住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

ラーメン構造とは?壁式構造との見分け方やメリット・デメリット、違いを詳しく解説

「間取りや内装を自分好みに変更できる」ということで、中古住宅のリノベーションが注目を集めています。このリノベーションの際に「間取りを自由に変更できるかできないか」の大きなポイントになるのが「建物構造」です。代表的な建物構造には、「ラーメン構造」と「壁式構造」があり、それぞれに特性があり、間取りを変更する際の自由度も異なってきます。ここでは、間取り変更の自由度も含め、構造ごとの特性について説明いたします。

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複数の部屋をぶち抜いて、広々としたリビングを作りたい」

子供の部屋を複数作りたい

など、部屋のリノベーションをされる方の多くは、間取りを変更したい、とお考えです。でも、気を付けたいのは、「間取りは必ずしも自由に変えられるわけではない」ということ。将来、もしくはすぐにリノベーションをすることを想定し、物件を購入した挙句、「間取り変更はできない」ということもあり得ます。

では、「間取り変更をできるかできないか」は何が分かれ目になるのでしょうか。ポイントはいくつかあり、今回はそのうちのひとつ「建物構造」について説明します。建物には「壁式構造」と「ラーメン構造」という2つの構造があり、それぞれ特性が異なります。以下では、間取り変更の自由度も含め、構造ごとの特性についても説明いたします。とはいえ、なんといっても間取り変更の自由度がそれぞれの構造で異なりますので、リノベーションを検討する際は理解しておきたいですね。

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■ラーメン構造とは?概要とその特徴

「ラーメン構造」とは柱と梁で建物を支える構造のことです。「ラーメン構造」の名前はドイツ語の「Rahmenラーメン(枠、額縁)」からきています。柱と梁で枠組みを作り、そこに壁や床を張っていきます。柱と梁の接合部を強く固定(剛接合)することによって耐震性を高めており、鉄骨造・鉄筋コンクリート造のマンションや公共建築物などに広く使われている構造です。

●ラーメン構造のメリット

・間取り変更の自由度が高い

ラーメン構造では、建物の構造に影響しない壁であれば、基本的に取り外しや移動ができます。一戸建てなら一番外側の壁以外の壁、マンションなら隣戸との境の壁以外の壁は、軽鉄とボードで簡単に作られていることが多く変更可能です。そのため、リノベーションの際には、壁を取り払ったり壁の位置を変えたりする大がかりな間取り変更ができます

・室内空間を広く使うことができる

柱と梁の接合部を剛接合することで建物の強度を高めているため、壁を省いたり壁を薄くしたりすることによって、より広い室内空間を作り出すことが可能です。

●ラーメン構造のデメリット

・部屋に柱や梁が出っ張って凹凸ができる

建物を支える太い柱や梁が室内に突き出し、部屋に凹凸ができてしまいます。そのため、柱がじゃまになって、家具をきれいに置けずに使い勝手が悪くなることがあります。また、突き出た柱や梁に圧迫感を感じるかもしれません。

・横からの力に弱く耐震性に劣る

柱と梁の接合部を剛接合して耐震性を高めていますが、もともとの基本構造が「枠」のため、どうしても横からの力に弱いという性質があります。したがって、横ゆれに弱く、後述の「壁式構造」に比べると耐震性の面で劣ります。

●ラーメン構造のリノベーション

ラーメン構造では、建物の構造に影響しない壁であれば取り外しできるため、間取りを大きく変えるリノベーションが可能です。例えば、3LDKのリビングルームと隣の部屋の壁を撤去して、広いリビングルームを持つ2LDKに変えることができます。また、3LDKの壁を全部取り払ってバリアフリーのワンルームにすることも可能です。壁を撤去してワンルームにしたところ、風通しがよくなり湿気がこもらなくなったというケースもあります。

事例集

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■壁式構造の概要とその特徴

「壁式構造」とは、柱や梁の枠組みの代わりに「壁」という面で建物を支える構造です。壁式構造では「耐力壁」と呼ばれる、縦や横からの力に強く分厚く強固な鉄筋コンクリートの壁が使われます。この耐力壁を使って床と壁を接合し、頑丈な建物を作っていきます。しかし、高層になると建物の強度が十分に保てなくなることから、5階以下の中低層のマンションや建築物に利用される建物構造です。

●壁式構造のメリット

・部屋への柱の出っ張りがなく部屋をまっすぐに使える

壁で建物を構成する壁式構造では、支えとなる柱や梁を使っていないため、柱や梁が突き出ることはなく、基本的に部屋に凹凸はありません。したがって、部屋をまっすぐに使うことができ、家具もきれいに置きやすくなります。

