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スマートホームとは?メリット・デメリット、おすすめ機器を解説

スマートホームとは?メリット・デメリット、おすすめ機器を解説

スマートホームというと、「○○電気をつけて」とスマートスピーカーに話しかけるなど、スマートスピーカーのイメージが強いかもしれません。おしゃれなイメージのあるスマートホームについて、メリットやデメリットを押さえたうえで、導入のポイントなどを紹介していきます。

こんな方におすすめの記事です
  • スマートホームとは何か知りたい方
  • スマートホーム化のメリット・デメリットを知りたい方
  • スマートホーム化に必要なものを知りたい方

■スマートホームとは?

スマートホームとは、IoT技術の活用によって利便性の向上を図り、快適な生活を実現した住まいをいいます。具体的には、スマートフォンやタブレット、スマートスピーカー、スマートリモコンといったデバイスと、家電や住宅設備をネットワークでつないでコントロールします。

たとえば、スマートホームでは、スマートスピーカーを使って音声で照明をつける、外出先からスマートフォンを通じてスマートリモコンを操作してエアコンを消すといったことができます。

●「スマートホーム」と「スマートハウス」の違い

スマートホームと似たものにスマートハウスがあります。スマートハウスとは、IT技術によって家電や住宅設備を制御し、快適な住環境を整備するとともに、省エネ化を実現した住宅を指します。

スマートハウスには、太陽光発電システムなどの電気をつくる装置をはじめ、つくった電気を貯めておく燃料電池、家庭内のエネルギーを一元管理するHEMSといった設備が必要です。スマートハウスは住宅全体の設備の制御に関わるため、既存の住宅のスマートホーム化にはリノベーション・リフォームが必要となり、初期費用やメンテナンス費用がかかります。

これに対して、スマートホームは家電や住宅設備をネットワークにつなげることで、利便性の向上を目的としているという違いがあります。基本的にリノベーション・リフォームは不要ですので、コストなどの面でも導入しやすいといえます。

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■スマートホーム導入のメリット

スマートホーム導入のメリット

●複数の家電の操作をシンプル化できる

スマートホームにすると、1つのデバイスで複数の家電のコントロールができるため、見た目も操作もシンプルになることがメリットです。

既存の家電のうち、赤外線リモコンで操作できるものであれば、基本的にスマートリモコンでのコントロールが可能です。赤外線リモコンのついた家電は、リモコンを操作すると赤外線信号が送られています。スマートフォンのアプリやスマートスピーカーからの操作指示が、Wi-Fiなどによるネット通信でスマートリモコンに送信され、スマートリモコンから赤外線信号が家電に送られる仕組みです。また、スマートフォンから直接操作できるスマート家電といったものもあります。

従来のように個別のリモコンで操作を行う必要がなくなることから、テーブルなどに複数のリモコンを並べて置く必要もなくなり、部屋がすっきりとします。

●まとめて操作で時間短縮

スマートホーム化によって、スマートフォンなどで家電の操作がまとめて行えると、ちょっとした時間の短縮につながることもメリットです。

たとえば、出かける前にテレビやエアコン、照明器具などを消すときに、それぞれのリモコンを操作するよりも、スマートフォンのアプリ1つで操作できたら簡単です。また、声で操作することもできます。

さらに、たとえば「朝6時間にテレビとエアコン、照明器具をつける」といった形でスマートフォンのアプリを設定して自動化しておけば、操作する手間もかかりません。

実際に短縮できる時間は大きなものではありませんが、特に忙しい朝の時間や出掛ける前の慌ただしい時間など、1分、1秒でも早く済ませたいときには、便利に感じるでしょう。

●消費電力や光熱費を抑えられる

スマートリモコンの機能にもよりますが、自動化によって消費電力の削減により、省エネに貢献したり、光熱費を抑えたりできることもメリットに挙げられます。

機器による違いがありますが、スマートリモコンには温度センサーや湿度センサー、照度センサー、人感センサーといった機能がついています。また、どういった条件になったときに家電を稼働させるか、環境設定を行うことも可能です。たとえば、自動で温度や湿度に合わせてエアコンを操作したり、照度に合わせて照明器具の明るさを変えたりするように環境設定をしておくことができます。

また、スマートプラグは接続した機器に給電を行い、遠隔操作するためのデバイスですが、電気消費量をモニタリングできるタイプもあります。

さらに、スマートリモコンやスマートプラグの導入によって、家電をつけっぱなしで外出してしまったときに、外出先でオフにできることからもムダを省けます。

●鍵の締め忘れを防止できる

スマートロックとは、スマートフォンのアプリで開閉できる鍵をいい、物理的な鍵を使わずにアプリから開閉することが可能です。(オートロックマンションでは、エントランスの開閉には鍵が必要です。)スマートロックの中には、既存のサムターンの上からかぶせて貼り付けて取りつけるタイプなど、工事不要で後付けできる商品があります。

