シンプルでありながらも個性的なデザインのアイテムが多いミッドセンチュリーモダンのインテリア。半世紀以上前にデザインされたミッドセンチュリーモダンの家具は、普遍的なデザインとして人気があります。そんなミッドセンチュリーモダンのインテリアコーディネートやリノベーションのコツ、施工事例を紹介していきます。
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ミッドセンチュリーモダンの「ミッドセンチュリー」とは、1950年ごろを指します。ミッドセンチュリーモダンは、アメリカで1940年~1960年代に生まれたインテリアのデザイン様式です。第二次世界大戦後のアメリカでは、住宅ブームが起きたことによって家具の需要が高まり、デザイン性も重視されるようになったことがミッドセンチュリーモダンが誕生した背景にあります。戦時中の軍需産業の技術革新によって、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)やプライウッド(成型積層合板)といった素材が生まれ、家具にも応用されました。また、技術革新によって家具の大量生産も可能となりました。
従来の家具は直線のデザインのものが中心でしたが、FRPやプライウッドなといった素材ができたことで、ミッドセンチュリーモダンでは曲線を使ったデザインが取り入れられています。ミッドセンチュリーモダンの家具は、斬新でありながらもシンプルで無駄な装飾のないデザインで、合理的で機能的なのが特徴です。チャールズ&レイ・イームズやジョージ・ネルソン、エーロ・サーリネンが、ミッドセンチュリーの代表的なデザイナーとして挙げられます。
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詳しくはこちら>>ミッドセンチュリーモダンの家具は、数十年前にデザインされたものですが、古さを感じさせません。チャールズ&レイ・イームズなどの有名デザイナーによる家具は、デザイナーズ家具として今でも人気があります。斬新で自由なデザインによる独特の存在感があるため、ミッドセンチュリーモダンの家具を一つ置くだけでも、おしゃれな空間になります。
また、ミッドセンチュリーモダンのヴィンテージ家具には、風合いや経年変化を楽しめるという魅力もあります。同じデザインの家具でも、製作された年代によって使用されている素材に違いがあることも、ミッドセンチュリーモダンのヴィンテージ家具の根強いファンがいる理由です。
ミッドセンチュリーモダンは時代に左右されないデザインとして、世代を超えて支持されています。
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詳しくはこちら>>ミッドセンチュリーモダンのインテリアにするには家具だけではなく、カラーコーディネートや小物使いにもポイントがあります。インテリアの選び方やリノベーションのコツをまとめました。
ミッドセンチュリーモダンといえば、カラフルな色使いが特徴です。ただし、インテリアに多くの色を使う場合、ともすれば雑多なイメージになりがちです。そこで、鮮やかなカラーで揃える、あるいはくすんだ色使いにするといったように、多くのカラーを使っても、彩度や明度を揃えるとまとまりが感じられます。
また、ミッドセンチュリーモダンらしさを演出するには、淡い色合いではなく、明度が高いコントラストの強いカラーコーディネートにすることがポイント。さらに、ホワイトやグレー、ブラックといったモノトーンカラーを取り入れることで、空間に抜け感を出したり、メリハリをつけたりすることができます。
ミッドセンチュリーモダンは家具のデザイン様式でもあります。特徴的なデザイナーズ家具の中から椅子を一脚取り入れるだけでも、ミッドセンチュリーモダンらしさが強まります。
ミッドセンチュリーモダンのデザイナーズ家具には、FRPやプライウッド、金属など様々な素材が用いられ、ユニークなフォルムのものが多いのが特徴です。部屋の主役となるようなミッドセンチュリーモダンの家具を取り入れましょう。
ミッドセンチュリーモダンのインテリアには、明るすぎず暗すぎない色合いのオークやチークといった樹種のフローリングが合います。また、無垢フローリングなら、経年変化による風合いの違いも楽しめ、家具ともより馴染んでいくというメリットがあります。
オークは、明るいベージュの色目で木目がはっきりとしているのが特徴です。オークは経年変化によって色が濃くなっていくにつれて、重厚感が出てきます。チークははじめは褐色ですが、経年変化によって飴色に変わっていきます。チークのフローリングを用いると、一枚一枚に色目や木目にバラツキがあるため、表情豊かな空間になります。
