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住宅ローンは頭金なしフルローンで組める?共働き世帯におすすめの方法とは?

住宅ローンは頭金なしフルローンで組める?共働き世帯におすすめの方法とは?

住宅ローンを利用して、戸建てやマンションなどの住まいを購入する際には、頭金を入れることがかつては常識でした。しかし、頭金なしで金融機関から住宅ローンをフルローンで借りて、戸建てやマンションを購入することも可能です。

頭金なしでフルローンで借りることができれば、自己資金が少ない方でもお金が貯まるまでの期間を待たずに、マイホームの夢が叶うといったメリットがあります。ただし、頭金を入れないことにはデメリットがあり、住宅ローンの借り入れのリスクが高まることを認識しておくことが大切です。また、頭金なしで住宅ローンを借りる場合には、一般的に審査が厳しくなるとされています。

頭金なしのフルローンでの住宅の購入について詳しくみていきます。

・頭金とは?

そもそも頭金とは、ローンを利用して住宅などを購入する際に、購入代金のうち現金で支払う部分の金額をいいます。たとえば、物件価格4,000万円のマンションを購入する際に、500万円を現金で支払い、3,500万円の住宅ローンを組んだ場合には、頭金は500万円です。

ただし、実際に住宅を購入する際に必要となる現金は、頭金だけではありません。住宅の購入時には物件価格以外にも、登記費用や住宅ローンの保証料といった諸費用が必要です。諸費用は物件価格の3%~9%程度が目安になります。そのため、住宅ローンを利用して住宅を購入する場合でも、基本的には「頭金+諸費用」を自己資金として現金で用意しておく必要があります。

・頭金の平均金額はどれくらい?

一般的に住宅の購入時に頭金はどの程度用意するものなのでしょうか。国土交通省住宅局の「令和4年度 住宅市場動向調査」による、住宅種別ごとの購入資金と自己資金比率の平均のデータをもとに、自己資金の平均額を求めました。自己資金がほぼ頭金に相当すると考えられます。

項目購入代金自己資金比率自己資金(頭金)
新築注文住宅5,436万円30.6%1,663万円
分譲戸建住宅4,214万円27.5%1,166万円
分譲集合住宅5,279万円42.8%2,259万円
中古戸建住宅3,340万円42.9%1,432万円
中古集合住宅2,941万円49.3%1,449万円

これによると、住宅種別にもよりますが、頭金は1,166万円~2,259万円が平均となります。ただし、地域などによる違いもあると考えられ、一般的に頭金の目安は物件価格の2割とされています。

参照:国土交通省住宅局「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」

・フルローンとは?

フルローンとは、頭金なしで物件価格のすべてを住宅ローンで借り入れることをいいます。たとえば、マンションの物件価格が4,000万円の場合に、金融機関から住宅ローンで4,000万円を借り入れて購入するのがフルローンです。

フルローンではさらに、物件価格に諸費用を加えた金額を住宅ローンで借り入れを行うケースもあります。

フルローンは頭金を用意する場合よりも借入額が大きくなるため、利息の負担が大きくなることがデメリットです。また、物件価格に対して借入額が占める割合が多いほど、住み替えなどを検討した際に、住宅ローンの借入残高を売却価格が下回ってしまい、差額を自己資金で補填しなければ売却できなくなるリスクが高くなります。

・金融機関で異なる

金融機関から頭金なしのフルローンで住宅ローンを借り入れることは、可能ではあります。しかし、実際には頭金なしのフルローンでの借り入れや、物件価格に諸費用を含めた借り入れを行えるどうかかは金融機関やローン商品によって異なります。

また、住宅ローンの借り入れには審査があり、希望する金額の融資を受けられるとは限りません。融資を受ける人の年齢や年収、職業、勤続年数、既存借入額、過去の事故歴などの属性のほか、物件の担保価値も踏まえて審査が行われます。また、年収に占める年間の返済額の割合を指す返済負担率で借入可能額が決められ、金融機関によって異なるとされています。借入可能額が物件価格よりも低く、フルローンでは借り入れができないケースもあります。

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■頭金なしで住宅ローンを組むメリットとは?

頭金なしで住宅ローンを組むメリットとは?

