住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

安いだけで購入しない!中古マンション選びで失敗しないための注意点

中古マンションを購入するとき、なるべくお買い得な物件を選びたいですよね。しかし「安いからお得!」というだけで飛びつくと、思わぬ落とし穴が潜んでいることも…。今回は中古マンション選びでよくある失敗例や、失敗を防ぐための注意点について解説します。

安いだけで購入しない!中古マンション選びで失敗しないための注意点
こんな方におすすめの記事です
  • 中古マンションをお得に購入したい方
  • 中古マンション選びで失敗したくない方
  • 失敗しないための具体的なポイントを知りたい方

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CONTENTS

■中古マンションを選ぶときの注意点

中古マンションを選ぶときの注意点

まずは、中古マンションを選ぶときの注意点を抑えておきましょう。

・中古マンションの価格を左右する条件

中古マンションをはじめとする不動産は、基本的に「需要」と「供給」のバランスで価格が決まります。簡単にいうと、欲しい人が多ければ価格は高くなり、逆に欲しい人が少なければ価格は安くなるということですね。

具体的には「立地・広さ・築年数」などの条件が価格を左右します。
立地のよいマンションは、築年数がたってからも人気が落ちにくい傾向に。また地価の高さも補ってくれるため、資産価値の下落が緩やかです。

専有面積は広いほど価格が高くなりますが、周辺エリアのニーズにあわせた間取り・広さを選ぶことも大切です。エリアによって単身者のニーズが高いのか、ファミリー向けのニーズが高いのかは変わってきます。

築年数については、新築時に最も価格が高く、築15~20年くらいで勢いよく価格の下がるケースが多いです。それ以降はある程度緩やかに下降しますが、建物の管理状態によっても変わります。

・安すぎる物件は理由を確かめる

なるべく割安な物件を購入したいと思われるかもしれませんが、相場と比べて異常に安い中古マンションに飛びつくのは危険。先述したとおりマンションの価格は需要と供給のバランスで決まるため、安い物件にはそれなりの理由があることも多いのです。

たとえば事件があった部屋や、定期借地付きマンションなどは、破格で売りにでていることも。また特に物件には欠点がなく、「早く売ってしまいたいから」といった売主さんの都合で価格が下がっているケースもあります。

・「変えられない部分」を見極める

中古マンションを買うときには、変えられる部分と変えられない部分を見極めることが大切です。

変えられない部分:立地・構造・管理状況など
変えられる部分:間取り・内装・設備など

たとえば「希望どおりの間取りではない」「内装や設備が古い」といった不満があっても、リノベーションで自分好みに変えられます。むしろ古くてもいいので安い物件を購入してリノベーションに費用をかけたほうが、自分好みの住まいが叶えられることもあるでしょう。

逆に立地や構造などはあとから変えられないので、購入前にしっかり希望条件のすり合わせをしておくと失敗しにくいですよ。

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■中古マンションの購入で必要な費用

中古マンションの購入で必要な費用

中古マンションでは資金計画も重要です。必要な費用をざっくりと抑えておきましょう。

・中古マンションの購入価格相場

中古マンションを購入するときの費用で、一番大きい金額を占めるのが、物件本体の価格です。価格相場はエリアや築年数によって変わります。

参考までに、東京都内にある中古マンション等で、実際に2021年第2四半期(4~6月)に取り引きされた価格をみてみましょう。

東京都の中古マンション平均取得価格

参考/国土交通省 不動産取引価格情報 東京都2021年第2四半期

築浅の物件の平均取得額は8,000万円を超えており、築15年くらいまでは年数とともに下落。それ以降は価格が落ち着き、平均5,000万円前後で取り引きされていることがわかります。もちろん同じ都内でも立地や間取りによって値段は大きく変わってくるので、あくまでも平均としてとらえてくださいね。

同じデータで、面積あたりの単価を出したのが次のグラフです。

東京都の中古マンションの面積あたりの平均取得価格

参考/国土交通省 不動産取引価格情報 東京都2021年第2四半期

築浅の物件は、1㎡あたりの平均価格が100万円をオーバー。築20年を超えると価格の下落幅は落ち着いてきて、1㎡あたり60万円前後で取り引きされています。

・中古マンション購入で必要となる諸費用

物件購入費用以外に、仲介手数料やローン手数料などの諸費用もかかります。中古マンションの諸費用の目安は、物件価格の6~10%ほど。たとえば5,000万円の中古マンションを購入するなら、300~500万円くらいの諸費用がかかる計算です。

