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ワンルーム投資に失敗する理由は?メリット・デメリットを解説

投資の一つとして、長期的な家賃収入を得るワンルーム投資を考えたことのある方は多いはず。不動産投資のなかでは比較的手軽なワンルーム投資ですが、正しい知識のないまま始めるのはとても危険です。安易に手を出すと、悪質な業者につけこまれたり、毎月赤字がでているのに物件を手放せなくなってしまったりと、大きな失敗にもつながりかねません。今回はワンルーム投資を失敗してしまう理由や、リスクを回避する方法について考えてみましょう。

ワンルーム投資
こんな方におすすめの記事です
  • 効率的に資産形成をしたい方
  • ワンルーム投資が気になるが不安もある方
  • ワンルーム投資の基本的な知識を身につけたい方

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■ワンルーム投資とは?

個人で行える不動産投資には、ワンルーム投資・マンション一棟投資・戸建て投資などさまざまな種類があります。そのなかで比較的少額から始められるのがワンルーム投資。区分マンションの一室を購入して賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得るという投資手法です。

ワンルーム投資は、ほとんどの方が銀行からの融資で購入されます。入居者から毎月支払われる家賃収入から、銀行への返済額や経費を差し引いた金額が利益。経費としては管理費用や原状回復費用、入居者募集費用、各種保険料、固定資産税等さまざまな費用があります

また収益を得る方法は家賃収入によるインカムゲインだけでなく、物件を売却して得るキャピタルゲインも大きな柱です。たとえキャピタルゲインのみで見たときマイナスだったとしても、家賃収入で十分な収益がとれていればトータルでプラスになることもあります。ワンルーム投資の収支は、経費も含めて総合的に見ることが大切です。

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■ワンルーム投資のメリット

ワンルーム投資がサラリーマンを中心に人気の投資スタイルとなっているのは、次のようなメリットがあるからです。

・手持ちの資金が少なくても投資が始められる

ワンルーム投資の最大のメリットは、自己資金が少なくても始められること。たとえば100万円の貯金を投資に使おうと思ったとき、株式や債券であれば100万円分しか購入することができません。しかし不動産投資ならローンを使うことで、数千万円の投資物件に投資できますよね。少ない自己資金で大きな投資商品を動かせる、いわゆる「レバレッジ」という考え方で、これが不動産投資の大きなメリットなのです。

そして不動産投資にもさまざまな種類がありますが、マンションやアパートを一棟買いするとなると、数億円単位のまとまった投資になります。総投資額が大きいということはそれだけリスクの振れ幅も大きくなるので、なかなか簡単には始められませんよね。

そんななかで区分マンション一部屋単位であれば、都心でも数千万円からとハードルが低め。不動産投資の初心者でも、チャレンジしやすいレベルなのです。また管理の手間があまりかからないというのも、副業や老後の収入源として魅力的なのでしょう。

・長期的な収入が見込める

ワンルーム投資を含めた不動産投資は、毎月の家賃収入が主な収入源です。後ほど詳しく解説する空室や家賃滞納などのリスクはあるものの、他の投資に比べて長期での予測が立てやすいというメリットがあります。

たとえば株やFXであれば、一瞬にして価値が半分になったり、ゼロになったりしてしまうこともありますよね。しかしワンルーム投資ならば日々の相場に左右されることもなく、毎月の家賃をほとんど確実に得ることができます。

またローンを組む際に団体信用生命保険(団信)に加入すれば、被保険者が亡くなった場合などにローンの残債が保険金で返済されます。遺族としてはローンの残高がゼロになり、そのうえ一定の家賃収入が生活を支えてくれるのです。そのためワンルーム投資を生命保険の代わりとして考える方もいます。

・相続税や贈与税の節税につながる

ワンルーム投資を相続税対策として始められる方も多いです。ここでポイントとなるのが、不動産は預貯金に比べて相続税評価額が低いということ。たとえば現金1億円を相続しようと思ったら、そのまま1億円として相続税が計算されますよね。生前贈与するにしても、非課税枠は年110万円までと限定的です。

