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シニア向け分譲マンションとは?サービス内容や費用は?売却しやすいって本当?

高齢者の住まいであるシニア向け分譲マンションが選ばれる理由として、売却が可能なことが挙げられるケースがあります。では、シニア向け分譲マンションは中古で売却しやすいのでしょうか。シニア向け分譲マンションとは何か解説したうえで、売却するうえでの注意点や売却以外の選択肢についてまとめました。

シニア向け分譲マンションとは?サービス内容や費用は?売却しやすいって本当?
こんな方におすすめの記事です
  • シニア向け分譲マンションの特徴を知りたい方
  • シニア向け分譲マンションのメリット・デメリットを知りたい方
  • シニア向け分譲マンションは売買や賃貸が可能なのか知りたい方

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■そもそも「シニア向け分譲マンション」とは

シニア向け分譲マンションは、民間によるシニアを対象とした分譲マンションをいい、法律で設置基準などが定められたものではありません。多くのシニア向け分譲マンションでは、60歳以上といった形で入居者の年齢制限が設けられ、自立した生活を送ることができる高齢者が対象です。一般的にシニア向け分譲マンションと呼ばれる物件について概要をまとめました。

・シニア向けのサービスや共有施設のある分譲マンション

シニア向け分譲マンションは高齢者が暮らしやすいように、通常、バリアフリー化されています。物件によって異なりますが、共用施設が充実した物件が多いのが特徴です。レストランやゲストルーム、シアタールームやカラオケルーム、大浴場、フィットネスジムジム、図書室や娯楽室などが設けられています。

また、コンシェルジュなどによるフロントサービスや安否確認などの見守りサービス、緊急時に救急車や医師の手配を行う緊急対応サービス、レストランでの食事サービスが提供されている物件が多いです。また、オプションで洗濯や掃除などの生活支援サービスや外出時のサポートサービスを受けられるところもあります。

介護が必要になったら、外部サービスを利用することになります。ただし、居宅介護支援事業所や訪問介護ステーションなどのサービス事業所と提携しているところが少なくありません。クリニックを併設している物件もあります。

・権利形態が所有権のため売却可能

シニア向け分譲マンションは、一般的な分譲マンションと同様に所有権があります。所有権ですので資産となり、売却や相続をすることが可能です。シニア向け分譲マンションは有料老人ホームと比較されることが多いですが、有料老人ホームは主に終身利用権方式です。終身利用権方式は入居する権利やサービスを受ける権利を取得する形態。想定入居期間をもとにした償却期間が過ぎる前に退去した場合は、入居一時金の一部が返還されますが、償却期間を過ぎると一円も返金されません。さらに、契約者以外が住んだり、売却したりすることはできず、居住できるのは一代限りです。有料老人ホームは、シニア向け分譲マンションの購入費用と同程度の入居一時金を支払っても、資産にはならないのです。

そのため、将来住まなくなったときに売却できる、子どもに相続できるといったことも、シニア向け分譲マンションを購入する理由となっています。

・購入価格や管理費用などは高額

シニア向け分譲マンションは、同等の立地条件の一般的な分譲マンションと比較して、共用施設が充実していることなどから、購入価格が同等以上となっている物件が多くを占めています。購入価格は1,500万円程度から1億円を超える物件まであり、数千万円から1億円程度がボリュームゾーンです。購入価格は立地条件や共用施設の豪華さなどによって異なります。また、多くの共用施設があって維持費がかかることや、サービスの利用料が含まれることから、毎月の管理費も高めです。このほかに、修繕積立金が必要になるほか、固定資産税や都市計画税が発生します。

・サ高住とケア付き高齢者住宅との主な違い

サ高住はサービス付き高齢者向け住宅の略で、都道府県や政令市・中核市が登録や指導、監督を行う高齢者向けの賃貸住宅です。サ高住は登録基準が設けられ、専用部分の床面積は原則25m2以上、専用部分に台所や水洗トイレ、収納、洗面設備、浴室を備え、バリアフリー仕様とされています。また、日中は医師や看護師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士といったケアの専門家が常駐し、見守りサービスや生活相談サービスが提供されます。

シニア向け分譲マンションは分譲で特別な要件がないのに対して、サ高住は賃貸で登録要件が決められているといった違いがあります。

ケア付き高齢者住宅はサ高住のことを指す場合やシニア向け分譲マンションのことを指す場合があり、明確な定義のある言葉ではありません。

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■シニア向け分譲マンションの入居対象

シニア向け分譲マンションの入居対象は物件によって異なりますが、自立した生活を送れる高齢者とされていることが一般的です。年齢条件は50歳以上、あるいは60歳以上といった形で物件によります。また、身元引受人がいることや伝染病に罹患していないことを入居条件として設けている物件もあります。

