住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

防災対策していますか?賃貸でもできる対策から防災リノベーションまで

日本は世界でも有数の地震大国です。政府発表の予測によると、今後30年間に、M7クラスの首都直下地震が起きる可能性は約70%といいます。地震を防ぐことはできませんが、被害を最小限にとどめる防災対策を知っておきましょう。賃貸住宅でもすぐできる対策をはじめ、防災リノベーションについてもご紹介します。

参考:首都直下地震の被害想定 対策のポイント│内閣府
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/jikkoukaigi/03/pdf/1-1.pdf

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■賃貸でもできる防災

まずは賃貸住宅でもすぐに実行可能な、室内の防災対策を確認していきましょう。

・ベランダやバルコニーの避難経路を塞がない

マンションのベランダやバルコニーは、その部屋の住人が独占的に使用できますが、賃貸・分譲マンションのいずれでも原則的に共用部分となっています。これは、洗濯物を干したりガーデニングを楽しんだりするためだけのスペースではなく、災害が発生したときの避難経路を兼ねているためです。

そのため、隣のベランダとの間仕切りは、比較的簡単に壊せるようになっており、床には避難はしごを通すハッチ(扉)があります。非常時にスムーズに避難できるよう、ベランダやバルコニーでは、避難経路を物置やウッドデッキ等で塞がないようにしておきましょう。

・家具の転倒防止グッズを設置する

阪神淡路大震災では命を落とした人の8割、熊本地震では5割が、家具や倒壊家屋による圧死でした。家具には、転倒防止器具を取り付けておきましょう。もちろん、転倒防止器具さえ設置すれば、地震が来ても家具が絶対に倒れなくなるというわけではありません。しかし、倒れるまでの時間を1秒でも遅らせることができれば、家具の下敷きになる可能性を減らせます。

参考:死因の半数以上は「圧死」 住宅倒壊や家具転倒で犠牲に│産経新聞
https://www.sankei.com/west/news/160417/wst1604170026-n1.html
特集 津波防災の日│防災情報│内閣府防災担当
http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h26/78/special_01.html
死者を減らすために – 国土交通省近畿地方整備局
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/daishinsai/1.html

・背の高い家具をできるだけ置かない

背の高い家具は重心が高く、低い家具に比べて転倒しやすいです。また、背が高いほど収納量が多く便利ですが、地震の際は仕舞った物が飛び出して頭上から降ってくる可能性もあります。転倒防止器具の使用も有効ですが、そもそも背の高い家具を置かないという選択肢もあります。

・部屋の扉の前に物を置かない

通販で届いた荷物・畳んだこたつテーブル・自転車など、大きめの荷物をとりあえず廊下に置いておくこともあるのではないでしょうか。居室のドアが外開きの場合、廊下に倒れた物で扉を開けることができず閉じ込められてしまうケースがあります。扉付近には大きな物を置かないようにしましょう。なお、このような事故は、地震の揺れがなくても起きる可能性があるので、すぐに見直してください。

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■賃貸でも持ち家でもできる防災

つぎに、災害時の行動や住まい選びに関する防災対策を解説します。

・ハザードマップを確認する

自宅の災害リスクを「ハザードマップ(被害予測地図)」で確認しておきましょう。ハザードマップとは、水害の起きやすい場所・地盤の弱い場所・大規模な火災が発生しやすい場所などを、視覚的に確認することができる地図です。自宅周辺にどのような災害が起きやすいかを知っておくことで、防災対策を考えやすくなります。ハザードマップはインターネットから閲覧できるほか、印刷したものを市区町村の役場窓口で閲覧・入手することもできます。

参考:ハザードマップポータルサイト│国土交通省
https://disaportal.gsi.go.jp

・災害時の行動を家族と話し合っておく

災害時には、携帯電話の基地局が被災したり充電ができなかったりして、家族と連絡が取れなくなる可能性があります。事前に家族と話し合っておき、離れ離れになってしまった場合の集合場所や、連絡方法(メモを残しておく場所を決めるなど)、役割分担などを家族で話し合っておきましょう。

・近所の人とコミュニケーションをとっておく

災害時に大切となるもののひとつが、人々の助け合いです。特に家族に幼児や高齢者がいる場合は、家族以外のサポートが不可欠となります。日頃から近所の人とあいさつを交わし、良好な関係を築いておきましょう。

・防災体制の整ったマンションを選ぶ

近年の自然災害の多さから、防災対策を備えたマンションも増えています。一例としては、非常時に専用バッテリーによる運転に切り替わるエレベーターや、災害備蓄品を備えた防災倉庫の設置などです。このような防災設備は適切に管理されていることが大切なので、定期的に防災訓練が実施されている・各戸に防災マニュアルが配布されているなど、管理組合がきちんと機能していることを確認すると安心です。

参考:マンションポータルサイト│東京都
http://www.mansion-tokyo.jp/kanri/05bousainintei.html

・建物の耐震基準を確認する

中古マンションを賃貸・購入する際、耐震性能が気になる人も多いでしょう。その目安となるのが、「建築時期が1981年以降かどうか」です。

1981年6月に耐震性能に関する建築基準法の大きな改正があったため、それまでの基準を「旧耐震基準」、新たな基準を「新耐震基準」と呼びます。旧耐震基準は「震度5強程度の揺れで建物が倒壊しない」という内容でしたが、新耐震基準では「震度6強〜7程度の揺れで倒壊しない」となりました。

