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マンション購入は年収いくらあればいい?価格の目安や無理のないローンの組み方も解説

マンションの購入を考える際、まず気になることといえば費用に関することではないでしょうか。自分の年収でどれくらいの物件が購入できるのか、自己資金はどれくらい用意するべきなのか、知りたいことはたくさんあるはず。政府発表のデータから、年収ごとの平均的なマンション購入費用や頭金の割合などを確認していきましょう。

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■マンションを購入する際の目安は年収の〇倍が理想

住宅の購入費用は、年収に対してどのくらいの金額を目安にするべきなのでしょうか?

参考になる数字が、住宅価格が年収の何倍に相当するかを示した「年収倍率」です。

年収倍率については「年収の5倍以内に抑えたほうが良い」「7〜8倍でも大丈夫」など諸説あるので、迷われる方が多いかもしれません。実際にマンションを購入した人に行なった調査結果から、平均世帯年収と購入価格を見てみましょう。

・マンション価格の年収倍率

国の調査によると、日本の3大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)で2018年度に新築・中古住宅を購入された方の年収倍率は、世帯年収の約6倍。マンションの購入データに絞ってみると、中古マンションで約4倍、新築マンションで約5倍という結果でした。

  中古マンション 新築マンション
世帯年収 715万円 840万円
購入価格 2,819万円 4,577万円
年収倍率 3.94倍 5.45倍

参考/住宅市場動向調査2018年度

・住宅ローン利用の年収倍率

次に、住宅ローンを利用した場合に限ったデータを見てみましょう。フラット35利用者調査によると、2017年に首都圏でフラット35を利用した方の年収倍率は、中古マンションで約6倍新築マンションで約7倍という結果です。

  中古マンション 新築マンション
世帯年収 600.6万円 782.7万円
購入価格 3,101.4万円 4,787万円
年収倍率 5.9倍 7.3倍

参考/2017年度 フラット35利用者調査│住宅金融支援機構

・年収ごとの住宅購入価格の目安

以上の結果から、住宅ローンを利用してマンションを購入する場合、年収の5〜7倍ほどが物件価格の目安となることがわかりました。この倍率をもとに、年収ごとの住宅購入価格の目安を算出したのが下表です。

世帯年収 住宅購入価格の目安(年収倍率5〜7倍)
300万円 1,500〜2,100万円
400万円 2,000〜2,800万円
500万円 2,500〜3,500万円
600万円 3,000〜4,200万円
800万円 4,000〜5,600万円
1,000万円 5,000〜7,000万円

これはあくまでも一般的な数字なので、十分な貯蓄がある方や、頭金が多めに入れられる方は、もう少し高い予算で問題ないことも。また逆に住宅ローン以外の借入金があったり、生活費や教育費のかかるご家庭だったりすると、もう少し返済に余裕をもたせたほうがいい場合もあります。あくまでも年収倍率は目安にして、ご家族ごとのお財布事情をしっかり見極めることが大切です。

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■ローン組み方の目安、頭金はどれくらい?

マンションの購入予算を考えるとき、重要な数字が「頭金」と「借入可能額」です。

・頭金について

頭金とは、住宅購入価格から住宅ローンの借入分を引いた金額のこと。売買契約の際に、まとめて現金として一括で支払います。頭金を多く用意するほど、住宅ローンの借入金額は少なくなり、最終的に支払う金額を抑えられます。

しかし頭金を増やしすぎると、貯蓄に余裕がなくなるため危険。突然の医療費、失業、車の修理などまとまったお金が必要になったときのため、最低限の生活防衛資金は手元に残しておきましょう。

では頭金の目安となる数字はどのくらいなのでしょうか。2017年度のフラット35利用者調査では、マンション購入費用に占める自己資金割合は下記の通りでした。

頭金の割合

この結果を見ると、頭金は住宅価格の1割程度を目安にされる方が多いようです。しかし最近は頭金ゼロのフルローンが組めたり、諸費用まで住宅ローンに組み込めたりする商品も。今は比較的金利が低いため、住宅ローンの割合を増やしても、そこまで大きく金利負担が膨れ上がることはなく安心です。

・借入可能額について

借入可能額とは、金融機関から借りられる金額の上限。その方の年齢や収入などをもとに審査され、年収に対する返済負担率が25〜35%以内としている金融機関が多いです。ただしこれはあくまでも「借りられる金額」なので、実際は収入の20〜25%程度に収めておくほうがよいでしょう。