頭金なしで住宅ローンを組むと、利息の負担が大きくなる、買い替えをするときに残債が残るリスクが高まるといったデメリットがあります。また、担保価値の問題や頭金を入れないことで総返済額がアップすることなどから、住宅ローンの審査のハードルが上がります。

しかし、一方で頭金なしでフルローンで住宅ローンを組むことにはメリットもあります。頭金を貯めるまでの期間にとらわれることなく、理想の住宅が見つかったときにすぐに購入することもできます。また、万が一に備えて手元にお金を残すことができるため、あえて頭金を入れないという選択肢もあります。

こうした頭金なしで住宅ローンを組むメリットについて、3つの点から詳しくみていきます。

・メリット①理想の住宅をすぐに購入できる

頭金を貯めてからマイホームを購入しようとすると、目標とする金額を貯蓄するまでには相応の期間がかかります。

しかし、お金が貯まってから購入しようと思っていても、理想の住宅がすぐに見つかるとは限りません。リノベーションを前提に中古物件を購入する場合でも、希少性のある立地の住まいもあるほか、広さなどの問題もあります。住宅などの不動産は同じものはほぼなく、理想の住宅を購入できるかはタイミングによる部分があるのです。

そのため、頭金なしでフルローンで住宅を購入するのであれば、理想の住宅が見つかったタイミングで、マイホームのための資金が潤沢に用意できなくても手に入れることができます。

また、子どもの保育園・幼稚園の入園や小学校の入学のタイミングに合わせるなど、時期を軸にしてマイホームを取得できることもメリットです。

・メリット②手元に現金を残せる

頭金なしで住宅ローンを組むと、手元に現金を残せることもメリットに挙げられます。まとまったお金が急に必要になることがあるため、貯金をある程度持っている場合でも、すべてを頭金に回すのはリスクがあります。

住宅を購入した後に、病気やケガで治療費が必要になったり、収入が減少したり、あるいは失業によって収入が途絶えたり、災害で修繕費用が必要になったりするかもしれません。頭金なしで住宅ローンを組んで手元に現金を残しておくと、不測の事態に見舞われて急な出費があるときにも安心です。

一般的に3ヶ月~半年程度の生活費を確保しておくのが目安とされていますので、貯蓄がそれ以下の場合には、あえてフルローンを選ぶことも選択肢となります。

・メリット③返済をすぐに開始できる

頭金なしでフルローンで住宅を購入するのであれば、すぐに買って返済をスタートすることも可能です。定年までに返済を終わらせるには、早い段階で購入した方が借入期間を長くとれるため、毎月の返済額を抑えられます。一方で住宅を購入するための資金を貯めていると、その間に年をとります。頭金を入れることで、金利負担を軽減して、総返済額を減らすことができますが、一方で住宅ローンを払うことができる年数は減るのです。たとえば、40歳で住宅ローンを借りると60歳までの期間は20年ですが、30歳であれば30年になります。

また、賃貸住宅で暮らしていて頭金を貯めるには、家賃を払ってさらに貯蓄をすることになります。家賃の支払いと貯蓄を行っていくのであれば、マイホームを購入してローンの返済だけを行った方が効率的ともいえます。

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■【年代別】頭金なし住宅ローンを組む際に注意すべきポイント

【年代別】頭金なし住宅ローンを組む際に注意すべきポイント

頭金なしで住宅ローンを組む際には、ライフステージを踏まえて無理のない資金計画を立てることが大切です。

20代後半夫婦はまだ収入が多くないため、頭金なしでは借入可能額が低いことが多い年代です。30代夫婦は収入が安定してくる年代ですが、教育費などの将来的なコストを踏まえて、住宅ローンを組む必要があります。40代夫婦は教育費や貯蓄ができる範囲内に、住宅ローンの返済額を抑えることが大切です。50代夫婦は収入や借入額、借入期間などによっては、フルローンでの借り入れに制約があるとされています。

頭金なしで住宅ローンを組む場合の全世代に共通する注意点に触れたうえで、各年代ごとに注意するべきポイントを詳しくみていきます。

・全世代共通の内容

頭金なしのフルローンでも、金融機関の審査を通れば住宅ローンを組むことはできますが、無理のない返済計画とすることが大切です。頭金なしのケースに限ったことではありませんが、住宅ローンの「借りられる額」と「返せる額」では異なります。

また、頭金に充てるお金がないだけではなく、貯蓄自体がほぼないような状況で住宅ローンを組むと、ケガや病気、失業などによって、月々の返済が滞ってしまうリスクがあまります。頭金なしで住宅ローンを組む場合にも、生活費の予備費の貯蓄は必要です。このほかにもライフステージに合わせて、教育費や老後資金など将来必要となるお金を無理なく用意できることを前提として、住宅ローンを組みましょう。

