リビングの一角などに小上がりを設けると、限られたスペースを有効に使えるといったメリットがあります。最近では小上がりは畳に限らず、様々な仕様でつくられています。そんな小上がりの特徴やメリット、デメリットを踏まえたうえで、おしゃれな施工事例を紹介していきます。
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小上がりとは何か、小上がりの特徴や居室の中に小上がりを設ける魅力をまとめました。
小上がりとは、居室内に設けられた一段高くなったスペースをいい、スキップフロアの一種です。小上がりで代表的なのは、リビング一角に設けられた畳敷きのスペースで、小上がり和室と呼ばれることもあります。
小上がりは、一体化した空間でありながらも緩やかに仕切られ、用途を変えて使用できることが魅力です。段差があることで収納などに活用できるほか、遊び心ある雰囲気も生まれます。
小上がりというと、以前は「畳敷きの和室」というイメージが強かったですが、最近ではフローリングなどの板張りやカーペット敷きなど、床の仕上げの仕様は様々です。畳敷きの小上がりでも、縁なしのタイプやカラー畳を選び、フローリングの部分を設けたモダンな和室なら、リビングと馴染みやすいです。また、リビングと同じフローリング張りにすると、より一体感がある空間になるというメリットがあります。カーペット敷きは保温性やクッション性に優れているため、素足で過ごしやすいです。
小上がりの設置場所もリビングに限らず、子ども部屋や寝室に設けられることもあります。
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詳しくはこちら>>小上がりは、段差によって緩やかに仕切られた空間です。居室内にそんな小上がりを設けることには、様々なメリットがあります。
収納が少ないと部屋が片付きにくく、雑然としてしまいがちです。とはいえ、押し入れや納戸といった収納を設けるほど、居室として使えるスペースが狭くなってしまいます。そこで、小上がりを設けて段差の部分に収納をつくると、居室として使うスペースで収納スペースを兼ねられるというメリットがあります。小上がりに収納を設けることで、限られた空間を有効活用できます。
小上がりは段差の部分に座ってくつろげる点もメリットです。座布団などを置いておくと、ソファ代わりに活用できます。また、リビングの一角にフラットな和室を設けた場合と異なり、ダイニングの椅子やリビングのソファに座っている人と、目線が近くなります。
リビングの床で寝転んで過ごすのは違和感を持たれやすく、また、家族が歩き回っていると、落ち着いて過ごせません。その点、一段高いところにある小上がりなら、床に寝転んでいる印象をもたれにくいです。特に畳の小上がりであれば、そのままごろっと寝転んで過ごしやすい場所になります。
また、小上がりに布団を敷くと、ベッドのように一度座ってから寝たり起きたりできるため、寝起きがしやすいというメリットがあります。
小上がりは一つの居室の中で別の用途に使う場所として、ゾーンニングできることもメリットに上がられます。リビングの一角を昼寝スペースやキッズコーナー、家事スペースにするなど、一体化した空間の中で用途を分けて使うことができます。
段差を設けることで立体的な空間になり、メリハリが生まれます。狭小住宅ではスキップフロアが広く見せるための手法として用いられることがあるように、小上がりを設けることで、開放感が生まれることもあります。また、遊び心が感じられるおしゃれな住まいにリノベーションしたい場合、小上がりを設けることも方法の一つです。
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詳しくはこちら>>小上がりを設けることで居室内に段差が生まれることには、いくつかのデメリットもあります。
住まい全体をバリアフリーにしたい場合は小上がりを設けると、段差ができるため向いていません。小上がりに布団を敷くとベッド代わりになる反面、段差が障害になる可能性があります。そのため、介護が必要になったときに、小上がりを撤去することも考えられます。
ハイハイをする時期や歩き始めの時期などの小さな子どもは、小上がりから落下してしまう恐れがあります。子どもの年齢によっては、小上がりの設置を見送るか、柵をつけるといった対策を講じることが必要です。
小上がりを設けると、部屋の広さや天井の高さによっては圧迫感があります。ただし、人による感じ方の違いもあり、背が高い人は圧迫感を感じやすい一方で、天井の低い空間はおこもり感があって落ち着く人もいます。
また、小上がりを設けることで、本来の居室のスペースが狭くなると、使いにくさを感じることも考えられます。
小上がりがあると、ロボット掃除機で一度の操作で掃除を終わらせることができません。また、小上がりを掃除するときには、段差を昇り降りする必要があるため、面倒に感じる可能性があります。
