【賃貸・購入別】空き巣に狙われないために!家の防犯対策

賃貸・購入物件に関わらず、昨今では住民間でのコミュニケーションが希薄になっています。そのような状態で空き巣に入られてしまった場合、周囲の無関心によって犯人特定が困難になることも。しかし、空き巣に入られるのには理由があります。今回の記事では、空き巣がよく使う手口について解説しながら、賃貸物件・購入物件別の防犯対策をご紹介します。リフォーム・リノベーションを考えているかたに有益な最新の防犯設備についてもご紹介しています。

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■空き巣犯罪の手口とは?

空き巣にはさまざまな犯行手口がありますが、その中でも最も注意すべきポイントを取り上げて解説します。

・鍵開け

住人が家族のために家の外に隠しておいた鍵を使っての侵入、落とした鍵を使っての侵入、またはピッキングなどで鍵を開けられてしまうパターンです。

たとえ分かりにくい場所に隠していても、空き巣がどこで見ているかわかりません。鍵を屋外に隠すのはやめ、家族それぞれが合鍵を携帯するようにしましょう。また、鍵を紛失した場合にはすぐに鍵を取り替えるのがよいでしょう。

また最近では、ネット上の画像に写った鍵の形を分析して合鍵を作るといった高度な手口も横行しています。むやみに鍵を写真に撮らないようにしましょう。

・サムターン回し

ドアの覗き穴を割ったり、すき間などから針金を差し込んだりして、内側のつまみやレバーを操作して鍵を開ける手口です。同じ建築会社が手掛けた住宅地では鍵の構造も同じことが多いため、この手口で近隣住民が空き巣に入られた際は警戒が必要です。

窓やドアのがたつきを放置せず、すき間ができないようにしましょう。できればドア自体をのぞき穴のないものに取り替えるのがベストです。

・ガラス割り

サッシや窓からの侵入によく使われる手口で、レバー付近に小さな穴を開けて直接開錠し、家屋内に侵入し、窃盗を働くという手口です。音で気付かれないよう、ガラス用の小さなノコギリのようなものを使用することもあります。耐衝撃性の高いガラス窓が増加しているため、最近は携帯バーナーなどで熱したあと水をかけて割るといった高度な手口を使うことも。
これらガラス割り犯罪への対応としては、内窓を付けてロックを二重にかける、熱にも強いガラス窓を選ぶなどの対策が考えられます。

・空き巣は念入りに下調べをしている

空き巣は手当たり次第に犯行を侵しているわけではなく、十分な下調べを行った上で犯行に及ぶことが多いです。

目星をつけた住人の家族構成、出かける時間、帰宅時間、鍵をどこかに置いていないかといったことから、住人の服装や持ち物、間取り、サッシの作りまで調べていることもあるようです。

・空き巣犯罪には「5分~10分」の耐久性が重要

警察庁の調査では、空き巣の約7割が侵入に5分、約9割は10分かかると犯罪をあきらめるという結果が出ています。そのため、「5分~10分の外部衝撃等に対する耐久性」が空き巣対策のポイントと言えるでしょう。

共働きの場合、出社・帰宅時間はある程度決まってしまうため対策は難しいですが、特別な時以外はあまり高価な服や持ち物を使用しない、誰もいなくても「行ってきます」と一声かけてから施錠する、普段から防犯についての話を外でもするなどして、防犯意識を持っていることを空き巣に知らせると犯罪防止に繋がります。

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■賃貸物件と購入物件での防犯対策の違い

賃貸物件と購入物件では、防犯対策にいくつもの違いが出てきます。ここでは、賃貸・購入物件では防犯対策上、どのような違いがあるのかを見てみましょう。

・原状回復義務の有無

賃貸物件と購入物件の最も大きな違いは、「原状回復義務」が発生するか否かという点です。
原状回復とは「入居時と同様の状態に戻しておくこと」を言い、基本的に賃貸物件では原状回復義務が発生します。そのため大掛かりな工事や、釘を使用するなどの壁に穴を開ける行為は禁止されている物件が大半です。

