土交通省の不動産情報ライブラリによると、2024年の中古マンションの平均成約価格は6,235万円、平均面積は39㎡でした。70㎡に換算すると1億1,171万円となります。特に立地に優れた物件は高値が付き、築年数別でみると築浅物件は高額・高流動性、築古物件はリノベーション需要が高い傾向があります。
築10年以内の銀座のマンションは、設備・管理水準ともにハイグレードで、1㎡あたり150〜160万円が相場。立地や階数により変動がありますが、港区・千代田区などと並ぶ最上位ゾーンといえる価格帯です。とくに銀座1〜3丁目エリアでは、オフィス機能との共存が評価され、投資用・実需両面で人気があります。築浅物件は流通数が少ないため、売却時のリセールバリューも高く、資産保全目的でも注目されています。
築20年以上の中古マンションは、価格の割安感からリノベーションを前提とした購入が増加傾向にあります。なかには1㎡あたり100万円前後で購入できる物件もあり、内装や設備を刷新することで新築同等の快適性を実現可能です。特に銀座7〜8丁目エリアは、静かな住環境や下町的な親しみやすさがあり、居住志向の高い層に人気。古い物件であっても立地の資産価値が高いため、リノベーションによる資産性向上が期待できます。
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詳しくはこちら>>銀座は観光地・商業地として知られる一方で、居住者にとっても利便性や治安の良さも魅力です。教育や子育て環境も充実し、中央区の手厚い支援制度によって、都心でありながら安心して暮らせる街として注目されています。
関連リンク:中央区(東京都)のリノベ済中古マンションの購入ならリノコレ
銀座に住む最大の魅力は、全国屈指の地価を誇る一等地に居住できる資産性の高さにあります。さらに、交通アクセスの利便性や洗練された街並み、高級店が立ち並ぶ豊かな都市生活も魅力です。一方で、物件価格・管理費・物価などは高く、生活費は割高になります。
銀座の不動産は、日本の中でも希少性が高く、長期的に見て価格下落のリスクが小さいと予想されます。土地供給が限られる一等地のため高い資産価値を保ち続ける可能性が高く、資産保全の観点からも有利です。また、海外の富裕層を含む購入希望者が多く、リセールバリューにも優れています。居住用だけでなく投資対象としても注目されるエリアです。
銀座は東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線のほか、有楽町線、都営浅草線など複数路線が利用可能で、都内主要エリアへのアクセスが抜群。東京駅までは徒歩圏内、新橋や有楽町へも数分で移動でき、ビジネスやレジャーの拠点としてたいへん優れた立地です。電車のほか、バス・タクシーと多様な移動手段が選べます。
銀座といえば、世界的ブランドが軒を連ねるハイエンドなショッピングエリア。ルイ・ヴィトンやシャネルといった高級店に加え、和光や銀座三越といった老舗百貨店も健在です。街並みは清潔感があり、イルミネーションや並木などの景観整備も行き届いています。洗練された都市美と豊かな文化が共存しており、住まいとしての銀座には“特別感”が漂います。非日常を日常にできる、そんな暮らしを求める人にとって理想的なエリアです。
銀座のマンションは、物件自体の価格が都心最高水準のうえ、毎月の管理費・修繕積立金も高額です。ハイグレード物件では、共用部の設備が豪華なケースが多く、それに見合った維持コストが求められます。新築時点の管理費・積立金は比較的低めに設定される傾向があり、築年数の経過と共に値上がりすることも。マンション自体の価格はもちろん、長期的なランニングコストを見越して資金計画を立てる必要があります。
銀座には高級レストランや専門店が多く、食料品や日用品の買い物も割高になりがちです。近年はディスカウントスーパー「オーケー」銀座店が出店し、ドラッグストアなども増えてきましたが、それでも“生活密着型”の店舗は限定的です。家族向けのチェーンスーパーや手ごろな飲食店を求める方には、不便さを感じることもあるかもしれません。生活コスト全体が高めである点は、事前に理解しておく必要があります。
