トイレは別名「お手洗い」とも言います。つまり手を洗う場所でもあり、それだけに手洗い器はトイレの準主役とも言えます。では手洗い器はどんなものがよいのでしょうか。
トイレの便器を選ぶとき、ちょっとしたポイントになるのが、
・タンクレスにするか/タンク付きにするか
・タンク付きの場合は手洗い付きにするか/手洗い無しにするか
という選択です。家庭用トイレというと、一昔前までは手洗い付きタンクがついたものが主流でしたが、最近はタンクレスタイプのトイレが増え、主流になりかわりつつあります。それに伴い、「手洗い器を別でつける」というケースが増えてきています。
タンクレスのトイレに、別で手洗い器をつけることが増えている背景には、
・トイレという狭い空間からタンクを取り払うことで、圧迫感を薄れさせる
・別で手洗い器をつけることで、お年寄りや小さな子供も手を洗いやすくなる
というメリットがあるからです。また、手洗い器をつける場合はカウンターやキャビネットもあわせて設置する場合も多く、その場合は、飾りものやせっけんなどのモノを置く場所としても活用できるというメリットもあります。ということで、今回はトイレの「手洗い器」について考えたいと思います。
住まいの中では脇役の中の脇役、という存在ですが、これをどうするかでトイレの使い勝手は大きく変わってきます。今回は、「前編」ということで、手洗い器を選んでいくプロセスを整理したうえで、カウンターやキャビネットをどう選ぶかを考えていきましょう。
(手洗い器自体については後編にて)
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手洗い器を選ぶ、といっても何について選択していけばよいのでしょうか。ここでは、手洗い器のみだけでなく、それを設置するカウンターやキャビネットなどもあわせて考えていきます。選ぶべきことは大まかに、以下の要素になります。
・カウンターの設置、非設置とカウンターのタイプを選ぶ
①カウンターまたはキャビネットを設置するかを決める
②レイアウト、およびカウンターまたはキャビネットのタイプを選ぶ
・手洗い器を選ぶ
①手洗い器のタイプを選ぶ
②手洗い器の機能・材質を選ぶ
③手洗い器のカラーを選ぶ
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詳しくはこちら>>手洗い器の検討は、カウンターやキャビネットを設置するかを決めることから始まります。トイレの手洗い器はキッチンや洗面所と同様、カウンターやキャビネットとひとくくりにしたシステムとして提供されていることも多く、かつどのような手洗い器を選択できるか、の制約条件になってくる場合もあるからです。
カウンターは一枚板形式のものですが、キャビネットには様々なサイズがあります。ここでポイントになるのは、「トイレの全体の広さ」「トイレの間口の広さ」です。というのも、それに応じて、カウンターやキャビネットを設置できるか、もしくは設置できたとしてもどれを設置できるか、が変わってくるからです。
実際、メーカーも広さに応じて推奨するプランを提示しています。例えば、LIXIL社の「住宅設備機器 総合カタログ2017年版」を見ると、トイレの広さは「0.4坪」「0.5坪」「0.75坪以上」、間口の広さはさらに細かなくくりに応じて、推奨プランを提示しています。
カウンター、キャビネットを設置し、手洗い器を検討したい場合は、自宅のトイレの広さ、そのトイレの間口の広さをまずは押さえましょう。その上で、モデルルームやカタログでイメージを膨らませつつ、自宅に設置できるものはどれかを確認しましょう。
選択肢を確認出来たら、レイアウト、およびカウンターやキャビネットのタイプを選びましょう。選択のポイントは主に、
(A)カウンターの「奥行き」をどうするか
(B)カウンタータイプ(一枚板タイプ)にするか/キャビネットタイプにするか
(C)キャビネットタイプの場合、フルキャビネット(ベースキャビネット)/フロートキャビネット/正面置きのどれにするか
(D)カラーをどうするか
(E)オプションをどうするか(化粧鏡をつけるか/化粧鏡つきのキャビネットを設置するか、など)
といったところでしょう。(もちろん、これ以外の選択があることもありますが、ここでは大まかに整理しておきます)
以下、わかりやすい(D)以外について、補足しましょう。
(A)の「奥行き」は、カウンターの奥行きのことです。
これは「トイレの間口の広さ」に関係しています。仮にトイレには、たとえ面積・坪数が同じでも、間口が広く正方形に近いものもあれば、間口が狭く細長い長方形のものもあります。一般的には、間口が広いトイレには奥行きにゆとりがあるカウンター、間口が狭いトイレには奥行きが短いカウンターが合います。自宅トイレの形に応じて、奥行きを検討すると良いでしょう。
(B)と(C)はどんなカウンター、どんなキャビネットにするか、ということです。写真を見ながらのほうがイメージしやすいので、例としてLIXIL社の製品写真を見てみましょう。以下の写真の中から、どんなタイプのカウンター・キャビネットにするかを決めましょう、ということですね。(出所:LIXIL社 Webカタログ)
(E)のオプションは、その他、オプションとして選べるアイテムのことです。実際に検討していく中で、カタログなどを見ながら検討していくのが良いでしょう。ここでは選択肢の例を提示しておきます。
・化粧鏡
・化粧鏡にキャビネットのついたミラーキャビネット
・扉付きキャビネット
・オープンキャビネット などなど
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詳しくはこちら>>Panasonicの「アラウーノカウンター」で、幅28cmのフロートキャビネットとベッセルボールタイプの手洗い器。0.5坪の場合、長辺側に手洗い器を設置すると、幅20cm程度のものになるため、手の洗いにくさを感じるかもしれません。長辺側に出入り口を設けられるのであれば、短辺側の便器の正面に手洗い器を設置するのがおすすめです。
LIXILの「キャパシアシリーズ」のフロートキャビネットタイプの奥行28cmのカウンターと丸形手洗器。手洗い器やキャビネット、カラーを選ぶことができます。収納力を重視するのであれば、一般的な床までのキャビネットはが向いていますが、フロートタイプを選んだことで、空間に抜け感が出るため、広々と見えます。
ということで、今回は手洗い器の前編、ということで、手洗い器を選んでいくプロセスを整理したうえで、カウンターやキャビネットをどう選ぶかを考えていきました。上記に挙げた内容に加え、使う材質や機能などにより、費用は異なってきます。ただし、フルリノベーションの場合、全体での費用算出ということになりますので、これに関しては一概に高い・安いと判断しづらいことには留意が必要です。
後編では、手洗い器について整理していきたいと思います。