契約時に支払う諸費用のうち、大きな割合を占めるのが不動産業者への仲介手数料です。そのほかにも売買契約書や住宅ローン契約書に貼る印紙税などがかかります。

物件を引き渡すときには登記手続きを行うため、登録免許税や司法書士への報酬などがかかります。また融資実行のタイミングで、住宅ローンの手数料や保証料なども必要となるでしょう。

物件を購入してしばらくすると、不動産取得税の納税通知書が届きます。毎月のローン返済・管理費・修繕費・駐車場費、毎年の固定資産税や都市計画税なども考慮に入れて資金計画を立てましょう。

関連記事/マンション購入時の費用や予算、ローンの目安

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■中古マンションのリノベーションのメリット

中古マンションのリノベーションのメリット

・メリット①手頃な価格で物件を購入できる

一般的にマンションは新築時が最も価格が高く、大きな地価の変動などない限りは築年数が経つほど価格は下がっていきます。同じような広さや間取りの物件でも、新築より手頃な価格で購入しやすいのが、中古マンションのメリットです。

具体的に新築マンションと中古マンションの価格を比べてみましょう。不動産流通推進センターの統計によると、2022年8月の首都圏における新築マンションの平均価格は6,102万円。それに対して、中古マンション平均価格は4,280万円となっています。フルリノベーションに1,000万円前後の費用をかけたとしても、中古マンションのほうがトータルで安くなる計算です。

・メリット②好立地の物件も見つかりやすい

中古マンションはエリアや間取り、価格帯などの選択肢が広いのも大きなメリットです。

特に都心部や駅近などの好立地では、そもそも土地が余っていないため、新築マンションがあまり供給されません。希望エリア内で、間取りも広さも条件似合った新築マンションがタイミングよく出てくるケースは非常に稀でしょう。

一方、中古マンションは、新築マンションに比べて供給量が多く、必然的に選択肢も増えます。通勤に便利な立地や駅の近くなど、希望のエリア内で予算内の物件が見つかる可能性がぐんと上がるでしょう。リノベーションをすれば、間取りや内装も自分好みに変えられます。

・メリット③資産価値が安定している

新築マンションには、「新築プレミアム」ともよばれる新築ならではの付加価値がついています。「一度も人の手に渡っていない新品だから」という理由に加え、売り出し時の広告宣伝費や利益も上乗せされているからです。よく「新築は住んだ瞬間、価値が下がる」とも聞きますよね。住んだ瞬間に価値が下がるため、すぐに売却したとしても新築プレミアム分の損失は決まっているというわけです。

一方、中古マンションであれば、将来的な売却時に資産価値が保持されやすいメリットがあります。
実際にこちらのグラフを見ていただくとわかるように、新築マンションは築年数とともに価格が下落。築20年前後で下落が緩やかになりはじめ、築25年を超える頃には価格は底をつき、その後は大きな変化がありません。

築年数から見た首都圏の不動産流通市場
出典/築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)|東日本不動産流通機構

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■中古マンションのリノベーションのデメリット

中古マンションのリノベーションのデメリット

・デメリット①入居までに時間がかかる

多くのリノベーションでは、骨組み状態まで間仕切り壁や内装を解体して、一から住みたい部屋をつくっていきます。間取りから内装、設備まで一新するため、完成するまである程度の期間がかかるのがデメリットです。

工事内容によっても変わりますが、フルリノベーションの設計期間は1〜2ヶ月、工事期間は2〜3ヶ月ほどが目安。お子様の入園入学や、お仕事の転勤など「いつまでに入居したい」という希望がある場合は、早めにリフォーム会社とスケジュールを相談しましょう。

・デメリット②建物が老朽化している可能性

特に築年数の経っている中古マンションで気をつけたいのが、建物の老朽化です。躯体や給排水設備など、築年数が経つほどトラブルが起きやすくなります。そのため大規模修繕の修繕積立金も、築古になるほど金額が高くなりがちです。また旧耐震基準は1981年5月31日まで適用されていたため、古い建物では地震のリスクも大きくなる可能性があります。

ただし築古物件がすべて悪いというわけではありません。古くても耐震性の高い物件はありますし、きちんと管理やメンテナンスされている物件なら安心です。中古マンションを購入するなら、マンションリノベに詳しい会社に構造や管理状態などチェックしてもらいましょう。

・デメリット③構造や規約上の工事の制約がある

マンションで自由にリノベーションできるのは専有部分のみ。構造部分やパイプスペース、窓、バルコニーなどの共用部は、基本的に勝手に手を入れられません。専有部分でも、マンションによっては管理規約で床材の遮音等級や電気容量などが指定されていることもあります。

