玄関の土間部分の仕上げとしてよく使われる材料のひとつにタイルがあります。掃除がしやすく、耐久性があって長持ちするのが特徴。デザインや質感のバリエーションも豊富で、さまざまなテイストの玄関をつくれる床材です。今回はそんなタイルを使ったおしゃれな玄関のリノベーション事例や、玄関にタイルを使うメリット・デメリット・費用を他の床材と比較しながらご紹介します。
CONTENTS
玄関床の仕上げ材にはタイル・モルタル・石などがありますが、そのなかでもよく使われるのがタイル。粘土などを板状に成形して、高温で焼いた素材です。タイルは吸水性の高さによって、3種類に分けられます。玄関でよく使われるのは、土足で歩けて水濡れにも対応できる磁器質・せっ器質タイルです。
タイルの種類 | 吸水率 | 特徴 |
---|---|---|
I類(磁器質) | 3%以下 | 最も硬く、水気に強い。叩くと金属のような澄んだ音がする。 |
Ⅱ類(せっ器質) | 10%以下 | 磁器と陶器の中間。陶器に比べると硬い。 |
Ⅲ類(陶器質) | 50%以下 | 細かい穴がたくさん空いており、水を吸いやすい。叩くと濁った音がする。 |
※一般的には「磁器質・せっ器質・陶器質」の方が馴染み深いですが、2008年のJIS規格改正によりI〜Ⅲ類という呼び名に変わりました。厳密には同じ意味ではありませんが、今回はおおまかな分類として「I類(磁器質)・II類(せっ器質)・Ⅲ類(陶器質)」と表示します。
タイルの種類を選ぶとき参考になるのが、メーカーのカタログに記載されている適正表示です。例えば「屋外床○・屋内床◎・浴室床×・屋外壁×・屋内壁×」といったように、各商品がどんな使用場所に適しているかが記載されています。玄関床は室内ではあるものの雨水が持ち込まれたり濡れた靴で歩いたりすることがあるので、「屋外床」での使用に適したタイルを選ぶのがおすすめです。
ちなみに合成樹脂でできた塩ビタイルも販売されていますが、上記の陶磁器のタイルとは全く別物。塩ビタイルはカッターで切れるような柔らかい素材で、DIYでも扱いやすいので既存の玄関タイルの上から貼ってイメージチェンジするのによく使われます。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>高温で焼かれたタイルは、数ある建材のなかでもとくに丈夫です。毎日靴やベビーカーで擦られても経年劣化しにくく、長期間にわたって美しさを保つことができます。
また玄関土間は雨や雪で濡れることがありますが、タイルは水や汚れを吸い込みにくく清潔に保つことができます。頻繁に張替えや修繕をする必要もなく、長い目で見てコストパフォーマンスがよいのもメリットです。
玄関タイルの表面は滑らか。汚れやシミがつきにくく、掃除も比較的簡単なのも大きなメリットです。ほうきで掃いたり濡らした雑巾やメラミンスポンジで拭いたりするだけで、ほとんどの汚れを取ることができます。
タイルの他によく採用されるモルタル仕上げは、表面が粗いため汚れやシミが付きやすく、きれいに保つにはこまめな掃除が必要です。また天然石は、石の種類によって水分でシミができたり洗剤が使えなかったりと、慎重な取り扱いが必要なことも。メンテナンスが簡単な床材を選びたい方には、タイルがとてもおすすめです。
玄関タイルにはさまざまなデザインがあり、好みにあわせて魅力的なエントランスをつくることができます。例えば、ホワイトやグレーなどの単色の玄関タイルは、シンプルで洗練されたイメージ。大理石調タイルは華やかかつ上品で、ホテルライクな玄関にしてくれます。
南欧風住宅やナチュラルなインテリアによく合わせられるのが、オレンジがかった素焼きのテラコッタタイル。本物のテラコッタタイルは素焼きで吸水率が高いため、玄関ではムラのある色味や質感を再現したテラコッタ風タイルを選ぶことが多いでしょう。
よく玄関の床に使われるのは、10〜30cm角の正方形のタイル。広い玄関に大判のタイルを合わせると、より豪華な印象を与えることができます。長方形のタイルをヘリンボーン柄に並べたり、数種類のタイルで模様をつくったりと、遊び心ある玄関をつくることも可能です。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>玄関床は、靴についた泥汚れや玄関ドアから入ってくる砂埃などで、非常に汚れやすい場所です。単色の玄関タイルを選ぶと、汚れが目立ってしまうこともあります。