ミッドセンチュリーモダンのインテリアでは、壁もカラーコーディネートを楽しみたい場所。とはいえ、全部の壁に色がついていると圧迫感が生まれやすいため、塗装仕上げで一部の壁の色を変えて、アクセントウォールにするのがおすすめです。
たとえば、白い壁をベースにオレンジのアクセントウォールを設けて、イエローやレッドの椅子を置くと、軽やかでポップな印象になります。グレーのアクセントウォールを設けた場合は、シックな印象になるとともに、カラフルな家具が引き立ちます。
また、タイルを貼ってアクセントウォールにすると、より印象的な空間をつくることが可能です。
・ポスターやオブジェなどレトロ感の漂う小物で遊ぶ
時計やオブジェなどの小物で、レトロ感のあるアイテムを取り入れると、遊び心のあるミッドセンチュリーモダンらしい雰囲気がより漂います。また、壁にアートを飾る場合、ポスターを額装するとポップな雰囲気をつくりやすく、比較的リーズナブルです。
たとえば、モノトーンを基調としたインテリアで、フローリングはチークの場合、くすんだ色合いのカラフルな小物を置くと、大人のミッドセンチュリーモダンを実現できます。あるいはカラフルな椅子を用いている場合、椅子のカラーと小物のカラーを合わせると、まとまりが感じられます。
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詳しくはこちら>>ミッドセンチュリーモダンは家具デザインが特徴的です。ミッドセンチュリーモダンの代表的なデザイナーと作品を紹介していきます。
チャールズ・イームズはアメリカを代表する建築家・家具デザイナーで、妻のレイ・イームズと共同で家具デザインを手掛けていました。第二次世界大戦中に海軍からの依頼で、プライウッド製の足の骨折時に使用する添え木「レッグ・スプリント」を製作したことが、後の家具への応用に役立っています。チャールズ&レイ・イームズは、FRPやプライウッド、金属といった素材を取り入れた家具を生み出しました。
チャールズ&レイ・イームズの代表的な作品として挙げられるのは、初めて大量生産されたプラスチック製のチェアの「シェルサイドチェア」です。背もたれから座面が一体成型されたプラスチック製のチェアで、カラーバリエーションが豊富。当初はFRPが使用されていましたが、現行の正規品はポリプロピレンとなっています。脚の部分はエッフェルと呼ばれるクロム仕上げのワイヤーベースです。脚は木製のダウェルベースというバリエーションもあります。
このほかに、「ラウンジチェア&オットマン」はニューヨーク近代美術館の永久収蔵品になったチェアで、洗練されたデザインでラグジュアリーな雰囲気が漂います。また、プライウッド製の「プライウッドチェア」は、タイム誌で「20世紀最高のデザイン」に選ばれるなど、チャールズ&レイ・イームズの家具は、デザイン性の高さが評価されています。
ハリー・ベルトイアはイタリア出身で15歳のとき代にアメリカに移住した金属彫刻家で、家具デザイナーとしても活躍しました。ハリー・ベルトイアの代表作は、スチールワイヤーを用いた「ダイヤモンドチェア」です。長さの異なるスチールロッドを曲げて溶接していくことで優雅な曲線美が生まれ、スタイリッシュで芸術的なデザインとなっています。スチールワイヤーを用いたチェアには「サイドチェア」などもあります。
ジョージ・ネルソンは建築家・家具デザイナーであるとともに、ハーマンミラー社のデザイン・ディレクターも務めました。ハーマンミラー社にチャールズ&レイ・イームズ夫妻などのデザイナーを紹介するなど、世界的家具メーカーに引き上げた功労者でもあります。
そんなジョージ・ネルソンの代表作の一つ「プラットフォームベンチ」は、格子に組まれた木製の天板に、黒く塗装した木製のベースを組み合わせた直線的なデザインです。ベンチとしてだけではなく、ローテーブルとしても使われています。「マシュマロソファ」は18個の丸いクッションを浮いているかのように並べた、斬新でポップなデザインです。
また、ジョージ・ネルソンはカラフルな「ボールクロック」など、ミッドセンチュリーモダンらしさがあふれる掛時計のデザインも手掛けています。
エーロ・サーリネンはフィンランドの出身で、13歳のときにアメリカに移住した建築家であり、プロダクトデザイナーです。建築家としての代表作はジョン・F・ケネディ国際空港のTWAターミナルビルで、コンクリート・シェル構造による流線形の未来的なデザインが特徴的です。
エーロ・サーリネンの家具の代表作は「チューリップ・チェア」のシリーズです。花びらのような形状のプラスチック製のシェルに、アルミダイキャストの1本脚をつけた、一輪の花に見えるデザインです。テーブルの下でテーブルや椅子の脚が混乱するのを解決するため、1本脚で自立する形とした、機能面に配慮したデザインでもあります。中でも包みこむようなデザインの「チューリップアームチェア」は、曲線が美しいフォルムです。
