【徹底比較】工務店とリノベーション会社の違いとは？特徴やメリット、選び方を解説！

住まいのリノベーションを考えたとき、依頼先には工務店やリノベーション会社がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。工務店とリノベーション会社のそれぞれの特徴を比較したうえで、選び方などについても取り上げていきます。

■工務店の特徴

工務店はもともと新築の木造住宅を中心に手掛けてきたところが多く、職人と直接打ち合わせを行えるといった特徴があります。

●木造建築の住宅や間取り変更に力を入れている

中小規模の工務店は、新築の木造住宅の建設を中心に手掛けてきたことから、木造建築を熟知しているところが多いです。そのため、木造住宅の間取り変更を伴うリフォームを得意としています。

また、最近ではリフォームに力を入れている工務店も少なくありません。断熱など住まいの住み心地や省エネ性能を向上させるリフォームや、自然素材を使ったリフォーム、デザインにこだわったリフォームなど、特色あるリフォームを手掛けている会社もあります。

●職人と直接打ち合わせができる

工務店の規模や業態にもよりますが、大工の棟梁が設計から職人として施工までを手掛けている会社では、職人と直接打ち合わせができることも特徴です。職人と直接打ち合わせをすると、他の担当者を介したことによる行き違いが起こりにくい、実際の工事内容を把握しやすいといったメリットがあります。

また、打ち合わせを行う設計や施工管理の担当者を置いている場合でも、長年にわたって付き合いのある職人が工事を担うところが多いです。

■リノベーション会社の特徴

リノベーション会社は幅広い規模のリノベーションに対応しているほか、有資格者が在籍していることや大手は豊富な実績を持っていることが特徴です。

●広い範囲を対応してもらえる

リノベーション会社は会社によって対応範囲は異なりますが、部分リノベーションから間取り変更を伴うフルリノベーション、あるいはスケルトンリノベーションといった大規模なリノベーションまで、幅広く対応しているのが特徴です。

また、リノベーション会社によってカラーはありますが、カフェ風やインダストリアルスタイル、北欧モダン、和モダンなど様々なテイストのデザイン性の高いリノベーションを取り扱っています。

さらに資金計画や物件探しからリノベーションまで、ワンストップで手掛けているリノベーション会社もあります。

●専門資格を所有するスタッフが在籍している

リノベーション会社には建築関係の専門資格を所有するスタッフが在籍していることが多いです。リノベーションの設計は、戸建てで建築確認申請が不要なケースを除くと、専門的な資格が必要とされていませんが、一級・二級建築士やインテリアコーディネーター、カラーコーディネーターなどの有資格者が在籍している傾向があります。

リノベーション会社に依頼すると、建築やインテリアのプロとの打ち合わせを行い、リノベーションプランの提案を受けられます。

●大手の場合は実績が豊富

リノベーション会社はリノベーションに特化しているため、特に大手は豊富な実績があることも特徴です。

リノベーションは新築とは異なり、築年数や環境によって物件の状態は様々であり、既存のものを活かすという難しさもあります。また、お客様の家族構成やライフスタイル、趣味、嗜好、予算、住まいへのニーズも多様です。

大手のリノベーション会社には、多くのリノベーションを手掛けた経験がノウハウとして蓄積され、対応力が培われています。

■工務店とリノベーション会社のメリットを比較

●工務店に依頼するメリット

・費用を抑えたリノベーションができる

工務店は自社で施工管理を行うほか、職人を社員として雇って自社施工を手掛けるケースもあることから、リノベーションの工事費用を抑えられることがメリットです。また、広告費用をかけていない工務店が多いことも、価格を抑えられる理由の一つです。

・リノベーション後のトラブルにも対処してもらえる
中小規模の工務店は地元に根差した運営を行い、小回りが利く会社が多いのが特徴です。会社によって、アフターサービスも工事の担当者が引き続き対応するケースと、専門スタッフが対応するケースがあります。いずれも引き渡し後にトラブルが起きたときには、迅速に対応する体制をとっている会社が目立ちます。

リノベーションを終えた後も、住まいに関して困ったことがあるときには気軽に相談できるなど、末永いお付き合いができる安心感があることもメリットいえます。

●リノベーション会社に依頼するメリット

・小さな規模のリノベーションでも相談しやすい

リノベーション会社は様々な規模のリノベーションを取り扱っているため、気軽に相談しやすいことがメリットです。会社にもよりますが、キッチンや浴室などの小さな規模のリノベーションから、大規模なフルリノベーションまで相談できます。

