住まいの中で大きな面積を占める壁や天井。壁紙を変えると、空間のイメージが大きく変わります。新築マンションにはシンプルなデザインの壁紙が使われていることが多いですが、リフォームで大胆なデザインのものに変えることも可能です。マンションのリフォームで使われる壁紙の種類やポイントなどをまとめました。
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そもそも、分譲マンションの壁紙はリフォームで変えることができるのでしょうか。マンションには専有部分と共用部分があり、所有者が自由にリフォームできるのは専有部分のみです。専有部分に該当するのは、「○○号室」として区切られた躯体の天井や壁、床の内側になります。つまり、マンションの室内の壁は専有部分にあたるため、壁紙はリフォームで張り替えることが可能です。
ただし、マンションでは所有者で構成される管理組合が定める管理規約によって、リフォーム工事を行う前に管理組合への届出や承認が必要なケースがあります。壁紙のリフォームを行う前に、管理規約を確認しておきましょう。
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詳しくはこちら>>壁紙は種類によって、風合いや価格、施工性などに違いがあります。マンションリフォームで一般的に使用される壁紙の種類を紹介していきます。
ビニールクロスは安価で、マンションを含め住宅で広く普及している壁紙です。PVC(ポリ塩化ビニル)に紙を裏打ちしてあります。ビニールクロスは色や柄などによる種類の豊富な点が特徴。汚れ防止効果や消臭効果・抗菌効果・吸放湿効果など、様々な機能が付加された機能性壁紙もあり、壁紙を張る場所に合わせて選べます。また、濡れた布でサッと拭いて掃除ができるため、お手入れがしやすいこともメリットです。
紙壁紙は欧米では広く使われていて、パルプを原料とした洋紙タイプは輸入品もあり、鮮やかな色や大胆な柄のアイテムも多いです。紙壁紙にはコウゾやミツマタなどを用いた和紙タイプや、ケナフや亜麻など原料が非木紙の特殊紙タイプなどもあります。紙壁紙は紙ならではの質感と風合いのよさが魅力。輸入品の紙壁紙は柄にもよりますが、華やかな雰囲気を醸し出し、和紙タイプの紙壁紙は和の雰囲気を演出できます。
ただし、紙壁紙は薄いため、壁の不陸と呼ばれる凹凸が響きやすいのがデメリットです。特に壁紙のリフォームでは、既存の壁紙を剥がした後に下処理を行って張りますが、不陸を拾いやすいため、職人の腕が問われます。また、表面に撥水加工がされていない場合、汚れがシミになりやすいことも難点です。紙壁紙はビニールクロスと比較して、一般的に高価になります。
織物壁紙は布クロスとも呼ばれ、木綿や麻、絹、不織布などに紙を裏打ちした壁紙です。高級感があるため、ホテルや美術館で使われることが多く、マンションなどの住宅では寝室での使用に向いています。織物壁紙はビニールクロスよりも費用は高めです。織物壁紙はホコリが吸着しやすいですが、水拭きには向いていないため、はたきをかけて手入れをします。
珪藻土とは、植物性プランクトンの化石が海や湖沼に堆積してできた自然素材で、調湿効果があります。珪藻土は、職人の左官仕上げによる塗り壁として施工されます。珪藻土壁紙は珪藻土を内装仕上げ材として、塗り壁よりもリーズナブルに手軽に取り入れられるように壁紙にしたものです。
珪藻土壁紙は珪藻土ならではの風合いは感じられるものの、塗り壁よりは劣ります。また、使用する珪藻土の量も限られているため、期待しているほどの調湿効果が得られないこともある点に注意が必要です。珪藻土壁紙は水拭きするとシミになる恐れがあるため、日頃の手入れははたきを使い、汚れが気になる場所があるときは消しゴムで消します。
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詳しくはこちら>>ビニールクロスにも高価な商品はありますが、マンションのリフォームで主に使用されるのは、いわゆる「量産クロス」や「1000番台クロス」と呼ばれるグレードの壁紙です。
量産クロスは価格が抑えられた普及品の壁紙で、賃貸物件にもよく使われています。厚みがあり、柄の凹凸が大きめのため、下地の不陸を拾いにくく、施工難易度は低めです。ただし、色や柄のバリエーションが少なく、機能性壁紙もありません。
1000番台クロスは中級品という位置付けで、色や柄が豊富で様々な機能性壁紙があります。ただし、量産クロスよりも厚みがないため、きちんと下地処理を行わないと仕上がりに響きます。
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詳しくはこちら>>マンションの壁紙リフォームにはどの程度の費用がかかるのでしょうか。費用項目を見たうえで、リフォーム費用の目安や注意点を紹介していきます。
壁紙の張り替え費用として発生するのは、まず、「材料費」。壁紙の数量は、施工箇所と使用する壁紙の幅をもとに必要な長さを割り出し、グレードによる単価をかけて算出します。「施工費」は職人の人件費、「養生費」はコンセントなどを保護するため、養生シートなどを貼っておくための費用です。「下地処理費」は既存の壁紙を剥がした後、下地を調整するための費用。「廃材処分費」は剥がした既存の壁紙の処分費用です。また、壁紙リフォームにあたって、大型の家具の移動を依頼する場合には「荷物移動費」が必要になります。