スマートロックを導入すると、スマートフォンのアプリから開閉状況を確認することで、鍵の閉め忘れを防げるというメリットがあります。また、開閉センサーによるオートロック機能があれば、ドアが閉まったときに自動施錠されます。スマートフォンのGPSによる位置情報とBluetoothにより、自動開錠されるタイプでは、帰宅時のスマートフォンの操作も不要です。

●デバイスで健康管理ができる

睡眠の質が気になる場合は、マットレスの下にパットを敷いて睡眠データを取得するデバイスを導入し、健康管理に役立てるという方法があります。睡眠時間や睡眠の深さ、呼吸の乱れ、睡眠時の心拍数、いびきをかいている時間といったデータを取得すし、睡眠の傾向を把握することが可能です。さらに照明器具と連動して、ベッドに入ったタイミングで消すといった設定もできます。

また、スマートホーム化によるカーテンの制御も、睡眠の質の向上に役立ちます。カーテンレールに設置して開閉を自動化できるデバイスが市販されています。朝、起きる時間にカーテンが開くように設定しておき、太陽の光を浴びて目覚めると、体内時計がリセットされる効果は期待できます。

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■スマートホーム導入のデメリット

スマートホーム導入のデメリット

●初期費用がかかる

住まいをスマートホーム化するには、初期費用として様々な機器の購入費用がかかることがデメリットに挙げられます。

まず、スマート化に必須ともいえるインターネット環境を構築するには、無線Wi-Fiルーターの購入とプロバイダとの契約が必要です。

スマートフォンを持っていれば活用できますが、スマート家電やスマート家電以外を操作するためのスマートリモコンが必要になります。このほかにも何をスマート化するかにもよりますが、スマートスピーカーやスマートロック、スマートカーテンといった機器の購入費用がかかります。

費用に見合った効果を得るには、スマートホーム化によってどのような生活を実現したいかを考えて、必要な機器を揃えていくことが大切です。

●業者のサポートが受けられない場合、設置に知識が必要となる

住宅の新築、あるいはリノベーション・リフォームのタイミングであれば、スマートホーム化について、建設会社やリノベーション会社などに相談することもできるかもしれません。

しかし、スマートホーム化にはリノベーション・リフォームは必ずしも必要ではなく、業者のサポートが受けられないことが考えらえます。そのため、スマートホーム化にあたっては、導入する機器の選定やデバイスの設定などを基本的に自分で行うことになります。しかし、スマートホームに関わるスマートリモコンやスマートスピーカーなどは、機器によって機能に違いがあります。構築したい環境に合わせて機器を選定して、各種設定を行って設置するには、一定の知識が必要です。

●サイバー攻撃を受ける危険性がある

スマートホームの導入によって生活の利便性が向上する反面、サイバー攻撃を受けるリスクがあることもデメリットに挙げられます。サイバー攻撃によってIoT機器が制御不能になると、誤作動が起こり、たとえば、スマートロックが意図しないときに開錠してしまうといったケースが懸念されます。また、個人情報が流出するリスクもあります。そのため、インターネット環境にはセキュリティ対策が必要です。

経済産業省でも2021年に「スマートホームの安心・安全に向けたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」を取りまとめています。この中で「スマートホームに求められる最低限のセキュリティ対策」が取り上げられ、スマートホームの居住者に向けた対策として3点が挙げられています。

1つ目は「信頼できるIoT機器やサービスの選定」。「ソフトウェアのアップデート機能があること」「製品のセキュリティに関する最新情報がWebサイトに掲載されていること」「問い合わせ先が設けられていること」の3点が選定基準として挙げられています。

2つ目は「IoT機器やサービスの用途・用法の遵守」。3つ目は「個人情報を守ること」で、IoT機器の譲渡・転売・廃棄の際には個人情報の消去を行うことが推奨されています。

参照:経済産業省「スマートホームの安心・安全に向けたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」

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■スマートホーム導入前に必要なものとポイント

スマートホーム導入前に必要なものとポイント

●スマートホーム導入に必要なもの

スマートホームの導入にはインターネット環境のほか、アプリで操作や設定を行うためのスマートフォンやタブレット、赤外線リモコンのついた家電を操作するためのスマートリモコン、音声操作を行うためのスマートスピーカーといったデバイスが必要です。

