住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

安い家(ローコスト住宅)の失敗事例や失敗しないためのポイントを解説!

マイホームとして新築一戸建てを建てるには、土地の購入費用と建物の建築コストがかかります。できる限り安い家を建てたい場合には、ローコスト住宅という選択肢があります。

ローコスト住宅とはどんな家なのか安い理由を抑えたうえで、失敗事例と対策、メリットやデメリットなどについて取り上げていきます。

安い家(ローコスト住宅)の失敗事例や失敗しないためのポイントを解説!
こんな方におすすめの記事です
  • ローコスト住宅の安さの理由を知りたい方
  • ローコスト住宅のメリット・デメリットを知りたい方
  • ローコスト住宅で満足のいく家にするためのポイントを知りたい方

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■安い家=ローコスト住宅とは?

ローコスト住宅とは、建設費用が比較的安い家のことをいいます。ローコスト住宅に厳密な定義はありませんが、一般的に建設費用が坪単価30万円~40万円前半、35坪程度で1000万円台の住宅を指します。

ローコスト住宅は、ハウスメーカーによる規格住宅が中心です。規格住宅は、間取りや外装材、内装材、設備などの仕様をいくつかのパターンから選んで組み合わせていくタイプの注文住宅のこと。標準仕様以外に、オプションとして用意されている仕様もあるのが一般的です。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■ローコスト住宅が安い理由

ローコスト住宅が安い理由

ローコスト住宅の価格が安いのは、材料費や人件費、広告宣伝広告費を抑えていることやシンプルな間取りにしていることが主な理由です。

・材料費を抑えている

ローコスト住宅の多くは規格住宅で、外装材や内装材、建具、設備などの種類を抑えて、大量発注を行うことで仕入れ価格を下げています。同じ材料を使うことでロスを抑えられることも、材料費の削減につながります。また、ローコスト住宅は木造住宅が中心ですが、同様に木材のプレカットも大量発注を行うことで価格を下げています。

このほかには、キッチンやユニットバスといった設備は、最新のタイプや高級グレードタイプではなく、普及品を標準仕様としていることも、価格が安い理由です。

・人件費を削減している

規格住宅として、一から自由に間取りを考える自由設計ではなく、プラン集の間取りをベースとすることで、設計に関わる人件費を削減しています。

工事の面でも、決められたプランや仕様にすることで、一度覚えるとスムーズに作業がしやすくなるため、作業の効率化が図れ、人件費の削減につながります。また、工場でカットした材料を組み立てるなど、複雑な作業をできるだけ省いて作業を単純化し、経験の浅い作業員でも対応できるようにすることも、人件費を安く抑えられる理由です。一定の品質を維持しながら、工程管理などを行う現場監督の工数も抑えることができます。

・シンプルな間取りにしている

ローコスト住宅は、間仕切り壁の少ないシンプルな間取りが基本。床面積が同じ家であっても、壁が少ない方が間柱やプラスターボード、壁紙、コンセントなどの材料費を抑えられ、細かく壁で仕切られないことで建具の数も減ります。また、凹凸の多い複雑のデザインの間取りは、使用する材料も作業の手間もかかるため、正方形の形状のシンプルな間取りの方が安くできるのです。

木造住宅では3階建て以上は構造計算が必要なことから、ローコスト住宅の多くは平屋~2階建てです。

・広告宣伝費を抑えている

知名度の高い大手ハウスメーカーの住宅の価格には、テレビCMや新聞広告、雑誌広告といったマス広告による多額の宣伝費用が含まれています。これに対してローコスト住宅では、マス広告による大々的な宣伝を行わないことで、広告宣伝費用を抑えています。テレビCMを打つ場合も、全国ネットよりもローカル放送を利用した方が安いです。

このほかには住宅展示場に出展するには出展費用がかかるため、立地にもよりますが単独のモデルハウスを建てることで費用を抑えられます。また、モデルハウスを持たず、施主の協力のもと、自社で建てた家の現地見学会・内覧会を開いて公開してもらうという方法もとられています。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■ローコスト住宅の失敗事例

ローコスト住宅の失敗事例

ローコスト住宅は価格面などの魅力がありますが、「失敗した」という声も見受けられます。そこで、よくある失敗事例を挙げたうえで、失敗しないための対処策を考えていきます。

・想像していたよりも安っぽく感じる

ローコスト住宅は安い家といっても、トレンドのデザインを取り入れているおしゃれな家もあり、ホームページやパンフレットで見ると、一般的な住宅と遜色ないこともあります。しかし、実際に家を建ててみると、「想像していたよりも安っぽい」と後悔するケースもみられます。

ホームページやパンフレットの画像で見ただけでは、素材の質感まではわからないことが主な要因です。また、モデルハウスなどを見学している場合でも、内装材などのカラースキームによって見え方が異なることもあります。たとえば、「ダークブラウン系のコーディネートの家は高級感があるように見えたのに、ナチュラル系を選んだら安っぽく見えた」、「白をベースとした家はスタイリッシュに見えたのに、ダークブラウン系にしたら質感が気になった」といったケースが挙げられます。

