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パッシブデザインとは?間取りのポイントや施工事例を紹介

エアコン1台で建物全体を快適に保てたら、素敵だと思いませんか?「パッシブデザイン」の住まいなら、夏涼しく・冬暖かい省エネルギーな暮らしが実現できるのです。この記事では、パッシブデザインの特徴や間取りを考える際のポイント、パッシブデザインに沿って建築された家の施工事例をご紹介します。

パッシブデザインとは?間取りのポイントや施工事例を紹介
こんな方におすすめの記事です
  • パッシブデザインとは何か知りたい
  • パッシブデザインにする際の注意点を知りたい
  • パッシブデザインの施工事例を見たい

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■パッシブデザインとは?

パッシブデザインとは、太陽光や風・熱といった自然の力を、住環境に最大限活用するための設計手法のこと。エアコンやヒーターなどの冷暖房機器にできるだけ頼ることなく、四季の恵みを活かして住まいの快適性を確保することを目的としています。

パッシブ(Passive)とは、英語で「受動的、受け身、自分からは積極的に動かない」といった意味です。一見、ポジティブな言葉ではないようにも思えますが、光や風などの自然の恵みを「受動的に」無駄なく受け取る、という意味合いとなっています。

・パッシブハウスとは?

パッシハウスは、ドイツの「パッシブハウス研究所」が1991年に定めた性能認定基準に沿って設計・建築され、認定を受けた住宅です。省エネルギー住宅には世界各国でさまざまな基準・規格がありますが、そのなかでもパッシブハウスの認定基準はたいへん厳しいレベルの内容となっています。

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■パッシブデザインの住まいのメリット

・冬暖かく、夏涼しい

パッシブデザインの建物は、自然の恵みを最大限に活かし、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるように設計されています。冬は優しい温もりに包まれる陽だまり、夏は心地よい風が通り抜ける涼しい日陰…そんな過ごしやすさを実現する住まいです。

・電気代が削減できる、環境に優しい

パッシブデザインの家では、自然の恵みを住環境に効率よく反映することで、エアコンやヒーターといった冷暖房器具や、昼間の照明器具の使用を最低限に留めることができます。電気代が軽減でき、限りあるエネルギー資源の消費を抑えることもできる、お財布にも地球環境にも優しい住まいです。

・カビや結露を防いで長持ち

住まいの通風性や断熱性の向上は、結露やカビ対策としても有効です。慢性的に結露やカビが生じると、アレルギーやぜんそくといった健康被害の原因になるほか、建物の寿命を短くしてしまうこともあります。パッシブデザインによって、毎日の快適性はもちろん、長期的に安心して暮らせる住まいをつくることができるのです。

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■パッシブデザインの5つの設計手法

・断熱

過ごしやすい家の大きなポイントとなる要素が、建物の断熱性です。熱の伝わりを防ぐことで、夏は外の暑さを室内に入れにくく、冬は室内の暖かさを外に逃しにくい住まいになります。また、柱や梁といった構造躯体が熱の逃げ道となっているものを「熱橋(ねっきょう)」といいます。住まいの断熱を考える際は、窓や壁の断熱性能だけでなく、熱橋をなくすことも大切です。

・日射遮蔽

夏の日差しを遮ることで、室温の上昇を防ぐ手法です。日射の角度は季節によって変化し、夏は太陽の位置が高く冬は低くなるため、室内のどこまで光が入るのかを年間を通してシミュレーションし、軒(のき)の深さや窓の位置を決めていきます。窓の外側へのシェードの設置や、つる性の植物を育てる「緑のカーテン」も日射遮蔽の手段として有効です。

・日射熱利用暖房

住まいに取り込んだ日射熱(太陽光の暖かさ)を、冬の暖房として利用するための設計手法です。日射熱を効率よく集める「集熱」、集めた日射熱を蓄えておく「蓄熱」、日射熱が外に逃げないようにする「断熱」がポイントになります。

・自然風利用

風通しを良くすることで、空気が淀んだり、熱がこもったりしない住まいを目指します。夏の暑さや湿気対策に有効です。窓を開放するだけで自然に風が通り抜ける方向に窓を設置し、空気の流れを遮らない間取りを考えていきます。

・昼光利用

パッシブハウスの住まいでは、原則的に昼間は照明を点灯しないで過ごせるよう、自然光を効果的に取り込む工夫を施します。窓が大きく多いほど光を多く取り込むことはできますが、やみくもに窓を増やすだけでは、夏は日差しで暑くなりすぎ、冬は熱が逃げやすい住まいになってしまいます。そのため、窓の種類や設置場所、ほかの要素(内装の色など)とのバランスが大切なのです。

