U型キッチン(コの字型)のメリット・デメリットは？使いやすさや施工事例や費用を紹介

キッチンのレイアウトは、料理をスムーズかつ快適に進めるためにとても重要です。そのなかでU型キッチンは、作業動線を短くすることができ、料理好きの方に人気があります。この記事ではU型キッチンのメリットやデメリットに加え、おしゃれな施工事例や費用などについて詳しく解説していきます。

■U型キッチンとは？

U型キッチンとは、アルファベットのUの字のようなレイアウトのキッチン。3つのキャビネットが作業する人を三方向から取り囲むようにコの字型に配置されています。

一般的なI型やII型キッチンと比べると、U型キッチンは作業中の動線が短いのが特徴。まるで飛行機のコックピットのように、必要な物にすぐ手が届くレイアウトです。

【他のキッチンレイアウト】
I型キッチン：シンクやコンロが1列に並んだキッチン。
II型キッチン：シンク側とコンロ側の前後2列に分かれたキッチン。
L型キッチン：シンク側とコンロ側がL字型にレイアウトされたキッチン。

■U型キッチンのメリットとは？

・メリット①作業動線が短い

U型キッチンでは真ん中に人が立ち、正面と左右に作業台・シンク・コンロが位置しています。そのため体の向きを変えるだけで「シンクで野菜を洗って、作業台で下拵えをし、コンロで炒める」といった一連の作業が完結するのが大きなメリットです。

I型やII型のキッチンだと、どうしても左右に移動することが多くなります。移動の少ないU型キッチンは、家事を効率よく進めたい方や、1人で料理に集中したい方におすすめのレイアウトです。

・メリット②調理スペースが広い

I型キッチンはキャビネットが1つ、II型やL型キッチンはキャビネットが2つ。それに対してU型キッチンは、全部で3つのキャビネットからなります。

そのためU型キッチンを選ぶと、調理スペースが広くとれるメリットも。数種類のおかずを同時につくったり、コンロの隣にお皿を置いて盛りつけたりと、作業スペースがたくさんほしい方はU型キッチンも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。大家族でたくさんお皿を並べるご家庭にもおすすめです。

またリビング側と対面するカウンターを広めにとれば、簡易的なテーブルとして使うこともできます。リビング側に椅子を並べて、朝ごはんやティータイムを楽しんだり来客をもてなしたりとさまざまな活用方法があります。

・メリット③収納スペースが多い

U型キッチンはキャビネットが多い分、収納スペースが増えるのも大きなメリットです。吊り戸棚や壁面収納を組み合わせれば、さらに収納スペースは大容量に。システムキッチンの引き出し収納と吊り戸棚だけですべてのお皿や調理器具が収納できれば、食器棚が必要なくなるかもしれません。

■U型キッチンのデメリットとは？

・デメリット①広い設置スペースが必要

U型キッチンは、I型などのシンプルなキッチンに比べて広い設置スペースが必要です。

例えばI型の壁付けキッチン（間口255cm、奥行き65cm）の場合、通路60cmを含めても約1.8畳で設置できます。これを間口255cmのU型キッチンにリフォームすると、奥行きは65cm＋通路60cm＋65cmで合計190cmも必要です。設置面積は約2.7畳と、約1.5倍に増えます。

I型キッチン：間口255cm×奥行き125cm≒3.2㎡（約1.8畳）
U型キッチン：間口255cm×奥行き190cm≒4.8㎡（約2.7畳）→設置面積が約1.5倍に！

そのためLDKの広さによっては、U型キッチンにリフォームするとリビングやダイニングが狭く感じることも。設置スペースに合わせて小さいサイズのU型キッチンを選んだ結果、作業性が落ちる可能性もあるでしょう。U型キッチンにリフォームするなら、設置スペースに問題がないかしっかりと確認する必要があります。

・デメリット②コーナーがデッドスペースになりやすい

U型キッチンで注意したいのが、角（コーナー）が2つあること。キャビネット収納の角の部分は、奥まで手が届きづらいこともあって、デッドスペースになりがちです。頻繁に使う調理器具や調味料をしまうのには不向きなため、食料品のストック品や重箱のような使用頻度の低い物を置くとよいでしょう。

またワークトップ上も、角の部分は使いこなすのが難しい場所。ホームベーカリーやコーヒーメーカーなど、比較的コンパクトな家電なら設置しやすいかもしれません。またコーナーラックを置いて調味料を並べるのも一つの手です。

・デメリット③キッチン本体が高め

同じくらいのサイズ感のキッチンを比較したときに、一番コストパフォーマンスがいいのはI型キッチン。U型キッチンは直線型やL字型のキッチンと比べると、高価になることが多いでしょう。

これはU型キッチンが他のキッチンよりもたくさんのカウンターや収納があって、設計や製造にもコストがかかるからです。コストを抑えるなら、L型キッチンにキャビネットなどを組み合わせてU型のように見せる方法もあります。

・デメリット④複数人での作業が難しい

U型キッチンの出入り口は一箇所のみ。どちらかというと1人で調理に集中したい方向けのレイアウトなので、複数人でキッチンに立つと作業がしづらいかもしれません。

広い作業スペースとスムーズな動線のどちらも叶えたい場合は、壁付けのL型キッチンにアイランドタイプの作業台をプラスする方法もあります。作業台の周囲をぐるりと歩ける回遊動線になるため、複数人でも作業しやすくなるでしょう。

■U型キッチンの工事費用

U型キッチンのリフォーム費用は、150〜200万円程度が目安です。システムキッチン本体の価格に加えて、既存キッチンの解体費用・給排水管工事費用・新しいキッチンの設置費用などがかかります。

