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不動産投資ローンの金利相場を比較!低金利で借りるコツは?

不動産投資の魅力の一つが、ローンを使うと少ない自己資金でもはじめられる点です。不動産投資ローンを組むときに気になるのが金利。もちろん安い金利で借りられるとよいのですが、これから不動産投資をはじめる方は「どうやって金利が決まるの?」「どこの銀行だと金利が安いの?」など、さまざまな疑問があるかと思います。そこで今回は不動産投資ローンの金利相場や、低金利で借りるためのコツについて解説します。

不動産投資ローンの金利相場を比較!低金利で借りるコツは?
こんな方におすすめの記事です
  • これから不動産投資をはじめたい方
  • 不動産投資ローンの金利相場を知りたい方
  • 低金利で融資を受けるコツが知りたい方

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■不動産投資ローンの金利相場

不動産投資ローンを提供している金融機関は、主に「都市銀行・地方銀行・信用金庫や信用組合・ノンバンク・日本政策金融公庫」の5種類に分けられます。それぞれの特徴や金利相場について見ていきましょう。(なお以下の金利相場は、2021年11月の情報です。)

・都市銀行の金利相場

都市銀行の不動産投資ローンの金利相場は、年1~2%程度です。

都市銀行(メガバンク)とは、日本全国広いエリアで展開している銀行のこと。「みずほ銀行」「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」など、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

都市銀行の特徴は、他のタイプの金融機関に比べて金利が安めで、返済期間も長く設定しやすいこと。また全国に支店があるので、どんなエリアでも利用しやすいのもメリットです。ただし審査基準は厳しいため、十分な自己資金や年収がある方向けの、比較的ハードルが高いローンといえるでしょう。

・地方銀行の金利相場

地方銀行の不動産投資ローンの金利相場は、年1.5~4.5%程度です。

地方銀行とは、各都道府県に営業の基盤をおく銀行です。たとえば「横浜銀行」「スルガ銀行」「静岡銀行」「福岡銀行」など、地域に根差して金融サービスを行っています。

都市銀行に比べて金利は高めになることが多いものの、銀行によって金利や審査内容にかなり幅があるので一概には言えません。不動産投資に前向きな銀行であれば、よい条件で融資が受けられるケースもあります。融資を受けられる地域は限定されますが、お住まいのエリアの地方銀行に一度相談してみるとよいのではないでしょうか。

・信用金庫、信用組合の金利相場

信用金庫、信用組合の不動産投資ローンの金利相場は、年2%~3%程度です。

信用金庫とは、一定の地域の中小工業者や個人のための金融機関。信用組合は、地域の方々の相互扶助を目的とした金融機関です。

どちらも取引開始するには会員になる必要があり、原則として対応エリアにお住まいの方しか利用できません。信金によって金利などの条件は変わるので、お住まいの地域で融資できる信金について調べてみるとよいでしょう。

・ノンバンクの金利相場

ノンバンクの不動産投資ローンの金利相場は、年3~4%程度です。

ノンバンクとは他の銀行とは違い、預金業務を行っていないクレジットカード会社や消費者金融などの金融機関です。

ノンバンクの特徴としては、審査基準が緩めであること。都市銀行や地方銀行で融資が受けられない方、再建築不可や借地権のような特殊な物件でも、融資を受けられることがあります。

その代わり金利は高めになるので、キャッシュフローがきちんとプラスになるのかは要確認です。自己資金を多めに入れる、築古のような高利回りの物件を選ぶなど対応策を検討されるとよいでしょう。

・日本政策金融公庫の金利相場

日本政策金融公庫の不動産投資ローンの金利相場は、1~2%程度です。

日本政策金融公庫とは、政府が出資している金融機関。民間の金融機関では借り入れが難しいような事業の支援を積極的に行っています。パッケージ型のアパートローンはなく、不動産賃貸業への借り入れとして相談しなければなりません。

