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階段リフォームの事例7選!種類とメリット・デメリットを解説

毎日昇り降りする階段に、不便を感じることはありませんか?「勾配が急すぎて危険を感じる…」「階段の傷みが目立ってきた…」など、階段の使い勝手が気になったときには、リフォームを検討してみましょう。この記事では階段の種類やリフォームのポイント、補助金制度、実際に階段を使いやすくリフォームした事例をご紹介します。

おしゃれな螺旋階段
こんな方におすすめの記事です
  • 階段の種類とメリット・デメリットを知りたい方
  • 階段をリフォームする際の補助金や減税措置について知りたい方
  • 階段リフォームの事例を見たい方

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■階段リフォームのポイントと注意点

・昇り降りしやすい階段の勾配

建築基準法により、階段の一般家庭における階段の寸法は「幅75cm以上・蹴上げ(1段の高さ)23cm以下・踏面(ステップ部分の奥行き)15cm以上」を確保するように定められています。しかしこの基準で階段をつくると角度は約57度となり、かなりの急勾配になってしまいます。現実的には、この基準よりも余裕を持った設計が必要です。

一般的に昇り降りしやすい階段の寸法の基準は【蹴上げ×2+踏面=60cm】とされています。そのため、「蹴上げ:18~20cm、踏面:20~22cm」程度が目安となるでしょう。蹴上げが低すぎると、階段を登りきるまでにたくさんの段数が必要になりますし、踏面が広すぎると、歩幅を大きくしなければなりません。階段をリフォームする際には、暮らす人の年齢や足の大きさ・年齢などを考慮すると良いでしょう。

https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/doc/tebukai41shiryou04_3.pdf

・架け替えをするのかどうか

階段をリフォームするには、架け替えしか選択肢はないのでしょうか?架け替えを行わず、既存の階段に手すりを新設するなどの方法で、安全性の向上をはかることもできます。階段の勾配や踏み板の広さなどに問題を感じていないのであれば、表面を張り替えるリフォームで見た目を一新することも可能です。ただ、やはり急勾配を改善するためには、既存の階段を解体して架け替える必要があります。

・建築確認申請の必要性

建築確認は、家の建築や大規模リフォームの際に必要な手続きです。着工前に建築図面などを市区町村に申請して、建築基準法上の問題がないかを審査されます。家の構造にかかわらない工事であれば不要ですが、階段の位置を変更するような大規模リフォームの場合は申請が必要です。そのため、着工までに日数のかかる場合があります。

・安全性の確保

階段をリフォームするなら、デザイン性だけではなく安全性も重視しましょう。高齢者(65歳以上)において、家庭内事故の発生場所のうち階段の占める割合は18.7%。居室に次いで事故の多い場所となっています。階段自体のリフォームに加えて、手すりの新設や追加・すべり止めの設置・フットライトの設置も行うのがおすすめです。

出典:平成29年版高齢社会白書(全体版)│内閣府
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_2_6.html

・リフォームのタイミング

「部分リフォームをしてきれいにしたら、ほかの場所の汚れや傷みが急に気になってしまった…」このように感じることは多く、結局全体的にリフォームすることになるケースも少なくありません。小規模なリフォームを何回も繰り返すよりも、まとめて施工した方が総工期は短く、費用も割安になります。階段の架け替えを検討するなら、同じタイミングでほかの場所のリフォームも検討してみると良いでしょう。

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■階段の種類とメリット・デメリット

階段の架け替えリフォームを考えるなら、形状の一新を検討しても良いかもしれません。おもな階段の種類と特徴を確認してみましょう。

・直階段(直進階段・直線階段)

直階段は、その名の通り一直線の階段です。構造がシンプルなため、比較的安価に設置できます。見通しがよくほかの階段に比べて少ない面積に設置可能ですが、面積が狭すぎると急勾配になりやすいです。また、万が一転倒してしまった場合に、そのまま一番下まで転がり落ちやすいリスクがあります。

・かね折れ階段

かね折れ階段は、途中1箇所で折れるL字形の階段です。転倒してしまった場合に、途中の踊り場で転落を食い止めることができます。直階段に比べて広い設置面積が必要です。

・折り返し階段

折り返し階段は、コの字型に折り返す形状の階段です。かね折れ階段と同様に、転倒時の転落を防ぐことができます。段数が多く確保できるため、勾配を緩やかにすることができます。かね折れ階段よりもさらに広めの設置面積が必要です。

・螺旋階段(スパイラル階段)

