住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

老後・定年後は持ち家・賃貸どちらが良い?メリットとデメリット

昔は「若い頃にマイホームを建てて一生住み続ける」というのが主流でしたが、最近は現役時代にあえて身軽な賃貸住宅に住み続ける方も増えてきました。しかし、子供が独立し、定年退職を迎えるタイミングで、「このままずっと賃貸で良いのだろうか」「持ち家を購入しておいた方が良いのでは」と悩む方も多いのではないでしょうか。

今回は、老後・定年後に持ち家・賃貸に住むメリットとデメリットから、どちらを選択するべきか解説します。持ち家・賃貸で老後にかかる住宅費も試算したので、参考にしてみてください。

こんな方におすすめの記事です
  • 賃貸暮らしに不安を感じている方
  • 定年後に持ち家を購入するか迷っている方
  • 定年後の住居費やローンについて詳しく知りたい方

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CONTENTS

■老後・定年後の持ち家派・賃貸派の割合

まずは60歳以上の高齢者の住宅事情について、国が調査したデータを見てみましょう。

・高齢者の持ち家率の調査結果

内閣府が「施設に入所していない60歳以上の男女」を対象におこなった調査*1によると、持ち家派(戸建て・集合住宅)は全体の88.2%にものぼります。

これに対し、高齢になっても賃貸住宅(賃貸アパート・マンション・公営住宅など)に住み続けている方は、全体の11.3%しかいません。

昔に比べてマイホームにこだわらない方が増えてきたように感じますが、実際のところは今でも高齢者のほとんどが持ち家に住んでいるということがわかります。

*1)内閣府/「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査」)
https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h30/zentai/index.html

・中、小都市ほど持ち家率が高くなる

持ち家派・賃貸派の割合は、都市の規模によっても若干異なります。東京23区など大都市よりも、都市の規模が小さい中・小都市・町村の方が持ち家を所有している割合が高くなります。

都市の規模 持ち家率(戸建て・集合住宅)

東京などの大都市では、中・小都市に比べて若干持ち家の割合が低く、賃貸派が増える傾向にあります。しかし、それでも賃貸派はたったの2割です。

・老後に家を買って住み替えをする人も多い

最近は若い頃に持ち家を購入したとしても、一生住み続けるとは限らないようです。若い頃にはファミリー向けの広い住宅を購入し、老後にその家を売却して新しく手頃なサイズの家を購入しなおすという方も多くみられます。

国土交通省の調査*2によると、住宅を初めて購入する「一次所得者」で最も多いのは30代です。しかし、住宅を購入するのが2回目以上の「二次取得者」になると、最も多いのは60代。新築の注文住宅や分譲マンションで約5割、中古戸建て・マンションでは約4割を60歳代が占めています。つまり、老後に住宅を購入するというケースは、特段珍しくないということです。

*2)国土交通省/平性29年度 住宅市場動向調査
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000129.html

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■老後・定年後の賃貸住宅のメリット

老後も賃貸住宅に住み続ける場合のメリットは以下のとおりです。

・ライフスタイルの変化によって身軽に引っ越せる

賃貸住宅なら、収入や家族構成の変化などによって身軽に引っ越せます。例えば、「夫婦で暮らしていたが、子と同居することになった」「年金生活になって収入が下がった」などの事情にも対応しやすいです。

・メンテナンスを管理会社がしてくれる

賃貸住宅は、大家や管理会社が部屋の設備や内装、共用部分について修繕・交換などをしてくれます。老後に家の管理をしたくないという方には、賃貸住宅が向いているかもしれません。

・固定資産税がかからない

固定資産税とは、土地や建物を所有していると毎年かかる税金です。賃貸住宅ならもちろん固定資産税はかかりません。

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■老後・定年後の賃貸住宅のデメリット

反対に、賃貸住宅で老後に生じるかもしれないデメリットは以下のとおりです。

・家賃を支払い続けなければならない

日本の平均寿命は男性約81歳、女性約87歳。「人生100年」とも言われており、自分の老後の生活が20年になるか、30年、40年になるかは、予測が立ちません。定年までにお金を貯めるとしても、2,000万円必要なのか3,000万円必要なのかわからない不安がどうしてもつきまとうのが「一生賃貸派」の最大のデメリットです。