金利の面でいうと、都市銀行の金利とあまり変わらない程度と低めの水準。なぜなら政府が出資している金融機関で、営利目的ではないからです。新規事業や女性、若者、シニアなどへの融資も積極的に行っています。

ただし返済期間は民間より短めで、フルローンなどもなかなか審査が通らないといったデメリットも。事業計画書など用意しなければならない書類も多めで、融資がおりるまでに時間もかかります。

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■不動産投資ローンの金利相場を比較

金融機関の種類 金利相場
都市銀行・メガバンク 1~2%
地方銀行 1.5~4.5%
信用金庫・信用組合 2~3%
ノンバンク 3~4%
日本政策金融公庫 1~2%

最も低金利で融資がおりやすいのは都市銀行。日本政策金融公庫も同じく金利相場は低めですが、民間の金融機関とは違って事業計画の審査に重きがおかれています。

地方銀行や信用金庫は、それぞれの金融機関によって不動産投資への積極性がまちまち。もしお住まいのエリアで積極的に融資を行っているところがあれば、よい条件で借り入れができるかもしれません。

最も金利の水準が高いのはノンバンク。ただし審査基準は柔軟なので、築古や地方物件など高利回りの物件を運用したいときには、使い勝手がよいといわれています。

いずれの金融機関でも、金利は個人の属性や購入する物件によって、大きく変わります。よい条件でローンを組むには、ご自身の属性や物件に合わせた金融機関を選ぶことが重要です。

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■不動産投資における変動金利と固定金利

不動産投資ローンには変動金利固定金利があり、どちらを選ぶか迷っている方もいらっしゃるかと思います。それぞれメリットとデメリットがあり、そのときの景気や政策によっても状況が変わるため、どちらが良いとは一概には言えません。

  変動金利 固定金利
メリット ・金利が安い
・返済額上昇は1.25倍までの上限がある
・返済計画が立てやすい
デメリット・金利上昇で返済額が増える・金利が高い
・市場金利が下がっても金利は固定

変動金利の場合、年に2回(4月・10月)金利の見直しが行われます。金利見直しのたびに返済額が変わるわけではなく、返済額は5年に1度のペースで変わるケースが大半です。そして「125%ルール」があって、金利が急上昇しても返済額は見直し前の1.25倍を超えることはありません。

固定金利は変動金利に比べて高めですが、3年・5年・10年など決まった期間中は金利が固定されます。その期間がすぎると、また変動金利か固定金利か決めるしくみです。注意したいのは、固定期間が終わって金利を見直すとき、変動金利のような上限ルールがないこと。一気に返済額が上がってしまうリスクもあります。

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■不動産投資ローンの金利を左右する条件

不動産投資ローンを組むなら、なるべく低金利で借りたいですよね。そのためには「どのように金利が決まるのか?」を知っておく必要があるでしょう。

・世の中の金利動向

まず大前提として不動産投資ローンの金利は、世の中の景気や物価に大きく左右されます。変動金利と固定金利では、金利を決めるメカニズムが異なるので、それぞれ簡単に抑えておきましょう。

変動金利は短期プライムレート(銀行が優良企業に1年未満の短期で行う融資の優遇金利)に連動します。そしてこの短期プライムレートを左右するのが、日銀の政策金利です。日本の景気動向を見ながら、景気が上がりすぎていれば金利を上げ、景気が落ち込んだときには金利を下げています。今後の変動金利を予測したいときには、短期プライムレートの動きや、日銀の政策についてのニュースに注目するとよいでしょう。

一方、3年、5年など期間選択型の固定金利は、円金利スワップレート(変動金利と交換できる固定金利はどのくらいか)に連動しています。固定期間中の金利変動リスク分が、変動金利に上乗せされるということです。円金利スワップレートは長期金利と似たような動きをするので、10年国債の利回りなどが指標として使われています。

