OSB合板は、木のチップを圧縮した個性的な見た目の資材です。本来は建物の構造用建材ですが、おしゃれなカフェや住まいの内装材としても人気を集めています。そんなOSB合板にはどのような特徴があるのでしょうか?メリット・デメリットや、リノベーション事例を確認してみましょう。
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詳しくはこちら>>「OSB」は、「Oriented Strand Board(オリエンテッド・ストランド・ボード)」の略です。
Oriented(オリエンテッド)…配向性(はいこうせい)
Strand(ストランド)…細長い削片(さくへん)
Board(ボード)…板
OSB合板は、そのままでは建築資材に適していない「アスペン(ポプラの一種)」という木を有効活用するために考案された合板です。細長いチップ状にした木材を乾燥させたのち接着剤と混ぜて、パネル状に高温圧縮。そのパネルを複数枚重ねることで、OSB合板ができあがります。
「配向性」とは、チップの方向を管理していることを示しています。合板を構成する層ごとにチップの向きをある程度揃えることで、強固な構造性を確保しているのです。なお、OSB合板のほとんどが海外から輸入された製品となります。
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詳しくはこちら>>OSB合板はもともと構造用の建材でしたが、圧縮された木片の独特な素材感と風合いを活かし、あえて内装材として使用するケースも増えています。インパクトの強い個性的なインテリアに取り入れられることが多いですが、OSB合板の色合いや面積によっては、ナチュラルな優しい雰囲気を演出することも可能です。内装材のほか、家具や建具の製作に使用されることもあります。
建物の構造材としての基準をクリアしているOSB合板は、耐久性・気密性・防虫性に優れています。また、製造時に使用される接着剤の成分が、シックハウス症候群の原因になるのではないかと気がかりな人も少なくないはず。その場合は、ホルムアルデヒト放散等級として、もっとも安全性の高い「F☆☆☆☆」表示の製品を選ぶと安心です。
素材を有効活用して作られたOSB合板は、ほかの板材に比べてリーズナブルです。産地や表面の仕上げなどによって価格は異なりますが、スタンダードな製品であれば、厚み9mm、大きさ910mm×1,820mmのもので、1枚2,000円程度から購入することができます。入手経路としては、木材専門店のほかホームセンターやネット通販で購入することが可能です。一般の人も気軽に購入できる素材のため、DIY派にも人気があります。
OSB合板をニスやペンキなどで塗装して、表面の風合いや雰囲気を変えることもできます。そのままでは塗料が乗りにくいことがあるため、サンダー(やすり)を掛けるなど、下準備を施してから塗装すると良いでしょう。
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詳しくはこちら>>OSB合板は製造工程である程度の耐水性を持つ接着剤が用いられていますが、建材としての耐水性はありません。水が直接掛かる場所や湿度が高い場所で使用すると、本来の強度が保持できなくなったり、短期間で劣化したりする可能性があります。屋外や水回りには、OSB合板ではなく耐水性のある素材を使用しましょう。
OSB合板には構造用と内装用の製品があります。構造用OSB合板は、農林水産省の定める規格によって一定の強度が確保されており、おもに床・壁・屋根の下地材に用いられるのが一般的です。また、強度(曲げ性能)によって1〜4等級まで分けられており、用途によって使い分けられていれます。内装用OSB合板は、サンダー仕上げ(研磨済み)により表面が平滑で美しく処理されています。すぐに内装材として使用することができ、塗装などの加工もしやすいのでDIYにもおすすめです。
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詳しくはこちら>>http://www.alphahomeplus.co.jp/blog/2020/06/osb-1-742147.html
OSB合板をマンションの壁面に採用した事例です。コンクリートの構造躯体や配管を現しにした天井、ヴィンテージな風合いの床材など、OSB合板のインパクトに負けない素材をふんだんに使用しています。個性的な素材がせめぎ合う空間を家具のブラックが引き締め、おしゃれなカフェのように仕上げています。
http://www.alphahomeplus.co.jp/blog/2020/06/osb-1-742147.html
こちらは、建具の一部にOSB合板を使用した事例です。ナチュラルで優しい印象の空間にOSB合板特有のラフな素材感が、ほどよいアクセントとなっています。
http://www.alphahomeplus.co.jp/blog/2020/06/osb-1-742147.html
OSB合板をホワイトとグリーンの塗料で仕上げた、爽やかで優しい印象のトイレです。木片の模様が浮かび上がらないようにしっかりと塗ることで、塗り壁のような風合いになっています。このように好みの色合いに自由に塗装できるため、さまざまなインテリアに対応可能です。
http://www.alphahomeplus.co.jp/blog/2020/06/osb-1-742147.html
洗面室の壁面に使用したOSB合板を黒く塗装した事例です。塗装した後にあえて塗料を拭き取ることで、木片の模様がよく見えるように仕上げています。もともとのOSB合板とは印象がらりと変わり、シックで落ち着いた空間を演出しています。
https://www.sumailab.net/P22/A3/e-home/works/works6/
一戸建てのビルトインガレージの天井と壁にOSB合板を使用した事例です。バイクや自転車のほか、スノボやサーフィンなどを楽しむという施主さま。OSB合板のナチュラルでラフな素材感は、アウトドア派からの支持も高いです。バイクやスポーツ用品のお手入れが楽しくなりそうな空間になりました。
https://www.athome.co.jp/renovation/magazine/detail/23/
LDKに隣接する居室を、DIY専用ルームにしたマンションリノベーション事例です。天井と壁にOSB合板を採用し、壁面収納を設けています。作業中に出る木くずやペンキの汚れを気にせず、思う存分DIYを楽しむ事ができる空間が欲しかったという施主さま。工具や作業机のほか、釣り竿やキャンプ用品といった趣味の道具にも囲まれ、まるで秘密基地のような特別な空間となっています。
こちらは、マンションのリノベーション事例です。壁の一部にOSB合板を使用しています。そのほかにも壁・床・建具に、ライトブラウンで色調を統一した木材をふんだんに採用して、木の温もりに包み込まれるような、ナチュラルテイストの明るい空間に仕上がっています。
http://dreamhouse-kk.com/cat_news/2021/
壁と天井、さらにテレビ台にもOSB合板を採用した事例です。OSB合板のナチュラルでラフな素材感と、重厚感のあるブラックの建具とのコントラストがスタイリッシュな印象。合板には品質や産地の表示がプリントされていますが、インテリアの一部としてあえてそのまま使用することで、個性的なアクセントとなっています。
室内からいつも愛車を眺めることができるビルトインガレージ。その壁の仕上げ材にOSB合板を採用しています。木目のラフな風合いに、車やバイクのメタリックな美しさが一段と引き立つ空間です。
http://ichinichi.tokyo/rooms/index.jp.html
こちらは、美容室だったビルをリノベーションしたという、東京都北区のホテル「ICHINICHI」です。ドミトリー(相部屋)タイプのフロアは、まるで小屋が並ぶようなデザインに区切られ、外側にOSB合板が使用されています。非日常を感じられるアーティスティックな空間です。
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詳しくはこちら>>OSB合板はもともと構造用建材ですが、木片が圧縮されたインパクトのある素材感が内装材としても人気です。耐久性・気密性・防虫性に優れていますが、耐水性はないので屋外や水回りに使用することはできません。個性的でおしゃれな空間を作りたいなら、OSB合板を取り入れてみてはいかがでしょうか?