住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

経験者が語る「近居」のメリットと課題点

同居ではないけれど、夫婦どちらかの実家に近い場所に住む「近居」。実態はどのようなものなのか、近居を考えている場合は特に気になることと思います。
筆者は配偶者の実家から徒歩約20分の賃貸マンションにて5年間ほど近居生活を経験し、現在は高速道路を使って約30分の場所にある持ち家に住んでいます。これまでの経験をもとに、近居のメリット・デメリット、気をつけるべき点、同居との違いなどについて書いていきます。

■近居のメリットは?

実家からほど近い場所に住む「近居」にはいくつものメリットがあります。しかし、中には経験者でないと分からない良さもあるのではないでしょうか。そこで、経験者の目線から「ここは良かった」と感じた点を挙げていきます。

・緊急時にお互い助け合える

近居であれば、どちらかが病気やケガなどに見舞われた際にもすぐに駆け付けることができます。親が年を取ると体調を崩すことも多くなりがちですが、すぐ様子を見に行ける距離であれば素早く対処が可能。

逆に、子夫婦が病気やケガで動けなくなったときにも親に頼りやすいといった利点があります。「インフルエンザなどで家事ができない」といったような場合にも助けを求めやすく、特に小さな子供がいる時期には大きなメリットであると言えるでしょう。

・子供ができてからも仕事を見つけやすい

小学校低学年くらいまでの子供がいる家庭は、育児をしながら働こうと思っても預け先がないと自由に動くこともままならない状況になります。
また、就職先の面接でも必ずと言っていいほど聞かれるのが「子供が急病になったときにどうするか」ということ。実際、子どもが急に熱を出した場合などにどうするか、病気の子供を預けることのできる「病児保育」を行なっている施設は利用できるか等、いろいろな状況を予測・対策しておく必要があります。

実家の近くに住んでいると、仕事中に子供を預けたりもしやすく、子供の急な体調変化にも臨機応変に対応してもらうことができます。子供から親への二次感染や頼りすぎによる関係の悪化に考慮する必要はありますが、節度を守って接する限り、これほど頼れる預け先もなかなか見つからないものです。

・穴場の物件を見つけやすい

親世代の多くは数十年単位でその土地に住んでおり、その地域の細かな事柄まで知っている、いわゆる土地勘のある人々です。そのため、不動産情報だけでは分からない近隣住民についての事柄や生活のしやすさ、夜の時間帯の様子や地元住民しか知らないような近道などといった実用的な情報を熟知していることも多々あります。

気に入った物件があった際などにも、その物件に住んでみないと分からないような意外な問題点などがないかを聞いて参考にすることができるため、住んでみたら失敗だった、というような事態を最小限に防ぎやすいといったメリットがあります。
さらに、新たな空き地ができた場合などにすぐ教えてもらうことができるなど、自分たちに合う物件を選ぶ際の強い味方となりえます。

・周囲に溶け込みやすい

お互いに全く土地勘のない場所に住まう場合、まずは周囲にどのような住民が住んでいるのかを知り、一から関係を築き上げていかなければなりません。しかし長年住んでいる家に比較的近い場所に住んでいると、親もしくは子と繋がりのある住民からはすぐに受け入れられることが少なくありません。

近居を続けていると、自分たちのことを知ってくれる人が増えていき、中には自分と気の合う人も見つかるなど、人間関係で孤独になりにくい状況を築きやすくなっていきます。

・食費等が安くおさまる場合も

実家が近くにある場合、遠距離の場所に住んでいる夫婦よりも、必然的に実家へ行く頻度が多くなりがちです。また他の兄弟も全員結婚して家を離れていると、両親の懐事情の余裕や、両親夫婦だけ(親のどちらかが他界している場合、一人きり)で夕飯を済ませる寂しさから「せっかくだから夕飯食べていったら?」
という流れになることが多々あります。そのため、子世帯にとっては食費が予想より安くおさまることもあります。

野菜などは1袋買うと妙齢の夫婦二人で食べきるのは案外難しく、一緒に食べてもらえると無駄にならない、孫に自分の料理を食べさせてあげられる等の理由から、単純に喜んでくれる場合もよくあります。

■近居のデメリットは?

