シニア世代のマンション購入は、現役時代とはどのような点が違うのでしょうか?また、何歳まで住宅ローンを組むことが可能なのでしょうか?新築・中古それぞれの特徴や、老後に暮らしやすいマンション選びのポイント、資金準備の方法などを解説していきます。
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詳しくはこちら>>働き盛り世代のマンション選びでは、物件から家族の職場や学校へアクセスしやすいかどうかが大きなポイントです。一方シニア世代の場合は、定年退職や子どもの独立により、通勤・通学に縛られる必要がなくなるため、幅広い選択肢から自由に居住エリアを選ぶことができるようになります。
今はまだまだ元気なシニア世代も、今後は年齢を重ねていきます。快適な老後を送るためには、安心・安全で暮らしやすい住まいを選びたいもの。それでは、シニア世代がマンション購入を考える際、どのような点に注目するべきなのでしょうか。
シニア世代のマンション選びで重要なポイントは、物件の利便性です。室内はリノベーションで一新することも可能ですが、当然ながらマンションの周辺環境を変えることはできません。
年齢を重ねると、車の運転が難しくなったり、遠出が億劫になったりする可能性があります。また、例えそれまで大きな病気をしなかった人でも、高齢になれば病院へ行く機会は増えるもの。住まいの立地の良さが老後の生活しやすさに繋がります。毎日の買い物に利用できる商業施設が徒歩圏内にあり、病院や公共施設へも行きやすい物件がおすすめです。
高齢になると身体機能の低下から転びやすくなるため、日常生活のなかでも事故が起きやすくなります。東京消防庁によると、2017年に救急搬送された高齢者(65歳以上)の事故において、約8割を占めている原因が「転倒」でした。
ちょっとした段差でも、思わぬ転倒事故につながる可能性があります。シニア世代には、段差のないバリアフリー設計の住まいがおすすめです。また、トイレや玄関など、かがんだり立ち上がったりする場所には、手すりがあると安心です。
ヒートショックとは、大きな気温差による血圧の急激な変動で、脳卒中や心筋梗塞などの健康被害が起きること。ヒートショックで亡くなる人のうち、8割以上を65歳以上が占めています。
特に冬場は脱衣所と浴室に寒暖差が生じやすく、入浴時に事故が起きるケースが多いです。対策としては、2重窓を採用して外気温の影響を軽減する・浴室暖房を設置する・廊下や脱衣所へ床暖房を設置する、といった方法が有効でしょう。
参考:
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/175.html
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201509/kkhansoudeta.html
高齢になったら子ども世帯と同居するべきか、迷っている人もいるでしょう。子どもと一緒に暮らせば心強いですが、これまで通りお互いのプライバシーを尊重して暮らしたいと考える人も多いです。
そこで近年は、家族が近くで暮らす安心感と、お互いの生活ペースを両立する「近居」が人気を集めています。どれくらいまでを近居とするのか、はっきりとした定義はありませんが、おおむね徒歩10分以内だと日常的に行き来しやすいでしょう。同じ棟のなかで別の住戸に暮らす「マンション内近居」もあります。
子ども世帯と離れて暮らす場合は、帰省時に利用する路線や高速道路からのアクセスしやすさを考慮に入れると良いでしょう。
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詳しくはこちら>>シニアがマンションを購入するきっかけはさまざま。子どもが独立した、配偶者が亡くなった等、同居の家族が減って部屋を持て余すようになった、というケースは多いです。コンパクトな住まいに住み替えると、光熱費が抑えられ掃除もしやすくなるでしょう。
また、それまで一戸建てに住んでいた場合は、階段の上り下りに負担を感じるようになり、2階部分にほとんど上がらなくなってしまうこともあります。マンションへ住み替えれば、フラットな空間で生活が完結するため無駄がありません。
老後の住まいを購入するなら、「シニア向け分譲マンション」という選択肢もあります。どのようなマンションなのでしょうか?