しかしその1億円で不動産を購入してから財産として相続すれば、1億円より低い価格で評価されます。土地は時価の約8割、建物は建築費の約5~7割まで圧縮され、賃貸にだしている場合はそこからさらに評価額が下げられます。このように相続税を節税したいという場合にも、ワンルーム投資には大きなメリットがあるのです。

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■ワンルーム投資のデメリットとリスク

ここまでワンルーム投資のメリットについて見てきましたが、「ワンルーム投資はおすすめできない」という話を聞かれたことがある方も多いのではないでしょうか。その理由としては、次のようなデメリットやリスクがあるからです。

・借り手がいないと収入ゼロになる空室リスク

ワンルーム投資は長期的に安定した収益が見込めると先述しましたが、もちろん入居者が入らなければその間は収入がゼロになってしまいます。また入居者がいても、家賃を滞納されるというリスクもあるでしょう。

家賃収入が入らない間も、銀行へのローン返済や不動産会社への管理費用などの出費はなくなりません。そういった出費をご自身で支払うことになれば、むしろ赤字になる可能性もあるのです。

日本は人口減少へと進んでいるので、エリアによっては入居者を集めにくい状況がますます強くなっていくと考えられます。空室リスクを減らすためには、需要と供給のバランスをしっかり見極めて物件購入する力が必要になるでしょう。

・地震や台風などの災害リスク

空室リスクは一時的なものですし、失敗しても不動産を売却すれば投資額の一部だけでも回収することは可能です。しかし売却する物件そのものがなくなってしまえば、家賃収入が得られなくなるうえ、売却することもできません。

地震や洪水、台風、火災などで不動産がなくなってしまうというのは、数あるリスクのなかでもかなり影響が大きいリスクの一つです。災害が起こったときの影響を最小限に抑えるための対策も必要になるでしょう。

まずは火災保険や地震保険に加入すること。そして投資物件を購入するときには、建物の構造や築年数、ハザードマップなどをしっかり確認しましょう。

・家賃の相場が下落するリスク

家賃の下落率は平均で年間1%ほどといわれていますが、すべての物件で単純に毎年1%ずつ下がっていくわけではありません。経年変化から見た家賃下落はある程度予測が立ちますが、周辺物件の相場にあわせて減額するなど、市場の動向に左右されることもあるでしょう。

家賃下落リスクを抑えて安定した経営を続けるためには、そのエリアの需要と供給のバランスを見極めなければなりません。立地や間取りから賃料相場を予測し、最初から家賃下落を考慮して投資する力が必要不可欠です。

・利息の支払いが増える金利上昇リスク

今の日本は低金利時代。非常に低い金利でローンを借りることができます。これは今不動産投資を始めるうえで大きなメリットですが、金利が低いからこそ心配なこともあります。それが、将来的に金利が上昇してしまうリスクです。

不動産投資用ローンは、ほとんどが変動金利です。毎月の返済額をぎりぎりまで高く設定してしまうと、金利が上昇したときに家賃収入とのバランスが崩れてしまうこともあります。またリフォーム費用などが増加して、収支に影響を与える可能性もあるでしょう。金利タイプや不動産管理会社の選定は慎重な判断が求められます。

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■ワンルーム投資で失敗しないための注意点

以上のリスクやデメリットを踏まえて、ワンルーム投資で失敗しないための注意点をまとめました。

・不動産の収益性を確認する

一つめのポイントが、実際に収益が確保できるか計算することです。不動産会社の広告などに載っている表面利回りは、管理費や税金などを考慮せず計算されたもの。より精度を高めるため、さまざまなランニングコストを考慮して、自分の納得できる収益が確保できるか検討しましょう。

まずは毎月入ってくる家賃から、管理費や修繕費といった経費、銀行へのローン返済を差し引きます。そのうえで固定資産税や火災保険料、リフォーム費用など年間でかかってくる費用を計算。さらに空室はどのくらい発生するのか、そのときの広告費についても算出します。また、そもそも現在設定されている家賃が妥当かという点も確認する必要があるでしょう。

