新ZEH(GX ZEH)とは?2027年新基準の内容と従来ZEHとの違いをわかりやすく解説

新ZEH(GX ZEH)とは?2027年新基準の内容と従来ZEHとの違いをわかりやすく解説
こんな方におすすめの記事です
  • GX ZEH(新ZEH)の概要を知りたい方
  • 従来のZEHとの違いを整理したい方
  • GX志向型住宅との関係を分かりやすく理解したい方
  • 今後の省エネ基準や脱炭素政策の方向性を知りたい方
  • 中古住宅の購入やリノベーションで省エネ性能を重視したい方

■ 記事のまとめ

GX ZEHは、ZEHをベースに省エネ性能をさらに高めた住宅水準です。断熱性能や一次エネルギー削減率の条件が見直されており、より高い性能が求められます。

ただし、性能を高めることでコストや設計条件への配慮が必要になる場合もあります。これから住まいづくりやリノベーションを検討する際には、GX ZEHの考え方を参考にしながら、住宅性能と暮らしやすさのバランスを考えることが大切です。

【この記事のポイント】
・GX ZEHはZEHをベースに省エネ性能を強化した住宅水準
・断熱等性能等級6以上、一次エネルギー削減率は35%以上がひとつの目安
・従来のZEHよりも高い性能が求められる
・光熱費削減や将来の住宅基準への対応が期待される

■ 新ZEH(GX ZEH)とは?

GX ZEH(ジーエックス・ゼッチ)は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の考え方をもとに、住宅の省エネ性能をより高めた水準を示すものです。近年、住宅分野でもエネルギー消費を抑える住まいづくりが求められており、GX ZEHはその流れの中で位置づけられた住宅性能の考え方のひとつといえます。

GXとは「グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)」を指す言葉で、化石燃料への依存を減らしながら、再生可能エネルギーを活用した社会へ移行していく政策の方向性です。政府はこのGXの方針のもと、住宅・建築物の分野でもエネルギー消費の削減を重要なテーマとしています。

GX ZEHは補助金制度や認定制度の名称ではなく、住宅の省エネ性能の水準を示す定義です。従来のZEHよりも断熱性能や省エネ性能が高いレベルを想定しており、住宅の性能向上によってエネルギー消費を抑える住まいを目指しています。

例えば、断熱性能は「断熱等性能等級6以上」、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率は「35%以上」といった水準です。住宅の断熱性や設備効率を高めることで、家庭で使用するエネルギー量を抑えることが狙いです。

参照:経済産業省「GX ZEH・GX ZEH-M 定義(戸建住宅・集合住宅)」(令和7年9月)

・GX政策と住宅の関係

GX政策は、温室効果ガスの排出削減を進めるために、社会全体のエネルギー利用を見直していく国の方針です。発電や産業だけでなく、住宅や建築物の分野も重要な対象とされています。住宅では冷暖房や給湯など日常生活の中で多くのエネルギーを使用するため、省エネ化の取り組みが欠かせません。

政府資料でも、住宅分野では断熱性能の向上や高効率設備の導入、再生可能エネルギーの活用などを進めることで、エネルギー消費量を削減していく考え方が示されています。

参照:経済産業省|更なる省エネ・非化石転換・DRの促進に向けた政策について(P5)

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■ 従来ZEHとの違い

GX ZEHでは、従来のZEHと比べて求められる省エネ性能の水準が高くなっています。具体的には、断熱性能や一次エネルギー削減率(再エネを除く)の基準が引き上げられているほか、エネルギーの使い方や管理まで含めた考え方が取り入れられている点が特徴です。

従来のZEHとの違いを表で整理すると、次のようになります。

項目従来のZEHGX ZEH
断熱性能断熱等性能等級5以上断熱等性能等級6以上
一次エネルギー削減率
(再エネ除く)
20%以上35%以上
一次エネルギー削減率
(再エネ含む)
ZEH:100%以上
Nearly ZEH:75%以上
GX ZEH+:115%以上
GX ZEH:100%以上
Nearly GX ZEH:75%以上
設備要件特に要件なし(ZEH+では要件あり)HEMS・定置用蓄電池が必須