年間返済額を年収の20〜25%として、固定金利2%で30年のローンを組んだときの、毎月返済額と借入可能額は下表のとおり。これに頭金を加えた金額が、住宅購入予算の目安となります。

世帯年収 毎月返済額の目安 (返済負担率20〜25%) 借入可能額
300万円 5〜6.3万円 1,352〜1,704万円
400万円 6.7〜8.3万円 1,812〜2,245万円
500万円 8.3〜10.4万円 2,245〜2,813万円
600万円 10〜12.5万円 2,705〜3,381万円
800万円 13.3〜16.7万円 3,598〜4,518万円
1,000万円 16.7〜20.8万円 4,518〜5,627万円

・物件価格と諸費用の目安

マンションを購入する際、物件価格のほかに、さまざまな諸費用が必要になってきます。

新築マンション購入の諸経費の目安:物件価格の3〜6%ほど
中古マンション購入の諸経費の目安:物件価格の6〜10%ほど

中古マンション購入時の方が諸経費の目安が高くなっているのは、新築マンションの購入時には原則的に不要な「仲介手数料」の占める割合が高いためです。諸経費のおもな内訳については、次の項目で順に解説していきます。

◇売買契約と住宅ローン契約に関する諸経費

・仲介手数料
仲介手数料とは、物件の売主と買主を結び付け契約の橋渡し役となる不動産会社に支払う、成功報酬型の費用です。仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法により「(物件価格の3%+6万円)+消費税」と定められています。消費税率8%の場合「物件価格の3.24%+6万4,800円」ということです。新築マンションの場合、売主が直接販売することが多いため、仲介手数料は掛からないのが一般的です。

・印紙税
印紙税とは、不動産売買などの書類を作成する際に発生する税金です。契約書に記載されている金額に応じた所定の金額の印紙を購入して、契約書に貼る形で納税します。契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合は税額2万円、5,000万円を超え1億円以下の場合は税額6万円となります(※1)。 印紙の貼付は、売買契約書・住宅ローン契約書(金銭消費貸借契約書)それぞれに必要です。

※1:不動産の売買の場合、軽減措置があり1,000万円を超え5,000万円以下の場合は1万円、5,000万円を超え1億円以下の場合は3万円となります。

・不動産取得税
不動産取得税とは、都道府県に納める地方税です。マンションの購入後、半年から一年ほど経った頃に自宅に届く納税通知書・納付書で納めます(納期限は自治体により異なります)。不動産取得税率は「土地・建物の固定資産税評価額×4%」で算出されますが、要件に応じて軽減措置が受けられるため、自己居住用の不動産に対しては支払いが発生しないケースも多いです。

・固定資産税、都市計画税
固定資産税および都市計画税は市区町村に収める税金で、その年の1月1日時点で不動産を所有する人に対して課税されるものです。引渡し時期により日割り計算を行い、売主に支払うことで精算します。固定資産税の算出方法は「固定資産税評価額×1.4%」、都市計画税は「固定資産税評価額×0.3%」ですが、居住用の不動産は軽減措置を受けられます。
※税率は自治体により異なることがあります。

・登記費用、司法書士報酬
土地や建物(不動産)を取得すると、登記手続きが必要です。登記とは、国で管理する台帳に不動産の所有者や権利状態を記録することで、その際に発生する税金が「登録免許税」です。売買契約の際に行う登記の種類は、持ち主が変わる「所有権の移転」と住宅ローンに関する「抵当権設定」で、手続きは司法書士へ依頼します。

・所有権移転登記:原則「固定資産税評価額×0.2%」 ですが、軽減措置が受けられる場合、下記の通りとなります。

・新築マンション
建物部分:固定資産税評価額×0.15%
土地部分:固定資産税評価額×1.5%

・中古マンション
建物部分:固定資産税評価額×0.30%
土地部分:固定資産税評価額×1.5%

・抵当権設定登記:借り入れ金額×0.1%
原則借り入れ金額の0.4%ですが、軽減措置が受けられる場合0.1%となります。

・報酬額:司法書士事務所により異なりますが、10〜15 万円ほどが目安です。

・保証料
かつては住宅ローン契約を結ぶ際、連帯保証人が必要でした。連帯保証人は、万が一ローン返済が滞った場合に、契約者に代わって返済する義務があります。

近年は、ローンを組むにあたって原則的に連帯保証人は不要で、その代わりに、保証会社に「保証料」を支払うのが一般的となっています。ローン返済が滞った場合に、保証会社が金融機関に残債を支払うシステムです(契約者のローンがなくなるわけではありません)。