螺旋階段は、中心の柱に巻き付くような形状の階段です。設置面積が小さめで済むことから、狭小住宅に多く採用されています。デザイン性の高さもメリットです。デメリットとしては大型家具等の運搬が難しいこと、螺旋の中心に近いほど踏面が狭くなるため、踏み外しやすいことがあります。また、ほかの階段に比べて高額です。

・カーブ階段

カーブ階段は、階段の一部あるいは全体がゆるやかに円弧を描く階段です。輸入住宅などヨーロッパ風の住まいによく似合い、吹き抜けのホールなどに設置すると、豪華な印象を演出することができます。装飾性を重視することもあり、ほかの階段に比べて高額です。

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■階段のリフォーム事例7選

・階段の位置を大きく変更したリフォーム

階段の位置を大きく変更したリフォーム

リビングの階段を掛け替えた事例です。薪ストーブに憧れていた施主さまですが、もとの間取りでは煙突を設置する良い場所がなかったとのこと。そこで、階段の向きを90度変えて、位置を大きく変更しました。震災に遭ったこともあり、強度と安全性をより高めています。もとの階段があった場所に煙突と薪ストーブを設置し、あたたかなリビングに生まれ変わりました。

https://www.hokushuhousing.co.jp/owner/reform/vol2/

・急な階段を安全に架け替えたリフォーム

急な階段を安全に架け替えたリフォーム

急勾配の階段を、安全な傾斜に架け替えた事例です。体調が悪いときや急ぎのときに転落しそう…と気にかけていた施主さま。既存の階段よりも延長する形で傾斜を緩め、段数はそのままで踏面を広げました。踏面には滑り止めシートを採用し、左側にも手すり用の腰壁を追加したことで、より安全性を高めています。周囲のクロスも張り替えて階段の雰囲気を一新しました。

https://www.yoshiwakanamono.com/works/010/h_6.html

・階段の段数を増やしたリフォーム

階段の段数を増やしたリフォーム


階段の真下に位置する浴室をリフォームするにあたり、階段の架け替えも行った事例です。段数を1段増やし、安全性を高めるために壁に手すりを新設しています。

https://lixil-reformshop.jp/shop/SP00000644/case/052233.html

・光を届けるストリップ階段にリフォーム

光を届けるストリップ階段にリフォーム

リノベーションにともない、階段を架け替えた事例です。お子さまの成長にともない、リビング・ダイニングの吹き抜けをふさぎ、2階に個室を新設することになりました。そこで、リビングの開放感ができるだけ失われないよう、既存の階段をストリップ階段に架け変えました。蹴込(垂直方向の板)がなく見通しが良いため、圧迫感がありません。存在感を抑えた細い手すりですが、鉄骨フレームのため強度面は安心です。

https://lixil-reformshop.jp/shop/SC00131008/case/085754.html

・大規模リフォームでリビングに階段を新設

大規模リフォームでリビングに階段を新設

中古物件を購入し、リノベーションした事例です。間取りを大きく見直し、既存の間仕切り壁を撤去して、広々としたLDKに生まれ変わりました。階段の位置も変更し、リビングに階段を新設しています。優しい色合いでまとめた、ナチュラルで明るい住まいです。

https://lixil-reformshop.jp/shop/SP00001141/case/073294.html

・真っ白な階段に架け替えリフォーム

真っ白な階段に架け替えリフォーム

1階のリフォームと同時に、階段を架け替えた事例です。既存の階段は勾配がきつく危険を感じることもあったとのことから、段数を1段増やし、蹴上げを低くして傾斜を緩めました。反対側にも手すりがありましたが、お子さまが成長したこともあり、今回はなくして開放的に仕上げています。照明付きの手すりを採用したため、暗い時間に階段を昇り降りするときも安心です。インテリアも一新し、和風の住まいから真っ白でモダンな空間に生まれ変わりました。

https://lixil-kusanen.com/施工事例/3021.html

・傾斜を緩めて安全な階段にリフォーム

傾斜を緩めて安全な階段にリフォーム

手すりを掴まないと昇り降りできないほど急勾配の階段を、安全な勾配に架け替えた事例です。階段の設置場所を1mほど延長し、角度が60度から45度になりました。踏面を広げて、蹴上げを低くしたことで、危険を感じることなくゆったりと昇り降りすることができます。

http://www.altokoubou.com/entry/2016/10/21/130913

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■階段のリフォームの費用相場

階段リフォームにかかる費用は、工事の内容によって異なります。単に手すりをつけるだけの工事な費用もそんなにかかりませんが、階段の勾配や位置を変更するような大掛かりなリフォームでは費用も高額になります。