ここからは、それぞれの違いについて詳しく見ていきます。

・違い1:断熱・一次エネ基準

GX ZEHでは、断熱性能と一次エネルギー削減率の水準が、従来のZEHよりも一段高く設定されています。断熱性能は等級6以上が目安とされており、ZEHで基準とされてきた等級5以上よりも高い水準です。
また、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率も、ZEHの20%以上に対し、GX ZEHでは35%以上が求められています。
このようにGX ZEHでは、住宅そのものの断熱性や設備性能を高めることで、エネルギー消費をより抑える考え方が重視されています。

・違い2:評価指標の強化

GX ZEHでは、断熱性能や設備性能に加え、エネルギーの管理や活用も重視されています。具体的には、家庭内の電力使用状況を把握するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入と、定置用蓄電池の設置(GX ZEH Orientedを除く)が必須要件として定められる見込みです。

このようにGX ZEHは、住宅性能の向上だけでなく、エネルギーの使い方まで含めて評価する考え方といえます。

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■ GX志向型住宅との違い

GX志向型住宅は、令和6年度補正予算で制度化された住宅区分です。補助金の実施は環境省が主管し、国土交通省と連携。経済産業省も含む3省連携の「住宅省エネキャンペーン」の一環として、「子育てグリーン住宅支援事業(2025年度)」から「みらいエコ住宅2026事業(2026年度)」と引き継がれて現在も実施中です。断熱等性能等級6以上、一次エネルギー削減率35%以上といったGX ZEHと同等の性能要件を持ちますが、蓄電池は必須要件ではありません。

GX ZEHは、経済産業省・資源エネルギー庁が2025年に定義した、ZEHの新しい性能定義です。2027年4月からの新規認証が予定されています。断熱等性能等級や一次エネルギー削減率の要件はGX志向型住宅と共通する部分が多い一方で、定置用蓄電池(初期実効容量5kWh以上)の設置が必須となっている点が大きく異なります。

項目GX志向型住宅GX ZEH
断熱性能断熱等性能等級6以上断熱等性能等級6以上
一次エネルギー消費量削減率
(再エネ除く)
35%以上35%以上
一次エネルギー消費量削減率
(再エネ含む)
一般地:100%以上
寒冷地・低日射地:75%以上
多雪地・都市狭小地:要件なし
一般地・高性能(GX ZEH+):115%以上
一般地・標準(GX ZEH):100%以上115%未満
寒冷地・低日射地・多雪地(Nearly GX ZEH):75%以上100%未満
さらに制約のある地域(GX ZEH Ready):50%以上75%未満
多雪地域・都市部狭小地(GX ZEH Oriented):再エネ導入不要
HEMS必須必須
定置用蓄電池必須ではない必須
※GX ZEH・GX ZEH+・Nearly GX ZEH
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■ GX ZEHのメリット

GX ZEHは、断熱性能や一次エネルギー削減率の水準が高く設定された住宅であり、住宅そのものの性能によってエネルギー消費を抑える考え方が重視されています。

断熱性能が高い住宅は、冷暖房効率の向上にもつながります。さらに、太陽光発電やHEMSなどの設備を組み合わせることで、エネルギーの使い方まで含めた住宅性能の向上も期待できます。こうした特徴により、GX ZEHには次のようなメリットが考えられます。

・光熱費削減効果の向上
・将来の住宅基準への対応
・住宅の資産価値への影響

ここからは、それぞれのメリットを順番に整理していきます。

・光熱費削減効果の向上

GX ZEHのメリットの一つとして挙げられるのが、光熱費を抑えやすい住まいになる点です。高い断熱性能と省エネ性能により、外気温の影響を受けにくい室内環境が保たれます。

