モルタル仕上げの玄関は、インダストリアルスタイルの住まいなどへのリノベーションでよく取り入れられています。モルタル仕上げはスタイリッシュでおしゃれなイメージがありますが、デメリットがあることを知っておくことが大切です。
モルタル仕上げの玄関のメリットやデメリットを押さえたうえで、リノベーション事例を紹介していきます。
CONTENTS
モルタルとはセメントと砂に水を加えて、ペースト状に練ったものをいいます。似たような建材にコンクリートがありますが、セメントと砂、砂利に水を加えて練ったものです。つまり、モルタルとコンクリートは、砂利が含まれているかどうかという違いがあります。
また、用途をみていくと、モルタルは下地材や仕上げ材として使われる建材です。レンガを積むときの接着剤、壁や床にタイルを貼るときの下地のほか、仕上げ材としては外壁や内壁、土間などの床に使われています。壁の仕上げ方法には吹き付けや左官仕上げがあります。
一方、コンクリートは建物の基礎や鉄筋コンクリート造の建物の柱や梁、壁、床スラブといった構造材のほか、駐車場の床などに使われている建材です。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>玄関の床材はモルタルよりも、タイルや石が主流です。しかし、モルタル仕上げの玄関はデザイン性が高く、スタイリッシュな空間を演出できることが、床や壁などの仕上げ材として選ばれる大きな理由にもなっています。クールな印象のあるモルタルは、温かみのある木製家具との相性がよいこともメリット。外部空間と内部空間のつながりを作りやすい素材でもあります。
お手入れの面でもモルタルは汚れが目立ちにくく、掃除がしやすいというメリットがあります。暖めると熱を蓄える蓄熱性に優れた素材です。さらにモルタルは、タイル貼りにするよりも、コストを削減できることからも選ばれています。
こうしたモルタル仕上げの玄関のメリットについて、一つひとつ詳しくみていきます。
モルタルは無機質な素材で独特の風合いのよさがあり、シンプルでデザイン性が高い空間をつくれることがメリットです。木との組み合わせは相性がよく、リノベーションでインダストリアルスタイルやカフェスタイルといった、カッコイイ空間を目指したいときに向いている素材です。
モルタルを床に用いる場合はフラットに仕上げることが一般的ですが、壁では扇仕上げなどコテを使って曲線や直線の模様による変化をつけることもできます。
玄関は靴の裏についた土がつきやすい汚れやすい場所です。モルタルを床の仕上げ材にすると、土汚れが目立ちにくく、防塵塗料を使用していれば水汚れにも強いというメリットがあります。
また、モルタルで床をフラットに仕上げている場合には、タイルのような目地がないことから掃除もしやすいです。ただし、表面の仕上げによっては、水を撒いてデッキブラシやたわしでこすって掃除をする方法もありますが、マンションでは下の階へ水漏れする恐れがあるため、水を撒くのはNGです。
玄関をモルタル仕上げにすると、費用が抑えられることもメリットに挙げられます。タイルや石を施工する際には、モルタルを下地材として貼ります。これに対して大まかにいうと、モルタルはモルタル自体が仕上げ材になります。そのため、モルタルはタイルや石を床材にする場合と比較して、材料費も施工費用も抑えられます。
リノベーション費用を抑えて、スタイリッシュな玄関にしたいときにはモルタルが選択肢の一つとなります。
モルタルはシンプルで、外部空間と内部空間のつながりを作りやすい素材です。玄関を広めにとって土足で過ごせる土間スペースとする場合に、床の仕上げを外構でも使われているモルタルにすると、外部空間と内部空間のつながりが感じられます。
土間スペースは広さにもよりますが、外で使う自転車やキャンプ用品、ベビーカー、スケートボード、ゴルフバッグ、スーツケースなどを置く場所、あるいは作業スペースなどとして活用できます。
無機質でシンプルなモルタルは洗練されたイメージがある一方で、冷たい印象を与えることもあります。しかし、モルタルは木製家具との相性がよく、組み合わせることでクールでありながらも温かみのある雰囲気を演出できます。