変動金利は「今」の景気で決まりますが、固定金利は将来の景気や物価変動の「予測」まで盛り込まれているのが特徴です。

・融資を申し込む人の属性

世の中の金利動向に加えて、金融機関は「この人に貸すと、どのくらいリスクがあるか?」をもとに金利を高くするか低くするか決めています。

たとえば大手企業にお勤めで安定した収入があり、貯蓄にも余裕がある方への融資はリスクが小さいため、低い金利でも貸すことができます。逆に、倒産しそうな企業に勤めていたり、過去にクレジットカードの返済を滞納していたりする方に融資をすると、返済が滞る可能性が高いですよね。そういうリスクの高い方には、高い金利でしかお金を貸すことはできないのです。
                                                                                                                                           
また、金融機関との信頼関係も大切です。どの金融機関でも、初回取引での金利は高めになります。何度も取引をして、滞りなく返済を続けていくうちに、金利交渉もしやすくなるでしょう。

・借入先の金融機関

そして金融機関によって「どのくらいの属性が求められるか?」は変わってきます。

たとえば都市銀行は個人の属性が低いと、非常に融資が通りにくいといわれています。しかし属性が高い方であれば、金利は低い傾向にあります。
逆にノンバンクなど審査が比較的緩い金融機関は、都市銀行ほど高い属性を求められません。その代わり金利は高くなることが多いです。

また金融機関によって不動産投資への考え方もまちまちです。不動産投資に積極的な金融機関ではよい条件で融資がおりやすいですし、なかには個人の属性によらず融資に慎重になっている金融機関もあるでしょう。そのとき一番融資に積極的な金融機関を探すことも大切です。

・購入する不動産の収益性

不動産投資ローンの返済は、家賃収入から支払うのが基本です。そこで個人の属性に加えて、「その不動産はどのくらいの収益が期待できるか?」という部分も金利を大きく左右します。

実際に複数の物件を保有されている大家さんでも、物件によって調達金利はバラバラ。物件の特徴によって、どの銀行がよい条件を出すかも変わります。そのため購入予定の物件に対して、最もよい条件をだす銀行を選ぶ必要があるでしょう。

また木造のアパートよりも、RC造のマンションのほうが低い金利で融資を受けやすいともいわれています。法定耐用年数が高く長期にわたって資産価値が保てることや、立地条件やよく賃料も安定していることなどが理由です。

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■不動産投資ローンの金利シミュレーション

では金利の違いによって返済額にどのくらいの差がでるのか、具体的な数字をもとにシミュレーションしてみましょう。

仮に融資期間中ずっと金利が変わらないとすると、金利の違いで返済額にこれだけ差がでます。

【借入金額2,000万円、融資期間20年、元利均等返済】

  毎月返済額 総返済額
金利1.5% 9.7万円 2,317万円
金利2% 10.2万円 2,429万円
金利3% 11.1万円 2,663万円
金利4% 12.2万円 2,909万円

金利1.5%だと利息は約300万円ですが、4%で融資を受けると900万円以上の利息を支払う計算です。毎月返済額にも差がでるため、「家賃-返済額-経費」で毎月の収支も確認しましょう。

もし毎月赤字がでるようなら、融資期間を延ばすのも一つの手です。融資期間20年→30年という設定でシミュレーションしなおすと、次のような返済額となります。

【借入金額2,000万円、融資期間30年、元利均等返済】

  毎月返済額 総返済額
金利1.5% 7万円 2,485万円
金利2% 7.4万円 2,662万円
金利3% 8.5万円 3,036万円
金利4% 9.6万円 3,438万円

融資期間を延ばすと、毎月の返済負担は軽くなります。しかし総返済額は大きく、とくに金利が高い場合はかなりの利息を支払うこととなる点に気を付けましょう。

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■不動産投資ローンを低金利で借りるコツ

月々の返済額を抑えて、無理のない不動産投資を続けるには、なるべく低金利であることが一つの条件です。では低金利でローンを組むためには、どうすればよいのでしょうか。

・融資に強い不動産投資会社を選ぶ

不動産投資の初心者が、個人で金融機関との金利交渉を進めるのはなかなか難しいものです。今まで銀行との取引実績がない方は、融資に強い不動産業者をパートナーに選ぶと心強いでしょう。