・手すりを設置する

最も簡単な工事が、階段の壁に手すりを設置するリフォームです。
費用の目安は、手すりの長さ1mあたり5千~2万円。一般的な木製手すりの場合、合計10万円以内におさまることが多いでしょう。壁ではなく階段に直接取り付ける「飾り手すり」の場合、手すりの値段自体が高額になります。

また階段の形状によっても、手すりの価格は変動します。カーブや角の多い階段は、直線的な階段に比べてジョイントするパーツが多くなるため、やや費用は高額になるでしょう。

また、壁の構造によっては、下地補強が必要なことも。補強板使えば、壁を解体する必要はありませんが、工事費用は高くなります。手すりを設置する工事は、介護保険を使えるケースもあるので、ぜひ確認されてくださいね。

・古い階段を新しくする

古い階段のリフォームで最も安価に抑えられるのは、勾配や位置を変えずに、板のみ新しい部材に交換する工事です。「階段を踏んだ時のきしむ音や、すべりやすさが気になる」「内装に合わせて新しいデザインにしたい」といったときは検討されると良いでしょう。

新しい部材に交換する費用目安は、材料費と工事費をあわせて30~50万円です。無垢材を使いたいなど、高価な材料を使えばそれだけ費用もアップします。

・階段の勾配を緩和する

急勾配の階段は、既存の階段を撤去して、段数が多く緩やかな階段に架け替えるリフォームを行います。比較的大がかりな工事になるので、費用は50~100万円くらいは見ておくと良いでしょう。

勾配を緩和すると、そのぶん広いスペースが必要になります。そのため場合によっては、間取り変更をしたり、直線階段を回り階段にしたりしなければなりません。

・階段の位置を変更する

階段の勾配を緩和したい場合や、間取り変更に合わせて階段の位置も変えたい場合、階段の架け替え工事が必要となることがあります。天井に穴をあけたり、壁や床を補修したりと大がかりな工事になるので、費用も高額です。

新しい階段の値段にもよりますが、費用目安は100万円前後から。既存の階段を移動させるだけなら、新しい階段の材料費を節約できます。費用を抑えたい場合、階段の向きを途中で変えるなどの工夫で、大きな工事をしなくて済むこともあります。

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■階段のリフォームに関する補助金・減税措置

バリアフリーを目的に階段をリフォームする場合、一定の要件を満たせば国による減税措置を受けることができます。おおまかな内容を確認しておきましょう。

・バリアフリーリフォーム減税(投資型)

階段勾配を緩和するリフォームや手すりを設置した場合、工事内容により算出される控除対象額の10%が翌年の所得税から控除される制度です。必要書類を添えて確定申告を行う必要があります。

おもな要件
・50歳以上の人(または65歳以上の人と同居する親族)の住まい
・50万円以上の工事
・所得3,000万円以下

・バリアフリーリフォーム減税(ローン型)

返済期間5年以上の住宅ローンを利用してバリアフリーリフォームをした場合、年末のローン残高の1%が所得税から控除される制度です(改修後5年間)。おもな要件は投資型と共通になります。

・固定資産税減税

一定のバリアフリー改修を行った場合、翌年の家屋に課税される固定資産税の3分の1が減額される制度です。工事後3ヶ月以内に必要書類を添えて、市区町村に申請する必要があります。

おもな要件
・65歳以上の人の住まい
・築10年以上が経過している
・工事費用が50万円以上

・介護保険による助成制度

要支援あるいは要介護認定を受けている人が自宅のバリアフリーリフォームをするときに、介護保険による補助が受けられる制度です。支給額の上限は、支給限度基準額(20万円)の9割(18万円)。担当ケアマネージャーに相談の上、申請手続きを進める必要があります。

・自治体の制度

国による減税制度や補助制度のほか、自治体ごとに補助金制度を設けていることがあります。お住まいの市区町村のウェブサイトや役場窓口で確認してみましょう。

出典:住宅リフォームに関する減税制度の概要│リフォネット(財)住宅リフォーム・紛争支援センター
https://www.refonet.jp/csm/info/fund/tax_reduction/index.html
介護保険における住宅改修│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/07.pdf

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■まとめ

階段の種類やリフォームのポイントを解説しました。階段を架け替えて勾配を緩和すれば、安全性を高めることができます。手すりやライトを設置するとより安心です。一定の要件を満たせば減税制度や助成制度が受けられるので、賢く利用しましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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