また、スマートロックやスマートカーテンといったデバイスもあります。

・操作も設定もスマホやタブレットが必要

自宅をスマートホーム化するにあたって、必須となるのがスマートフォン、またはタブレットです。スマートホームではデバイスの操作や設定を行ったり、家電などの稼働状況を確認したりするときに、スマートフォンやタブレットに入れたアプリを使用します。また、アプリによっては各デバイスの一元管理が可能です。

たとえば、赤外線リモコンのついた家電は、スマートフォンなどのアプリで操作すると、スマートリモコンから発信される赤外線を受信して、家電が稼働します。

スマートスピーカーを使って、音声によって家電などを操作する場合も、最初に行うセットアップや各種設定は、スマートフォンやタブレットにインストールした専用アプリから行います。

・自宅のネット環境

スマートホームでは、インターネットで各デバイスをつないで、スマートフォンやタブレットなどでコントロールするため、インターネット環境の構築も必須です。

また、IoT機器やスマート家電などが常時ネットにつながった状態となるため、安定したインターネット環境が必要です。そのため、スマートホームの導入にあたっては、ホームルータの設置によるモバイル回線は向いていません。

スマートホームでは回線速度や容量の問題からも、光回線による固定回線を引いて、無線LANルーターによってIoT機器やスマートフォンなどをWi-Fi接続するのが基本です。スマートホームのためのIoT機器には、一般的に無線LANが内蔵されています。

・コンセントの数

スマートホームの導入にあたってはコンセントを使用する機器が多いため、コンセントの数を確認しておきましょう。スマートホーム化により、一般的な家電やWi-Fiルーターに加えて、スマートリモコンやスマートプラグ、スマートカーテンのほか、スマートスピーカーも電源接続時にはコンセントを使います。

リノベーション・リフォームのタイミングでスマートホーム化する場合には、設置する機器に合わせて配線計画を立てます。スマートリモコンを設置する場合は、赤外線が届く距離が商品によって決まっている点に注意が必要です。1つのスマートリモコンに対して、接続する家電の配置とスマートリモコンの設置場所を踏まえて、配線計画を立てる必要があります。

●導入時のポイント

スマートホーム化を進めるにあたっては、どんな暮らしを実現したいか、目的を明確にすることや、自分や同居する家族などの生活スタイルを考慮することが大切です。「いつも同じ手順を踏む行動」を自動化することで、生活の利便性の向上を図れますが、スマートホーム化には相応の費用がかかるため、必要性について改めて考える必要があります。

自分や家族などの同居人の暮らしに合った、快適なスマートホームの実現を目指しましょう。

・目的を明確にしたうえで何を取り入れるかを考える

一言でスマートホーム化といっても、関連するデバイスには様々なものがあります。また、商品による機能の違いもあるため、スマートホーム化でどういったことを実現したいのか、目的を明確にしたうえで取り入れるものを検討することが大切です。

たとえば、スマートスピーカーがあると、家事や育児、あるいはパソコンで仕事をして手が離せないときに、声で家電を操作できるので便利です。しかし、スマートホーム化の目的が家電などの操作の自動化がメインで、スマートフォンやタブレットで操作できればよいと考えているのであれば、スマートスピーカーは不要です。

あるいは、たとえばスマートリモコンは商品によって、温度センサーや湿度センサー、人感センサーといった搭載されているセンサーが異なり、環境設定できる条件にも違いがあります。そのため、機器の選定を行う際にも、スマートホーム化によって何を実現したいのか、目的を明確にしておくことが重要となるのです。

・家族や同居人の生活スタイルも考慮する

スマートホーム化にあたっては、家族などの同居人全員の生活スタイルも考慮することが大切です。1人の生活スタイルのみに合わせて家電などの操作の自動化を図ると、他の同居人にとっては暮らしにくい住まいとなり、ストレスを感じてしまう可能性があるためです。

たとえば、2人で使っている寝室で、先に起きる人の起床時間に合わせて、自動でカーテンを開けたり、照明器具をつけたりするように設定すると、もう1人も目が覚めて

しまい、不快に感じる可能性があります。同様に朝、リビングのテレビが自動でつくように設定する場合には、音によって他の人の睡眠の妨げにならないように配慮が必要です。

そこで、スマートホーム化の計画を立てるときには、家族などの同居人のそれぞれの生活スタイルを把握することがポイント。部屋ごとにどのようなことを自動化すると、生活の利便性が向上して快適な暮らしを実現できるのか、話し合いの場を設けるようにしましょう。