断熱性の高い住まいでは、夏や冬でも室内の温度変化が小さくなり、冷暖房の使用量を抑えやすくなります。さらに太陽光発電や蓄電池などを組み合わせれば、自宅で発電した電力を活用できるため、家庭で購入する電力量の削減も期待できます。

・将来基準への適合

住宅の省エネ基準は段階的に強化されており、2025年にはすべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務化されました。住宅には一定以上の断熱性能や省エネ性能が求められるようになり、住まいづくりの考え方も変化しています。

GX ZEHは、省エネ基準を上回る性能を想定した住宅水準です。断熱性能や一次エネルギー削減率についても、より高い条件が設定されており、今後の住宅性能の方向性を踏まえた水準といえます。

これから住まいづくりやリノベーションを検討する場合、GX ZEHの考え方は将来の基準を見据えた住宅性能として参考になります。住まいを長く使うことを考えると、こうした将来の基準を意識した住宅性能を検討することも一つの考え方といえるでしょう。

・資産価値への影響

近年は住宅の断熱性能やエネルギー効率といった「住宅性能」への関心が高まっています。省エネ性能の高い住宅は、光熱費を抑えやすく快適に暮らしやすい点から、住宅選びの判断材料として重視される場面も増えてきました。

GX ZEHのように断熱性能や設備性能を高めた住まいは、こうした流れの中で評価につながる可能性があります。将来の売却や賃貸を見据える場合でも、省エネ性能は住宅選びの基準の一つとして意識される要素といえるでしょう。

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■ GX ZEHのデメリット・注意点

GX ZEHは高い省エネ性能を目指す住宅水準ですが、その分、住まいづくりではいくつか注意しておきたい点もあります。性能要件が高いため、採用する建材や設備の選択肢に影響が出る可能性を想定しておくことが重要です。

また、太陽光発電やエネルギー管理設備などを組み合わせる住宅計画では、設備配置や建物設計が求められます。GX ZEHを検討する際は、次のようなポイントを理解しておくとよいでしょう。

・建築コストの上昇
・設計難易度の上昇

ここからは、2つのポイントについて整理していきます。

・建築コストの上昇

GX ZEHでは住宅性能を高める必要があるため、建築コストが上がる場合があります。例えば、高性能な窓や断熱材の採用に加え、省エネ設備や太陽光発電、蓄電池などの導入も必要です。

こうした設備や建材は一般的な住宅より費用が高くなることがあり、初期コストの増加につながります。ただし、住宅性能の向上によって光熱費の削減が期待できるため、長期的な視点で費用を検討することが重要です。

・設計難易度の上昇

GX ZEHは性能基準が高く、設計の難易度が上がる場合があります。断熱性能や一次エネルギー削減率の条件を満たすためには、建物の形状や窓の配置、設備計画などを総合的に検討する必要があるためです。

さらに、太陽光発電や蓄電池、HEMSなどの設備を組み合わせる場合は、設置スペースや発電量のバランスも考慮する必要があります。そのため、住宅性能を踏まえた計画には、専門的な知識と経験が欠かせません。

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■ 住宅の省エネ基準との関係

住宅の省エネ基準は段階的に引き上げられています。2025年には建築物省エネ法の改正により、すべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務付けられました。これにより、住宅には一定以上の断熱性能や省エネ性能が求められるようになっています。

国は、2030年までに新築住宅の省エネ性能をZEH水準へ引き上げる目標を示しています。GX ZEHは、こうした動きに対応した住宅性能の水準の一つです。

これから住宅やリノベーションを検討する際には、現在の基準だけでなく、将来を見据えた性能水準も踏まえて考えることが重要です。

参照:国土交通省「省エネ基準引き上げへ、脱炭素化も」

■ GX ZEHの補助金制度

GX ZEHは、今後の制度整備の中で補助制度が設けられる可能性もあります。2026年現在では「GX ZEH」という名称で実施されている補助金制度はありませんが、近い性能水準の住宅はすでに支援制度の対象となっています。

例えば2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」が実施されており、GX志向型住宅への補助額は1戸あたり最大125万円(寒冷地等)・一般地110万円となっています。

住宅計画を検討する際には、最新の補助制度の情報も確認しておくとよいでしょう。

■ GX ZEHはマンションにも広がる?