先述したインダストリアルスタイルやカフェスタイルでも、モルタルやコンクリートと木の組み合わせは定番です。玄関の床においても、土間のモルタルとホールのフローリング、あるいは家具では木製のベンチやスツールは相性のよいコーディネートです。
モルタルは冷たい印象がある建材ですが、コンクリートと同様に熱を蓄える蓄熱効果に優れた床材です。玄関に床暖房を入れるのは一般的ではありませんが、床暖房を使用して床を暖めると、温度が下がりにくいため、暖かい状態に保つことができます。
また、戸建てなどでは薪ストーブや、木の粉を円筒状に圧縮して固めた木質ペレットを燃やすペレットストーブを設置した場合も同様です。ストーブをつけて床面が一度暖まると、消した後もある程度の間は暖かい状態を維持できます。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>デザイン性やコスト、メンテナンスなどの機能性といった面で、多くのメリットがあるモルタル仕上げの玄関ですが、一方でデメリットもあります。
モルタルを床材として使うと、住まいのデザインによっては安っぽく見えてしまうことが考えられます。また、モルタルは対策を講じてもひび割れする可能性があり、補修などの必要がある点もデメリットに挙げられます。
このほかには玄関では大きなデメリットではありませんが、モルタルを床材に使用すると、硬いことや底冷えがしやすいことから、過ごしにくいと感じるケースも考えられます。
リノベーションなどでモルタル仕上げの玄関にすることを検討する際には、こうしたデメリットも知っておきましょう。
モルタルはタイルや石といった仕上げ材を使っていないことから、安っぽくみられてしまうこともあります。
モルタル仕上げの玄関がチープな印象を与えるか、スタイリッシュでおしゃれな空間に見えるかは、住まいのデザインによる部分が大きいです。デザイン性が高く、工事の質も高く、きれいに仕上げられていると、「安っぽい」というよりも、「洗練されておしゃれ」な空間を実現しやすいです。玄関に置く、スツールやベンチなどの家具やアートなどの装飾物にもこだわることもポイントです。
モルタルは蓄熱効果の高い素材ではありますが、それは暖めた場合のことです。モルタルは、夏はひんやりとする一方、冬に冷え込みやすいこともデメリットです。日が当たる玄関では、ある程度、日中は暖かさを保てますが、日が入らない玄関では底冷えがしやすい状態になります。
玄関を土間として設けていて長く過ごすことがある場合には、底冷えが気になる可能性があります。
モルタルを床材に使用している場合に限ったことではありませんが、外断熱がされていない戸建てや古いマンションでは、断熱材を入れることで過ごしやすくなります。
モルタルは見てのごとく硬い素材です。そのため、硬さが暮らしにくさにつながる可能性がある点もデメリットに挙げられます。床が硬い素材の場合は足腰が疲れやすい、ガラスや陶器のアイテムを落としたときに割れやすいといったデメリットがあります。
ただし、玄関の土間では靴を履いていることが多いのが一般的です。また、モルタルはフローリングよりも硬い素材ですが、玄関の土間の床材に使われることが多いタイルや石とは大差がありません。
モルタルはひび割れがしやすい素材です。ひび割れが起こる原因として、モルタルが乾燥や収縮を繰り返すことや地震といった理由が挙げられます。
ひび割れもデザインと割りきるという考え方もありますが、水が染み込みやすくなるなど、劣化が進む要因になります。ひび割れが起きた場合には補修や塗装などのメンテナンスが必要です。ひび割れを防ぐには目地を入れる、メッシュを敷く、ひび割れ防止剤を入れるといった対策もありますが、完全に防げるわけではありません。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>玄関の床材をリノベーションする際には、既存の床材の撤去費用や処分費用、養生費や運搬費、新しい床材や下地などの材料費や施工費用のほか、諸費用という項目が設けられることがあります。既存の床材がタイルや石の場合には、撤去・処分費用は2万円~3万円程度が相場です。養生費や運搬費は数千円程度が目安になります。また、諸費用が発生する場合には、全体の費用の1割程度とされるのが一般的です。新しい床材の材料費や施工費用といった工事費用は、使用する床材の種類によって大きく異なります。