そのため、モデルハウスがあれば足を運んだり、現地見学会・内覧会に参加したりするなど、実物を見ておくことが大切です。できれば、希望するカラースキームに近い家を見学すると、イメージしやすくなります。

・希望していたような住宅を建てらなかった

ローコスト住宅は規格住宅が中心のため、「希望している間取りにはできなかった」、「憧れのキッチンメーカーのキッチンがつけられなかった」といった失敗例もあります。

ローコスト住宅は決められたいくつもの間取りパターンから、敷地条件、家族構成や必要な部屋数、ライフスタイルなどをもとに選ぶのが基本です。間取りパターンから変更したい場合の対応は会社によって異なりますが、独創的な間取りにするのは難しいでしょう。

また、外装材や内装材、設備は決められたものから一つずつ選んでいくか、あるいは決められた何パターンかのカラースキームから選ぶ形になるのが一般的です。

そこで、ローコスト住宅を検討する際には、間取りパターンにはどういった間取りがあるのか、設計変更はどの程度可能なのか、確認しておくことが大切です。また、実際に外装材や内装材、設備などの仕様はどのようなものが選べるのか、モデルハウスやサンプルなどで確認し、満足のいくものを使っているのか確認しましょう。

・オプションの追加で大幅に費用がアップした

「ローコスト住宅を扱うハウスメーカーで家を建てたのに、オプションを追加したら、一般的なハウスメーカーの価格になった。これなら、もっとほかのハウスメーカーも見て決めればよかった。」こうしたオプションの追加でローコスト住宅とは呼べない価格になってしまうことも、失敗例として挙げられます。

ローコスト住宅が安いのは、あくまでも標準仕様として設定されている外装材や内装材、建具、キッチン、ユニットバス、洗面台、トイレなどの設備を選んだ場合です。オプションを選ぶと追加費用がかかり、割増になります。

標準仕様やオプションの外装材や内装材、建具、設備などを確認して、オプションを選ぶとどの程度、費用が追加されるか、確認しておくことが大切です。また、モデルハウスや現地見学会・内覧会で公開されている家には、オプションが使われていることもあります。見学して「いいな」と思ったものがオプションの可能性がありますので、標準仕様と異なるものを確認しておくようにしましょう。

・住宅の性能から光熱費がかさむ

「室内が夏は暑く、冬は寒くて光熱費」がかさむというのも、ローコスト住宅によくある失敗事例です。

昨今では、大手ハウスメーカーを中心に、高気密・高断熱で省エネルギー性能が高い住宅が展開されています。たとえば、壁の断熱材が厚みをもたせ、室内の熱気の多くは開口部から逃げやすいため、窓には断熱性の高いアルミ樹脂複合サッシやLow-E複層ガラスを使用するといった形です。

また、長期優良住宅に標準仕様で対応しているハウスメーカーも多く、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー住宅)に対応する会社もあります。

ローコスト住宅を展開するハウスメーカーでも、長期優良住宅などに対応しているところもあり、一概にはいえませんが、ローコスト住宅は価格を抑えるために断熱性能の面で劣る可能性があります。

そのため、間取りやデザインの面だけではなく、断熱性能など住宅の性能も比較検討することが大切です。

また、ローコスト住宅に関わらず、リビングに吹き抜けのある家や間仕切り壁の少ない家は、冷暖房効率が低くなりやすい点にも注意が必要です。

・メンテナンスコストがかさむ

住宅の性能の面では、ローコスト住宅は「劣化が思ったよりも早く、メンテナンス費用がかさむ」という失敗例も聞かれます。

ローコスト住宅は価格を安くするために、使用する外装や内装材、設備は安い価格帯のものが中心です。外装材や内装材、設備などの寿命が短く、家を建てるときのイニシャルコストは抑えられても、交換や修繕にかかるメンテナンスコストが高くつく可能性があります。

たとえば、ローコスト住宅の外壁に用いられることの多い窯業系サイディングは、施工性がよいため、人件費を抑えられます。また、窯業系サイディングは比較的リーズナブルな素材ですが、つなぎ目のシーリングの打ち直し、サイディングの塗膜が劣化した場合などの塗り替えといったメンテナンスが必要です。表面にあらかじめ耐久性の高い塗料を塗布した使窯業系サイディングもありますが高価です。

規格住宅として、標準仕様となっている素材を確認して、メンテナンスコストも踏まえて検討しましょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■ローコスト住宅のメリット・デメリット

ローコスト住宅のメリット・デメリット

ローコスト住宅には価格面などのメリットがありますが、「失敗した」と感じている人もいるように、価格を抑えていることによるデメリットもあります。

・ローコスト住宅のメリット

ローコスト住宅は主に価格面や工事期間に関するメリットがあります。

◇建築コストを抑えられる

ローコスト住宅は文字通り建築コストが安く、金銭的な負担を抑えて家を建てられることが、大きなメリットです。住宅ローンを組む金額も抑えられるため、月々の支払いも安くなることから、購入のハードルが下がります。

