
家族が集まり、食事や会話を楽しむ場所として欠かせない「ダイニング」。しかし実際には、リビングとはどう違うのか、どこからどこまでをダイニングと呼ぶのか、はっきり分からない方も多いのではないでしょうか。近年はLDKが一体化した間取りが増えていることから「食事の場」と「くつろぎの場」の境界が曖昧になりがちです。この記事では、ダイニングの基本的な役割からリビングとの違い、さらに家族構成やライフスタイルに合わせた使い方のヒントを紹介します。
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ダイニングとは、食事をとるために設けられたスペースを指します。日本語では「食堂」と翻訳されることもありますが、家庭では「食卓まわりの空間」と考えるとイメージしやすいでしょう。食事だけでなく、子どもの宿題や家事の作業台、在宅ワークの場として使われることも多く、日常生活の中心になる機会が多い空間です。近年はキッチンとつながったレイアウトが増え、調理・配膳・片付けの動線をスムーズにする役割も担っています。
ダイニングの中心となる家具はダイニングテーブルとチェアです。4人掛けの長方形テーブルが定番ですが、家族構成や空間の広さによって丸テーブルや伸長式テーブル(天板を広げられるもの)などを置くケースもあります。
また、ダイニングはキッチンと隣接して配置されることが多く、配膳や片付けのしやすさを意識した動線の確保が大切です。インテリア面では、ダイニングの家具をキッチンと同じ素材や似たトーンで揃えると統一感が出ます。
ダイニングの配置にはさまざまなパターンがありますが、キッチンのそばにテーブルを置くレイアウトが一般的です。対面キッチンの正面にテーブルを置けばカウンター越しに料理を運べますし、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンと横並びにすると片付けの動線が最短になります。また近年は、リビング・ダイニング・キッチンが一体化したLDK型の間取りが主流となっており、家族が自然と集まる開放的な空間づくりが人気です。
その一方で、あえてキッチンとダイニングを切り離し、独立した部屋として設ける間取りもあります。来客が多くキッチンを見せたくない方や、調理と食事の空間をはっきりと分けたい方におすすめです。住まいの広さや家族構成、ライフスタイルに応じて選択すると良いでしょう。
リビングは、家族や来客が集まり、ゆったりとくつろぐためのスペースです。「居間」と呼ばれることもあり、ソファやテレビを中心にリラックスできる空間として設計されます。リビングは住まいの顔でもあり、インテリアや照明の工夫次第で家全体の印象を左右する空間です。
ダイニングがおもに食事を目的とする空間なのに対し、リビングは会話・休憩や趣味などさまざまな用途で使われることが特徴です。特に近年はリモートワークやオンライン学習の普及により、リビングに小さなワークコーナーを設けるケースが増え、活用の幅が広がっています。
リビングに置かれるおもな家具は、ソファやローテーブル、テレビボードです。ソファはくつろぎを支える主役であり、そのサイズやデザインによって空間の印象が大きく変わります。テレビを中心に構成するレイアウトが多いですが、窓から広がる景色を楽しめるように配置する例もあります。
リビングは家族全員が集まり、思い思いに過ごすための空間です。平日の夜は家族団らんの場に、休日は子どもの遊び場やゲストを招く社交空間にと、多様な用途に対応できます。家族構成やライフスタイルに合わせた家具選びが、居心地の良さを大きく左右するでしょう。
単身向け物件の限られたスペースでは、リビングとダイニングを兼ねたコンパクトな空間づくりがポイント。ソファベッドや折りたたみテーブルを取り入れることで、食事・仕事・休憩を効率よくこなせます。多機能な家具と無駄のない動線が大切です。
共働き夫婦のリビングは、オンとオフを切り替える場所に仕上げたいもの。落ち着いたカラーリングのソファや間接照明を採用して、ゆったり過ごせるようにしましょう。休日には趣味を楽しんだり、友人を招いたりと充実した時間を過ごせる空間づくりがおすすめです。
子どもが小さい家庭では、リビングは遊び場であり学びの場でもあります。ダイニングやリビングの一角にスタディスペースを設け、親が宿題を見守りながら過ごすスタイルが人気です。収納付きの家具を置けば、おもちゃや学用品も整理しやすく、スッキリとした空間を保てます。