床材としてのモルタルは比較的安価な建材です。一般的に玄関の床材に使われることの多い素材では、金額の高い方から石、タイル、モルタルという順番になります。
モルタルの場合の工事費用は、材料費を含めて1平米あたり3,000円〜5,000円が相場です。モルタルの厚みをはじめ、下地や表面に塗布する塗料などによって費用が変わるほか、職人の腕による費用の違いもあります。また、通常のモルタルよりも、黒粉を混ぜた黒モルタルといったカラーモルタルは費用がアップします。
これに対してタイルの場合の工事費用の相場は材料費を含め、1平米あたり15,000円~2万5,000円です。石の場合は材料費を含めて、1平米あたり2万円~6万円程度と幅があります。
リノベーション費用が予算に合わず、コストを削減する必要がある場合にも、玄関をモルタルにすることが選択肢となります。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>玄関でモルタルは土間に使われることが多いですが、内壁にも使用するケースもみられます。玄関にモルタルを使用する事例は、土間を広くとって収納スペースや作業スペースなどとして活用するケースが目立ちます。モルタルの床は、靴やアウトドア用品などを収納するためのオープン収納との相性がよいです。一方で広さが限られた玄関でも、シンプルなモルタルを用いることで広く感じられることもあります。
モルタル仕上げの玄関では、インテリアスタイルはインダストリアルスタイルやカフェスタイルが中心です。異素材である木と組わせて、クールな印象のモルタルに温かみをプラスすることが多いです。
そんなおしゃれなモルタル仕上げの玄関にリノベーションした事例を紹介します。
壁2面に棚を設置し、靴や外で使用するものをしまえる収納力のある広々とした土間を設けた玄関の事例です。
玄関ドアの正面側はキャンプ道具などの収納場所。カーテンレールが設置されているため、隠すこともできます。
玄関の床だけではなく、内壁にもモルタルを用いた事例です。モルタルと合わせた、ホール部分のヘリンボーン貼りの床が映えています。モルタルの左官仕上げの内壁は一部が扇仕上げで、空間のアクセントになっています。
上がり框のないフラットな玄関を設けた事例です。水回り以外には建具が設けられていない、67平米の広いワンルームという間取り。玄関の床材をモルタルとフローリングで切り換えることで、靴を脱ぐ場所を視覚的に判断できます。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>玄関の床などの仕上げでモルタルはデザイン性の高さから、インダストリアルスタイルなどのカッコイイ住まいを実現したい方を中心に人気がある素材です。木製家具との相性のよさも魅力です。
しかし、モルタルは下地としても使われている建材でもあることから、安っぽく見えてしまう可能性もあるため、デザイン性を重視したリノベーションを行いたい場合に向いているといえます。
また、モルタルは対策を施しても、乾燥と収縮を繰り返すことでひび割れを起こしてしまう可能性があり、劣化を進行させないためには補修や塗装などのメンテナンスが必要です。そうしたデメリットも理解したうえで、モルタル仕上げの玄関へのリノベーションを検討しましょう。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>インダストリアルスタイルやカフェスタイルなどに取り入れられることが多い、モルタル仕上げの玄関はグローバルベイスが得意とするデザインの一つです。これまでにモルタル仕上げの玄関の豊富なリノベーション実績があります。お客様のライフスタイルや嗜好に合わせて、オリジナルのリノベーションプランを提案できます。
リノベーションでモルタル仕上げの玄関などを取り入れたスタイリッシュな住まいの実現に向けて、ぜひ、お気軽にご相談ください。