近年、和室をつくりたいという方に人気なのが「琉球畳」です。普通の畳とはどういうふうに違うのか気になりますよね。今回は琉球畳と普通の畳の違い、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。琉球畳を使ったおしゃれな和室のリノベーション事例もご紹介するので、和室のデザインや畳の色選びなど参考にされてください。
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琉球畳は元々「七島藺(しちとうい)」というイグサ科の植物を畳表に使った畳のことを指していました。七島藺は沖縄でよく栽培されていたので、そこから名前をとって琉球畳と呼ばれていたのです。
しかし七島藺は手作業で加工されているため、今となっては七島藺でできた本物の琉球畳は希少品です。最近では畳表がイグサや樹脂であっても、縁がない正方形の畳であれば「琉球畳」と呼ばれることが増えています。
琉球畳の大きな特徴が、正方形であること。普通の畳は長方形ですが、琉球畳はその半分のサイズです。シンプルな形なので、長方形の畳よりも洋風な住宅に馴染みやすいという利点があります。
また、普通の長方形の畳には、長手方向に「縁(へり)」と呼ばれる細長い布がついています。しかし琉球畳の周囲には、このような畳縁はついていません。畳縁の役割は、傷みやすい畳の角を補強すること。七島藺は一般的なイグサの5〜6倍の強度をもつため、強度を上げるための縁をつける必要がなかったのです。
ちなみに厚さに関しては、琉球畳も普通の畳と同じ55mmが基本です。ただし、直接フローリングの上に敷く「置き畳」の場合は薄くするなど、住宅に合わせて暑さを調整されることもあります。
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詳しくはこちら>>次に琉球畳のメリットを見ていきましょう。ここでは本来の「七島藺でできた琉球畳」ではなく、近年の「正方形で縁のない琉球畳」として解説していきます。
畳の周囲に縁がついていると、昔ながらの和室という印象が強くなります。純和風の古民家ならいいですが、現代風のマンションには馴染まないことも。好みの問題ではありますが、縁のない琉球畳は現代的でスタイリッシュに見えるというのが、人気の理由の一つです。また縁がないことで、縁のある畳より空間が広く感じられる視覚効果もあります。
そして琉球畳で人気なのが、市松模様に敷かれたデザイン。これは2色の畳を使っているのではなく、1色の琉球畳の目の方向をたがいちがいに敷くことで、光の加減で2色に見えています。正方形を活かして「4.5畳間(3×3)」「8畳間(4×4)」など、正方形のお部屋に敷くのもバランスがよくなっておすすめです。
畳表が和紙や樹脂でできた琉球畳は、カラーバリエーションも豊富です。定番色は本来のイグサの色味に近い若草色。くすんだモカベージュやグレージュなどのナチュラルな色味も根強い人気です。
モダンな和室に合わせるなら、グレーやブラウン、ネイビーなどの落ち着いた色合いもおすすめ。主張しすぎずに、隣り合う洋風のリビングにもしっくり馴染みます。ただし濃い色はホコリなどが目立ちやすいのでご注意ください。
ポリプロピレンでできた樹脂畳は伝統色だけでなく、イエローやピンク、ブルーなどのポップな色もそろっています。個性的な和室をつくりたい方は検討してみるとよいでしょう。同じピンクでもポップな色味だけでなく、上品な和室に合わせやすい桜のような淡いピンクもあります。
洋風のリビングと隣り合っている和室に、和柄の縁がついたグリーンの畳を敷くと、どこかアンバランスになってしまうことも。縁なしの琉球畳を合わせることで、劇的に馴染みやすくなります。
個室タイプの和室だけでなく、リビングの一角に琉球畳を敷いて畳コーナーをつくるのもおすすめです。畳の柔らかな感触を活かしてリビング内でお子様が安心して遊べるキッズスペースにしたり、腰をかけられる小上がりにして下部をリビングの収納として活用したりと、さまざまな取り入れ方ができますよ。
また逆に、床の間や押し入れがあるような純和室にも、琉球畳は相性抜群。畳は好きだけれど、自分の家のデザインには合わないのでは……と悩まれている方は、ぜひ選択肢のひとつに琉球畳を入れてみてください。きっと和室をつくるハードルがぐんと下がるはずです。
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詳しくはこちら>>さまざまな魅力がある琉球畳ですが、一方でデメリットもあります。費用面や強度面など注意が必要なので、ぜひ知っておいてくださいね。
同じ8畳の広さの和室でも、通常の長方形の畳なら8枚、琉球畳なら2倍の16枚が必要です。ところが琉球畳が半分のサイズだからといって、長方形の畳の半分の値段で購入できるわけではありません。そのため琉球畳を選ぶと、どうしてもリフォーム費用は高めになることが多いでしょう。
また本物の七島藺を使った琉球畳は高価なので、お手軽に取り入れたい方はイグサや和紙、樹脂などを選ぶのがおすすめです。