・断熱性、防音性にすぐれている

耐力壁は分厚く断熱性にすぐれ、冷暖房の効率が高いです。また、分厚い壁で音を遮断するため防音効果もあります。

・建物が強固で耐震性にすぐれている

柱と梁の「線」で建物を支えるラーメン構造よりも、耐力壁という「面」で建物を支える壁式構造の方が頑丈で、耐震性にすぐれています

●壁式構造のデメリット

・間取り変更の自由度が低い

壁式構造の壁は、建物を支える重要な建物構造であるため、取り払うことができません。そのため、壁の撤去をともなうリノベーションはできず、間取り変更の自由度は低くなります。ただし、建物構造に影響を与えない壁(軽鉄とボードで作られているような壁)であれば撤去は可能です。

・窓やドアなどの開口部も制限される

建物構造を支える耐力壁(鉄筋コンクリートの壁)については、窓やドアなどの開口部の場所や数、大きさも制限されます。そのため、「部屋を明るくするために窓を大きくしたい」という変更も非常に困難です。

●壁式構造のリノベーション

「壁式構造のデメリット」で説明したように、壁式構造では建物構造を支える壁の変更は基本的にできません。そのため、リノベーションで変更できる部分は少ないというのが現実です。しかし、内装や棚、キッチンにバスやトイレなど、プラスできるものや交換できるものはあります。壁式構造の住居のリノベーションをする際は、変更できる壁はどこなのか、壁以外に変更できるものには何があるかをよく確認しましょう。

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■ラーメン構造と壁式構造の見分け方

通常、不動産会社の物件情報には、RC造(鉄筋コンクリート造)かSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)かなどの使用建材による分類、階数や築年数などしか載っていません。ラーメン構造か壁式構造かの建物構造までは記載されていないのが一般的です。しかし、その限られた情報からラーメン構造か壁式構造か見分ける方法があります。

●間取り図で見分ける

物件の間取り図を見て、室内に柱の出っ張りがある物件はラーメン構造の可能性が高いです。一方、柱の出っ張りがない場合は壁式構造の可能性が高くなります。ただし、間取り図によっては細かいところまできちんと書かれていない場合があるので注意しましょう。もし不動産会社のサイトで物件の室内の画像が見られる場合は、部屋の隅や上部をチェックしてください。部屋の隅に柱の出っ張りや、部屋の上部に梁の出っ張りが見られる場合は、ラーメン構造の可能性が高くなります。

●階数をチェックする

建築基準法や施行令により、一定の基準を満たさない限り、壁式構造の建築物は5階以下と定められています。そのため、マンションで6階以上の物件はラーメン構造である可能性が高いと考えてよいでしょう。

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■防音性に違いはあるの?

物件を探す際、隣の生活音を気にする方も多いでしょう。確かに、ラーメン構造に比べて、壁式構造は壁が厚いために構造上防音性が高いと考えられます。しかし、実際には、鉄筋コンクリ―ト造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)なら、ラーメン構造であろうと壁式構造であろうと生活音レベルの物音であれば大差はありません。

生活音については、ラーメン構造か壁式構造かの違いよりも、建物が木造か(鉄骨)鉄筋コンクリ―ト造か違いの方が大きく影響します。もちろん、木造よりも、(鉄骨)鉄筋コンクリート造の方が防音性にすぐれています。心配であれば実際に物件に出向き、音の響き具合を確認するとよいでしょう。

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■ラーメン構造の逆梁工法や逆梁アウトフレーム工法について

ラーメン構造のデメリットの一つに「天井から梁が出っ張ってしまう」という点があります。しかしラーメン構造と思しきマンションでも、天井から梁が出ていないことがあるはずです。

無駄な梁の出っ張りがないラーメン構造を叶えているのが「逆梁工法」や「逆梁アウトフレーム工法」。天井がすっきりと見え、家具のレイアウトもしやすくなります。

・逆梁工法

逆梁工法

一般的なラーメン構造の梁は天井の下に突き出しますが、逆梁工法では上階の床側に突き出すようにします。通常であれば梁の上にスラブが載るところを、逆に梁からスラブを吊り下げている状態です。床側から梁が突き出すため、天井はフラットになります。梁の上から床を張って二重床とし、床下を配管スペースや収納スペースとして利用することも可能です。

・逆梁アウトフレーム工法

逆梁アウトフレーム工法

逆梁工法にプラスして、建物の隅の太い柱と梁を屋外側にずらすのが逆梁アウトフレーム工法です。外の梁はバルコニーの壁として利用することで室内側の出っ張りがなくなり、バルコニーにつながる窓も天井まで高くとれるようになります。採光や眺望を重視したいマンションでよく使われる工法です。ただし梁の厚さの分だけバルコニーが狭くなる点には注意が必要になります。

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■まとめ

以上のように、「ラーメン構造」か「壁式構造」かの建物構造の違いは、リノベーションの自由度に大きく影響します。リノベーションを想定して物件を購入する場合は、建物構造によるリノベーションの違い念頭に、どういう住まいにしたいのかを十分に考えた上で、物件を検討しましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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