キッチンを入れ替えるだけでなく、天井や壁のクロス、床のフローリングを張り替えると、その分リフォーム費用は大きくなります。リビングやダイニングと同時にリフォームされる場合も、面積が増える分トータルの費用は増えるでしょう。キッチンの位置変更を伴う場合は、移動距離が長いほど、配管・配線工事の手間がかかるため割高になりやすいです。

■U型キッチン選びのポイント

・ポイント①レイアウト

まず重要なのが、3辺のどこを壁付け・対面にするかです。3辺のうち2辺を壁につけて、残り1辺をダイニング側と対面にすれば、バーやカフェのカウンターのように使うことができます。2辺を対面にすれば、さらに大人数でカウンター席に座ることも可能です。

そして考えておきたいのが、コンロやシンクの位置関係。ダイニング側に油や水が飛び散るのが気になる場合は、どちらも壁付け部分に配置するとよいでしょう。コンロとシンクは横並びでもよいですし、90度に並べると体の向きを回転させるだけで作業ができます。

・ポイント②間口と奥行き

U型キッチンを設置するスペースの間口と奥行きを測定して、キッチンのサイズを決めましょう。このとき食材や調理器具を運ぶのに、十分な通路幅をとることが大切です。

各ワークトップの奥行きは、60〜65cm程度が一般的。広めにつくって対面に椅子を置けば、ダイニングテーブルやカウンターとして使うこともできます。ワークトップの奥行きを大きくとるとたくさんの食器や食材を並べられますが、カウンターの反対側に手が届きにくくなるので気をつけましょう。

・ポイント③デザイン

U型キッチンは特に存在感が大きいので、色や素材選びもとても大切です。リビングダイニングとキッチンが同じ空間にある場合は、そちらの内装や家具とも調和するように選びましょう。

例えば木目調の面材を選べば、リビングとも調和する温もり感のあるキッチンに。ステンレスを多用したキッチンなら、すっきりとスタイリッシュな印象を持たせることができます。対面する部分は「リビング側から手元が見えるタイプ」と「腰壁で手元を隠せるタイプ」があるので、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

■U型キッチンの施工事例

ここからはグローバルベイスが手がけたU型キッチンのおしゃれな施工事例をご紹介します。レイアウトやデザインなど、ぜひ参考にされてください。

・事例①北欧風の大きなU型キッチン

まずご紹介するのは、麻布十番の角部屋のリノベーション事例です。まわりにはオーガーニックスーパーなどもあるおしゃれな立地ということで、お料理好きな方をイメージした大きなU型キッチンを設置しました。作業スペースも広いので、複数人での作業もストレスフリー。お友達を呼んでホームパーティーなども楽しんでいただけそうです。

白いU型キッチンや吊り戸棚に合わせたのは、上品な薄藍色の壁紙。爽やかさの中にも落ち着きを感じられる、北欧風のキッチンに仕上げました。上下に収納を設けているので、作業台の上は常にすっきり。空いたスペースには、調理器具やお気に入りの雑貨などを飾って、自分好みの空間をお楽しみいただけます。

→こちらのリノベーション事例を詳しく見る

・事例②収納たっぷりのシックなU型キッチン

次にご紹介するのは、大阪市の大規模マンションのリノベーション事例。13.2帖のLDから少し奥まった場所に、独立型のU型キッチンを設置しました。3方向を壁に囲まれているので、料理に集中したい方や、リビングへのにおい移りが気になる方、水や油はねを抑えたい方にもおすすめのレイアウトです。

天板は、傷が付きにくくお手入れも楽々な人工大理石を採用。真っ白なので、食材や料理がおいしそうに見えるのもうれしいポイントです。調理器具や食品ストックを収納できるように、上下にはたっぷりと収納を設けました。

換気扇と吊り戸棚は、天板に合わせて真っ白に。濃いブラウンのキャビネットで、落ち着いた雰囲気に仕上げました。

→こちらのリノベーション事例を詳しく見る

・事例③L型キッチン＋作業台でU型に

最後にご紹介するのは、L型キッチンに作業台をプラスすることで、U型のレイアウトをつくった事例です。コンロ近くに作業台をプラスしたことで、作業効率がぐんとアップ！家族分のお皿をずらりと並べれば、フライパンからの盛り付けもスムーズです。

全体的に白色でまとめたキッチンに、木目とシルバーでアクセントを効かせたのがポイント。作業台の収納スペースには扉がないので、よく使うものの収納や見せる収納にもおすすめです。

→こちらのリノベーション事例を詳しく見る

■まとめ

3つのキャビネットに取り囲まれるような形で作業をするU型キッチン。まるで飛行機のコックピットのように、少ない移動で料理や片付けができます。U型キッチンを選ぶときは、人がスムーズに動けるレイアウトやサイズ感を考えることが大切です。またキャビネットが3つある分、非常にキッチンの存在感が大きくなるため、他のインテリアと調和するようなデザインを選ぶとよいでしょう。

■U型キッチンのリノベーションならグローバルベイスへ

キッチンをリノベーションするとき、成功のカギを握るのがリノベーション会社選びです。それぞれの会社に得意分野があるので、各社のホームページやカタログを見て「自分の希望するリノベーションが叶えられそうか？」「U型キッチンの施工事例があるか？」などを確認しましょう。

グローバルベイスのオーダーメイドのリノベーションサービス「マイリノ」では、都心部を中心とした中古マンション探しから資金計画、設計、施工までをワンストップで提供しています。U型キッチンを含めたオリジナリティのある住まいを手に入れたいと考えている方は、ぜひご相談ください。