銀座は昼夜を問わず人通りが多く、特に観光地や繁華街としての中心部では、常に賑やかさがあります。特に近年はインバウンド需要の伸びが大きく、平日も週末も人の流れが絶えません。また、商業ビルが密集しているため、眺望や採光に制限がある場合もあります。静かな環境を求める場合は、裏通りや7〜8丁目など比較的落ち着いたエリアを検討するとよいでしょう。
子育てインフラに関して、中央区では東京23区の中でも手厚い支援を実施しています。例えば、妊娠した時に出産応援ギフト(妊婦1人につき5万円分)、出産した時に子育て応援ギフト(子ども1人につき10万円分)を支給しています。また、区内の未就学児を対象にベビーシッター利用料の一部(月20時間まで1時間2,500円上限)を補助。保育園の待機児童対策にも積極的で、2024年時点で、待機児童数ゼロを維持しています。
銀座5丁目に所在する泰明(たいめい)小学校は、1878年創立の歴史ある中央区立の小学校です。銀座1~8丁目の学区をカバーしており、中央区在住であれば学区外からの通学も可能な「特認校」に指定されています。その建物は歴史的建造物に指定されており、少人数制の教育や地域との交流活動も充実。教育環境の高さから毎年希望者が多く、抽選で通学枠が決まるほどの人気校です。2018年には制服に高級ブランド「アルマーニ」が採用されたことで全国的な話題にもなりました。
銀座エリアには数は少ないながらも、小規模な児童遊園や憩いの場となる公園が点在。銀座緑地、銀座わかば児童遊園など、都心の中での貴重な自然空間を提供しています。また、中央区役所のある築地や京橋エリアには大病院や休日診療所も整っており、医療体制も万全です。銀座は昼間の人口がたいへん多く賑やかな反面、居住者は限られるため行政サービスが行き届きやすいことから、「意外と住みやすい」という声もあります。
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詳しくはこちら>>銀座でのマンション購入の買い時はいつなのでしょうか。地価が高水準を維持している今、下落を待つうちに買い時を逃してしまう可能性もあります。市場の動向を見極めつつ、実需か投資かの目的に合ったタイミングを考えることがポイントです。
銀座の地価は安定した推移を見せており、2021から2022年にはコロナ禍の影響を受けつつも、2024年には過去最高価格を更新しました。この背景には、インバウンド需要の再拡大や再開発、外資系資本の流入が挙げられます。今後も景気動向に左右される側面はありますが、銀座という立地ブランドの強さ、国内外の富裕層からの継続的な関心により、大きな値下がりは起こりにくいと見られています。とくに供給が限られる居住用物件においては、希少性が価格の下支えとなるでしょう。
実需(自ら住む目的)で購入を検討する場合、マンション価格の上下よりも「希望条件に合致した物件が出た時」が最良のタイミングといえます。銀座のように流通量が少ないエリアでは、タイミングを逃すと再び同じ物件に出会えないことも珍しくありません。一方、投資目的であれば、金利やインフレ、為替動向なども視野に入れた中長期的視点が必要です。例えば2025年以降、住宅ローンの金利が上昇局面となり相場が一時的な調整に入る可能性もあります。ただし、銀座は賃貸需要も安定しており、長期保有によるリターンを見込む投資家にとっては引き続き魅力的なマーケットです。
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詳しくはこちら>>銀座は日本を代表するプレミアムエリアであり、地価・物件価格ともに常に高水準で推移しています。今後も大きな値下がりは見込まれにくく、購入を検討する際は不動産相場を読むよりも、良い物件との出会いを重視した柔軟な姿勢が大切です。実需・投資のいずれにおいても、立地の希少性と資産性の高さを活かせる物件に出会えたときが、買い時といえるでしょう。
資産価値の下がりにくい中古マンションやリノベ済物件をお探しの方は、以下リンクもおすすめです。