・リセールバリューを確認する

現在の価格が相場に沿っているか、そして将来的な売却価格がどうなるかということも、必ずチェックされることをおすすめします。仮に1,000万円の物件があったとしても、本来の市場の価値が1,000万円とは限りません。

たとえば1,000万円のローンを組んで購入した物件が、600万円の価値しかなかったとします。運用を始めたら赤字になってしまったので物件を売却したいと思ったときに、400万円の手出しが必要ですよね。そのまま所有し続けると赤字が重なるし、手放すにも400万円かかってしまう、身動きがとれない状態になってしまいます。購入してから後悔しても遅いので、事前に売却価格や相場はよく確認しておきましょう。

・安定的なニーズがある物件を選ぶ

地方の物件は価格が安く、利回りが高い傾向にありますが、そこに飛びつくのは危険。地方は人口が少ないため、空室になる可能性が高いからです。利回りだけで判断せず、安定的なニーズがあるのか見極めましょう。

地方でも大企業の社員が集まっていたり、大学の周辺で賃貸ニーズがあったりするエリアもありますよね。そのような地方で人が集まる場所に投資する方法もありますが、一つの施設にニーズを依存しているような物件には注意。その企業や大学が倒産・移転などしたときに、一気に需要が下がってしまう恐れがあります。今の状況だけでなく、こういった潜在的なリスクも考えて物件を選びましょう。

・将来的に手離れのいい物件を選ぶ

ワンルーム投資では、出口戦略についてもあらかじめ考えておくと安心です。基本的には家賃収入で収益を得ますが、ある程度の収入を得られた時点で売却したり、別の物件に買い替えたりする方は少なくありません。

物件を購入する前には、10年後や20年後の価値も予測。実際に売却しようとしたときにいくらくらいで評価されて、ローンとの差し引きがいくらになるのか試算しましょう。

・半投半住での資産形成も検討する

投資用物件を購入する前に必ず考えたいのが、ご自身の住む場所です。今賃貸暮らしで、将来的にマイホームを購入したい方は要注意。不動産投資用ローンで与信枠を使い切ってしまうと、マイホームに必要な資金を住宅ローンで借りられなくなる恐れがあります

賃貸にお住まいの方は、投資オンリーの物件ではなく、投資目的を絡めたマイホームを購入するという手法も検討できます。最近都心を中心に注目されている「半投半住」という考え方で、自分が住むための住宅を購入して、数年住んでから賃貸や売却に出して住み替える方法です。金利の低い住宅ローンが活用できるため極めて合理的。資産価値が高く手離れのよい物件を選ぶことで、マイホームを確保しながら同時に投資という目的も叶えられます。

関連記事/半投半住とは?物件の選び方やお得な減税制度を解説

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■ワンルーム投資の始め方

ワンルーム投資を始めたいけれど、何からしたらよいか分からないという方も多いはず。ざっくりと投資の流れを見ていきましょう。

・資金計画を立てる

まずはどのくらいの自己資金があって、どのくらいの利益を上げたいのか長期的な目標を立てます。漠然とした目標ではなく、細かな数字を見ることが大切です。

人気物件を購入するには、スピード感も必要です。最初に購入基準をはっきりさせておくと、条件の合う物件が見つかったときに素早く申し込むことができます。

資金計画を立てるのは難しいので、事前に不動産投資についてよく勉強を。実際に不動産投資をしている方に話を聞いたり、個別相談会やセミナーへ参加したりする方も多いです。ただしなかには悪質なセミナーもあるため、その業者の実績や評判など確認しておきましょう。

・投資用物件を探す

次に、条件に合う物件を探します。不動産業者に紹介してもらう方法が一般的です。もし自分にあわない物件を無理に勧められたり、強引に契約を進めようとしたりするようであれば、別の業者を探されることをおすすめします。インターネットでも気軽に情報収集はできますが、掲載されていない物件もあるため、相場感を知るために活用されるとよいでしょう。

気になる物件があれば、賃料や管理費、修繕費、税金など、具体的な数字をもとに収益シミュレーションを。ご自身の基準を満たした物件が見つかれば、購入申し込みをします。

・ローン審査を受ける

物件の購入申し込みと同時に、不動産投資ローンの審査にも申し込みをします。どこの金融機関で、どのくらいの金利や返済期間でローンを組むのか、破綻しないようにチェックしましょう。この時点で行う審査は、あくまでも事前審査です。本審査は物件の売買契約を結んだ後に行います。

