コロナ禍をきっかけに、在宅ワークやリモート学習が普及し、自宅に快適なワークスペースを設けたいと考える方が増えました。専用の書斎を設ける余裕がなくても、リビングの一角をワークスペースとして活用することで、家族とのつながりを感じながら仕事や勉強に集中できる環境が整います。この記事では、リビングにワークスペースを設けるメリットや押さえておきたいポイントを解説。使いやすいワークスペースをリノベーションで設けた実例もご紹介します。
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ワークスペースとは、自宅で仕事を行うための空間です。ワークスペースを確保する場所として、書斎などの独立した部屋のほか、リビングの一角に設けるという選択肢もあります。そこで、ますはリビングにワークスペースをつくるメリットを確認していきましょう。
リビングにワークスペースを設置する大きなメリットは、家族との距離感を保ちながら作業ができる点です。リビングを仕事場にすることで、子どもが遊んでいる様子や宿題をしている姿を側で確認しながら、自分の作業を行うことができます。子どもだけでなく、介護や見守りが必要な家族がいる場合も同様です。仕事の合間に家族と軽く会話をすることでリフレッシュを図り、孤独感を感じることなく作業に取り組むことができるはず。家族とのコミュニケーションも自然に増えるでしょう。
リビングの一角にワークスペースを作ることで、住まいの空間を有効に活用することができます。専用の書斎を設けるための余裕がない場合でも、リビングにデスクやシェルフを設置して、機能的な作業スペースを作り出すことが可能です。
ワークスペースは大人が仕事をするだけではなく、子どもの学習スペースとしても役立ちます。学習の場をリビングに設けることで、家族の雰囲気を感じながら宿題や勉強に取り組むことが可能に。保護者が家事などをしながら様子を見守ることができるため、疑問や質問があればすぐに対応が可能で、学習のサポートもしやすくなります。さらに、人が身近にいる環境で勉強することで、集中力を身につける訓練にもなるでしょう。
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詳しくはこちら>>リビングは家族が集まる場所だからこそ、ワークスペースをつくる際に注意するべき点もあります。確認しておきましょう。
リビングは本来リラックスするための空間のため、そこにワークスペースを設けることで、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。特に在宅勤務の場合、作業が終わっても仕事のことがなかなか頭から離れず、緊張状態が続いてしまうこともあります。このような状態を防ぐためにも、定期的な休息の時間を取り入れるなど、意識的にオン・オフの切り替えを行うことが大切です。
リビングは家族が集まる場所のため、会話やテレビの音、生活音などのさまざまな音が入り混じることが多いです。そのため、周囲の音や動きに気を取られて集中力が途切れやすくなります。仕事に集中したいときに家族の協力が得られないと、強いストレスを感じやすいです。そのような場合ではノイズキャンセリングヘッドホンを使ったり、作業の時間帯をずらしたり、集中しやすい環境を作る工夫が必要になります。
リビングにワークスペースを追加することで、部屋全体が狭くなってしまうことがあります。やみくもにデスクや椅子を置いた結果、家族の通り道をふさぎ、使い勝手が悪いリビングになってしまうケースも多いです。特にリビングの広さが限られている場合は、ワークスペースのレイアウトを慎重に考える必要があります。
ワークスペースには、パソコンやノート類のほかにも書類や文房具など仕事に関連するさまざまなアイテムが必要になってきます。しかし、リビングにはすでにテレビ台やソファなどの大型家具が置かれているため、新たな収納スペースの確保が難しいことも多いです。限られたスペースに無理に収納家具を置くと、リビングが狭苦しくなってしまったり、それまで整っていたインテリアがちぐはぐな印象になってしまったりする場合もあります。新たな収納家具の設置が難しい場合は、壁面収納を取り付けたり、既存の収納を流用できるかどうかを検討したりするのもひとつの方法です。
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詳しくはこちら>>リビングのワークスペースは、空間の仕切り方やレイアウトによって、大きく3つのタイプに分けることができます。
