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間口とは?狭い家でも快適に過ごすには?

同じ広さの土地でも、間口の広さによって住宅などの建物の建てやすさには違いがあります。人気があるのは間口の広い土地ですが、間口の狭い土地は割安なため、あえて間口の狭い家を建てる人もいます。

間口の狭い家のメリットやデメリット、リフォームやリノベーションでのトラブル解決の図り方などを紹介していきます。

間口とは?狭い家でも快適に過ごすには?
こんな方におすすめの記事です
  • 間口とは何か知りたい方
  • 間口の狭い家のメリット・デメリットを知りたい方
  • 間口の狭い家で起こりやすいトラブルや解消方法を知りたい方

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■間口とは?

間口とは土地や建物の幅のこと。間口は道路に接している側の長さを指すのが一般的です。ただし、マンションではバルコニーが設けられた面など、大きな開口部ある側の長さが間口と呼ばれています。一方、間口から反対側までの長さを奥行といいます。

また、道路に接している面である間口が長い住宅は「間口が広い」、道路に接している面の長さが短い住宅は「間口が狭い」という言い方をします。一般的に間口が広い方が採光や通風を確保しやすく、間取りの自由度が高くなります。

・敷地の間口は2m以上必要

建築基準法43条で、建築物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないことが義務付けられています。これは接道義務といわれるもので、つまり、住宅などの建築物を建てる敷地は間口が2m以上必要です。

基本的に間口は道路に直接、接している部分の幅です。ただし、道路に接する細長い路地部分がある旗竿地などでは、道路と直接接している部分ではなく、一番幅の狭い部分で2m以上必要とされる点に注意が必要です。複雑な形状の敷地の場合は、建築基準法の接道義務を満たして建物を建てることができる土地なのか、事前に役所に確認するようにしましょう。

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■間口の狭い家のメリット・デメリット

間口の狭い家のメリット・デメリット

間口の狭い家にはプライバシーや土地の価格の面などでのメリットがある一方で、間取りの面などでのデメリットもあります。

・間口の狭い家のメリット

一般的に間口の広い土地の方が人気があり、間口の狭い土地の価格は相対的に安い傾向があります。土地の形状を活かした設計にするなど、工夫次第でお得に家を建てられることがメリットです。

間口が狭い家は、一つずつ順番に部屋を通っていくような間取りになりやすいですが、生活動線を意識することで、暮らしやすい住まいが実現できます。

また、間口の狭い土地は道路に接している面が少ないため、周辺環境によってはプライバシーが守られやすいこともメリットに挙げられます。特に旗竿地は路地部分を駐車場や通路として用いることが多く、家を建てるのは道路から奥まった場所になります。道路を通る人からの視線が届かないため、落ち着いた暮らしを送りやすいです。

・間口の狭い家のデメリット

間口が狭く奥行がある土地の場合には、一つずつ順番に部屋を通っていくような間取りになりやすく、廊下の左右に部屋がある形にするのは難しいです。間取りの工夫次第で暮らしやすい住まいにできるとはいえ、間取りに制限があることはデメリットといえます。

また、民法234条では「建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない」という規定があり、地域によっては条例による規制も設けられています。敷地ギリギリまでの幅の家は、原則として建てられないことを踏まえておくことが必要です。

このほかには隣家との距離が近いと、大きな開口部を取りにくいことから、採光や通風を十分に確保しにくいこともデメリットに挙げられます。

出典:G-GOV法令検索|民法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

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■間口の狭い家を建てたら、、、想定されるトラブル

間口の狭い土地に家を建てたときに起こることがある、一般的なトラブルをみていきます。

・隣家が近いと日当たりが悪い

間口の狭い土地で隣家が近い場合には、奥行方向の面にはお互いのプライバシーの問題から、大きな開口部が取りにくいです。間口の狭い家は奥行が長いいわゆる「うなぎの寝床」になりやすく、間口に面した部屋を除くと、部屋の奥にまで自然光が届きにくいことから、日当たりの悪さが気になることがあります。開口部を設けにくいという問題から、風通しが悪い部屋もできやすいです。風通しが悪いと、カビの発生に悩まされることもあります。