また構造壁という動かせない壁が、間取り変更の障壁となるケースも。ラーメン構造(柱と梁で支える)では制約がでにくいのですが、壁式構造(壁で支える)のマンションでは間取りに制約がでやすいので、希望のプランが叶えられるか購入前に確認しましょう。

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■中古マンション購入でよくある失敗例

中古マンション購入でよくある失敗例

ここからは、中古マンション購入でよくある6つの失敗例をご紹介します。

・失敗例➀相場より高く購入してしまった

まずよくある失敗例が、そのマンションの立地や築年数から想定される相場より高く購入してしまうというケースです。「そのとき価格に納得できていればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、問題となるのが将来的に売却するとき。売却額でローン残債がまかなえなかったり、希望価格で売却できずになかなか引っ越せなかったりすることもあります。

・失敗例②資産価値が下がってしまった

購入時は相場と差異がなかったのに、買ってから資産価値がガクンと下がってしまう失敗例もあります。築年数に比例して下がるのは仕方がないですが、問題となるのは想定外の価値下落です。たとえばマンションの向かいに大きな建物が建って日当たりが悪くなったり、周囲に治安の悪さを招く施設ができたりして、資産価値が下がってしまうこともあります。

・失敗例③ローン返済の負担が大きすぎた

住宅ローンの返済額が年収に見合っておらず、生活が苦しくなってしまうという失敗例も。コロナ感染拡大のように、想定外のできごとで失業や給料減に追い込まれて、返済が苦しくなってしまう方もいらっしゃいます。無理して支払いを続けてしまうと、返済が滞ったり、マイホームを手放さなければならなくなったりしかねません。

・失敗例④見えない部分が老朽化していた

中古マンションだからこそ気を付けたいのが、見えない部分の老朽化です。内装や設備がリフォーム済みの物件は、新築のようにきれいに見えるかもしれません。しかし壁の中や床下が劣化していたり、古くなった給排水管から水漏れしてしまったりするケースもあります。

・失敗例⑤入居後に修繕積立金が値上がりした

修繕積立金は新築時に安く設定され、築年数とともに値上げされるのが一般的です。修繕積立金が安いマンションは、一見お得な物件のように見えますが要注意。大規模修繕の直前に資金不足が判明して、急激な値上げをされたり、一時金が徴収されたりするケースもあります。ローン完済後も修繕積立金は支払い続けていくので、想定外の金額になるとかなり生活にも影響してしまうでしょう。

・失敗例⑥希望のリフォームが叶わなかった

中古マンションを購入して、自分好みにリフォームしたいという方も多いかと思います。ここで注意したいのが、マンションでは「できない工事」もあるということ。構造上とり除けない壁があったり、管理規約で禁止されている床材があったりと、希望のリフォームが叶わない失敗例もあります。

関連記事/ フルリノベーションの事例8選、「できること・できないこと」も解説!

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■中古マンション購入で失敗しないための対策

ではこのような失敗を防ぐためには、中古マンション購入時にどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。

・中古マンションの相場を知る

適正価格で中古マンションを購入するには、そのエリアでの相場感を身に着けることが大切です。最も手軽に相場を知れるのは、不動産ポータルサイトを見ること。買いたい物件と似たような条件(エリア・駅からの距離・間取り・築年数など)で検索して、いくらで売りに出されている確認しましょう。広さが異なる物件は、「物件価格÷広さ」で㎡単価や坪単価をだすと比較しやすいですよ。

関連記事/中古マンションの物件の探し方とは?不動産ポータルサイトの使い分け方は?

・将来的な資産価値を見極める

将来的に資産価値が下がりにくい物件かどうか見極めることも大切です。マンションへの価値基準は人それぞれですが、変化しにくいのは立地や構造部分。たとえば街のブランド力があったり、駅から近かったりすると、価値が下がりにくいでしょう。今後人口が減っていく地方のマンションは価格も下がりやすいですが、ビジネスゾーンへアクセスのよい都心部の物件は今後も人気が続くと考えられます。

・長期修繕計画と修繕積立金を確認する

中古マンションを購入するなら、長期修繕計画も見逃せないチェックポイントです。この先の工事予定や必要な費用をチェックし、修繕積立金の値上げの可能性について予測を立てます。修繕が計画通りに進んでいないケースも多いので、これまでの修繕履歴や積立金の総額も確認しておくのがおすすめです。まれに長期修繕計画書を作成していないマンションもありますが、住んでからのトラブルにつながりかねないため購入は慎重に進めましょう。