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詳しくはこちら>>小上がりを上手に活用するには、計画段階で小上がりを設置する目的をある程度決めておくことがポイントです。小上がりの主な活用方法を紹介していきます。
リビングダイニングのリビング部分を小上がりにすると、寝転ぶなどリラックスして過ごしやすいスペースをつくれます。特に、テレビを見ながら寝転んで過ごしたい人や畳の上でくつろげるスペースが欲しい人におすすめです。段差を利用して掘りごたつを設置すると、座りやすくなります。
キッズコーナーは、小上がりをリビングに設けるケースで多い活用方法です。リビングにキッズコーナーを設けると、家事をしながら子どもを見守りやすいというメリットがあります。子どもが遊ぶスペースに段差を設けてゾーンニングすることで、おもちゃが多少散らかっていても気になりにくいことも利点です。
また、小上がりは子どもが昼寝をする場所やおむつ替えのスペースとしても活用できます。リビングの床に布団を引く場合よりも、足音やホコリの心配が軽減されます。
小上がりに布団を敷くと、ベッド代わりに活用できます。加齢などにより足腰が弱くなると、布団よりもベッドの方が寝起きが楽です。しかし、長年、布団で寝ていた人は、布団の寝心地を好むことがあります。そこで、小上がりに布団を敷くことで、布団の寝心地のまま、寝起きがしやすくなります。また、日中は布団を上げておけば、空間を広く使えるという点でもメリットがあります。ただし、寝ているときに落下しないように、柵を設けるといった配慮が必要です。
小上がりは来客用のスペースとしても活用できます。小上がりを和室にしてテーブルを置くと、ソファのように座る人数が制限されにくいため、フレキシブルに使えます。あるいは段差を利用して掘りごたつを設けると、椅子のように座りやすいです。
来客が宿泊することを想定する場合には、障子や引き戸などの建具を設置して、独立した空間としても使えるようにしましょう。
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詳しくはこちら>>リノベーションなどで小上がりを設置する場合は、使用目的や家族構成に合ったものとすることが大切です。小上がりのプランを考えるうえでの注意点をまとめました。
小上がりは、高すぎると落下したときの危険性が高くなります。一方で、低すぎるとつまずきやすく、万が一転んだときにはある程度高さがあった方が、手がつきやすいので安心です。
具体的に小上がりの高さをみていくと、10cm以下はつまずきやすいため、おすすめできません。小上がりを20cm前後にすると、階段の1段と同程度のため、昇り降りはしやすいです。ただし、高さが20cmの場合、大人が腰をかけるには低いです。子どもは20cm~30cm程度が腰かけやすい高さになります。大人が座りやすい高さは40cm程度ですが、階段の2段分に相当するため、昇り降りのためにステップを設けることを検討するべき高さになります。
また、小上がりの段差を利用して収納を設ける場合は、低いと浅い収納になり、入れられるモノが限られてしまうため、25cm以上の高さが目安になります。
こうしたことを踏まえると、小上がりの高さは30cm~35㎝程度が目安になります。小上がりを設置する目的や家族構成も踏まえて、高さを考えましょう。
小上がりの高さを考えるときは、天井の高さとのバランスも考えることも大切です。たとえば、天井高が2m40cmのリビングの場合、高さが40cmの小上がりを設置すると、天井高は2mになるため、特に背の高い人は圧迫感を感じる可能性があります。一方、天井高が2m70cmの場合は、高さが40cmの小上がりを設けても、天井高は2m30cmとなることから、空間の立体感が際立ちます。
収納スペースが不足すると片付けにくく、部屋が雑然してしまいやすいですが、収納の量を確保できればよいというわけではありません。無計画に収納を設けても使いにくいと、結局、上手く有効活用できないケースがあります。小上がりの段差を利用して収納を設ける場合も同様ですので、計画段階でしまうモノを想定して、収納のサイズや容量を決めていきましょう。
ゲストルームや昼寝スペースにするなど、小上がりの使用目的によっては、引き戸や障子などの建具を設置して、独立した部屋としても使えるようにします。ただし、建具を設置すると存在感があり、3畳くらいの小上がりに建具をつけると、圧迫感を感じる可能性があります。目隠しができる程度に緩やかに仕切りたい場合には、ロールスクリーンやカーテンを設置することも選択肢になります。
広さから考えると、6畳以上ある場合は建具を設置することが多いです。
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詳しくはこちら>>小上がりの段差を活用した収納として一般的なのは、引き出しと跳ね上げ式です。事例をもとにそれぞれの特徴に触れていきます。
https://www.mokkotsu.com/shop/miyabe/house/20161031203605/22772