汚れの目立ちにくさを考えると、大理石調のような柄の入ったタイルがおすすめ。黒や白に比べると、グレーやテラコッタのような中間色の方が汚れは目立ちにくいでしょう。
・デメリット②濡れると滑りやすいものもある
表面がツルツルしているタイルは、雨で濡れると滑りやすいことも。基本的に屋外床に適したタイルは少しザラザラしているので、そういった滑りにくいものを選びましょう。
ただし表面の凹凸に汚れが引っかかると、掃除が大変です。滑りにくさと掃除のしやすさ、両方のバランスがいいタイルを選ばれるとよいでしょう。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>玄関タイルの金額はサイズやデザインによっても変わりますが、1㎡あたり5,000円〜が相場。この他にもタイルや目地を施工する費用、既存タイルの解体費用や処分費用、下地をモルタルで整える費用などがかかります。
玄関床の種類 | 張替え費用 |
---|---|
タイル | 材料費:約5,000円 /㎡〜 工事費:約5,000円/㎡〜 |
モルタル | 材料費+工事費:約3,500円/㎡〜 |
大理石 | 材料費:約2万5,000円/㎡〜 工事費:約1万3,000円/㎡〜 |
※この他にかかる既存床材の解体費用、処分費用、下地モルタル塗りの費用などは、状況によって異なります。
上の表のとおり、最もリフォーム費用が安いのはモルタル仕上げ。大理石などの石張りは、材料費・工事費ともにタイル張りよりも高くなる傾向にあります。リフォーム箇所の状態や使用する材料によっても費用は変動するため、まずはリフォーム会社に予算を伝えてプランと見積もりを作成してもらいましょう。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>ここからはグローバルベイスが手がけた、おしゃれな玄関タイルのリノベーション事例をご紹介します。
まずご紹介するのは、東京都品川区にあるマンションリノベーション事例。玄関・洗面・トイレにホワイトの床タイルを取り入れました。大判のタイルは目地が少なく、お手入れもラクラク。光沢感のあるタイルは高級感があり、光が反射するので玄関を明るく見せてくれる効果もあります。
次にご紹介するのは、南欧のリゾート住宅を彷彿とさせる、乱形の玄関タイルを使ったリノベーション事例です。天然石を割ったような風合いで、四角形のタイルに比べてナチュラルな雰囲気をつくることができます。玄関を入って正面の壁は、LDKと同じ白レンガのデザイン。それ以外の壁を白ではなくグレーにすることで、白(玄関タイル・煉瓦)とグレー(壁)のコントラストが生まれて素敵です。
最後にご紹介するのは、平成10年に建てられたマンションのリノベーション事例。古い建物を手直ししながら住む海外インテリアの雰囲気を出すために、既存の玄関タイルをあえて残しました。ヴィンテージ感の出てきたタイルと、アースカラーの壁紙、こっくりとした深みのあるブラウンのフローリングのバランスが絶妙。古いものと新しいものをうまくミックスさせた、リノベーションならではの味わい深い空間になりました。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>玄関は家の第一印象を決める場所。汚れがつきにくく掃除もしやすいタイルなら、いつでも清潔な玄関でお客様をお出迎えできます。色柄やサイズによっても玄関の雰囲気が変わるので、リフォーム会社の施工事例やメーカーのカタログなども参考にしながら、お気に入りのタイルを見つけましょう。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>グローバルベイスでは都心部でデザイン性にこだわったマンションリノベーションを多く手がけております。カリフォルニアテイスト・ヴィンテージテイスト・モダンテイスト・ナチュラルテイスト……と幅広いテイストに対応できるのも特徴です。リノベーションの雰囲気を体感できるショールームもご用意しておりますので、ぜひお越しください。