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シニア向け分譲マンションは相続できる?権利形態や注意点を解説

シニア向けの住まいの中には、入居にあたって高額な費用が必要な施設もあります。シニア向け分譲マンションを購入した場合、子どもなどに相続することは可能なのでしょうか。シニア向け分譲マンションの特徴や権利形態を踏まえたうえで、相続における注意点について解説していきます。

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■シニア向け分譲マンションの特徴

シニア向け分譲マンションは分譲マンションの中でも、バリアフリー化された建物でシニア向けの共用施設があり、スタッフが常駐してシニア向けのサービスが提供される物件をいいます。シニア向け分譲マンションには法的な定義はなく、明確な基準はありません。

入居条件は物件によって異なりますが、50歳以上や60歳以上といった年齢による制限を設けているところが多く、自立した生活が送れるシニアを対象とした物件がほとんどです。入居時に既に要介護の状態になっている場合は相談が必要です。また、身元引受人がいることを条件とする物件もあります。物件の購入費用として1,500万円から1億円を超える費用がかかり、数千万円から1億円程度の物件が中心です。また、月々の管理費や修繕積立金、サービスの利用料として10万から30万円程度がかかります。そうした費用を負担できる経済的の余裕がある人でなければ、シニア向け分譲マンションへの入居は難しいです。

シニア向け分譲マンションでは、コンシェルジュによるフロントサービスや見守りサービス、レストランでの食事サービス、緊急対応サービスを提供しているところが多く、洗濯や掃除などの生活支援サービスを利用できる物件もあります。介護が必要になったときには外部サービスを利用することになります。居宅介護支援事業所や訪問介護ステーション、クリニックなどを併設していたり、提携していたりするところが多いです。ただし、介護度が上がると現実的に暮らしていくことが難しくなるため、有料老人ホームなどへの住み替えを検討する必要がでてきます。

共用施設としてレストランのほか、カラオケやビリヤード、麻雀卓、シアタールーム、温泉、フィットネスジム、ゲストルームなど豪華な施設を備えた物件や、サークル活動が活発な物件もあり、マンション内で友人をつくりやすいこともメリットです。シニア向け分譲マンションは、充実したシニアライフを送りたい人にも向いています。

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■シニア向け施設の権利形態の違い

自立した生活を送るシニア向けの施設には、シニア向け分譲マンションのほかに、有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)があります。権利形態の違いをみていくとともに、相続についても触れていきます。

・シニア向け分譲マンションは所有権なので相続可能

シニア向け分譲マンションの権利形態は所有権であり、一般的な分譲マンションと同様に配偶者や子どもなどに相続することが可能です。資産として家族などに残せることから、シニア向け分譲マンションを選択する人もいます。また、シニア向け分譲マンションの購入にあたっては住宅ローンの利用も可能です。

さらに、シニア向け分譲マンションは所有権があるため、管理規約による制約はあるものの、専有部分は自由にリノベーションすることもできます。好きな壁紙に張り替えたり、間取りを変更したりすることが可能です。

・有料老人ホームは利用権

有料老人ホームは終身利用権方式と呼ばれる権利形態の施設が一般的です。終身利用権方式は、入居一時金を支払うことで施設に居住してサービスを受ける権利を取得するものです。入居一時金の額は0円から1億円程度と幅があり、0円の場合は月額費用に上乗せして支払うことになるため、月々の支払いが高くなります。

入居一時金は通常、償還期間が設定されて、入居期間に応じて償却されていくため、償却期間が残っている間に退去した場合は、一部が返還されます。利用権は一代限りであり相続することはできませんが、亡くなって退去した場合の返還金は相続の対象となります。

・サ高住は借家権

サ高住は賃貸住宅のため、入居時には敷金や礼金、仲介手数料などを支払って、賃貸借契約を結びます。サ高住は賃貸借契約の中でも終身借家契約が結ばれることが多いです。普通借家契約の場合は、賃借人が亡くなっても賃貸借契約は終了せず、借家権は相続されます。一方、終身借家契約は高齢者住まい法によって都道府県知事の認可により特別に認められる契約形態で、賃借人が亡くなったときに賃貸借契約が終了するものです。終身借家契約による場合、借家権は相続することができません。ただし、同居する配偶者や60歳以上の親族が継続して入居を希望する場合には、賃貸借契約を継続して居住し続けることが可能です。

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■相続したシニア向け分譲マンションはどうする?

では、シニア向け分譲マンションを相続した場合、どのように活用したらよいのでしょうか。活用方法を紹介していきます。

・自己居住、売却、賃貸運用が選択肢

シニア向け分譲マンションは、法律上は一般的な分譲マンションと同じ扱いですので、相続することができます。シニア向け分譲マンションは、相続した人が転居して自己居住するほか、売却する、賃貸運用をするという形で資産として活かす選択肢があります。ただし、管理規約で賃貸を不可としている物件もある点に注意が必要です。

・入居条件に注意

相続したシニア向け分譲マンションを活用するうえで問題となるのが入居条件です。たとえば、入居条件として60歳以上という年齢制限が設けられている場合、55歳で相続しても5年間は自分で住むことができません。また、入居条件に合致する人でなければ貸すことができず、売りにくさも否めません。

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■シニア向け分譲マンションを相続するうえでの注意点

シニア向け分譲マンションを相続するときには、どのような点に気をつけるべきなのか、注意点をまとめました。特に所有していることで費用負担がかかる点に注意が必要です。

・資産価値が不透明

シニア向け分譲マンションはまだ物件数が限られているため、中古市場が確立していません。そのため、将来的にどの程度の価格で売却できるのか、資産価値は未知数です。物件による違いはありますが、共用施設やサービスが充実した豪華なシニア向け分譲マンションは、一般的な分譲マンションよりも分譲価格が高めになります。しかし、付加価値を反映した価格で売却できるかまだまだ不透明です。思っていたような価格では売却できず、購入価格を大きく下回る可能性もあります。

・買主や借主がなかなか見つからない可能性がある

シニア向け分譲マンションの借主は入居条件を満たす人に限られ、売却する場合も入居条件を満たさない人が購入することは考えにくいです。そのため、なかなか買主や借主が見つからず、すぐに売却して現金化することや貸して賃料収入を得ることは難しい可能性も考えられます。

相続で相続税が課される場合、通常、相続人が亡くなった人から10ヶ月以内に現金で納付することが必要です。相続手続きの後、シニア向け分譲マンションを売却して、相続税の支払いに充てようとしても難しいケースもあるでしょう。

・所有している限り維持費がかかる

シニア向け分譲マンションは所有している限り、誰も居住していない状態であっても、管理費や修繕積立金、固定資産税などが発生します。相続した時点では年齢制限による入居条件を満たせず、売ることも貸すこともできない場合、支払いだけが発生し続けることになってしまうのです。

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■まとめ

シニア向け分譲マンションは相続することができますが、相続人が入居条件を満たさなければ住むことができません。また、売却や賃貸運用をしたときに購入費用に見合う資産価値があるか、将来性は未知数です。シニア向け分譲マンションを購入する前に、不動産会社などに売りやすさや貸しやすさについて相談してみましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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