・トータルでの資金計画をしっかり立てる

資金計画では物件価格に加えて諸費用なども計算に入れましょう。住んでからはローン返済だけでなく、管理費や修繕積立金、固定資産税、専有部分のリフォーム費用などの出費もあります。またローンは長年支払っていくものなので、金利が上昇したり、年収がダウンしたりする可能性も否定できません。資金計画はギリギリの数字ではなく、余裕をもって立てておくと安心です。

・建物の構造やハザードマップを確認する

内装や設備はリフォームできますが、マンションの構造や災害への強さはなかなか変更がききません。建物自体の構造がしっかりしていれば、資産価値も維持しやすいでしょう。水害や土砂災害、津波などのリスクは、ハザードマップで確認できます。事前にハザードマップを見ておけば、災害リスクの高いエリアを避けたり、保険でリスクに備えたりできます。

・メンテナンスの実施状況を確認する

同じ築年数の建物でも、日ごろのメンテナンス次第で建物の状態がまったく変わってきます。外壁のクラックなど補修が必要な箇所をそのままにしていないか、共用部分の清掃は行き届いているかなど確認しましょう。ゴミ捨て場や駐輪場を見ると、管理の質だけでなく住民のマナーも見て取れます。

・管理規約の内容をチェックする

特にリフォーム前提で中古マンションを購入される方は、購入前に管理規約の内容確認を。リフォーム時に隣戸への承認が義務付けられていたり、使用できる床材などに制限がかかっていたりすることもあります。またペットの飼育や楽器使用の可否など生活上のルールも確認しておくとよいでしょう。

・最終的には専門家に判断してもらう

中古マンションの建物の状態や管理規約の内容、修繕計画など、なかなかご自身だけで判断するのは難しいかと思います。不動産業者はもちろんですが、リフォーム業者にもチェックしてもらうと安心です。希望するリフォームが叶うのか見てもらえますし、物件価格+リフォーム費用のトータルで資金計画を立てることもできます。

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■おすすめの中古マンションの選び方

おすすめの中古マンションの選び方

・ポイント①築年数

まずチェックしたいのが、中古マンションの築年数です。

築5〜10年の築浅物件は見た目がきれい。住宅性能や設備も、新築に近いスペックを持っています。しかし築年数が浅いうちは、資産価値の下落幅が大きいもの。安易に選ぶと、売却するとき想像以上に安くなっていることもあるので、注意が必要です。

将来的に売却の可能性があれば、築20〜25年以降の中古マンションも視野に入れるとよいでしょう。ある程度価格の下落が落ち着いており、資産価値の下落が緩やかです。
また新築・築浅のファミリー向けマンションの広さは、60〜70㎡台の3LDKが中心です。もっとゆとりある物件を探している方も、築古マンションを検討してみるとよいかもしれません。

・ポイント②耐震強度

中古マンションを買うなら、耐震強度も重要なポイント。建築基準法の耐震基準は、1981年6月1日に大きく改正されています。1981年というと築40年前後になるので、その前後のマンションを検討されている方は特に注意しましょう。

耐震基準建築確認申請の承認日耐震強度
旧耐震基準1981年5月31日以降震度5強程度の中地震で家屋が倒壊・崩壊しないレベル
新耐震基準1981年6月1日以降震度6強〜7強の大地震で家屋が倒壊・崩壊しないレベル

旧耐震基準では震度6強〜7の大地震についての規定がありません。実際に阪神・淡路大震災(震度7)で被害を受けた建物の多くが旧耐震地震。新耐震基準の建物の多くが、被害を免れています。

旧耐震か新耐震か知るには「建築確認申請の承認日」を確かめましょう。確認申請の承認日が1981年6月1日以降であれば、新耐震基準で建てられています。竣工日や築年数は関係ないので注意が必要です。

ただし旧耐震基準時代に建てられたマンションだからといって、すべて耐震性が低いわけではありません。旧耐震基準時代の中古マンションでも、「耐震基準適合証明書」があれば現行の耐震基準に適合していることが証明されています。各種税金の優遇措置や地震保険の割引なども受けることが可能です。

・ポイント③周辺物件の価格

中古マンションを買うときは、周辺物件の価格相場と比べて販売価格が妥当かどうかもチェックしましょう。

手軽に中古マンションの価格相場を調べられるのが、SUUMOやアットホームなどのポータルサイト。エリアや築年数、間取り、広さなどの検索条件を入力すると、周辺物件がいくらで売り出されているか簡単に調べられます。駅からの距離や広さなどの条件が似ている物件を探してみましょう。

ただしSUUMOやアットホームで表示されるのは、あくまでも「売主の希望価格」です。その金額で売れるとは限らず、実際の成約価格は希望価格より低くなることが多いでしょう。