・引っ越し代、敷金がかかる

身軽に引っ越せるのが賃貸派のメリットですが、引っ越しを繰り返すならその都度引っ越し代や敷金などのお金がかかります。夫婦2人の引っ越し代が5~10万円、敷金・礼金・仲介手数料としてそれぞれ家賃の1ヶ月分かかるとすると、1度の引っ越しで30万円くらいは必要ということになります。

・賃貸住宅を借りにくくなるリスク

賃貸派の老後におけるリスクとして、高齢になると賃貸住宅を借りにくくなるという点も挙げられます。特に独居の場合、大家さんが孤独死や認知症などを心配して、入居を断られるケースも存在します。

60歳の時点では問題ないとは思いますが、80歳、90歳と年をとるごとに賃貸住宅は借りにくくなっていくことを頭に入れておきましょう。

ずっと同じ物件に住むから大丈夫と思う方もいるかもしれません。しかし、建て替えや老朽化、被災による立ち退きや家賃の値上げなどで、想定外の住み替えが必要となるケースもあります。

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■老後・定年後に持ち家を購入するメリット

一方、持ち家を購入した人の老後の生活のメリットはこちらです。

・ローン完済すれば住宅費が抑えられる

持ち家の第一のメリットは、老後の住宅費が抑えられるということでしょう。戸建てなら住宅費として継続してかかるのは、固定資産税や家の修繕費用で月2~3万ほど、マンションならそれに加えて管理費や共有部分の修繕積立金がかかりますが、それでも合計で月4~5万ほどが相場です 。住宅ローンを利用する場合も、賃貸の家賃のようにずっと支払いが続くわけではないので、老後までに貯めておくべき貯蓄額が計算しやすいです。

・持ち家には資産価値がある

ローン完済すれば資産になるというのも大きなメリットです。家賃とローン返済額が同額だったとしても、賃貸住宅ではいくら払っても資産にはなりません。金融機関から融資を受けるときの担保にもなりますし、もし住み替えが必要となっても売却や賃貸などで収入を得ることができます。

・リフォームやリノベーションが自由

賃貸は原則的にリフォームできないのに対し、持ち家ならリフォームやリノベーションも自由です。例えば介護、親や子との同居、年をとって足腰が弱くなるなど、事情に合わせて家に手を入れることで快適に暮らせます。賃貸物件だと車椅子や介護が必要となって別の物件に引っ越さなければならないこともありますが、持ち家ならリフォームをうまく活用して同じ家に住み続けやすいです。

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■老後・定年後に持ち家を購入するデメリット

老後に持ち家を購入するデメリットは以下のとおりです。

・ライフスタイルの変化に対応しづらい

小さな変化に対してはリフォームやリノベーションで対応できますが、「もっと広い家に住みたい」「別のエリアに住みたい」など住み替えが必要な事情には、賃貸住宅ほど気軽に対応しにくいです。ただし、持ち家を売却して住み替えをおこなえば、売却資金を次の住宅の購入資金に回すことも可能です。

・住宅ローンの負担

やはり持ち家は、住宅ローンの返済が負担になるという方も。無理なローンを組むと収入が下がったときに困るので、新築ではなく価格を抑えた中古マンション+リフォーム・リノベーションにするというと手もあります。また、定年後や子供の独立後に、手軽な広さ・価格の中古住宅を、これまでに貯めた貯金で一括購入するという方も増えています。

・手放す時に手間がかかる

住み替えで持ち家を売却・賃貸に出す場合、やはり大きな手間や負担がかかります。売り手や貸し手がつくのか、どのくらいの金額で売却できるかなど不安もつきまとうものです。これから持ち家を購入されるなら、将来的な住み替えのことも考えて、資産価値の下がりにくい物件を選ぶことが大切です。