GX ZEHは戸建住宅だけでなく、集合住宅向けの基準として「GX ZEH-M(ジーエックス・ゼッチ・マンション)」も定義されています。GX ZEH-Mは、外皮の断熱性能を高めるとともに、高効率設備の導入によって省エネルギー性能の向上を目指す集合住宅向けの水準です。

こうした基準は、今後マンションでも省エネ性能の高い住まいづくりが進む可能性を示すものといえるでしょう。

 参照:経済産業省|GX ZEH・GX ZEH-M 定義<戸建住宅・集合住宅>令和7年9月

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■ よくある質問(FAQ)

GX ZEHは比較的新しい住宅の考え方のため、「将来的に義務化されるのか」「住宅を建てる場合に採用した方がよいのか」など疑問を持つ方も多いでしょう。また、既存住宅のリノベーションでも対応できるのか気になる方もいるかもしれません。

ここでは、GX ZEHに関してよくある質問を取り上げ、制度の位置づけや住まいづくりとの関係を整理します。住宅計画を検討する際の参考としてご覧ください。

・GX ZEHは義務化されますか?

GX ZEHは、2026年現在、義務化されている住宅水準ではありません。2025年には建築物省エネ法の改正により、すべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務化されました。GX ZEHは、それより高い省エネ性能を目指す水準です。

国は、2030年に向けて新築住宅の省エネ性能をZEH水準へ引き上げる目標を掲げています。この流れを踏まえ、省エネ性能の高い住宅が重視される傾向にあります。

・今から建てるならGX ZEHにすべきですか?

必ずしもGX ZEHにする必要はなく、住宅計画や予算によって判断が分かれるケースもあります。

GX ZEHは断熱性能や省エネ性能が高く、光熱費の削減や快適性の向上が期待できる住宅水準ですが、高性能な断熱材や設備の導入により建築コストが上がる場合もあります。そのため、住宅を建てる際にはGX ZEHの考え方も踏まえつつ、予算や暮らし方に合った性能を検討することが大切です。

・既存住宅をGX ZEHにできますか?

既存住宅でも、省エネ性能を高めるリノベーションは可能です。ただし、GX ZEHは主に新築住宅を前提とした水準のため、既存住宅で同じ条件を満たすのは難しいケースもあります。

そのため既存住宅の改修では、断熱改修や高効率設備の導入などにより省エネ性能を高める「ZEH水準リフォーム」などが一般的に検討されます。住宅の状態に合わせて、無理のない範囲で性能向上を図ることがポイントです。

■ 新ZEH水準リノベーションのご相談はグローバルベイスへ

GX ZEHは、従来のZEHよりも断熱性能や省エネ性能の水準が引き上げられた、これからの高性能住宅の考え方として注目されています。

本記事では、GX ZEHの基本的な考え方や従来のZEHとの違い、メリット・注意点などを整理しました。今後は住宅の省エネ基準が段階的に引き上げられていくこともあり、リノベーションでも断熱性能や設備計画を含めた住まいづくりが重要になっています。

グローバルベイスでは、ZEH水準の住戸を希望される方向けに、断熱性能や省エネ設備を考慮したリノベーションの相談にも対応しています。住まいの条件に合わせた計画について知りたい方は、以下の相談会も参考にしてみてください。

ZEHリノベーション|ZEH水準の住戸を希望されるお客さま向けのリノベーションサービス

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執筆者情報マイリノジャーナル編集部
■ 編集者:村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!
建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

■ 監修者:原田 直生之

宅地建物取引士の有資格者

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編集者: マイリノジャーナル編集部
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