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シックハウス症候群とは?新築ではいつまで続く?物件選びにおける対策・予防のポイント

シックハウス症候群とは、住まいの化学物質やカビ、ダニなどが原因となってのどの痛みや頭痛、倦怠感などを引き起こす健康被害のことです。シックハウス症候群を起こさないためには、物件選びが重要です。今回はシックハウス症候群の特徴や原因、そしてシックハウスを防ぐ物件選びのポイントをご紹介します。

シックハウス症候群とは?新築ではいつまで続く?物件選びにおける対策・予防のポイント
こんな方におすすめの記事です
  • 家族の健康にやさしい家選びをしたい方
  • シックハウスのリスクが低い物件を選ぶ方法が知りたい方
  • シックハウスを避けるための具体的なポイントを知りたい方

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■シックハウス症候群とは

シックハウス症候群とは、建材などから発生する有害な化学物質によって引き起こされる健康被害のことです。新築物件への入居やリフォーム後に「目がチカチカする」「のどが痛い」「頭痛がなかなか治らない」などの症状を訴える声があり、室内空気の汚染が原因で体調不良が起こっていることが明らかになりました。

・シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群の症状は人によってさまざまで、粘膜や皮膚をはじめとする全身に症状が出ます。代表的な症状は以下のようなものです。

●目:チカチカする、涙目になる
●鼻:鼻水、乾燥、刺激を感じる
●のど・唇:痛み、乾燥、咳
●皮膚:湿疹、じんましん、かゆみ、乾燥
●全身:倦怠感、めまい、頭痛、疲れやすい、吐き気、嘔吐

症状の重さや反応の程度には、個人差があります。また、風邪や花粉症、更年期障害、うつ病などと似た症状も多いため、なかなか原因が分からなかったり間違って判断されたりといった状況も多く見られます。他の病気と区別するためには、「外出時より、家の中にいるときに症状が出やすい」「入居後に症状が出始めた」などの状況がポイントとなります。

シックハウス症候群に一度かかると、香水や合成樹脂の製品など、住宅以外でもさまざまな化学物質に過敏に反応するようになることがあります。怪しい症状があれば、早めの対策が必要です。

・シックハウス症候群の原因

シックハウス症候群は、有害な化学物質の室内濃度が高くなることが発生要因です。

1.室内に原因物質がある
2.住宅の気密性が高い
3.室内の換気が不十分

といった悪条件が重なると、シックハウス症候群を引き起こしやすくなります。原因となる物質はさまざまで、以下のような物質の影響が大きいと言われています。

・ホルムアルデヒド:合板や壁紙などの接着剤として使われる
・クロルピリホス:シロアリの駆除などに使われる殺虫剤
・アセトアルデヒド:防カビ剤や香料などに使われる
・トルエン、キシレン、エチルベンゼン:内装材の接着剤や塗料として使われる
・スチレン:ポリスチレン樹脂や合成ゴムなどから発生する
・カビ、ダニ

特に問題視されているのは「ホルムアルデヒド」で、建築基準法でもホルムアルデヒドを含む建材には規定が設けられています。シックハウス症候群を起こさないためには、建材や家具としてこれらの有害物質を使用しないことと、適切な換気で空気をきれいに保つことが重要です。

また、シックハウス症候群の原因物質の多くは揮発性物質で、気体になって空気中に拡散されます。揮発性物質は気温が高くなると発散量が増えるため、特に暖かい時期には注意が必要です。

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■新築でシックハウス症候群が続く期間

住宅建材に含まれる化学物質は、揮発することで徐々に減っていきます。つまり新築から時間が経つほど、シックハウス症候群のリスクは軽減されるということです。目安としては、新築から5年以上が経過した物件を選ぶとよいのではないかと言われています

目安が5年間である理由は、建築基準法の内装仕上げの基準にあります。この規定ではホルムアルデヒドの発散が多い(120μg/㎡h超)建材は使用禁止とされているのですが、「施工から5年が経過した建築材料」については使用を制限されないのです。つまり目安として新築から5年ほど経てば、シックハウスのリスクはずいぶん減ってくると考えられるでしょう 。