アルネ・ヤコブセンはデンマークの建築家・家具デザイナーですが、同時代に活躍して影響を受けていることから、ミッドセンチュリーモダンのデザイナーに含められることもあります。
アルネ・ヤコブセンの代表作は、プライウッド製の「アントチェア」や「セブンチェア」です。「アントチェア」は背もたれが丸みを持った形状のくびれのあるデザインで、3本脚という特徴があります。もともと社員食堂用に依頼されたことから、丸テーブルに多くの椅子が置けるように3本脚となった、機能面にも配慮したデザインです。
「セブンチェア」は「アントチェア」を進化させたもので座り心地が追求され、身体に沿うようなデザインとなっています。「アントチェア」も「セブンチェア」も、カラーバリエーションが非常に豊富です。
ヴァーナー・パントンもデンマークの家具デザイナーで、アルネ・ヤコブセンの事務所で働いた経歴を持っています。
ヴァーナー・パントンの代表作は「パントンチェア」で、世界で初めてのプラスチックの一体成型による椅子です。背もたれから座面、脚にいたるまでプラスチックでできています。当初はFRPが使われていましたが、現行品はポリプロピレン製となっています。「パントンチェア」はモノトーンからポップなカラーまであり、独特の曲線のフォルムがミッドセンチュリーモダンらしさを感じさせるデザインです。
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詳しくはこちら>>ミッドセンチュリーモダンの空間をつくるには、カラーコーディネートやアイテムの選び方が重要です。ミッドセンチュリーモダンのインテリアを実現したリノベーションの施工事例を紹介します。
遊び心あふれるポップな小物使いが印象的な事例。シックなインテリアにポップな柄のカーテンがマッチしています。リノベーションで天井をブラックにしたことで空間が引き締まり、家具とも調和しています。
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=99
ヴィンテージ家具や時計、レトロな雰囲気の小物などが、ミッドセンチュリーモダンらしい雰囲気を醸し出しています。
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=6
ミッドセンチュリーモダンを代表するチャールズ&レイ・イームズの「シェルサイドチェア」が映えるリノベーション事例。木製のエッフェルベースのタイプでやさしい印象です。やや濃いめのフローリングやグレージュの壁紙も、ミッドセンチュリーモダンらしい雰囲気を演出しています。
http://www.eco-house21.com/gallery/014011882/
温かみのあるナチュラルなテイストで、ミッドセンチュリーモダンの空間を実現した事例です。ヘンリボーン張りのフローリングがポップな家具にマッチしています。家具は曲線のラインのソファや木製の天板で黒の脚のテーブルなど、ミッドセンチュリーモダンを彷彿させるアイテムが用いられています。
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詳しくはこちら>>中古マンションをミッドセンチュリーモダンの空間にリノベーションするためのフルリノベーション費用の相場について解説していきます。
中古マンションをミッドセンチュリーモダンの空間へフルリノベーションする費用は、専有面積70㎡の場合で1000万円程度が相場です。ミッドセンチュリーモダンのリノベーションは、一般的なマンションのリノベーション費用と基本的に変わりません。
リノベーション費用は使用する素材によって変わります。たとえば、フローリングは無垢材のフローリングにすると、経年変化が楽しめ、ミッドセンチュリーモダンの空間にも合います。ただし、無垢材のフローリングは、合板に突板などの化粧材を張った複合フローリングよりも高めになります。アクセントウォールは、ほかの壁も塗装で色を変える場合や、ほかの壁の壁紙と壁紙を変える場合など、同じ素材で変える場合は、材料費は少しアップしますが、施工費用は大きくは変わりません。一方、アクセントウォールをタイル貼りにする場合で、ほかにタイルを貼る場所がないケースでは、施工費用が割高になります。
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詳しくはこちら>>ミッドセンチュリーモダンは、半世紀以上前に生まれたインテリアスタイルでありながらも、モダンなデザインとして人気があります。ミッドセンチュリーモダンの家具は個性的ですが、シンプルで飽きのこないデザインが中心です。リノベーションでミッドセンチュリーモダンの家具が映える空間を実現しましょう。