・20代後半夫婦の場合

20代後半でのマイホームの取得は返済期間が長くとれるため、月々の返済額を抑えられるというメリットがあります。一方で20代後半は一般的にはまだ収入が少ないため、住宅ローンの借り入れ可能額が少ないことから、頭金なしでは購入できる物件価格が抑えられ、理想の住まいを手に入れにくい点に注意が必要です。

また、20代後半はこれから子どもが誕生する可能性がある年代であり、家族構成が定まっていないケースが少なくありません。共働き夫婦は妊娠や出産のタイミングで、収入が減少する可能性があります。さらに転職する可能性もあるなど、不確定要素が多い年代です。こうした理由から、収入が減少する時期があっても、無理なく支払い続けられる物件を選択することが大切です。

・30代夫婦の場合

30代は家族構成が定まるケースが多く、収入も安定してくる年代です。ただし、30代で子どもがいない、あるいは小さいときの支出をもとに支払える額で住宅ローンを組むのには注意が必要です。将来子どもが生まれたときや成長して教育費がかかるようになった段階で、ローンの返済が苦しくなる恐れがあります。教育費などの将来的なコストを踏まえて、資金計画を立てることが大切です。

また、住宅ローンの一般的な借入期間は最長で35年ですが、30歳を過ぎると35年間の借入期間では返済が終わるのが65歳を過ぎることになります。無理に返済期間を短くしようとすると、月々の返済額が増えますので一部を繰り上げ返済することを視野に入れましょう。

・40代夫婦の場合

40代は子どもの有無や人数が定まっているなど、家族構成が固まっていることが多い年代です。完成時年齢を80歳未満としている金融機関が多いため、金融機関の審査を通れば、30年~35年の借入期間で住宅ローンを組むことは可能です。ただし、実際には80歳近くまでローンの返済を行うと、定年から10年以上も支払いを続けることになるため、繰り上げ返済を前提とすることが大切です。

また、40代は子どもの教育費がかかることが多い年代であり、老後資金の準備も必要な年代でもあります。住宅ローンをフルローンで借りると、月々の返済の負担が大きくなりやすいですが、借入額は貯蓄をしながら返済できる範囲内に抑えることが望ましいです。

・50代夫婦の場合

50代でも住宅ローンを組むことはできますが、フルローンでは収入や借入額、借入期間などによっては、審査が厳しくなる可能性があります。また、多くの金融機関では団体信用生命保険への加入が必須とされていますが、健康状態によっては加入できないことがあります。

退職金で完済することを前提に住宅ローンを借りる場合には、確実に受け取れるのか注意が必要です。また、社内規定や関連部署に確認して、具体的に退職金の金額を試算しておくことが大切です。

・頭金なしで住宅ローンを組んで後悔する人と後悔しない人

頭金なしで住宅ローンを組んで後悔する人と後悔しない人の違いは、住宅ローンの返済などの資金計画を立てているかどうかによります。ライフステージに応じて教育費や老後資金などを含めや必要な費用を無理なく支払えるように、計画を立てておくことが大切です。また、フルローンでは月々の返済額が多くなるのを避けるため、借入期間を長くとることが多いですが、老後に困窮しないためには、計画的に繰り上げ返済を行うことが大切です。

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■まとめ

頭金なしでフルローンで住宅ローンを組むことはできます。ただし、頭金を入れない場合にも、生活費の予備費などの貯蓄があることが望ましいです。あえて頭金を入れないことで、手元に現金を残せるといったメリットが挙げられます。また、手の届く範囲内で理想の住宅をタイミングを逃すことなく、購入できることもあります。

頭金のある・なしに限らず、教育費や老後資金などを踏まえて、無理のない返済計画を立てることが大切です。

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頭金なしで住宅ローンを組み、中古マンションをリノベーションをすることをお考えの方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

編集者: u-room

メーカー勤務のかたわらインテリアスクールに通い、インテリアコーディネーターに転身した経歴を持つ。現在はフリーランスのライターとして、住宅関係のほか、求人広告やインタビュー取材などの執筆を手掛ける。インテリアコーディネーター資格を保有。ワインとビール、インテリアショップ&美術館巡りが好き。夫と2人の息子の4人家族。
監修者:原田 直生之
宅地建物取引士の有資格者。

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