初めて投資用物件を購入される方は、どこの金融機関でローンを組むか迷いますよね。そんなときには不動産業者の提携ローンを利用したり、金融機関を紹介してもらったりするのもおすすめです。金融機関によって審査基準は違うので、複数の金融機関に相談してみましょう。

・投資用物件を購入する

ローンの事前審査が承認され、売り主さんと契約内容についての合意ができれば、いよいよ正式な売買契約へと移ります。契約内容について重要事項説明を聞き、納得できたら契約書に署名捺印をして、代金の一部を手付金として支払います。

同時に金融機関にも正式な融資の申し込みを。本審査を受けて承認が下りれば、金融機関と金銭消費賃借契約を結びます。事前審査でOKでも本審査で承認されないケースもあるので、物件の売買契約には「融資特約」をつけるようにしましょう。

・管理会社を選ぶ

物件の維持管理はご自身でも行えますが、副業としてワンルーム投資をされる方は管理会社に委託されるケースが多いです。毎月の家賃回収、建物の修繕や入退去手続き、家賃滞納者やトラブル対応など、やらなければならない業務は多岐にわたります。

管理会社へ依頼する場合、どの業務をお願いするのか、いくら費用がかかるのか確認したうえで選びましょう。不動産会社によっては、管理会社選びをサポートしてくれることもあります。また資金計画の段階で、管理会社へ支払う費用まで見込んでおくことも大切です。

・運用する

融資が下りたら、残代金を決済して引き渡しとなります。購入した物件が空室であれば、入居者募集から始めることに。もし入居者が見つかりにくい状況であれば、リフォームや広告なども検討しましょう。

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■ワンルーム投資に必要な資金

ワンルーム投資に必要な初期費用は「頭金+諸経費」です。頭金は物件購入額のうちローン借入額を除いた分のこと。頭金の額は人によってさまざまで、頭金の割合が少ないほど利息が増えますが、レバレッジ効果で投資効率は上昇します。物件の担保価値や、ローンを組む方の属性によっては、頭金ゼロのフルローンで始める方もいらっしゃいます。

頭金以外の諸経費は、中古マンションの場合は物件価格の約7~8%といわれています。主な内訳としては、手数料・税金・保険料の3つ。たとえば購入価格2,000万円の中古マンションを購入する場合、諸経費の目安は以下のとおりです。

仲介手数料 ~72.6万円 物件価格×3%+6万円+税が上限。無料の業者もある。
ローン手数料 3万円前後 投資用ローンを組むとき金融機関に支払う。保証料を支払うことも。
不動産取得税 30万円前後 固定資産税評価額の4%。(令和6年3月まで3%)左記は評価額1,000万円×3%で計算。
登録免許税 20万円前後 固定資産税評価額の2%。(令和5年3月まで建物は1.5%)左記は評価額1,000万円×2%で計算。
司法書士報酬 10万円前後 登記手続きを司法書士に依頼する場合は必要。
印紙税 3万円 売買契約書とローン契約書でそれぞれ必要。契約書に記載された金額によって納税額が決まる。
火災保険料 10万円前後 建物を再構築する費用(再調達価額)で決まるのが一般的。

またワンルーム投資において、手元に現金があることも非常に大切です。たとえば空室ができるなどして家賃収入が途絶えた時、自己資金でローンの返済を賄わなければなりません。急な修繕が必要になったときも同様です。余裕をもたせた自己資金を手元に残せるよう計画を立てましょう。

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■まとめ

ワンルーム投資は家賃下落や災害など大きなアクシデントがなければ、長期的に安定した収入が見込める投資です。しかし収益性の低い物件を購入してしまうケースも後を絶たないため、知識が不足している状態で安易に手を出すのはやめたほうがよいでしょう。賃貸にお住まいの方は、投資目線も含めたマイホームの購入から始めるのもおすすめです。

編集者: 村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

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