また最近では、工事不要の空き巣防止グッズがいろいろと販売されていますが、引っ越した際に同じものを設置できない場合、違うものに買い替える必要があります。

購入物件の場合、その物件は居住者の所有物となるため、建築基準法に反しない限りは大掛かりな工事も自由に行うことができ、高度なセキュリティ性能を持つものに取り替えることも可能です。ただしコストがかかりますので、信頼できるリフォーム会社に相談し、納得のいくものを選びましょう。

・変化する手口に合わせた防犯対策のしやすさ

賃貸物件でも、防犯意識の高い大家さんの場合はこまめに防犯対策を取り入れることもあり、その場合は管理も大家さんが全て管理するため手間はかかりません。しかし、自分の好きなときに、好きなように何かを変えるのには限界があるため、必ずしも最新の防犯対策を取り入れることができるとも限りません。

購入物件であれば自分の自由な意思でさまざまな防犯対策を取り入れることができ、その時その時の犯罪手口の変化に応じて最新の設備を取り入れることが可能です。しかし自宅の設備に関しては全て自己管理であり、どの設備を取り入れるかも自分で決定する必要があります。
リフォーム・リノベーションの際は、なるべく多くの情報を集めて検討することが大切です。

・周囲の住民とのコミュニケーションの違い

購入物件の場合、たいていはその地域に長く住み続ける人が多いため、近所の人と挨拶を交わすなど付き合いがあることが増えます。

それに対し、賃貸物件はさまざまな場所へ移動するのが容易であると共に、どうしても近隣住民とのコミュニケーションが取りづらい傾向に。
空き巣が犯行をあきらめる理由として多いのが「近所の住民に声をかけられた・見られた」というものです。ご近所同士でコミュニケーションが取れていると、そのエリアで不審人物を見つけたときにお互いが防犯の役割をもつことができます。

賃貸・購入に関わらず、引っ越し時の挨拶回りだけでなく、日ごろからコミュニケーションを取れるように心がけましょう。

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■賃貸物件の防犯対策

賃貸物件の防犯対策で大切なのは「原状回復が可能かどうか」です。ここでは、大幅な施工をせずにできる防犯対策をご紹介します。もともと部屋に付属しているものを取り外して交換する場合は、外した部品を失くさないようきちんと保管しましょう。
大家さんの承諾を得て、原状回復の必要がなく大幅な工事が可能なかたは、ぜひ「購入物件の防犯対策」も参考にしてください。

・サッシ用防犯グッズを使う

サッシ窓に使われるクレセント錠は小さな穴を空ければ外からでも開閉が容易であることから、空き巣の侵入経路としてもよく使われる場所です。
このような空き巣被害に対しては、まずクレセント錠をダイヤル式ロックに取り替えるのが効果的です。クレセント錠を外して取り替えるだけなので原状回復も簡単にできます。外したクレセント錠を失くさないように気をつけましょう。
またサッシ用の補助錠を取り付けることで容易にサッシが開かなくなるため、さらに安全性が高まります。サッシの衝撃や開放を察知して警報が鳴る防犯ブザーもあります。これらのグッズは突っ張り式や粘着テープなどで固定するため、退去時の原状回復も簡単にできます。「警報ブザー作動中」などのステッカーも貼っておくと犯罪抑止に繋がります。

・できれば鍵も開けられにくいものに替える

物件の管理会社もしくは大家さんに承諾を得られる場合、鍵を安全性の高いものに替えることをおすすめします。
多くの場合、賃貸物件の鍵は近所の合鍵店で簡単に作ることができるため、昔住んでいた住人が同じ鍵を持っている可能性もあります。

鍵を新しく替える場合はドアノブごと交換になることが多いですが、新たに穴を空けるわけではないため原状回復は可能です。ただし、物件によっては断られることもありますので必ず管理会社もしくは大家さんに確認してから行いましょう。
鍵の交換ができない場合でも、外付けタイプの補助錠を取り付けることで防犯上理想的な「1ドア2ロック」となり、一定の防犯効果が期待できます。

・サムターンガードを付ける

ドアや鍵が頑丈でも、ドアスコープから針金を使って鍵を開ける「サムターン回し」は避けることが困難です。サムターンを回されないようにするにはガードを取り付けましょう。外径によって取り付けられる商品が違うため、購入の際は注意しましょう。