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■賃貸住宅の家賃相場

老後も賃貸住宅に住み続けるとすると、家賃はどのくらいかかるのでしょうか。一般的な賃貸住宅を借りる場合と、サービス付き高齢者向け住宅を利用する場合とで、家賃の相場を見てみましょう。

・一般的な賃貸住宅の家賃相場

老後、夫婦2人で暮らすとすると、ファミリー向け物件ではなく、2DKや2LDKなど居室が2部屋くらいある物件を選ぶ方が多いのではないでしょうか。

全国賃貸管理ビジネス協会のデータ*3によると、2部屋(2DK・2LDK等)の賃貸住宅の家賃は、全国平均で約5万8千円、東京では約8万5千円となっています。
家賃が6万円/月とすると、年間72万円が住居費としてかかることになります。60歳~80歳までの20年で1,440万円、60~90歳までの30年で2,160万円です。
家賃が8万円/月なら、年間96万円。20年で1,920万円、30年で2,880万円が必要となります。

*3)全国賃貸管理ビジネス協会/全国家賃動向(2019年7月)
https://www.pbn.jp/yachin/date/2019/07/

・サービス付き高齢者向け住宅の家賃相場

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、バリアフリーに対応している高齢者向けの賃貸住宅です。介護が必要な高齢者が多い「老人ホーム」とは異なり、サ高住は介護が必要ない自立した60歳以上の方が入居する物件が主流です。その場合、一般の賃貸物件と同じように「賃貸借契約」となっており、住み始めるときに「敷金」などの形で、数十万円程度の初期費用が必要となります。

サ高住の月額費用は、10~30万円/月程度が目安です。一般的な住宅よりやや高額な設定となっています。月額10万円の場合、年間の住居費は120万円。60~80歳まで20年住むなら、2,400万円かかることになります。

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■持ち家の価格相場・ランニングコスト

では、持ち家の場合は、老後の住居費にどのくらいのお金がかかるのでしょうか。老後や定年退職を機に中古マンションを購入するというケースでかかる費用を計算してみましょう。

・持ち家の価格相場

持ち家の価格は、エリア・築年数・間取りなどによって異なります。「平性29年度 住宅市場動向調査」によると、住宅購入資金の全国平均は以下のとおりです。

持ち家の平均購入資金

参照:国土交通省/平性29年度 住宅市場動向調査
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000129.html

中古マンションであれば、平均で2千万円台。老後に購入する1LDKなどの間取りなら、1千万円台から探すこともできます。リフォーム資金は平均で231万円です。

・持ち家のランニングコスト

こちらも中古マンションを購入したと仮定して、月々かかるコストを計算してみます。

参考:国土交通省/平成30年度マンション総合調査
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

・賃貸との比較

老後に1,000万円(諸費用込み)の中古マンションを購入して、200万円のリフォームを実施し、合計金額1,200万円を現金で支払い、60~90歳まで、ランニングコスト4万7千円/月で住むとすると、30年間で2892万円かかります。

家賃8万円の賃貸住宅なら30年で2,880万なので、この時点でちょうど費用が同じくらいということになりますね。ただし、同じ金額を支払っていても、持ち家は自分の所有する資産となり、賃貸住宅だといくら家賃を支払い続けても資産にはなりません。

ここではマンションについて試算しましたが、戸建てなら管理費や修繕積立費がかからないため、ランニングコストは月々2~3万円程度に抑えられるでしょう。

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■老後・定年後の住まいの選び方のポイント

ここまでの情報を踏まえて、老後や定年後の住まいを選ぶうえで考えるべきポイントをまとめました。

・賃貸と持ち家どちらにするか

まずは賃貸にするのか、持ち家にするのか選ばなければなりません。ここまで見てきたとおり、賃貸であれば一生にわたって家賃がかかり続けます。逆に住宅を購入すれば、固定資産税や修繕費などの維持費がかかります。それぞれのメリット・デメリットをよく検討して、ご自身の理想とするライフスタイルにフィットする暮らし方を選びましょう。