保証料額は金融機関により異なりますが、おもな都市銀行(りそな銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行)で1,000万円を借り入れる場合の保証料は191,370円です(※)。また、ネット銀行など一部の金融機関では、保証料を無料としているケースもあります。

※借入期間30年・元利均等返済方式・保証料一括前払いの場合

・融資手数料、火災保険料など
融資手数料は金融機関により異なりますが、借り入れ金額の2%ほどが多いです。保証料を支払う場合は手数料が不要となる場合もあります。

また、多くの住宅ローンで、火災保険への加入が義務となっています。火災保険と言っても、落雷や風災による損害も保証の対象です。さらに特約を付帯すれば保証の内容を広げることができますが、保険料額は上がります。

・そのほかの諸経費
新生活を開始するにあたり、引越し費用や家具の購入費用といった初期費用が掛かります。

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■マンションを購入する年齢は?

マンションの購入費用は、ご自身の年齢も参考にしながら考えましょう。なぜなら年齢によって住宅ローンを組める年数や、今後かかるお子さんの教育費などが変わってくるからです。

関連記事/マンション購入年齢は何歳くらい?30歳、40歳と年代別の考え方

・もっとも多いのは30代

住宅市場動向調査によると、住宅を初めて購入されるご家庭の世帯主の年齢分布は次のとおり。戸建て、マンションを問わず、30歳代で購入される方が最も多くなっています

住宅を初めて購入されるご家庭の世帯主の年齢分布

参考/住宅市場動向調査2018年度

・20~30代で購入するメリットは?

20〜30代で購入する大きなメリットは、長期間の住宅ローンが組めること。月々の返済金額を抑えながら、無理なく定年退職までに完済できます。早めに住宅を購入することで、家賃の支払いも抑えられるでしょう。また若いほど健康に問題がない方が多いため、団信の審査もスムーズです。

注意したいのは今後の結婚・出産・転職などによって、引っ越したくなる可能性が高いこと。いざというときに住み替えやすいように、売却しやすいマンションを購入しておくことが大切です。都心部の立地条件がよいマンションを選べば売却しやすいうえ、通勤にも便利がよいでしょう。

・40~50代で購入するメリットは?

40〜50代は家計にゆとりが出てくる方も多く、頭金として使える貯蓄が増えているのがメリットです。またすでにお子さんの人数がすでに決まっているケースが多いため、購入すべき物件の間取りや、今後かかる教育費も予測しやすくなります。

注意点は、20〜30代に比べて定年までの期間が短いこと。借入期間を短くしたり、繰り上げ返済をうまく使ったりする必要があるでしょう。また団信の審査では、健康状態もチェックされます。年をとるほど健康上のリスクは高まるため、不安のある方は早めに家を購入して住宅ローンを組んでおいたほうがよいかもしれません。

・60代以上で購入するメリットは?

60代になってお子さんも巣立つと、老後の生活に合わせたコンパクトな住まいが選べるのがメリット。居住エリアを選ぶときも、勤務先や教育環境などを考える必要がなく、住みたい場所を自由に選ぶことができます。持ち家だとリフォームも自由にできるため、終の棲家として安心して暮らせるようバリアフリー化するのもよいでしょう。

ただし定年後は現役時代のような給与収入が見込めないため、住宅ローンの審査は厳しくなります。設定できる返済期間も短いため、まとまった頭金の準備が必要です。退職金で完済されるケースもありますが、老後資金に影響はないか慎重に検討されたほうがよいでしょう。

関連記事/定年後に住宅ローンが残っている場合の完済方法は?老後を見据えた返済計画を立てよう

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■年収ごとのマンション購入費用をシミュレーションしてみよう

世帯年収ごとに、ローンの返済額を大まかにシミュレーションしていきましょう。マンション購入の平均的な値から物件価格は年収の6倍とし、頭金を1割用意すると想定。住宅ローン金利は全期間固定で2%、返済期間は30年、ボーナス返済なし、保証料は借り入れ1,000万円あたり191,370円で計算しています。