その業者が融資に強いかどうかは、ホームページ等で取引銀行を確認したり、営業担当者に提携先について聞いてみたりすることで、ある程度判断できます。提携している金融機関が多ければ、属性や物件に合った銀行を紹介してもらいやすいですよ。

・複数の金融機関に相談する

先述したとおり、金融機関によって融資の条件や金利は違ってきます。A銀行では融資が受けられなくても、B銀行ならローンを組めるといったことも珍しくありません。

不動産業者はその方がよい条件で審査に通りそうなローンをおすすめしてくれますが、別の銀行も比較検討してみる余地はあるでしょう。そのとき金利だけでなく、融資額や融資期間など他の条件も合わせて比べることが大切です。

・自分の属性を引き上げる

不動産投資ローンで「誰が借りるのか?」というのは、金利などの条件を大きく左右します。融資審査の前に、なるべく自分の属性を上げておきましょう。短期間で改善するのは難しいため、時間をかけてじっくりと取り組んでおくのがおすすめです。

たとえ勤務先が小さな企業であっても、勤続年数が長く、安定した収入があれば高い評価は得られます。転職のタイミングは慎重に考えたほうがよいでしょう。

そしてカーローンやカードローンなど他の借り入れがあれば、整理できるものがないか今一度確認を。また少額でも返済が滞ると、大きなマイナス材料になりかねません。クレジットカードの返済やスマホの分割払いなども影響するので、遅延なく支払いしておきましょう。

・好条件で融資が受けられる物件を選ぶ

同じ人でも、収益性や資産価値の高い物件のほうが、安い金利での融資を受けやすいです。たとえば立地がよく安定した入居が見込める物件や、法定耐用年数の高いRC造マンションなどは金利が下がりやすいといわれています。

ただし条件のよい物件は、その分価格も高いです。エリアや築年数など同じような条件でたくさんの物件を見ていくと、相場感にも慣れていくかと思います。

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■不動産投資におすすめの物件の選び方

不動産投資は物件選びによってリスクやリターンの大きさが変わってきます。成功するためにはご自身の状況に最適な物件を選ぶことが欠かせません。

まず事業用として貸し出す物件は、不動産だけでなく事業についての深い知識も必要になります。初心者の投資対象としては、住居として貸し出す物件のほうがハードルは低いでしょう。

そして住居でも一棟マンション、区分マンション、アパート、戸建て…と種類があり、それぞれメリット、デメリットがあります。たとえば一棟マンションは区分に比べて高い利回りを見込めますが、規模の大きい投資です。最初は安価に購入できる区分マンションからはじめる方が多い傾向にあります。まずは小規模な物件で勉強してから、大きな物件へと段階を踏んでいくと安心です。

新築を買うか、中古を買うかというのも迷われるところかと思います。新築は融資を受けやすいメリットがある反面、購入価格が高く、利回りは低め。中古は安く購入できて家賃の下落率も小さいものの、融資期間は短くなりやすいです。フルローン希望や修繕の手間をかけたくない場合は新築、中古物件の良し悪しを見極められるなら中古を検討されるとよいのではないでしょうか。

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■まとめ

不動産投資ローンの金利は、金融機関の種類や個人の属性、物件の収益性、市場の動向などによって変わります。金融機関とのコネクションがある不動産業者にアドバイスをもらったり、複数の金融機関の金利を比較したりしましょう。

今回ご紹介した金利は、あくまでも大体の目安です。そのときの市況や物件の種類によっても、金利は大きく変わってきます。金利だけにこだわりすぎると、物件購入のチャンスを逃してしまうことも。金利の安さだけではなく、融資額や融資期間の長さなどトータルのバランスをみて金融機関を選ばれるとよいのではないでしょうか。

編集者: 村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

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