ただし、1981年に建築された建物のすべてが新耐震基準に適合していないわけではありません。耐震診断により十分な安全性があると評価されていたり、耐震工事の実施により性能が向上していたりする場合もあるからです。マンションの耐震性能は、不動産会社や管理組合に問い合わせてみましょう。

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■リノベーションでできる防災

リノベーションの工夫で実現できる防災対策をご紹介します。

・間取りの工夫で防災対策

近年のマンションではオープンキッチンをはじめとした開放的な間取りが人気傾向です。これは防災面からも理にかなっているといえます。広い空間を確保することで、災害時の閉じ込めに合いにくいからです。例えば「手が届かないためあまり活用しない」という理由からキッチンに吊戸棚を設置しないリノベプランもありますが、地震の際に頭上から物が落ちてくるリスクがないというメリットも同時に得られます。

また、居室からの脱出経路を複数確保しておくと安心です。例えば2つの居室をウォークスルークローゼットでつなぐ間取りにすれば、もし片方の出入り口が塞がれてしまった場合でも、もうひとつの出口から避難することができます。

・コンセントを多めに設置する

複数の電化製品を使用するために便利な「延長タップ」。ついたくさんのコードをつないで「タコ足配線」になっているお宅も多いのではないでしょうか?延長タップには定格容量が決められていますが、この容量を超えた電力を使用すると発火するおそれがあります。タコ足配線が原因の火災は後を絶ちません。

リノベーションする際には、コンセントを多めに設置してタコ足配線を防ぎましょう。ただしやみくもに設置しても、使いやすい位置になければ意味がありません。どこで・どのような電化製品を使用するか具体的に想定しながら、リノベーションプランを立てましょう。

参考:電気火災に注意!│岐阜市消防本部
http://www.city.gifu.lg.jp/secure/23783/denkikasaiyobou.pdf
「たこ足配線」火災にご注意、配線器具トラブル5年で計353件│産経新聞
https://www.sankei.com/west/news/180417/wst1804170007-n1.html

・ガラスの飛散を防止する

災害の際、割れたガラスで怪我をするケースも多いです。ガラスを含む家具や建具を採用するなら、強化ガラスを使用したものがおすすめです。強化ガラスは通常のガラスよりも耐衝撃性が高く、割れた場合も粒状に砕けるため、怪我のリスクが抑えられます。

また、プラスチックの一種「アクリル」もおすすめです。アクリルはガラスと同等以上の透明度と耐衝撃性の高さが特徴で、水族館の水槽や飛行機の窓などにも使用されています。既存のガラスには、飛散防止フィルムを貼るのも良いでしょう。

・収納の扉に耐震ラッチを取り付ける

政府が実施した調査によると、東日本大震災の被災者が津波から避難する際「室内で転倒した家具や散乱した生活用品が障害になった」という回答が全体の7%ほどありました。

生活用品の散乱の原因のひとつが、大きな揺れにより収納の扉や引き出しが開き、中の物が飛び出してしまうこと。これは「耐震ラッチ」という部品で防止できます。耐震ラッチとは、家具に取り付ける小さなパーツです。一定の揺れを感知するとロック機能がはたらき扉や引き出しが開かなくなり、揺れがおさまれば解除されます。既存の家具にも取り付けることも可能です。

参考:東日本大震災を踏まえた・今後の被害想定の主な課題・海溝型地震に伴う広域災害への対応(概要)│内閣府防災情報
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chousakai/tohokukyokun/8/pdf/4.pdf

・家具を造作家具にする、背を低くする(小上がり収納)

居室に合わせて作成するため、空間を無駄なく使用することができる「造作家具(造り付け家具)」は防災面でもおすすめ。造作家具の多くは、棚や扉を住まいに直接固定するため、転倒の危険性がないからです。小上がりの上げ底を利用した床下収納なら、揺れで物が飛び出すこともありません。

・収納を集約して生活空間をすっきりさせる

ウォークインクローゼットやパントリーといった大きめの収納に物を集約して、長い時間を過ごすリビングや寝室まわりをすっきりと片付けておくのがおすすめです。地震の際に家具の転倒や生活用品の散乱による避難の妨げを軽減することができます。

・手すりを設置する

地震の発生時や避難時に、しっかりとつかまる場所があると転倒を防止できます。家族に高齢者や体が不自由な人がいないと、手すりは不要と考える人が多いかもしれませんが、もしリノベーション時に「まだ高齢というほどの年齢でもないし…」と迷っている場合であれば、防災の観点から設置するのも良いでしょう。

・パントリーを確保して食品を多めに保管する

大規模災害の際に食料品店の商品棚から物がなくなってしまった光景が、記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。政府も災害発生に備えて、最低でも3日分、可能であれば7日分の食料備蓄を呼びかけています。

しかし、備蓄専用の食品を収納にしまいこんでいると「いつの間にか賞味期限が切れていた」「食べてみたら口に合わなかった」といった事態が起こりがちです。そこで近年注目を集めているのが「ローリングストック」という備蓄方法。ふだん食べている食品を多めに購入しておき、古いものから計画的に消費していきます。ローリングストックにはある程度のスペースが必要となるため、リノベーションの際にパントリー(食料やキッチン消耗品用の収納)を確保するのがおすすめです。

参考:緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド│農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/pdf/140205-02.pdf

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■まとめ

賃貸住宅で手軽に実行できる方法から、リノベーションで実現可能な方法まで、防災対策をご紹介しました。日本に暮らす限り、大きな地震はいつか必ず来ると考えておいた方が良さそうです。いつ来るとも分からない災害から自分や家族の命を守るため、できることから対策をしておきましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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