ケース①:世帯年収300万

・マンション価格:1,800万円
・頭金:180万円
・借入額:1,620万円
・保証料:31.0万円

毎月の返済額:6万円
総返済額:2,156万円

ケース②:世帯年収400万

・マンション価格:2,400万円
・頭金:240万円
・借入額:2,160万円
・保証料:41.3万円

毎月の返済額:8万円
総返済額:2,875万円

ケース③:世帯年収500万

・マンション価格:3,000万円
・頭金:300万円
・借入額:2,700万円
・保証料:51.6万円

毎月の返済額:10万円
総返済額:3,593万円

ケース④:世帯年収600万

・マンション価格:3,600万円
・頭金:360万円
・借入額:3,240万円
・保証料:62.0万円

毎月の返済額:12万円
総返済額:4,311万円

ケース⑤:世帯年収800万

・マンション価格:4,800万円
・頭金:480万円
・借入額:4,320万円
・保証料:82.7万円

毎月の返済額:16万円
総返済額:5748万円

ケース⑥:世帯年収1000万

・マンション価格:6,000万円
・頭金:600万円
・借入額:5,400万円
・保証料:103.3万円

毎月の返済額:20万円
総返済額:7,185万円

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■マンションを購入する際の注意点

マンションは金額の非常に大きな買い物なので、次のような注意点に気をつけて失敗のないようにしましょう。

・無理なローンを組まない

マンションの購入予算を決めるときには、毎月無理なく返済できるローンを組むことが大切です。借りられる金額ギリギリで組むと、転職や妊娠出産、怪我や病気などで収入が減ったときに生活が苦しくなってしまいます。

予算を増やすには、毎月の返済額を増やすだけでなく、返済期間を伸ばしたり頭金を増やしたりする方法もあります。また共働き夫婦であれば、二人の収入を合算してローンの借入額を増やす方法も検討できるでしょう。

関連記事/共働き夫婦はマンション購入か賃貸かどっちがよい?住宅ローンや貯蓄 などを比較

・ランニングコストも含めて資金計画する

資金計画では物件価格だけでなく、住んでからのランニングコストも計算に入れましょう。毎月のローン返済以外にも、管理費や修繕積立金、固定資産税などの出費があります。

固定資産税・都市計画税 不動産の固定資産税評価額に応じて課税される。年間10〜20万円程度が一般的。
火災保険・地震保険 住宅ローンを組む際に火災保険の加入が義務付けられるケースも多い。火災保険は年間1.5〜2万円、地震保険は年間5千円程度。
管理費・修繕積立金 毎月平均2〜3万円前後。日常的な清掃や保守点検、大規模修繕の費用などに充てられる。
駐車場代 マンション住まいでマイカーをお持ちの方は、毎月の駐車場代がかかる。立地によって費用は異なる。
リフォーム費用 マンションの場合、共有部分は修繕積立金から出されるので、専有部分の内装や設備のリフォーム費用を個人で貯めておく。

・安定した資産価値が見込める物件を購入する

将来的に家族構成や生活スタイルが変わったときに、今の家を売却して新しい家に引っ越す可能性もあります。例えばお子さんが産まれて手狭になったり、転勤や転職で勤務地が変わったり。年をとったら親の介護のため地元に帰りたい、定年後は郊外で生活したいという方もいらっしゃるでしょう。

資産価値の落ちにくいマンションを購入しておけば、高く売ったり貸したりできるので住み替えの際も困りません。うまく住み替えを続けていくことで、効率のよい資産形成もできるでしょう。マンションを購入される際には、立地や交通利便性、周辺のニーズに合わせた広さや間取りなども考えましょう。逆に「安いから」というだけでマンション選びをすると、失敗してしまうことも多いです。

関連記事/安いだけで購入しない!中古マンション選びで失敗しないための注意点

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■まとめ

世帯年収に対するマンションの購入価格や頭金の割合、諸費用の内容について解説しました。住宅ローンは金融機関から借りられる金額よりも、継続的に無理なく返済できる金額かどうかが大切です。子どものいる世帯であれば、決して安くはない教育費用も必要になってきます。将来的なライフスタイルの変化も考えながら、資金計画を立てましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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