・「いつも同じ手順を踏む行動」を効率化できないか考える

スマートホームの導入によって生活の利便性の向上を図るには、「いつも同じ手順を踏む行動」を効率化できないか考えるのがポイントです。

たとえば、家を出るときにエアコンと照明器具を消している場合には、スマートフォンのGPSとスマートリモコンの連動により、家を出ると自動でエアコンと照明を消すといった設定をすることができます。また、スマートロックを設定して、玄関のドアをオートロック化すると、外出時の鍵閉めも不要です。これにより、出かける前にエアコンや照明器具の電源を切っているか確認して、玄関のドアの鍵を閉めて出かけるという一連の動作が必要なくなり、スムーズに外出しやすくなります。

あるいは、朝起きて必ずカーテンを開けている人は、起床時間に合わせてカーテンが開くように設定しておくと、慌ただしい朝の時間にゆとりが生まれます。

自宅での一日の生活を思い浮かべて、IoT機器によって自動化できることを考えてみましょう。

・スマートホーム化する必要性についても考えてみる

スマートホーム化というと、あらゆる家電や住宅設備をデバイスでつなぎたいと考えるかもしれません。しかし、スマートホーム化といっても、すべての家電や住宅設備をスマートリモコンやスマートプラグなどのデバイスで接続する必要はなく、それぞれ必要性を考えてみることが大切です。

たとえば、玄関や廊下の照明器具は人がいるときについていて、いないときには消えれば十分です。人感センサーがついた器具を設置すればエネルギーの使用にムダが生じにくいため、IoT機器にあえて接続する必要性が薄いといえます。また、他の人の住まいで便利なデバイスが必ずしも、自分の家にも合うとは限りません。

前述したような「いつも同じ手順を踏む行動」であっても、スマートホーム化が必要なのか、他の選択肢はないのか、検討してみるとよいでしょう。

そこで、一度に様々な機器を揃えて自動化を行うのではなく、一部の家電などの自動化から始めて、徐々にスマートホーム化を進めていく方法もあります。

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■初めてのスマートホーム化におすすめの機器

初めてのスマートホーム化におすすめの機器

・Google Nest

「Google Nest」はGoogleのスマートホーム製品のブランド。「Google Nest」の管理や操作には、スマホアプリ「Google Home」を使います。スマートスピーカーの「Google Nest Mini」は「Googleアシスタント」に話かけて、音楽をかけたり、調べものをしたりすることが可能なほか、対応する照明やスマートロックなどの操作ができます。Googleアシスタントを搭載したディスプレイ「Google Nest Hub」などもあります。

参考:Google Nestデバイス

・HomePod

「HomePod」はAPPLEのiPhone、iPadユーザー向けのスマートスピーカー。最新のiOS端末に簡単にセットアップできるのが特徴です。またHomePodのSiriに話しかけて、「Apple Music」の曲をかけるほか、音声操作や対応するスマート家電の操作などができます。

参考:HomePod・HomePod mini

・Echo

Amazon「Echo」シリーズは音声アシスタント「Alex」を搭載したスマートスピーカーのシリーズ。スマートスピーカーの「Echo」のほか、タッチパネルディスプレイを搭載した「Echo Show」、スマートホーム製品を一括管理する「Echo Hub」などがあります。「アレクサ」に話しかけて、「Amazon music」の再生やニュースなどの読み上げ、対応するスマート家電の操作などができます。

参考:Echo & Alexa

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■スマートホームで快適な生活を実現しよう

スマートホームで快適な生活を実現しよう

スマートホーム化によって、効率よく生活が送れるなど、暮らしの利便性が向上します。ただし、スマートホームの導入にあたっては製品の種類だけではなく、機器による機能の違いもあるため、関連する製品の特徴やできること・できないことを理解し、目的にあったものを選択することが大切です。

たとえば、まずはスマートリモコンを購入してみるなど、少しずつ理解しながらスマートホーム化を進めていく方法もあります。どの家電や住宅設備を一元管理や自動化を行うと生活の利便性が向上するか、スマートホーム化の必要性を考えてみましょう。

編集者: u-room

メーカー勤務のかたわらインテリアスクールに通い、インテリアコーディネーターに転身した経歴を持つ。現在はフリーランスのライターとして、住宅関係のほか、求人広告やインタビュー取材などの執筆を手掛ける。インテリアコーディネーター資格を保有。ワインとビール、インテリアショップ&美術館巡りが好き。夫と2人の息子の4人家族。
監修者:原田 直生之
宅地建物取引士の有資格者。

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