シニア向け分譲マンションによっては、要支援1・2、要介護1~5の認定を受けていて、介護を必要とする場合でも入居することは可能です。ただし、マンションに介護スタッフの常駐はなく、介護が必要な場合には外部サービスを利用することになります。そのため、重度の介護が必要な状態でシニア向け分譲マンションで暮らすのは、現実的には難しいといえます。

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■シニア向け分譲マンションに入居するメリット・デメリット

シニア向け分譲マンションは住居のため、自由度の高い暮らしが送れることがメリット。しかし、費用面や介護が必要になった場合などを踏まえるとデメリットもあります。

・シニア向け分譲マンションに入居するメリット

シニア向け分譲マンションは所有権があるため、有料老人ホームとは異なり、資産として残せることがメリットです。介護施設ではなく住宅のため、高齢者が暮らしやすい仕様の住まいで自由度の高い生活を送ることができます。

コンシェルジュによるフロントサービスやレストランでの食事サービスが提供されている物件が多く、オプションで洗濯や掃除などの生活支援サービスを利用できるなど、生活の利便性が高いです。万が一の際に救急車を手配するなど、緊急対応サービスも提供している物件が多く、安心して暮らせます。

また、カラオケやシアタールーム、大浴場、フィットネスジムなど豪華な娯楽施設が設けられ、レクリエーションが充実している物件が多く、アクティブな暮らしを送れることもメリットです。

・シニア向け分譲マンションに入居するデメリット

シニア向け分譲マンションは、バリアフリー仕様で豪華な共用スペースがあるため、一般的な分譲マンションよりも販売価格が高いことがデメリットです。初期費用が高額なだけではなく、月額費用も管理費や修繕積立金のほか、サービス利用料もかかるため、ランニングコストも、一般的な分譲マンションよりも高い傾向があります。

また、終の棲家として購入したつもりでも、要介護度が重度の状態では住み続けるのが難しいため、退去せざるを得ない可能性があることもデメリットに挙げられます。介護が必要になった場合には有料老人ホームに住み替えることも検討材料となります。

また、シニア向け分譲マンションは物件数が限られているため、豊富な選択肢がないこともデメリットといえます。

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■シニア向け分譲マンションの売却を考えるケースとは

実際にシニア向け分譲マンションを購入した人は、どのようなケースで売却をすることがあるのでしょうか。よくある2つのケースについて解説していきます。

・要介護度が進んで居住が難しくなったケース

まず、売却が考えられるのは、入居していた所有者自身の要介護度が進んで、住み続けることが難しくなったケースです。シニア向け分譲マンションは、入居時に自立して生活ができることを条件としている物件が多いですが、介護が必要になったら、要介護認定を受けて介護サービスを利用することになります。

要介護度が低いうちは訪問介護サービスを利用して住み続けることができますが、要介護度が上がり、24時間介護が必要な状態になると、訪問介護では生活を維持するのが難しくなります。また、介護サービスは要介護度に応じて利用限度額が決められているため、利用限度額を超えて介護サービスを利用した分は全額自己負担となり、経済的な負担も大きいです。あるいは、シニア向け分譲マンションは基本的に認知症への対応を行っていないため、認知症になると生活が難しくなっていきます。

マンションによる入居条件の違いもありますが、現実的にシニア向け分譲マンションで暮らせるのは、自立から軽度の介護が必要な状態までです。要介護度が進んだケースや認知症になったケースで居住し続けるのが難しい場合は、シニア向け分譲マンションを売却し、有料老人ホームに住み替えるといった方法が考えられます。

・相続したが入居しないケース

シニア向け分譲マンションは相続することができます。しかし、年齢などによる入居条件が設けられていることが多く、子どもが相続してもすぐに入居ができないケースもあります。また、今の自宅にできる限り住み続けたい、ほかの高齢者向け施設への入居を考えているといったケースも考えられます。相続しても入居しない場合は、売却して資産として活かすことも選択肢となるでしょう。