・戸建てにするかマンションにするか

老後の住まい選びでは、戸建てかマンションかというのも重要なポイントです。戸建てであれば修繕積立金・管理費・駐車場といった毎月のコストがかかりません。ただしバリアフリーの面ではマンションのほうが有利。セキュリティ面を含めて、年をとってからも安心して暮らせるでしょう。またマンションは管理費さえ支払っておけば、戸建てのようにお庭のお掃除やメンテナンスもする必要がありません。

・新築と中古どちらにするか

住宅を購入される場合、新築と中古という2つの選択肢についてもよく検討しましょう。新築物件はキレイで満足感もありますが、値段は割高。中古物件のほうがエリア内で見つかる可能性が高く、値段も安定しています。中古物件を購入してリノベーションすれば、まるで新築のように好みの間取りや内装に整えられますよ。

・どんなエリアに住むか

老後に引っ越しをする場合、エリア選びも意外と重要です。定年後に郊外へ移住してゆったり暮らしたいというニーズもありますが、いずれは車の運転が難しくなるということを考えると、公共交通機関や徒歩で生活できる街が望ましいでしょう。都心部に近い街だと、電車やバスを使って日々の移動や買い物をしやすく、医療機関も充実しています。またお子さんやご両親のお住まいとの距離感も大切なポイント。同居でなくても近くに住んでいると、いざというときに行き来しやすく安心です。

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■老後・定年後にローンを組むときの注意点

住宅ローンは基本的に年齢制限もあり、若い方のほうが有利になっています。高齢でローンを利用したいという方は、次のような点に気を付けましょう。

・注意点➀借入時年齢と完済時年齢

住宅ローンの年齢制限は金融機関によって違いますが、完済時年齢80歳前後という設定が一般的です。たとえば借入時年齢60歳、完済時年齢80歳であれば、返済期間20年までローンを組める計算になります。

ただし年齢の条件を満たしていればOKというわけではありません。特に高齢の方の場合、健康状態にも気を付けなければなりません。申し込み時の年齢が上がれば上がるほど、借入期間も短くなりますし、住宅ローンを検討されるなら早いに越したことはありません。

・注意点②退職金の取り扱いを考える

定年後は退職金も住宅ローン返済にあてたいという方が多いかと思います。ただし退職金を全額返済にあててしまうと、老後の生活費に不安がでてくる恐れもあります。

出費(頭金、住宅ローン返済額、老後の生活費)と、収入(年金、退職金、再雇用などのお給料)の両面からしっかりと計画。退職金をローン返済に回しても本当に大丈夫なのかよく考えましょう。

・注意点③高齢者向けローンを検討する

住宅ローンに年齢的な不安があるなら、高齢者向けのローンも検討されるとよいかもしれません。

たとえば二世帯住宅を建てる場合などは「親子リレーローン」が検討できます。ご自身の返済期間が終わったあと、子世帯に引き継いで返済してもらうかたちです。これならご自身の返済期間が短期でしか設定できなくても、お子さんと協力することで長期の返済計画ができます。

またシニア向けの「リバースモーゲージ型住宅ローン」という選択肢も。購入した自宅を担保にいれることで、毎月の支払いは利息のみでOKという商品です。元金はご自身が亡くなった後に自宅を売却して返済します。これなら返済期間が長くできないという方も、毎月の返済額が抑えられます。

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■まとめ

持ち家は老後の住宅費を試算しやすく安心できることから、高齢者の9割近くが持ち家に住んでいます。賃貸住宅は生活の変化に合わせて手軽に住み替えたい方、家の修繕や管理を自分でしたくないという方に向いているといえるでしょう。ただし、老後も賃貸住宅に住み続ける場合、何歳まで生きるかによって住宅費が大きく変わることと、年とともに賃貸を借りにくくなるリスクについては頭に入れておく必要があります。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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