オープンタイプのワークスペースは、リビングの一角にデスクを設けるレイアウトです。空間を区切らずに作業スペースを確保するため、家族と過ごす時間を大切にしながら仕事に取り組みたい方や、リビングの開放感をできるだけ保ちたい方に適しています。このタイプでリビングに溶け込むワークスペースをつくるには、既存の家具やインテリアとの統一感を意識することがポイントになります。
セミクローズタイプは、リビング内にパーテーションやシェルフなどを置き、ワークスペースを部分的に区切る方法です。オープンタイプよりもプライベート感を確保できるため作業に集中しやすく、なおかつ家族の様子も感じられるレイアウトになります。
クローズタイプは、天井まで高さのあるしっかりとしたパーテーションや間仕切り壁で完全に区切られたワークスペースです。周囲の音や視線を遮ることができるため、特に仕事や作業に集中したい方やオンライン会議に参加する機会が多い方に適しています。デメリットは、ほかのタイプに比べてリビングの開放感が損なわれやすいことや、リビングの面積が減ることです。
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詳しくはこちら>>ワークスペースをリビングに作る際、いくつかのポイントを押さえることで作業環境の質を向上し、快適な空間にすることができます。
ワークスペースを快適な場所にするには、作業に適したデスクや椅子を選ぶことが大切です。体格に合った高さの椅子や、十分な作業スペースを確保できるデスクを選ぶことで、集中力を高めることができます。体に合わない椅子に長時間座っていると、疲れやすいだけでなく腰痛や肩こりの原因になることもあるため、できれば家具店などへ足を運び、実際の座り心地を試してから購入するのがおすすめです。また、高さの調節が可能な家具を選べば、家族全員が使いやすいワークスペースになります。
リビングにワークスペースを設ける際には、動線を意識することも大切です。リビングは家族が頻繁に行き来する場所なので、ワークスペースが動線を邪魔しないようにレイアウトする必要があります。暮らしのなかで家族がどのようなルートを通るのかを具体的に意識して、動線が重ならず作業に集中しやすい場所に設けましょう。必要に応じて、既存のソファやテーブルの位置を調整することも考慮に入れると選択肢が増えます。
快適なワークスペースを作るためには、適切な照明選びもポイントになります。リビングの照明にはリラックス効果のある「電球色」(オレンジがかった温かみのある光)を使用することが多いですが、ワークスペースには「昼光色」がおすすめです。昼光色は青みがかった白色の光で、集中力を高める効果があるとされています。ただし昼光色は物がはっきりと見える分、目が疲れやすいという側面もあるため、長時間の作業になる場合は途中で休息することも大切です。必要に応じて明るさや色味を調整することが可能な調光照明を採用してもよいでしょう。
リビングにワークスペースを設ける際に大きな課題になるのが「気が散りやすい」こと。集中力が途切れないようにするためには、目から入る情報をシャットアウトすることがポイントです。ワークスペースを完全に間仕切りするのが難しくても、デスクに顔が隠れる程度のパーテーションを設置したり、観葉植物を置いて区切ったりするだけでも、視線を遮り集中しやすくなる効果があります。
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詳しくはこちら>>リノベーションなら、家の間取りやライフスタイルに合わせた自由な設計が可能です。そこで、実際にリビングやダイニングにワークスペースを設けたリノベーション実例を見ていきましょう。
こちらは、LDKに設けたオープンタイプのワークスペース実例。ダイニングの後ろ側にワイドな天板のカウンターデスクを設けています。作業スペースが大きいため書類をたくさん広げることができ、家族が並んで作業をすることも可能です。梁を利用して設けた間接照明が優しい雰囲気を演出しており、飾り棚としても活用できます。
リビングの一角にオープンタイプのワークスペースを設けた実例です。テレビ台や収納も兼ねた造作デスクは、使用する方の身長と椅子の高さに合わせて設計しました。お持ちの家具に合わせてインテリアの素材やサイズを決めた、こだわりのリノベーションです。
リビングに設けたカウンターデスクです。お気に入りの雑貨を飾る棚も兼ねており、上部のシェルフはしまう物のサイズに合わせて高さを変えることができます。
もう一箇所、バルコニーの前に設けたオープンタイプのワークスペース。こちらはご主人がオンライン会議に参加する時のためだけに設けたものですが、奥まった場所にあり集中できるため、想定以上に活用されているそうです。デスク前の棚は有孔ボードでできているため、デスク周りの小物を引っ掛けて収納することができます。