◇工事期間が比較的短い

ローコスト住宅の多くは規格住宅であり、あらかじめ部材を工場でカットして組み立てるだけにしているなど、現場での施工性を配慮した住宅です。工事期間が比較的短く、実際に住むことができるまでの期間が短くなることもメリットに挙げられます。

◇建て替えのハードルが低い

ローコスト住宅は住宅ローンを組む費用を安く抑えられるため、比較的早い段階で完済しやすいことから、建て替えがしやすいという面もあります。将来的に、子どもが独立して夫婦二人暮らしになった、子どもと同居するので二世帯住宅にするといったときに建て替えに踏み切りやすいです。

・ローコスト住宅のデメリット

ローコスト住宅は間取りや仕様の自由度や性能などの面でデメリットがあります。

◇間取りや仕様の自由度が低い

ローコスト住宅の多くは規格住宅ですので、いくつかの間取りパターンから選んだ間取りがベースとなることが多いです。また、外装材や内装材、設備などの仕様も基本的には決められたものの中から選ぶなど、設計の自由度が低いことがデメリットに挙げられます。

◇標準仕様外のものを選ぶと割高になる

ローコスト住宅が規格住宅として安いのは、主に標準仕様のものを選んでいる場合です。オプションを多く取り入れたり、決められた間取りパターンからの変更点が多かったりする場合には、割高になりやすいこともデメリットといえます。

◇性能があまり期待できない

ローコスト住宅も建築基準法に則っていますので、ローコスト住宅だからといって安全性や耐震性に問題があるわけではありません。しかし、断熱性や耐久性などの性能の面で、劣っている可能性があることもデメリットです。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■ローコスト住宅が向いている人

ローコスト住宅が向いている人

ローコスト住宅は家に対する価値観などによる向き・不向きがあります。一般的にローコスト住宅に向いているのは次に挙げる人です。

・マイホームにかけるお金を抑えたい

ローコスト住宅はマイホームにかけるお金を抑えたい人に向いています。マイホームの予算が限られている人のほか、住宅よりも子どもの教育資金や老後資金を優先したいなど、住宅の建築費用のプライオリティが低い人もローコスト住宅が選択肢となります。

・住宅にあまりこだわりがない人

ローコスト住宅の多くは規格住宅で、決められた間取りパターンから間取りを決め、外装材や内装材、設備なども決められたものの中から選ぶ形です。住宅にこだわりのなく、ローコスト住宅で十分と捉える人もいいます。

・設備のグレードは低くてもいい人

キッチンやユニットバスなどの設備は高いグレードと低いグレードでの価格差が大きいです。オプションを選ぶと高くついてしまいます。キッチンやユニットバスは最新式でグレードの高いものではなく、普及品で構わないという人に向いています。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■安くて満足いく家を建てるためのポイント

安くて満足いく家を建てるためのポイント

ローコスト住宅を建てるときに、価格が安く満足のいく家を建てるためのポイントをまとめました。

・自分に合った建築会社を探す

ローコスト住宅を取り扱うハウスメーカーなどの建築会社は数多くありますので、複数の会社から比較・検討をして自分に合ったところを選ぶことが大切です。

トレンドのデザインをメインにしている会社もあれば、飽きにくいオーソドックスなデザインとしている会社もあり、標準仕様で選べる外装材や内装材、設備は様々です。また、間取りパターンの数や変更の自由度は会社によって異なります。このほかには、担当者の対応力も判断基準としましょう。

・展示場や内覧会で仕様を確認する

ローコスト住宅は外装材や内装材、設備などに普及品が使われることを理解していても、完成してみると安っぽく感じられることがあります。ホームページやカタログの画像では質感まではわかりにくく、プロによってインテリアコーディネートされたモデルハウスなどの画像はおしゃれに見えることが多いです。

ローコスト住宅は必ず、展示場のモデルハウスやあるいは現地見学会・内覧会に足を運んで、実際の仕様の質感を確認するようにしましょう。

・アフターサービスを確認する

新築住宅は引き渡しから10年間、基本構造部分に関して、瑕疵(欠陥)が見つかった場合に無料で修繕などをする瑕疵保証を負うことが、住宅の品質確保の促進等に関する法律などで義務付けられています。注文住宅の場合、瑕疵担保責任を負うのは建築会社ですが、大手ハウスメーカーでは10年を超える保証を行うところが目立ちます。

定期点検などは実施されるのか、アフターメンテナンス体制が整えられているか、確認するようにしましょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■まとめ

注文住宅を建てる建築会社を選ぶ際に、価格面を重視したい場合や住まいへのこだわりがあまりない場合には、ローコスト住宅を扱う会社も候補となります。「失敗した…」とならないためには、満足のいく家ができるのか、展示場や現地見学会・内覧会などで実際に仕様などを確認するようにしましょう。

編集者: u-room

メーカー勤務のかたわらインテリアスクールに通い、インテリアコーディネーターに転身した経歴を持つ。現在はフリーランスのライターとして、住宅関係のほか、求人広告やインタビュー取材などの執筆を手掛ける。インテリアコーディネーター資格を保有。ワインとビール、インテリアショップ&美術館巡りが好き。夫と2人の息子の4人家族。

お探しの情報が見つかります