リノベーションのテイストとは？インテリアの種類と特徴を解説

リノベーション後の住まいのインテリアを考えるのは楽しいもの。さまざまな雰囲気のインテリアがありますが、それぞれの呼び名をご存知ですか？この記事では、インテリアテイストのおもな種類と特徴を解説します。リノベーション計画の参考にしてください。

■リノベーションのテイストとは

リノベーション後の住まいをどのようなテイストの空間にしたいかが、壁の色や建具の種類を選ぶ基準となります。インテリアのテイストは種類が豊富で、2つ以上のテイストがミックスされていることも多いです。

インテリアにも流行がありますが、安定して人気のテイストは「ナチュラル」「北欧風」「シンプル」「モダン」など。これらのテイストはクセが少ないため多くの人に好かれやすく、ほかのテイストとも合わせやすいです。各テイストの特徴は、次の章から詳しく解説していきます。

■ナチュラルテイスト

ナチュラルテイストとは、自然の素材感を活かしたスタイルです。白を基調とした空間に、木目を活かしたソフトな色味の家具やフローリングを合わせます。明るく優しい印象で、誰にも好かれるインテリアです。

■北欧テイスト

北欧とは、ノルウェイ・スウェーデン・フィンランド・デンマークなどの国々を指します。冬の期間が大変長く、室内で過ごす時間が長いことからインテリアが発達したと言われています。白を基調に春を感じさせる明るい色味の組み合わせや、デザイン性に優れた家具・照明が特徴。北欧のデザイナーが60〜70年代頃に発表した家具は、今も銘品として人気が高いです。モダンテイストとも、ナチュラルテイストとも相性が良いです。

■シンプル

シンプルとは、その名の通り余計な装飾のないすっきりとしたインテリアスタイル。白を基調にプレーンな家具を合わせたクセのない空間のため飽きにくく、ほかのテイストとも組み合わせやすいことが特徴。家具や建具のディティールに統一感を持たせ、素材にこだわることで殺風景な印象となることを防げます。

・ミニマム

ミニマムとは「最小限」という意味。シンプルスタイルよりも、さらに極限まで装飾や生活感を削ぎ落としたインテリアスタイルです。家具を最小限にとどめ、照明や自然光による陰影の現れ方にこだわると、ギャラリーのような非日常感が演出できます。

■モダンテイスト

モダンとは、「現代的」という意味。色味を抑えた空間や直線的で無機質な家具など、生活感を感じさせない都会的で洗練されたスタイルです。

・モノトーン

モダンテイストはモノトーンを基調としたインテリアが主流です。モノトーンとは「無彩色」という意味で、白・黒・グレーを指します。

・イタリアモダン

モダンテイストのなかでも、主張の強い色味と前衛的で大胆なデザインの家具が特徴のインテリアです。毎年イタリアのミラノで、世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」が開催されることもあり、個性的な高級家具メーカーが多く存在するためです。

■ホテルライク

ホテルライクとは「ホテルのような」という意味。ホテルの部屋のように、高級感のある家具・清潔感のある水回り・明るすぎずリラックスできる照明などが特徴です。

・リゾートテイスト

ホテルライクのなかでも、より開放的な雰囲気を持つテイストがリゾートスタイルです。ベッドを覆う天蓋・天井でゆっくりと回るシーリングファン・自然素材の家具などが特徴。バリやハワイなどのリゾート地をイメージした、非日常感のあるスタイルです。

■アンティーク・ヴィンテージ

アンティークとは「古美術・骨董」という意味。はっきりとした定義はありませんが、一般的には100年以上経ったものを指します。一方、ヴィンテージはもともとワインに関する特定の年代を指す言葉でしたが「古いもの・年代物」という意味となっています。こちらも古さに明確な定義はありません。

アンティークテイスト・ヴィンテージテイストとは、何代にも渡り受け継いだ家具や住まいをメンテナンスしながら長く住み続けている、そんな空間をイメージしたインテリアです。曲線を帯びたシルエットで繊細な装飾が施されたアンティーク風家具、落ち着いたクラシックな色味、ひだをたっぷりと取り重厚感のあるカーテンなどが特徴です。

■カフェテイスト

その名の通り、カフェのような雰囲気のインテリアです。オープン棚に、デザイン性の高い調理器具や食材を並べた「見せる収納」や、朝食や軽食に便利なカウンターテーブルなどが特徴。タイルやレンガを採用した、カジュアルな雰囲気のインテリアが多いです。近年、開放的なLDKを採用した間取りが主流となったこともあり、カフェテイストが人気を集めています。

■インダストリアル

インダストリアルとは、「工業的」という意味。工場や倉庫を連想する、レンガの壁や配管がむき出しの天井に、ラフに塗装した鉄製の家具や、スチールの脚と古材の板を組み合わせたテーブルなどが特徴です。甘さを排除した無骨なスタイルのため「男前インテリア」と呼ばれることもあります。