そのため国土交通省の「土地総合情報システム」などを使って、実際に売買が行われた物件の成約価格を調べてみるのもおすすめです。エリア・取引時期・建物の種類などを選んで検索すると、実際に取引された金額や面積などを見ることができます。

・ポイント④将来的な資産価値

中古マンションは、将来売却するときに高く売れるかどうか、賃貸に出したら高く貸せるかどうかという視点をもって選ぶことも大切です。

今は売るつもりがなくても、将来的に「子供が巣立ったのでもう少し狭い家でもいいかな」「通勤に便利だと思って買ったのに、転職することになった」などライフスタイルに変化が訪れる可能性はあります。またマンション購入を資産形成としてとらえたり、住宅ローンの返済不能リスクを考えたりする意味でも、将来的な資産価値のチェックは欠かせないでしょう。

資産価値の落ちないマンションの一番のポイントは「立地」です。人気エリアや人口増が期待できる地域、交通利便性のよい立地などは買い手も借り手もつきやすく、資産価値は下がりにくいでしょう。また土地価格の割合が高いため、経年変化による建物の価値下落が影響しにくいメリットもあります。

その他にも「広さ・間取り・日当たり・眺望・階数」など、さまざまな条件が資産価値に関わります。広さや間取りは周辺エリアのニーズを考えることが大切です。例えば「ファミリータイプが人気のエリア」もあれば「単身者やDINKS向けのコンパクトマンションのニーズが高いエリア」もあります。隣に新しい建物が建たず日当たりや眺望が約束されている物件や、人気の高層階物件も、他との差別化ができるので有利です。

・ポイント⑤共用部の管理状態

「マンションは管理を買え」という言葉があるほど、管理体制は重要です。ずさんな管理だとマンションの機能や品質が保たれず、資産価値までも下がってしまうことがあります。

購入前にご自身の目で管理状態を確かめられるのも、中古マンションならではのメリット。ぜひ現地を訪問したときに、共用部の以下のような項目もチェックしましょう。

【マンション共用部のチェックポイント】
・ゴミ置き場はきれいに保たれているか?
・自転車置き場は整理整頓されているか?放置自転車はないか?
・掲示板に古い掲示物が残っていないか?トラブルの掲示物はないか?
・共用廊下やエントランスは清掃されているか?電気は切れていないか?

・ポイント⑥修繕計画と積立金

日常的な共用部の清掃やメンテナンスだけでなく、定期的に行われる大規模修繕もマンションの品質を保つために欠かせません。

これまでどのようなメンテナンスが行われたかを確認できるのが「修繕履歴」です。外壁の塗り替えや雨漏り修繕などが、いつどの業者によって行われたかが記録されています。

そして今後いつどのような修繕が実施される予定かは「長期修繕計画」で確認できます。長期修繕計画がないマンションもありますが、うまく管理組合が機能していない可能性もあるので要注意。一度作成したあとも、定期的に見直しされるのが一般的です。

また大規模修繕のために住民が毎月積み立てている「修繕積立金」の金額は、安ければいいというものではありません。積立金が安すぎると修繕が行き届かず建物の劣化を進めてしまったり、大規模修繕直前に追加徴収されたりする可能性があります。計画的にお金を積み立てている、しっかりとした管理組合のマンションを選びましょう。

【修繕計画のチェックポイント】
・大規模修繕は適切な周期で実施されているか?
・長修繕計画はあるか?定期的に見直されているか?
・修繕積立金の設定金額は安すぎないか?残高は少なくないか?

・ポイント⑦管理規約

中古マンションを購入するなら、管理規約も要確認です。例として、チェックしておきたい項目をいくつかご紹介します。

【管理規約のチェックポイント】
・ゴミ出しの曜日や時間
・駐輪場や駐車場の利用方法
・事務所や店舗、民宿としての利用可否
・バルコニーや専用庭の使い方、喫煙の可否
・ペット飼育の可否、エレベーターの利用制限

またリノベーション前提で中古マンションを購入するなら、希望の工事が管理規約で禁止されていないか確認することも大切です。よくあるのが床材に関するルール。階下への防音対策として「フローリングへのリフォーム禁止」「遮音等級◯◯以上の床材を使用する」などのルールが設けられていることがあります。

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■まとめ

安い中古マンションを見つけたら、すぐに購入したくなりますが即決は厳禁です。失敗につながりそうな欠点がないか、対策はできそうか確認してから購入を決めましょう。

中古マンションは新築以上にチェックポイントが多く、ご自身だけで漏れなく確認するのはなかなか難しいもの。信頼できる不動産業者やリノベーション業者にいっしょに確認してもらって、失敗のない中古物件選びを進めてくださいね。

編集者: 村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

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