壁紙リフォームの費用は同じ広さの部屋でも、窓の大きさや天井の高さによっても異なります。また、一般的に壁紙を貼る面積が多少広くなっても、施工費は大きくは変わりません。そのため、壁紙を将来的に張り替える予定がある部屋がいくつかある場合、部屋ごとに頼むよりも、まとめて依頼した方が安く済むことが多いです。
施工費のほか、廃材処分費や下地処理費などの諸費用も含めた張り替え費用の相場は、量産クロスは1000円~1200円/1㎡、1000番台は1400~1600円/1㎡です。6畳の部屋で量産クロスは4万円~7万円、1000円台クロスは5万円~8万円が目安です。一般的な3LDKのマンションの壁紙の張り替えでは、50万円前後が目安になります。
壁紙リフォームの費用を比較する際には、単価の計算方法に注意することが必要です。壁紙リフォームの見積書は1㎡当たりの単価が書かれているケースが多いですが、1m当たりの単価で書かれているケースもあります。一般的に壁紙は90㎝幅でロール状になっている商品が多く、1m当たりの単価は0.9㎡当たりの単価に相当するため、「㎡」か「m」か注意して見比べることが必要です。
また、平米単価が安い会社は下地処理費や廃材処分費が別途かかる可能性もありますので、平米単価に含まれているものを確認しましょう。
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詳しくはこちら>>マンションの壁紙リフォームでどのような壁紙を選んだらよいのか、志向によるタイプ別に紹介していきます。
壁紙リフォームの費用をリーズナブルに抑えたい人には、量産クロスがおすすめです。量産クロスは壁紙自体の価格が安いうえに施工性もよいため、施工費も抑えられます。費用は抑えたいけれども、量産クロスでは物足りないという人には、量産クロスと1000番台クロスを使い分けるのをおすすめします。たとえば、玄関とリビングは見栄えを重視して1000番台クロスを使い、そのほかの場所は量産クロスを使うといった方法があります。
欧米など外国の住まいのような雰囲気にしたい人におすすめなのは、輸入品の紙壁紙です。輸入品の紙壁紙は、国産品ではあまり目にしないような華やかな柄や大胆な柄のものが多く、実際に海外で使われているものならではの質感もあります。ただし、紙壁紙を部屋の全面に使用すると、費用が高額になりがちです。費用を抑えたいときは、一部分に輸入品の紙壁紙をアクセントクロスとして使用する方法もあります。
犬や猫などのペットを飼っていると、壁紙に引っかき傷がつきやすく、汚れや臭いも気になりがちです。そこで、2種類の壁紙を張り分けるのがおすすめです。腰壁まではペット用の表面が特殊な加工で強化され、フィルム加工が施された機能性壁紙を張ると、ひっかきキズがつきにくく、汚れをサッと拭くことができます。腰壁より上の壁や天井には、消臭効果のある壁紙を張ると、ペットによる臭いを軽減することが可能です。
壁をできるだけきれいに保ちたい人におすすめなのは、ウレタンコートなどの加工がされてキズに強く、表面はフィルム加工がされた壁紙。万が一、物をぶつけたときにキズができにくく、手垢や油汚れなどをサッと拭いて落とせます。
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詳しくはこちら>>壁紙リフォームによって、住まいのイメージは一新します。印象的な空間に生まれ変わった、壁紙の張り替えを含むマンションのリフォーム事例を紹介します。
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=85
リビングの壁の一面のみ、梁下で壁紙を張り分けてフォーカルポイントとした事例です。壁全体にダークグレーの壁紙を用いると、重く暗い印象になりかねません。しかし、一面のみをダークグレーの壁紙としたことで、明るさを持ちながらも重厚感のある空間となりました。ダークグレーの壁紙がキャンパスのように、アートやオブジェの置かれた棚で彩られています。
https://www.tecido.co.jp/roomset/contents/023170.php
ダイヤ柄のモダンな幾何学模様の紙壁紙を用いて、ホテルライクな寝室を実現した事例。紙壁紙の質感のよさが感じられ、ホテルのような上質な空間を演出しています。通常のクロス張りの壁よりもフラットに見えるのは、ビニールクロスより薄い、紙壁紙ならではの仕上がりです。壁面のアートやベッドの小物類がシンメトリーに設えられていることも、ホテルらしさを感じさせます。
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=40
大胆な植物の柄の壁紙を使ったトイレ。一度見たら忘れられないようなインパクトがあります。無機質なイメージのダークカラーでまとめられたリビングダイニングやベッドルーム、廊下などとは対比的で、トイレが住まいの中の隠れたアクセントになりました。
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詳しくはこちら>>壁紙を変えることで、住まいのイメージを大きく変えたり、機能性を向上させたりすることができます。新築マンションは壁紙が決められていますが、リフォームで自由に選んで変えることができますので、自分や家族の好みやライフスタイルに合った壁に変えていきましょう。