■ミッドセンチュリー

ミッドセンチュリーとは、直訳すると「世紀の中頃」という意味で、20世紀のなかば（1940〜1960年頃）にデザインされた家具や流行したインテリアなどを指します。技術革新から工業製品の大量生産が可能になった時代で、色鮮やかなプラスチック家具が登場しました。宇宙や近未来を連想する流線型デザインや幾何学模様が特徴です。

■フレンチテイスト

フレンチとは「フランスの・フランス風の」という意味。フランス風というとたいへん大きなくくりになりますが、一般的にフレンチテイストといえば、挽き物（木材を「ろくろ」に固定して削ったもの）や、「猫脚」と呼ばれる曲線デザインが用いられた家具のクラシックなインテリアを指します。白や基調にペールトーンを差し色とした、華やかでロマンチックな雰囲気が特徴です。

・シャビーシック

「ぼろぼろ・みすぼらしい」を意味するシャビーと「上品・洗練」を意味するシック、正反対の単語を組み合わせた言葉。アンティークで洗練されたデザインの家具に、あえて傷付けたり剥げたように塗装したりすることで、長く使い続けたような味わいを演出したものです。フレンチインテリアのなかでもシャビーシックの要素を取り入れたテイストは人気が高く、「フレンチシャビー」と呼ばれることもあります。

■アメリカンテイスト

・西海岸テイスト

西海岸とは、アメリカの太平洋に面したエリアを指します。カリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコといった、海沿いの温暖な観光地をイメージするような、明るく爽やかなテイスト。ナチュラルな木目のフローリング・白やブルーのペンキでラフに塗装した壁・サーフィンや海を連想するグッズなどが特徴です。

・ブルックリン

ブルックリンとはアメリカ・ニューヨーク州の区です。もともとは工業用地帯でしたが、90年代末頃からアーティストやクリエイターの住人が増え、レンガ造りの倉庫を改造したカフェやレストランが人気を集めるようになりました。そんなブルックリンの雰囲気を取り入れたインテリアです。インダストリアルインテリアやカフェテイストの要素が強く、レンガ風の壁や廃材を利用したテーブルなどが特徴です。

・アメリカンカントリー

カントリーとは「田舎風」という意味。開拓時代のアメリカの住まいのようなインテリアテイストを指します。ログハウスを連想する木を多用した内装、パイン材の家具、パッチワークのテキスタイルなどが特徴です。

■和風テイスト

現代では欧米式の生活スタイルが浸透したため、伝統的な和風の住まいは少なくなりましたが、日本ならではのインテリアテイストもあります。

・和モダン

和の要素とモダンテイストを融合したスタイルです。モダンインテリアをベースに、日本の伝統色、伝統文様、素材（和紙や絹織物など）を組み合わせています。

・古民家

古民家にはっきりとした定義はありませんが、一般的に日本の伝統工法で建築された住まいを指します。そんな古民家の雰囲気を活かした、おもにリノベーションで採用されるスタイルです。立派な柱や梁はそのままに、現代の生活スタイルに合わせてチュラルテイストやモダンテイストと組み合わせることが多いです。新築の住まいでも、太い柱や梁を設けて古民家風に演出するケースもあります。

・昭和レトロ

レトロとは「懐古趣味」のこと。昭和レトロは、昭和30年代の中頃から昭和50年代の中頃（60〜70年代）にかけて流行した鮮やかな花柄や幾何学模様、可愛らしい動物モチーフの生活雑貨やテキスタイルが特徴です。古民家スタイルと組み合わせると、ノスタルジックな雰囲気になります。

■アジアンテイスト

・バリ

バリとは、インドネシアのバリ島のこと。一般的にバリ風インテリアといえば、バリのリゾートホテルのような、高級感と開放感を合わせ持つテイストを指します。チークやマホガニーの家具、バンブーやウォーターヒヤシンスで編まれた小物などが特徴です。

・アジアンモダン

アジアというと大きなくくりになりますが、モダンテイストをベースにおもに東アジアや東南アジア（タイ・中国など）のオリエンタルな要素を取り入れたインテリアを指します。

■自分が好きなテイストがわからない時には？

リノベーションで住まいのインテリアを決めなければいけないけれど、どのテイストを選べば良いのか分からない。そんなときは、シンプルテイストやナチュラルテイストが良いかもしれません。主張が強くないため万人に好かれやすく、後からほかのインテリアテイストとも合わせやすいです。

・テイストの種類がわからない

好きな雰囲気のインテリアはあるけれど、呼び名や分類がよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。インテリアは何種類ものテイストが組み合わせられていることも多いため、ひとことで言い表すのは難しいものです。設計士やインテリアデザイナーに好みのテイストを伝えるときには、雑誌の切り抜きやインターネットの画像をプリントアウトしたものをまとめて見せると、認識の食い違いを防ぐことができます。

■まとめ

リノベーションの際に考えたい、インテリアのテイストについて解説しました。ナチュラル・シンプル・モダン・北欧などが、クセがなく組み合わせやすいため人気です。デザイナーに好みのインテリアテイストを伝えるときには、テイストの名前だけでなく、画像も見せたほうが確実です。

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