LDKの窓際の一角にオープンタイプのワークスペースを設けた実例です。コロナ禍によりご夫婦で在宅勤務となったことから、キッチンの収納を兼ねたカウンターデスクを造作しました。
キッチン収納の延長線上にあるため、もし在宅勤務がなくなっても、そのまま違和感なく使用できるデザインになっています。
リビングの一角にオープンタイプのワークスペースを設けた事例です。長手方向に伸びる壁を爽やかなブルーに塗装した羽目板で仕上げ、空間の奥行きを強調しています。そのなかに溶け込むようにワークスペースを設け、利便性とインテリア性を両立させました。上部に2段シェルフを設け、収納もしっかり確保しています。
こちらはリビングの一角に設けた、セミクローズタイプのワークスペース事例。テレビを掛けている壁の裏に、ワークスペースがあります。扉のない間仕切り壁により空間を区切りつつ、緩やかなつながりを保っています。
約2.5帖のワークスペースには、ご夫婦で並んで作業ができるカウンターデスクを造作。その先に進むとウォークスルークローゼットと寝室が続き、そちらからも出入りができる回遊動線の間取りとなっています。
こちらはリビングに小上がりのワークスペースを設けた事例です。畳敷きのため、仕事の休憩時間に横になって休むことも可能。壁際のデスクは可動式で、リビング側に移動して作業することもできます。
作業に集中したいときや、急なゲストの際にはブラインドを下ろして小上がり全体を目隠しすることができます。
リビングの一角にワークスペースを設けた事例です。梁部分にカーテンレールを設置しており、集中力を高めたいときにはカーテンを引いて空間を切り分けることができます。
リビングの小上がりにワークスペースを設けた事例です。造作のデスク下は空間が空いているため、畳敷きの床に座り足を伸ばして作業することができます。
約4.2畳の小上がりは引き戸を閉めれば独立した和室になるため、ゲストルームとして使用することも可能。必要に応じてオープンにもクローズにもなるフレキシブルな空間です。
リビングの一角に奥様が使用するワークスペースを設けた事例です。引き戸を閉めれば、完全にクローズすることができます。もともとはリビングでお仕事をされていましたが、独立したワークスペースを設けることでオン・オフの切り替えがしやすくなったそうです。
お子様と並んで勉強もできるように、ワイドな横幅のデスクを造作。大きめの収納棚を設け、仕事の書類や書籍をすっきりと収納できるようにしています。ワークスペースの先へ進むと玄関につながる間取りです。
リビングの一角に、ご夫婦それぞれのワークスペースを設けた事例です。空間を完全に区切るクローズタイプですが、ガラスの引き戸で間仕切りすることでオープンタイプと同様の開放感と採光を確保しています。
ご夫婦のデスクの間もFIXガラスで間仕切りしています。音声はしっかりと遮られるため、オンライン会議を同時に行う際も安心です。
リビングの一角にクローズタイプのワークスペースを設けた事例です。アイアンとガラスを組み合わせたドアのため、閉めていても圧迫感がありません。
約2.2帖のワークスペースには、書籍や書類などをたっぷりとしまえる収納棚を設けています。在宅勤務をきっかけに設けた空間ですが、いずれは子ども部屋として使用することもお考えだそうです。
リビングに約4.4帖のワークスペースを設けた事例です。アイアンとガラスのスタイリッシュな壁に囲まれ、クローズタイプでありながらオープンタイプのような開放感があります。
デスクのほかにキャビネットやシェルフを設けており、隠す収納と見せる収納を使い分けることができます。
リビングの一角にクローズタイプのワークスペースを設けた事例です。間仕切り壁で空間をしっかりと切り分けているため、集中して仕事に取り組むことができます。
クローズタイプのワークスペースですが、開閉できる室内窓を設けているため明るく風通しの良い空間です。開けた窓から、リビングで過ごす家族の雰囲気も感じられます。
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詳しくはこちら>>リビングにワークスペースを設けることで、家族との時間を大切にしながら効率的に仕事や勉強に取り組める空間が生まれます。快適なワークスペースをつくるためには、適切な家具選びや動線への配慮などが大切なポイントです。リビングにワークスペースを作りたいとお考えなら、リノベーションのプロにご相談してみませんか?グローバルベイスでは、無料でご参加いただけるセミナーや相談会を実施しております。お気軽にお問い合わせください。