間口が狭い土地では、中庭を設けることで採光や通風を確保する方法もありますが、敷地にゆとりがあるケースに限られます。

・部屋が狭く圧迫感を感じる

間口の狭い家は、建物の幅の狭さから圧迫感を感じやすいです。また、奥行方向の面には大きな開口部が確保しにくく、日当たりが悪くなることも、圧迫感を感じやすい要因になります。

さらに間口が狭い家は敷地面積が狭い狭小住宅に多く見られますが、部屋を細かく仕切った間取りにすることも、圧迫感が生まれてしまう要因です。4人家族や5人家族で、プライバシーを確保するためにそれぞれの個室を設けると、必然的に一部屋当たりの床面積は狭くなります。日当たりが悪く、部屋が狭いといった状況では、より圧迫感が生じやすいといえます。

・生活音が気になる

敷地が広い土地に家を建てる場合には、建物の配置によって生活音が気にならないように配慮することもできます。しかし、間口が狭い土地に家を建てる場合は、建物を建てる位置は大方決まってくるため、配置を工夫できないことが多く、民法や条例による規制に抵触しない範囲内で、できるだけ幅を確保することが少なくありません。

そのため、住宅が密集しているエリアでは、隣家からの音漏れが気になりやすく、反対に自分の家の生活音が隣家から気になりやすい状態になります。生活音の音漏れの程度によっては騒音トラブルに発展することもあります。

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■トラブルを解消する方法

トラブルを解消する方法

こうした間口の狭い家を建てた場合に起きることがあるトラブルに関して、リフォームやリノベーションでの解消の図り方を紹介します。

・リフォーム

大きな開口部がとれず日当たりが悪い場合には、リフォームで天窓を設置して自然光を取り組む方法があります。ただし、天窓の設置によって雨漏りが起こるケースがあることや、掃除などのメンテナンスがしにくいことを踏まえておくことが必要です。

また、ダークブラウンのフローリングや建具を基調とした内装の場合には、より圧迫感を感じやすい要因となっています。白に近い色の壁紙や建具、フローリングなどの内装にリフォームすると、明るく開放的なイメージに生まれ変わります。

音漏れの対策の面では、防音サッシへの変更する方法もありますが、大掛かりなリフォームになるため、内窓を設置するという選択肢もあります。

・リノベーション

リノベーションとは大規模な工事を行うことで、新築の状態よりも価値を高めること。狭い間口の家をより暮らしやすい住まいへと変えていくことができます。

部屋を完全に仕切ってしまうと圧迫感が生まれやすいため、壁の上部を開けた形で緩やかに仕切ると抜け感がでます。また、ワークスペースであれば、書斎として間仕切り壁を設けていた状態から、スキップフロアにして段差でゾーニンLDKとゾーニングするといった方法もあります。

さらに天窓を設けるだけではなく、構造上可能であれば、吹き抜けをつくると、1階まで自然光が降りそそぐ空間となります。

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■まとめ

土地として人気があるのは間口が広い土地で、間口の狭い土地は建物の建てにくさから、敬遠されることもあります。間口の狭い家にも土地の価格が抑えられ、プライバシーが守られやすいというメリットがありますが、採光や通風の確保がしにくく、圧迫感を感やすいことがデメリットです。

しかし、間口の狭い家は設計の工夫次第で住みやすい家にすることも可能です。また、リフォームやリノベーションをすることでトラブルを解消していくことができます。

編集者: u-room

メーカー勤務のかたわらインテリアスクールに通い、インテリアコーディネーターに転身した経歴を持つ。現在はフリーランスのライターとして、住宅関係のほか、求人広告やインタビュー取材などの執筆を手掛ける。インテリアコーディネーター資格を保有。ワインとビール、インテリアショップ&美術館巡りが好き。夫と2人の息子の4人家族。

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