リビングとして設けた畳の小上がりに、引き出しの収納を設けた事例です。小上がりの高さは25cmで、4つの引き出しは幅60cm×奥行60cm×有効高14.5cmとなっています。
小上がりの段差は比較的昇り降りがしやすい高さに抑えられていますが、引き出しは一般的なチェストの引き出しと同等の高さがあります。奥行は広めで、60cm幅の4段のチェストを超えるほどの収納力が確保されました。
https://hida-f.co.jp/blog/page/10
手前に引き出し、奥に跳ね上げ式の収納を設置して、収納力を確保した小上がりの事例です。
引き出しは出し入れがしやすいのが特徴。ただし、引き出しは広い方が収納力はありますが、奥行が広いほど開閉のためのスペースが必要であり、広すぎても使いにくくなります。小上がりに収納を設ける場合、引き出しとして使えるのは手前の部分のみです。
そこで、奥の部分は跳ね上げ式収納にすることで、段差を有効活用できます。跳ね上げ式収納は頻繁に出し入れをしないモノをしまっておくのに向いています。
https://hida-f.co.jp/blog/page/10
小上がりの床材が畳の場合、一部の畳が跳ね上げ式収納になっていても、見た目の違和感がないというメリットがあります。
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詳しくはこちら>>小上がりをつくることで、収納スペースを兼ねられたり、段差に腰かけたり、ゾーンニングできたりするなど機能的であるとともに、空間をおしゃれに見せることもできます。小上がりがあるおしゃれな新築やリノベーションの事例を紹介します。
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=131
リノベーションでLDKに、アクセントカラーの青いカーペットが目を惹く小上がりを設けた事例です。色を合わせたソファを配したことで、空間にまとまりが感じられます。
小上がりはキッチンから子どもを見守れるように、キッズスペースとして設けられました。当初は部屋を設けることも検討されましたが、小上がりとしたことで開放感のある空間となりました。
小上がりのコーナーがアールになっているので、小さな子どもが遊ぶ場として安心できます。段差を利用して引き出しを設けて空間を有効活用するなど、機能性にも配慮しています。
https://fevecasa.com/life/1744/
LDKにキッズスペースとして設けられた、5畳の無垢フローリング張りの小上がり。無垢フローリングには、DIYで自然塗料が塗られています。子どもにもやさしい自然素材が使われた空間であるとともに、木材とコンクリートなど異素材が組み合わされ、スタイリッシュな雰囲気となっています。
小上がりの段差部分は引き出しの収納としたことで、収納力も確保されました。
http://www.yusei-arch.com/works/house/koganei/
収納力や生活動線を重視してプランされた住宅の事例。キッチンの前の全面に設けられた小上がりは、掘りごたつ式のテーブルが設置されたリビングダイニングで、段差部分に引き出しの収納も備えられています。
床面と同じフローリングを小上がりにも使用したことで、一体感のある空間となりました。
https://www.space-lab.co.jp/co_photo/lse20150702181016-102.html
レトロモダンをテーマとした住宅の事例。LDに小上がりが2つ設けられ、遊び心あふれる空間となっています。
ダイニング側の小上がりはテーブルを置くと、ダイニングチェアを兼ねられるつくり。ダイニングからも小上がりからも、直接キッチンにアクセスすることが可能です。小上がりは棚が設置されていて、雑貨などを飾ることができるスペースでもあります。テーブル側の段差の部分には引き出しが設けられているので、日頃使わないものをしまっておけます。
https://www.space-lab.co.jp/co_photo/lse20150702181016-102.html
リビング側の小上がりはダイニング側よりも低めの畳のスペース。多用途にフレキシブルに使える場所となっています。
https://www.mokkotsu.com/shop/niken/house/20161129144851/22840
LDにシックなブラックの畳の小上がりを設けた事例です。リビングに畳敷きの小上がりを設ける場合、いかに洋と和のアイテムを馴染ませるかがポイントの一つ。ブラックの畳がダークブラウンの棚や家具などとマッチして、洋の空間に溶け込んでいます。
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詳しくはこちら>>小上がりを設けると収納を兼ねられるため、マンションなどの限られたスペースを有効に活用することができます。しかし、小上がりは何となく設けても上手に活用しにくいことがあるため、目的に合わせてつくることが大切です。リノベーションで小上がりを設ける場合は、リノベーション会社などのプロに相談しましょう。