また、リノベーションに特化しているため、豊富な知識と実績があることも、相談のしやすさにつながっています。

・自分に合うリノベーション会社を選びやすい

リノベーション会社は一級建築士が在籍している会社や、建築家の作家性の強い会社、デザイン力のあるプランナーがそろっている会社、物件の紹介からワンストップで手掛ける会社など様々です。また、得意とするリノベーションのデザインのテイストやリノベーションの中心価格帯にも違いがあります。数多くの選択肢の中から、自分に合ったところを選びやすいこともメリットといえます。

■結局工務店とリノベーション会社、どちらがいい？

リノベーションの依頼先として、工務店とリノベーション会社のどちらがよいかは一概にはいえません。リノベーションで重視したいことを軸に、どちらが向いているか考えてみましょう。

たとえば、できるだけ価格を抑えてリノベーションをしたい人や地域密着による小回りの利いた対応を求める人は、工務店が向いています。また、木造住宅で増築を伴うリノベーションのほか、耐震工事や断熱工事は工務店が得意とする領域です。

一方で、デザイン性を重視したい人やリノベーションプランの提案力を求める人に向いているのはリノベーション会社です。また、間取りやデザインを刷新するようなフルリノベーションはリノベーション会社が得意としています。リノベーション会社なら、家族構成やライフスタイル、嗜好に合ったリノベーションプランの提案を受けられることが期待できます。

これまでの施工事例なども参考にしながら、自分に合った工務店やリノベーション会社を探しましょう。

■工務店に依頼する際のリノベーション成功ポイント・選び方

工務店はリノベーションの実績がさほどない会社もあるなど、対応力には差があります。実績や施工事例、有資格者の有無などを確認するのがポイントです。

●実績・施工事例を確認する

工務店は木造住宅の新築工事を中心に手掛けてきた会社が多く、リノベーションへの取り組み方は会社によって大きく異なります。また、リノベーションプランの設計力にも大きな違いがあります。

これまでリノベーション・リフォームの手掛けてきた実績があるか、どのようなデザインの住まいを実現してきたのか、施工事例から確認してみましょう。

●有資格者を確認する

工務店は施工に関してはプロであっても、設計やデザインに関するプロは在籍していないこともあります。特に増築や耐震工事、断熱工事など、構造や住まいの性能に関わるリノベーションを行う場合には、一級・二級建築士の在籍の有無を確認しましょう。また、インテリアコーディネーターを含め、有資格者の有無は提案力にも関わってきます。

■リノベーション会社に依頼する際のリノベーション成功ポイント・選び方

リノベーション会社は大小さまざまな会社があるため、建設業許可や有資格者に関して確認しておくと安心です。

●建設業許可の有無を確認する

請負金額500万円以上のリフォーム（建築一式工事に該当する場合は1500万円以上）を請け負うには、建設業許可の取得が必要です。そのため、部分リフォーム・リノベーションなど、小規模な工事を中心に受注する会社の中には、建設業許可を取得していないところがあります。

建設業許可を取得するには、経営や技術に関わる人材の配置や財政面などの要件があるため、許可を取得している会社の方が安心感があります。

●施工事例を確認する

リノベーション会社の多くは様々なインテリアテイストに対応できますが、得意とするデザインは会社によってカラーがあります。そこで、施工事例をチェックして、これまでにどのようなリノベーションを行ってきたのか、自分の好みに合うかといった点を確認しましょう。工事費用も合わせてチェックすると、依頼したときの相場感もつかめます。

●有資格者を確認する

リノベーションは特別な資格を必要としない工事が少なくありませんが、建築やインテリアに関する専門的な知識を持つスタッフが在籍していると安心です。特に戸建てで間取り変更を伴うリノベーションを行う場合には、一級・二級建築士が在籍している会社が望ましいです。一級・二級建築士やインテリアコーディネーターなど有資格者の有無を確認しましょう。

■まとめ

工務店とリノベーション会社では、得意とするリノベーションには違いがあります。リノベーションで重視したいことが、依頼先の会社を選ぶ基準になります。たとえば、費用面を重視するなら工務店、デザイン性を重視したい場合にはリノベーション会社が向いています。とはいえ、工務店もリノベーション会社も会社による違いも大きくありますので、施工事例などをチェックして、自分の理想の住まいを実現できる会社を見つけましょう。