和紙畳:和紙を細長くより合わせて、撥水性の高い樹脂でコーティングしてつくられた畳。
樹脂畳:樹脂(ポリプロピレン)でできた畳。空気層をつくりイグサのようなクッション性を出している。
畳ならではの香りを楽しめるのは、イグサでできた畳。一方、和紙や樹脂の畳は耐水性や耐久性が高く、水拭きができるのでお掃除も簡単です。カビやダニの心配も少ないので、お子様やペットのいるご家庭でも安心して畳を取り入れられます。
畳縁には、畳表の角を補強するという役割があります。縁がない琉球畳は、歩いたときに摩擦から守るものがついていないため、縁のついた畳と比べて傷みやすくなるでしょう。
先述したとおり、七島藺に比べると、天然イグサは耐久性が低め。イグサでできた琉球畳は、どうしても耐用年数が短くなりやすいです。長持ちさせたい場合は、畳表が丈夫な和紙や樹脂の琉球畳を選ぶとよいでしょう。
また琉球畳は枚数が多くなる分、溝の数も多くなります。溝はホコリやゴミがたまりやすい部分なので、こまめに掃除するのがおすすめです。
通常の畳のメンテナンスには「裏返し・表替え・新調」の3種類があります。
裏返し:畳表をはがして、表裏をひっくり返して固定する
表替え:畳表をはがして、新しい畳表や縁に交換する
新調:畳表や縁だけでなく、芯となる畳床まで丸ごと交換する
通常は2〜4年ほどで裏返し、5〜7年ほどで表替え。使える畳床や畳表は再利用しながら、メンテナンス費用を抑えることができます。
しかし琉球畳の場合は、残念ながら「裏返し」ができません。縁がないため、畳表の周囲を折り曲げてあり、裏返しにすると割れてしまうのです。新しい畳表に交換する「表替え」はできるので、そちらで対応されるとよいでしょう。
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詳しくはこちら>>ここからはグローバルベイスが手がけた、琉球畳を使ったおしゃれなリノベーション事例をご紹介します。
最初にご紹介するのは、旅館をイメージしたマンションのリノベーション事例です。リビングの隣にある和室は、大人が寝転んでくつろいだり、お子様が遊んだりとさまざまな用途に使えます。動線がよくなるように、リビングへつづく格子戸を二箇所につけたのもポイントです。
和室は正方形の琉球畳を9枚敷いて、その周りにダークカラーの板張り部分を設けました。板張り部分が「縁側」のように見えておしゃれ。おもちゃを置いたり、来客の手荷物を置いたりするのにもちょうどいいスペースになります。
琉球畳は優しいベージュカラーをチョイス。畳目の方向を交互に敷いて、光の加減で市松模様に見えるようにしています。壁と天井には暗めのクロスを組み合わせて、落ち着いた印象にまとめました。
次にご紹介するのは、四季折々の景色をルーフバルコニーから楽しめる、隅田川沿いのマンション。将来は着付け教室を開きたいというご希望があり、LDKの隣の洋室を和室に変更しました。「ベッドより布団派」というご夫婦は、畳でごろごろとリラックスして過ごすのも楽しみにされているそうです。
和室の広さは約6.3畳。優しい色味の琉球畳で、ゆったりとした時間を過ごせそうです。広々としたルーフバルコニーにつながる掃き出し窓から、心地いい光が差し込んできます。
一般的な障子には裏表があって、どちらか片方からしか梯の組子(くみこ)が見えません。しかしこちらの和室では、両面とも組子の見える障子をオリジナルでオーダー。リビング側からも和室側からもおしゃれな格子のデザインを楽しめます。
最後にご紹介するのは、弊社グローバルベイスによるリノベーション済み物件のマンションの一室。LDKの隣に、約4.6畳の和室をつくりました。
縁なし正方形の琉球畳で和モダンに。ふすまを開けっ放しでも、隣り合うリビングと違和感なく馴染みます。リビングと一体化させて広く使ったり、ふすまを閉めてひとりでゆっくり過ごしたりと、フレキシブルに使える和室になりました。
和室にはちょっとした床の間もあります。本来の床の間はお花や掛け軸などを飾ることが多いですが、現代風にアレンジするのもOK。趣味のアイテムをきれいにディスプレイしたり、子どもの絵本棚を置いて収納スペースとして使ったりと、自由に使っていただけます。
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詳しくはこちら>>縁がなく正方形でシンプルなデザインが魅力の琉球畳。カラーバリエーションも豊富で、純和風から和モダンまでさまざまなテイストの和室に合わせることができます。和室はほしいけれど、他の部屋と馴染むか不安という方は、選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
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詳しくはこちら>>琉球畳を使ったおしゃれな和室をつくりたい方は、ぜひグローバルベイスにご相談ください。リノベーション向きの中古マンションを探すところから、資金計画、設計、施工までワンストップでサポートいたします。琉球畳を使ったリノベーション事例も豊富なので、ぜひリノベーション事例集をご覧いただければと思います。