二世帯住宅のリビングは、世代を超えた交流の場になります。大きめのソファや座卓を置いて、家族全員が集まりやすいようにすると良いでしょう。また、住まいのどこまでを二世帯の共有スペースとするかも大きなポイントです。「LDK全体を共有する」「リビングのみを共有する」といった間取りのほか「共有リビングとは別に世帯ごとのプライベートリビングを設ける」という方法もあります。住まいの面積や価値観に応じ、それぞれの世帯が気持ちよく暮らせるようにプランニングしましょう。
ダイニングとリビングを隣接させる間取りが多いですが、本来の役割はそれぞれ異なります。まずダイニングは食事をする場所で、リビングはくつろぎや交流を目的とする場所です。どちらも生活に欠かせない空間ですが、その違いを理解することで間取りの工夫がしやすくなります。
ダイニングは食事のほか、「ノートパソコンを開く」「家計簿をつける」「宿題をする」といった作業の場として使われることも多いです。一方リビングは「のんびり休む」「ゲームやテレビを楽しむ」「会話を楽しむ」といった過ごし方に向いています。
空間の役割を明確に分けることで、「食事中はテレビを観ない」「宿題を終えてからゲームをする」といった家庭のルールも実行しやすくなります。生活動線の設計や家具の配置を考える際にも、過ごし方の違いを意識すると良いでしょう。
ダイニングにはテーブルと椅子を中心にキッチンと調和するデザインが多く、照明は料理をおいしく見せる色と明るさが求められます。一方リビングはテレビやソファを中心にラグやクッションで柔らかな雰囲気を演出し、照明は明るすぎないものが好まれます。つまりダイニングは機能美、リビングは快適性と雰囲気づくりに重点が置かれる傾向があるのです。
近年の住まいづくりでは、リビング・ダイニング・キッチンダイニングをひとつながりにするLDKを設ける間取りが主流です。一体型LDKは伸びやかな開放感が得られる一方で、生活音やにおいなどの課題もあります。そのメリットとデメリットをよく確認しておきましょう。
リビング・ダイニング・キッチンの間に壁や仕切りを設けない一体型LDKは、空間全体を広く見せられる点が大きな魅力です。リビングの窓から入る光が奥まで届き、明るく開放的な印象になります。たとえ広い面積が取れなくても、仕切りがないことで実際以上にゆとりを感じられるでしょう。空間を切り分けないことで家具配置の自由度も高まり、インテリアを楽しむ余地が広がります。
一体型LDKの良さは、料理や勉強、休憩といった家族の行動が同じ空間でつながることにあります。たとえば夫がダイニング・テーブルで在宅ワークを行い、妻はリビングのソファで読書や趣味を楽しむなど、お互いの存在を感じながらもそれぞれの時間を過ごすことが可能です。子育て世帯なら、親がキッチンで料理をしながら、子どもがリビングで遊んでいる様子を見守ることができます。
一体型LDKのデメリットのひとつは、調理音やテレビの音、子どもの遊ぶ声などが空間全体に響きやすいということです。また、キッチンで調理中に発生するにおいや油煙が、リビングやダイニングに広がりやすいという問題もあります。
ニオイや油煙の広がりについては、空気の流れの綿密なシミュレーションを行った上でキッチンを設計し、換気性能の高いレンジフードを導入すると良いでしょう。また、フローリングやカーペットの選び方で音の反響を軽減することができます。
一体型LDKは家族が集まる空間のため、どうしても生活感が出やすくなります。ダイニングテーブルに郵便物や子どもの学用品など、細々としたものが置きっぱなしになることも多く、急な来客時には慌ててしまうことも。
対策としては、リビング・ダイニングそれぞれに小物をしまえる収納を設けましょう。片付けが得意ではない方には、フラット天板のキッチンよりも立ち上がりのあるカウンタータイプのほうが、手元が丸見えにならずおすすめです。また、ダイニングとリビングの間にロールスクリーンや引き戸型の間仕切りを設置しておけば、普段は開放して広く使いつつ必要なときにはサッと目隠しできます。
住まいの広さやライフスタイルによって、ダイニングとリビングの関係性は大きく変わるもの。ここではコンパクトな空間と広い空間のケースにおけるレイアウトの工夫と、リノベーション実例を紹介します。
ワンルームやコンパクトマンションでは、リビングとダイニングを分ける広さの余裕がないことも多いです。その場合、ダイニングテーブルをワークデスクや作業台として兼用するなど、多目的に使える家具を選ぶのがおすすめです。折りたたみ式テーブルやスタッキングチェアなら普段はコンパクトに収納しておけるので、来客時や作業時に柔軟に対応できます。また、背の低い家具で統一すると視界が広がり、実際の広さ以上にゆとりを感じられるでしょう。