一つ屋根の下で共に暮らす同居よりは距離的にも離れており、その分気楽な近居ではありますが、残念ながらデメリットがないわけではありません。ここからは著者の体験をベースとした近居のデメリット、対策としてできることをご紹介します。

・実家に干渉されやすく、ストレスの原因になる場合も

実家と居住地が近い場合、子夫婦が実家へ行くことも簡単であると同時に、両親が子夫婦を訪れることも簡単です。
親と子夫婦の仲が良好で何も問題がない場合はよいですが、実の親であっても頻繁に上がり込まれるとストレスの原因となることもあります。実の親でない場合は気を遣うことも。

また家を訪れることはなくとも、会うたびにあれこれと親に口出しをされる場合もあります。このような場合、実の子のほうからきっぱりと断る、家に来る頻度の取り決めを交わすなどの行動によって状況の改善が見込めます。

・親が要介護となった場合の兄弟との問題

近居の範囲内で家を持った場合、将来的に必ず考えておくべき課題は親の老後についてです。

親が要介護の状態になったときのことを曖昧にしておくと、ただ「近いから」という理由だけで実質的に介護を押し付けられるような状態となることもあり、兄弟間のトラブルのもとにもなりかねません。
万が一親だけで生活することが困難になった際にはどうするかを、実の兄弟間でしっかりと話し合い、現実的な計画を考えておくべきでしょう。

親の宅地や遺産が大きい場合、介護時の不公平さなどの理由で兄弟の間に禍根が残ってしまうことも考えられます。

・夫婦仲の悪化を招くこともある

親からの過干渉や親子の不仲が結果的に夫婦仲の悪化を招くこともあります。
とくに実子は親の行動に慣れてしまっているため、義理の子が感じているストレスに疎くなりがちです。夫もしくは妻の不満をきちんと受け止め、改善すべく行動に移すことで、夫婦仲が壊れてしまうことを未然に防ぐ必要があります。
また、中には実の親子間の仲がすこぶる悪くなり、それが夫婦間に影響する場合もあります。血のつながった親子同士が険悪となった場合、義理の親子のように遠慮がない分激しい口論が繰り広げられることもしばしばです。そのような状態で近居を続けていると、夫婦間でゆっくり話をする余裕もなく、気が付いたら仲が冷え切っていたということにもなりかねません。
実の親子で険悪である場合はとにかく接触を避けるのが一番です。怒りを親に向ける時間を夫婦で向き合って過ごすよう心がけることで、精神衛生的にも改善が見込めます。

■同居と近居の違いはある?

ここまで近居についてのメリット・デメリットをご紹介してきましたが、
「近居と同居に違う点はあるの?」
「結局、近居と同居はほとんど同じではないの?」
と思われるかたもいらっしゃるかと思います。
そこで、近居と同居の違いを近居経験者の目線から比較してみました。

・同居と近居では異なる点

同居、または二世帯住宅と近居の最も大きな違いは「距離の差」です。
同居も近居も同じようなものに思えますが、例えば徒歩5分でも距離があれば、お互いを必要以上に意識しなくて済みます。同居や二世帯住宅の場合、今何をしているか・在宅中か否かまでお互いに分かります。
これは悪い点ばかりではなく、どちらかに不審人物が入ったらすぐに分かる、事故や病気などの気配を感じ取れることはメリットにもなります。

・同居と近居で同じ、もしくは似ている点

同居と近居でほぼ同じ・または似ている点は「義理の子の肩身が狭くなりがち」という点です。
義理の親・義理の子というものは本来他人ではありますが、生涯を共にする伴侶の両親ともなると無碍にもできないもの。この微妙な距離感が疲れる、という人も少なくありません。

■まとめ

それぞれの「近居」を検討し、後悔しない住まい選びを

同居、近居、遠距離とさまざまな住まい方があるように、それぞれの夫婦・親子の関係性によって最も快適な距離感には違いがあります。
また、同じ「近居」と呼ばれる住まいでも、徒歩3分くらいがちょうどいい、という人もいれば、車で10分くらいの距離が一番心地よいと感じる人もいます。
家は簡単に持ち運べるものではありません。安易に決めてしまわず、試しに近居してみるといった過程を経て、どの程度の距離がお互いにとって良いのか、それぞれの家庭に最適な「近居」のありかたを検討してみることが大切です。

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