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■パッシブデザインの注意点

パッシブデザインには、絶対的な正解はありません。前項でご紹介した5つの設計手法のなかには、相反する要素(一例:窓が多いほど明るくなるが断熱性が下がる)もあります。地域や立地条件によって気候や風の入り方などは異なりますし、周辺環境によってはプライバシーへの配慮も重要です。それらの複雑な要素を、住む人のライフスタイルや価値観などもふまえた上でバランス良く取り入れることができるかどうか、設計士の手腕が問われるといえるでしょう。

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■パッシブデザインの住まい事例1

ドイツ基準の「パッシブハウス」として、国内で最初に認定を受けた、木造2階建ての住まい
屋上にウッドデッキを設置し、お子さまたちが思う存分体を動かすことができるスペースとなっています

ドイツ基準の「パッシブハウス」として、国内で最初に認定を受けた、木造2階建ての住まいです。厳しい基準を満たした高い断熱性と気密性によって、小型のエアコン1台で住まい全体を快適に保つことができます。南北に風が通り抜け、夏も涼しく過ごせるそうです。屋上にウッドデッキを設置し、お子さまたちが思う存分体を動かすことができるスペースとなっています。

https://www.key-architects.com/project/鎌倉パッシブハウス/

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■パッシブデザインの住まい事例2

壁や間仕切りを極力なくした開放的な間取りの事例
日光の明るさが階下にも行き渡るため、日中は照明を点ける必要がありません

こちらは、壁や間仕切りを極力なくした開放的な間取りの事例です。住まいの中心に大きな吹き抜けを設けたことで、日光の明るさが階下にも行き渡るため、日中は照明を点ける必要がありません。温度差により上昇・下降する空気の特性を活かした間取りで、換気も効率よく行えます。高い断熱性能によって、6畳用のエアコン1台のみで建物全体の快適な温度に保つことができる、パッシブデザインのお手本のような省エネルギーの住まいです。

https://collabohouse-k.com/works/パッシブデザインの教科書みたいな家/

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■パッシブデザインの住まい事例3

一見2階建てのように見える、平屋の住まいの事例
LDKに隣接する居室には、半透明の室内窓が光と風を届けてくれます

一見2階建てのように見える、平屋の住まいの事例です。南北方向に細長く間口が狭い敷地は、北側が暗くなりがちなもの。そこで、パッシブデザインの手法により、住まい全体が明るくなるようにプランニングしています。2階の窓のように見えるのは、リビングの吹き抜けに設けた高窓です。LDKに隣接する居室には、半透明の室内窓が光と風を届けてくれます。

https://onl.la/GCPR63e

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■パッシブデザインの住まい事例4

パッシブデザインにより、南向きの立地条件を最大限に活かした住まい事例
過ごしやすさはもちろん、暮らしやすい生活動線やお好みのインテリアにもこだわった、スタイリッシュな住まい

パッシブデザインにより、南向きの立地条件を最大限に活かした住まい事例です。2階の窓全体に設けたバルコニーは1階の軒の役割も果たしており、夏は暑さの厳しい日射を遮りますが、冬は低い角度の暖かな光が奥まで届きます。さらにバルコニーの両側にある袖壁は風を受け止め、大きな窓から室内を効率よく風が流れるように設計しています。過ごしやすさはもちろん、暮らしやすい生活動線やお好みのインテリアにもこだわった、スタイリッシュな住まいです。

https://onl.la/ZQssYLC

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■パッシブデザインの住まい事例5

ブラックのシンプルな外観がクールな、パッシブデザインの平屋の事例
玄関土間のトップライト(天窓)から光が落ち、コンクリートを温めて足元を快適に保ちます

ブラックのシンプルな外観がクールな、パッシブデザインの平屋の事例です。南向きのウッドデッキには軒があり、夏場の厳しい日射を遮ります。LDKと水まわりの間には中庭を設けることで、2方向からの採光と効率の良い通風が確保できる間取りです。玄関土間のトップライト(天窓)から光が落ち、コンクリートを温めて足元を快適に保ちます。ランドリースペースにもトップライトは、室内干しを乾きやすくするための工夫です。

http://e-show-do.co.jp/works/2016/03/27/557/

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■まとめ

パッシブデザインは、自然光や風を最大限に活かすことで、住み心地のよい省エネルギーな住まいをつくる手法です。高い断熱性や採光性を基本として、さらに地域による気候の違い、敷地の条件、住む人のライフタイルや価値観を加味した丁寧な設計により、実現することができます。

編集者: 美智子山口

ウェブデザイナーを経て2014年よりフリーライターに。おもに住まいに関する記事を執筆しています。猫が大好きで、自宅のDIYリフォームが趣味。

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