ただし建材ごとのバラつきや、室内の換気能力によって、ホルムアルデヒドの放散量は変わります。また化学物質の許容量も人によって異なるため、明確に「何年経てばOK」とは言えません。過敏な体質のご家族がいる場合は、より慎重な物件選びをおすすめします。

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■シックハウス症候群を避ける物件選びのポイント

では、シックハウス症候群を予防するためには、どのような物件を選べば良いのでしょうか。

まず一つチェックしたいのが「2003年7月1日以降に建てられた建物か」ということです。2003年の建築基準法改正でシックハウス対策が義務付けられたため、この改正以降に着工した建物は一定の規制の中で工事がなされています。では、この規制の内容とポイントについて詳しく解説していきましょう。

・ポイント1:内装仕上げ

シックハウス症候群を引き起こさない内装材や家具であることは、「F☆☆☆☆」というマークで確認することができます。「☆」の数はホルムアルデヒドの空気中への発散速度を表しており、☆が多い方が安全です。

建築基準法では「F☆☆☆☆」の建材は制限なく使うことができますが、「F☆☆☆」「F☆☆」では使用できる面積が規制されています。また、表示がないものは使用できません。最近は、F☆☆☆☆の規格の建材が増えており、新築物件でもリフォームでも安全性が高まっています。

・ポイント2:換気設備

ホルムアルデヒドでもそれ以外の化学物質でも、室内濃度が高くなりすぎるとシックハウス症候群を起こすことがあります。シックハウス症候群を防ぐためには、換気によって室内の空気中の化学物質を少しでも減らしていくことが大切です。

物件選びのポイントとして、「適切な換気設備が設置されているか」ということも重要となります。2003年建築法改正では、原則すべての建物に「24時間換気システム」などの換気設備設置が義務付けられました。改正以降の建物には基準を満たした換気設備がついています。住宅の気密性が高くても、きちんと計画的に換気がされていれば安心です。

ただし、換気設備は付いていても、通気が悪い建物というのは存在します。もし、サッシや壁紙などにカビが生えている場合は、換気がきちんとできずに湿気が溜まっている可能性があります。適切な換気ができているかは、物件選びの一つのポイントです。

・ポイント3:天井裏

有害な化学物質は、室内の壁や家具だけでなく、天井裏などから居室へ流入する可能性もあります。そのため、天井裏からのホルムアルデヒド流入を防ぐ措置がされた住宅を選ぶこともポイントです。
2003年建築法改正ではこの措置として、3つのうちのいずれかの対策をすることが義務付けられました。

1.天井裏などに用いるホルムアルデヒド発散建材はF☆☆☆以上
2.天井裏と居室を区切るため、気密層か通気止めを設ける
3.天井裏にも換気設備を設ける

これについては自分ではチェックしづらいですが、2003年以降の建物であれば一定の抑止力を持って建てられていると考えて良いでしょう。

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■住宅性能評価をチェック

住宅性能評価とは、「住宅品確法」に基づき2000年にスタートした制度です。
地震への強さや省エネ対策などについて等級・数字で表示しており、シックハウス対策についての項目も含まれています。国が指定した第三者機関が評価をおこなっており、専門知識がなくても安心できる住宅かどうか比べられるようになっています。

・シックハウスに関する項目と評価方法

シックハウスに関する項目は、ホルムアルデヒドを含む内装材がどのくらい使われているか、換気設備はどうなっているかなどです。設計段階で評価した後、その通りに工事が行われているかどうか工事段階でもチェックしています。

・化学物質濃度測定

工事が完了した後、6つの化学物質(ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド・トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレン)の濃度を測定してもらうこともできます。濃度測定は選択項目となっていますが、もし評価されていれば物件選びの参考になるでしょう。

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■まとめ

建材などに含まれる揮発性の物質は、年月とともに揮発して少なくなっていきます。つまり、新築の住宅よりもあるていど築年数の経った中古物件の方が物質は少ない可能性は高いということです。しかしながら中古でもまだ発生している場合もあるため、住宅性能評価などを通して新築時の状態もチェックすることが大切です。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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