・防犯カメラは設置前に必ず確認を

賃貸物件でも取り付け可能なタイプの防犯カメラもあり、玄関先に取り付けることで空き巣防止になります。また、ドアスコープにカメラを設置し、室内のモニターで外を確認できるタイプのカメラもあります。
しかし場合によってはプライバシーの侵害として近隣住民から苦情が出ることも考えられます。必ず大家さんの承諾を得た上で、なるべく他の住居が映らないように配慮して設置しましょう。

・遮光カーテンで部屋の間取り・暮らしぶりを見せない工夫を

暗くなってもカーテンを開け放しておくと、部屋の間取りが外から観察できるため、場合によっては空き巣のターゲットになります。また、洗濯物をむやみに外に干しておくと、洗濯物の内容から家族構成などを特定される恐れがあります。
カーテンは遮光性能の高いものにして暗くなる前に閉めるようにし、物干し場も人目に付きにくい場所にするなどの工夫をすることで、生活事情を知られないようにしましょう。

・家族の人数が分からない、留守を悟られないような工夫を

洗濯物に実家で借りた服を一緒に混ぜて干す、靴を出しっぱなしにしないなど、なるべく家族構成が周りに漏れないようにしましょう。空き巣は大抵の場合下調べをしてから犯行に及ぶため、どこで見ているかわかりません。
また長期に渡り家を空ける際は、新聞を止めるなど留守をなるべく悟られないような配慮をしましょう。

・近隣住民の顔を知り、なるべく交流をはかる

2年ごとに更新時期が来る賃貸物件では、2年で引っ越してしまう住人も多くいます。そのため自分の顔を知ってもらうと共に、近隣住民がどのような人なのかを知るためにも、なるべく交流をはかることが大切です。

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■購入物件の防犯対策

購入物件では、マンションのエレベーターや廊下などの共有部分を除けば基本的にさまざまな工事を自由に行うことが可能です。ここでは2019年6月時点での最新の防犯設備もご紹介しながら、購入物件の防犯対策についてご紹介します。

・中古物件でもリフォームを上手に取り入れれば万全の対策が取れる

中古物件では、サッシ窓のガラスが薄く割りやすい構造だったり、雨戸が古い木製ですき間が目立ったりなど防犯上不安になることがあります。このような物件に対しては、適したリフォーム工事によって防犯対策をすることができます。まずは物件の不安な部分を全てチェックし、どのような対策があるのか調べた上でリフォーム会社に相談しましょう。

・防犯性能の基準は「防犯建物部品(CP)」を目安に

防犯建物部品(CP)とは、警察庁や国土交通省、経済産業省などと民間団体による「官民合同会議」の試験で、5分以上外部からの侵入を防ぐ性能があると認証された製品です。一定基準以上の防犯性能を持つ目安となりますので、リフォーム時の部品の選択の際に覚えておくと便利です。

・電気錠付き門扉で玄関までの侵入を困難に

一戸建て物件で周囲をブロック塀や生垣で囲み門扉が設置された物件では、塀や生垣が死角となる場合があるので、門扉を鍵付きのもの交換するのがおすすめです。現在ではカードロックや指紋認証、スマートフォンをかざすと開錠するタイプなど、さまざまなタイプの電気錠付き門扉が販売されています。また、カメラ付きでスマートフォンから玄関の様子をチェックできるものもあります。防犯のほかにも開閉が簡単に行える点も長所となっています。
停電の際にはディンプルキーを使用しての開錠も可能なので安心です。

・宅配ボックス一体型の鍵付きポストで郵便物漁りを防止

郵便物や新聞紙の溜まり具合を覗かれないよう、郵便受けは容量の大きなものや、鍵付きのものを設置すると防犯対策になります。現在では表札・宅配ボックス・郵便受け・カメラ付きインターホン一体型のものもあり、スマートフォンと連動して荷物を受け取るほか、インターホンの映像を外出先でリアルタイムに確認・応対ができるものも販売されています。