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■シニア向け分譲マンションを売却するうえでの注意点

シニア向け分譲マンションを売却する際には、シニア向け分譲マンションの特性によるものやマンションに共通した注意点があります。

・思ったような価格で売却できない可能性がある

シニア向け分譲マンションは登場してからまだ日が浅く、物件数自体が少ないことからも、中古市場が確立していません。シニア向け分譲マンションの将来的な資産価値は未知数です。購入する人が基本的に高齢者で、月々の管理費が支払える人に限られるという点から見ると、一般的な分譲マンションよりもマーケットが狭く、売却までに時間がかかりやすいことが考えられます。また、管理費用などのランニングコストの高さも売りにくい要因になります。

実際は物件による部分も大きいですが、シニア向け分譲マンションは一般的にマンションよりも購入価格が高めになりますが、見合うような価格で売却できない可能性があるのです。

・売却できるまで管理費や修繕積立費がかかる

有料老人ホームは退去すると、サービスの利用料などの月額費用はかからなくなります。一方、シニア向け分譲マンションは一般的な分譲マンションと同様に、誰も住んでいない状態であっても、所有者は管理費や修繕積立金の支払いが必要です。また、毎年、1月1日の所有者に対して、固定資産税や都市計画税が課されます。

シニア向け分譲マンションは、売却できるまで維持費がかかり続ける点にも注意が必要です。

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■売却以外に賃貸も選択肢になる?

シニア向け分譲マンションには所有権があるため、所有者が住まなくなったケースや、相続して入居しない場合は賃貸に出すという選択肢もあります。しかし、物件によっては賃貸が禁止されていますので注意が必要です。

・入居者は入居条件を満たす人に限られる

シニア向け分譲マンションを貸すときには、入居者は年齢や心身の状態などによる入居条件を満たす人に限られます。また、比較的入居条件自体は緩い物件であっても、居住している人は高齢者が ばかりであれば、若い人からは敬遠されがちです。条件を満たす人の中で、月額費用が高めであってもサービスが充実した物件に住みたい人がターゲットとなるため、幅広く入居者を募集しにくいことによる、貸しにくさがあります。

・空室期間が長引く可能性がある

シニア向け分譲マンションは入居条件を満たす人に貸す相手が限られるうえに、管理費が高めで、ランニングコストが一般的な分譲マンションよりも高いことも貸しにくい要因となります。空室期間が長引く可能性があり、その間、維持費を払い続けなければならないため、大きな負担となるでしょう。

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■売却を見据えるなら一般のマンションをリノベーション

シニア向け分譲マンションは売却が可能ですが、将来の資産価値が不透明であり、一般的な分譲マンションよりも売りにくさや貸しにくさがあります。将来的な売却の可能性を見据えるのであれば、一般的な分譲マンションの方が売りやすさでは有利です。また、一般的にマンションの価格は新築のときがピークで、築後数年間の価格の下落幅が大きくなります。将来的に売却することを視野に入れるのであれば、資産価値が下がりにくい中古マンションがおすすめです。

・リノベーションで専有部分をバリアフリーに

昨今、販売されている新築マンションはバリアフリー化が進んでいます。一方で築年数の経過したマンションは段差があったり、廊下が狭かったりして、高齢者には住みにくい物件が少ないのが実情です。しかし、管理規約による制約はありますが、マンションは専有部分を自由にリノベーションすることができるため、中古マンションを購入して、リノベーションでバリアフリー化すれば、高齢者にとって暮らしやすい住まいになります。

ただし、間取りの変更を伴うリフォームで水回りの位置を変えるには、床下の状況によって動かしやすさが変わるため、物件選びがポイントになります。物件の仲介からリノベーションまでをワンストップで依頼できる会社に、物件探しの段階から相談するとよいでしょう。

・立地条件にこだわれば売却しやすい

「マンションの価値は立地条件で決まる」といわれることもあるほど、マンションの価格を大きく左右するのは立地条件です。資産価値が下がりにくく、売りやすいマンションは、都心部へアクセスしやすく、急行などが停車する駅を最寄り駅とし、駅から徒歩10分以内の物件です。反対に最寄り駅までバスに乗らなければならない物件は売りにくさがあります。また、近くに大型商業施設やスーパー、商店街、あるいは郵便局や銀行などの生活利便施設があることもポイントとなります。築年数が経過した中古マンションも、立地条件に優れていれば資産価値を保ちやすいです。

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■まとめ

シニア向け分譲マンションは所有権があるため、資産として子どもに残したり、売却したりすることが可能です。しかし、実際にいくらで売却できるかは不透明であり、購入価格に見合った価格では売却できない可能性もあります。資産性を重視するのであれば、中古マンションをリノベーションすることも選択肢に入れましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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