こちらはひとり暮らしの1LDKの実例。省スペースな壁付キッチンの前にダイニングテーブルを配置するスタイルは、コンパクトな住まいにぴったりです。

ポイントはダイニングの向かいに設けたヌックです。ヌックとは「居心地の良いこぢんまりとした空間」のこと。ベンチや下がり天井を設け、ゆったりとした雰囲気に仕上げました。床はダイニングキッチンと異なる素材で貼り分け、視覚的にゾーニングしています。

広さのあるLDKでは、ゾーニングを意識した配置が効果的です。たとえば、ラグを敷いてリビングの範囲を明確にしたり、照明の種類を変えて雰囲気を区切ったりすると、場面ごとのメリハリが生まれます。また、壁面収納や造作カウンターを設けると、広い空間でも散らかりにくくなり、インテリアの完成度も高まるでしょう。

こちらはキッチンの横にダイニング、正面にリビングを設けた実例です。L字型の空間を活かし、ダイニングとリビングの一体感を保ちつつ空間の自然な切り替わりを生み出しています。

もともとは住まいの奥に独立キッチンがありましたが、キッチンの移動と間取り変更によって明るく開放的なLDKに一新しています。

約28年暮らした自宅をリノベーションした事例です。お子様が独立したあとの住まいを、ご夫婦がゆったりと暮らせるように一新しました。広々としたLDKは天井高を上げて開放感を強調。リビング背面に設けたニッチもこだわりポイントです。

もともとの5LDKから3LDK+WICへ間取りを変更。隣接していた和室を取り込み、LDKを大幅に拡大しました。
桜の一枚板のダイナミックなテーブルが主役のLDK。リノベーションのテーマは、「どこで誰が過ごすかを固定しないこと」でした。椅子のデザインもあえてすべて違うものにしています。

ダイニングテーブルの背後にはカウンターデスクを造作。ご夫婦が仕事したり、お子様が宿題をしたり、その日の気分に合わせて好きな場所で過ごせます。

セパレート型のアイランドキッチンと、固定ベンチや造作カウンターのある縦長LDK。元の4DK+Kの間取りを大幅に見直し、2LDK+WICのゆったりとした住まいに生まれ変わりました。

無垢フローリングやラワン張りの天井の豊かな質感が印象的なLDK。ダイニングの奥に設けた小上がりが、お子様の遊び場やくつろぎの場として活躍しています。

屋久杉で造作した2台のテーブルは、フレキシブルな使い方が可能。L字に配置してカウンターテーブルとして使うほか、移動してキッチンと横並びにすることもできます。窓側には土間を設け、インナーバルコニーや縁側のように過ごせるようにしました。

元の細かく区切られた間取りから、約24.4帖の広々としたLDKに生まれ変わりました。
ダイニングとリビングの間取りは、どのような暮らしを大切にするかによって選び方が変わります。一体型LDKと分離型LDK、それぞれに向いているライフスタイルを整理しておきましょう。
一体型LDKは家族と賑やかに過ごしたい方や、ホームパーティーなどでゲストを招く機会が多い方に向いています。家族の様子を見守ることができ、自然とコミュニケーションが生まれるため、子育て世帯にも人気です。また、料理や作業をしながら会話を楽しみたい方や、インテリアを大きなひとつの空間としてコーディネートしたい方にもおすすめです。趣味や習慣を空間全体で共有したい人に適した間取りといえるでしょう。
落ち着いて食事を楽しみたい人や、生活音・においに敏感な人には、ダイニングとリビングを分けたスタイルが合います。また、在宅ワークの時間が長い人にとっても、集中とリラックスを分けられる空間があると便利です。分離型の間取りは「来客に生活感を見せたくない」「プライバシーを重視したい」といったニーズに対応しやすく、世帯人数が少ない家庭や高齢世帯に選ばれる傾向があります。
理想の間取りを実現するには、家具や収納の工夫が欠かせません。ここでは、新築住宅でもリノベーションでも応用できる実践的なポイントを紹介します。
家具のレイアウトを考える際は、動線を意識することが大切です。たとえば、キッチンからダイニングへ配膳しやすい場所にテーブルを置く、人がよく通る場所はすれ違える幅を確保するなど、人の動きを具体的に想像しながら家具の位置や大きさを決めていきましょう。また、家具や建具の高さを揃えると洗練された印象になり、空間にまとまりを感じやすくなります。
リビングやダイニングは雑多な生活用品が集まりやすいため、すっきりとした空間を保つには収納計画がポイントになります。たとえばダイニングテーブルのそばの壁に小さなニッチを設けたり、対面キッチンのカウンター前面に収納を設けたりすれば、常備薬やリモコンといた細々とした雑貨をしまうのに便利です。また、開放的な空間を区切るには、パーテーションやカーテンの活用がおすすめ。完全に壁を作らずにゆるやかにゾーニングするだけでも印象が切り変わります。
ダイニングとリビングは、どちらも暮らしの中心となる大切な空間です。「食事や作業の場所」「くつろぎや交流の場所」と、それぞれの違いや役割を理解すると、間取りの計画や家具選びがぐっとスムーズになるはず。一体型LDKにするべきか分離型にするべきかは家族構成やライフスタイルによって異なるので、具体的な生活シーンを思い浮かべながらプランニングしましょう。
グローバルベイスでは、快適なLDKづくりのリノベーションを多数手掛けています。「理想のリビング・ダイニングを実現したい」「自分たちに合う間取りを知りたい」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。より具体的な住まいの形を一緒に考えてみませんか?