・防犯ガラスや電気錠つき雨戸で侵入する隙を与えない

従来の強化ガラスは衝撃には強いものの熱に弱く、焼き破りに遭いやすい点でした。最新の防犯ガラスは2枚のガラスの間に耐熱性も含めた防犯性の高い膜を挟んだ構造で、焼き破りにも強くなっています。
膜が厚いほど防犯性能は高まりますが、枠の厚みによって使用できる防犯ガラスに制限がある場合がありますので、確認して選びましょう。
またサッシにがたつきがある場合、ガタガタと揺らしてクレセント錠を外されることもあるため建付けのチェックもしっかりと行うことでより安全になります。できればクレセント錠でなく内蔵錠のものを選びましょう。

マンションなどの集合住宅の場合、玄関ドアやベランダの手すり、サッシなどの統一された外観が共有財産と見なされるため、内窓を付けたり補助錠を取り付けたりすることで、外観を変えずに防犯性能を高めることができます。ガラス部分には防犯フィルターを張るのもおすすめですが、正確に張らないと防犯効果が大幅に下がってしまうため専門業者に依頼するのがよいでしょう。

中古戸建で木造一筋の雨戸の場合、スペースを利用して頑丈な一筋雨戸に交換したり、外付けシャッターにするのがおすすめです。どちらも電動式のものが出ており、防犯性のほか利便性もよいものが販売されています。
タイマー付き電動シャッターで、朝夕決まった時間に自動的に開閉するようにしておくと、長期の留守中でも気づかれにくくなります。

・進化する鍵開け被害にも強い鍵を。ダブルロックも

昨今ではウェブ上の鍵の画像から合鍵を作るなどの手口もあるため、簡単に合鍵を作れないセキュリティ性能の高い鍵を設置するとよいでしょう。特に中高層住宅では玄関からの侵入が多いので、中古マンションのリフォーム・リノベーションでは玄関の防犯対策が重要となってきます。

鍵の表面に凹凸のない「ディンプルキー」は、ぱっと見で複製が難しく、合鍵も簡単には作れないため広く普及しています。またディンプルキーは鍵そのものだけでなく、鍵穴もピッキングに強い構造になっているのが特徴です。防犯性能はそのままに、上下の区別がないリバーシブル構造で操作性にも優れたものもあります。

また、鍵の性能だけでなく鍵穴を二つ設ける「ダブルロック」にすることで、空き巣の鍵開け時間を2倍に延ばすことができ、さらに安全性が高まります。さらに、中古物件の玄関ではドアのすき間からかんぬき部分が見えていることがあり、金具を差し込んで破壊される場合があります。ドアごと交換するのが一番ですが、集合住宅などでドアの交換が難しい場合、鍵の交換・補助錠に加えガードプレートを取り付けましょう。

人目につきにくい場所にありがちな勝手口にも対策が必要です。ダブルロックのほか、人感センサーライトを取り付けるのも空き巣対策に効果的です。

・死角の小さな窓には面格子を

お風呂やキッチン、トイレなどの死角になりやすい小窓から侵入されるのを防ぐため、水回りの小さな窓には面格子を付けるのがよいでしょう。最近では電動式でブラインドのように開け閉めのできるタイプもあり、プライバシーを守りながら風通しを確保することにも役立ちます。

・周囲の住民との交流はやはり大切

購入物件でも、やはり地域間の交流が活発な場所では空き巣が犯行を起こしにくくなります。すれ違うだけでも必ず挨拶を交わす、町内会などの地域活動に積極的に関わるなど、近隣住民と交流を持つように心がけることも重要です。

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■まとめ:防犯意識の高さそのものが犯罪を減らす

空き巣被害に遭わないための防犯対策にはいろいろな方面から目を配る必要があります。自分の所有する不動産によって気を付けるべき点は異なり、ひとつひとつに細かく対策を施していくことが大切です。
また、そのように細かな対策を施すことにより「家主の防犯意識の高さ」を周囲に示すことができ、その意識の高さそのものが空き巣を寄せ付けないことにも繋がります。できるところから防犯対策を取り入れ、侵入しにくい家づくりをしていきましょう。

執筆者情報マイリノジャーナル編集部
■ 編集者:村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!
建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

■ 監修者:原田 直生之

宅地建物取引士の有資格者

→詳しいプロフィール
編集者: マイリノジャーナル編集部
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