シニア向け分譲マンションとは、高齢者が安心して暮らせるよう設備やサービスを整えたマンションです。提供内容は物件ごとに異なりますが、バリアフリー対応のゆったりとした内装を基本に、医療機関や介護サービスとの提携、コンシェルジュサービス(宅急便の預かり・共用部分の予約・タクシーの取次等)、充実した共用施設(レストラン・スポーツジム等)、入居者同士が交流しやすいコミュニティイベントの実施などがあります。
設備やサービスが充実しているため、一般的な新築マンションに比べて分譲価格は高額です。また、月々の管理費はサービスが手厚いマンションほど高めになります。
シニア向け分譲マンションの入居条件は物件により異なりますが、自立した暮らしを送れることが前提となっています。老人ホームではないため介護サービスの提供はしていませんが、外部のサービスを受けることは可能です。そのため、自立〜軽度の要介護までの人が入居できます。
「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者が安心して暮らせるように介護施設や医療施設と提携を結んだ、バリアフリー構造の賃貸住宅。略して「サ高住」「サ付高住」と呼ばれることが多いです。「高齢者住まい法」に基づき、一定の基準を満たしている住宅が自治体により認定・登録されています。シニア向け分譲マンションと同様に、自立した生活を送れることが入居条件です。
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詳しくはこちら>>シニア世代がマンションを購入するなら、中古物件を購入して、リノベーションするという選択肢もあります。
中古マンションは新築マンションよりも不動産市場への流通量が多いため、所在地や専有面積など、幅広い選択肢から物件を選ぶことができます。高齢者が暮らしやすい周辺環境が充実したエリア・専有面積が広すぎない・買いやすい価格、といった複数の条件でも探しやすいです。
物件の選択肢が多い中古住宅を購入し、入居前にリノベーションするのも良いでしょう。そのままでは高齢者にとって使いにくい物件でも、リノベーションで安心・快適なバリアフリー住宅に生まれ変わらせることができます。
老後は家で過ごす時間が長くなるもの。住まいの安心・安全はもちろんのこと、日々の生活を楽しめる空間であることも大切です。
「料理を楽しむために大きなオープンキッチンにしたい」
「孫が遊びに来られる大きなリビングにしたい」
「趣味を楽しめる部屋を作りたい」
このように充実した老後を過ごせる少し個性的な住まいづくりも、リノベーションでかなえることができます。
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詳しくはこちら>>住宅の購入が初めての人を「1次取得者」、2回目以降の人を「2次取得者」といいます。国土交通省の住宅市場調査(2017年度)によると、2次取得者の年齢は新築・中古マンションいずれも60歳代が最も多くなっており、平均年齢は以下のとおりです。
・世帯主の平均年齢(2017年度)
1次取得者…新築マンション:39.5歳、中古マンション:44.2歳
2次取得者…新築マンション:59.0歳、中古マンション:56.7歳
また、2次取得者は、住宅費用における自己資金割合が大変高いことが特徴です。新築・中古マンションいずれも、約7割となっています。
・購入費用に占める自己資金割合(2017年度)
1次取得者…新築マンション:32.9%、中古マンション:44.3%
2次取得者…新築マンション:69.2%、中古マンション:71.0%
参考:https://www.mlit.go.jp/common/001236086.pdf
住宅を購入する際、多くの人が住宅ローンを利用しますが、シニア世代も融資を受けることは可能なのでしょうか?
住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」では、年齢に関する条件として契約時に70歳未満、完済時期を80歳までとしています。そのほかの住宅ローンにおける年齢条件は金融機関やローン商品によって異なりますが、フラット35と同程度かやや低い年齢を設定していることが多いようです。
つまり、シニアも60代までであれば住宅ローンを組むことも不可能ではありません。ただし、返済期間は必然的に短めとなるため、融資が受けられる金額は低くなりやすいです。
また、子ども世帯と同居する、あるいは将来的に同居する予定であれば親子でローンを組むことも可能です。返済期間を長く・融資金額を大きくすることができます。親子どちらかだけでは審査に通らない場合でも、親子ローンにすることで融資が受けられるケースもあります。
・親子リレーローン…親が亡くなったあとに子が返済を引き継ぐローン
・親子ペアローン…親と子が同時に返済していくローン
参考:
https://www.flat35.com/faq/faq_201-1.html
https://www.flat35.com/loan/atoz/05.html
シニア世代は住宅ローンの利用は不可能ではないものの、現役時代に比べると融資条件が厳しくなってしまうことも事実です。そのため、住宅購入に向けて自己資金を用意しておく必要があります。
自己資金の準備方法としてまず挙げられるのが、預貯金です。住宅の購入を検討し始めたら、できるだけ貯めておきましょう。退職金を充てるという選択肢もありますが、全て住宅購入に割り振ってしまうのはリスクが高いです。老後の生活費も考慮に入れた資金計画を立てましょう。
既に持ち家がある場合、売却して新たな住まいの購入資金に充てるのも良いでしょう。住宅ローンを完済していない場合は、売却時にローン残高を一括で返済する必要があります。もし売却額が残債を下回った場合は、差額を自己資金で支払うか、新たな住宅ローンに組み込みます。
近年注目を集めている「リバースモーゲージ」とは、住宅を担保に融資が受けられるシニア世代向けの制度です。融資の内容や返済方法は金融商品ごとに異なりますが、持ち主が亡くなったあとに担保を売却して一括返済するのが基本。これまでリバースモーゲージの融資対象は一戸建てが原則でしたが、近年はマンションも対象とする金融機関も増えています。
また、既に所有している持ち家だけでなく、新たに購入する住まいを融資対象とする商品も登場しています。この場合、金利のみを毎月支払って行き、融資分は死亡後の売却時に精算するという仕組みです。
リバースモーゲージを契約するには、推定相続人全員の同意書が必要になることが多いです。推定相続人とは、契約者が亡くなったときに法定相続人になると現時点で考えられる人を指します。
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詳しくはこちら>>シニア世代のマンション購入について解説しました。新築マンションなら、シニア向け分譲マンションという選択肢もあります。中古マンション購入+リノベーションなら、老後の趣味を楽しみやすい住まいに生まれ変わらせることも可能です。購入費用は自己資金を多めに用意する必要がありますが、シニアならではの金融商品もあります。