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ウォークインクローゼットって?間取りやリフォーム費用、収納のコツを解説

住まいの購入やリノベーションをする際に考えたいのが、衣類の収納のためのウォークインクローゼット。単にモノが入るだけでなく、衣服を取り出しやすい、整理がしやすいといったメリットがある一方で、デメリットもあります。ウォークインクローゼットに関する間取りやおしゃれに収納するポイントまでご紹介いたします。

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■ウォークインクローゼットとは?

ウォークインクローゼットとは、クローゼットの中でも歩いて入れる程度の広さのあるタイプを指します。ドアや引き戸などの扉をつけられていることが多く、独立した部屋のような空間です。ハンガーパイプや棚などが設置されているのが一般的ですが、引き出し収納やシステム収納が設けられたウォークインクローゼットもあります。ウォークインローゼットは、間取り図の略語では「WIC」と表記されています。

・ウォークインクローゼットのメリットとデメリット

ウォークインクローゼットは、衣類をまとめてしまいやすいことがメリットです。帽子やバック、アクセサリーまでを収納できるため、出かけるときに準備がしやすいこともメリットに挙げられます。充分な広さのあるウォークインクローゼットなら、衣替えの手間も省けます。一度着た衣類の保管場所は悩みがちですが、ウォークインクローゼットなら一時置きのスペースをつくりやすいです。また、広さにもよりますが、着替えをするためのスペースとしても活用可能です。広めのウォークインクローゼットの場合は、ゴルフバッグやキャンプ用品、スーツケースなどの大型のものを収納する納戸としての役割も兼ねられます。

一方、ウォークインクローゼットには、人が立ち入る通路スペースがあるため、広さの割に収納量が確保できないことがデメリットです。また、L型やコの字型の場合、ハンガーパイプが交差する部分が、デッドスペースになりがちです。ハンガーにかける衣類が少なく、畳んでしまう衣類が多い人の場合、使いにくさを感じるかもしれません。あるいは、収納方法によっては、モノを詰め込んでしまい、奥のモノが取り出しにくくなったり、雑然とした印象になったりするといったデメリットもあります。

さらに、夫婦や家族の分の衣類をまとめて収納できるウォークインクローゼットを設けるよりも、数箇所にクローゼットを設置する方が、効率よく収納できるケースもあるため、収納計画を立てる際には注意が必要です。

・ウォークインクローゼットの種類

ウォークインクローゼットは形状などによって、I型、Ⅱ型、L型、コの字型、ウォークスルークローゼットに分けられ、使い勝手などに違いがあります。

◇I型

Ⅰ型は一方向の壁にハンガーパイプや棚があり、手前に通路スペースがあるタイプです。通路部分を余裕を持って確保すると、衣類が取りやすい形状です。廊下に面してウォークインクローゼットを設けたいときなどに向いています。

◇Ⅱ型

Ⅱ型は向かい合う壁に棚やハンガーパイプが取り付けられたタイプ。夫婦や兄弟で片側ずつ使用するなど、2人で兼用しやすい形状です。

◇L型

L型は、2面の壁にL型にハンガーパイプや棚を設けた細長い形状のタイプ。短辺方向の収納の幅の分で通路スペースを確保することができます。ただし、ハンガーパイプのコーナー部分がデッドスペースになりやすいため、使い方に工夫が必要です。通常ウォークインクローゼットを設けるには2畳程度は必要ですが、L型の場合は1畳半程度のスペースからつくることができます。

◇コの字型

コの字型は、3面の壁にハンガーパイプや棚を設置したタイプです。コの字型もハンガーパイプが交差する箇所がデッドスペースになりやすく、通路部分のスペースも無駄になってしまうことがあります。スーツケースなどを収納する場所としても活用するなど、上手に使いましょう。

◇ウォークスルークローゼット

ウォークスルークローゼットと呼ばれるタイプは、出入り口が2箇所あり、通り抜けが可能なタイプです。扉を2箇所に設置する分、スペースを必要とします。ウォークスルークローゼットを設ける場合には、隣接する部屋の配置を考えることが必要です。2部屋の子供部屋の間、寝室と洗面脱衣室の間など、部屋と部屋をつなぐ場所に設けられることもあります。

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■ウォークインクローゼットの間取りは2畳・3畳・4畳?最適な広さとは

ウォークインクローゼットは、どの程度のスペースを確保すると使い勝手がよいのでしょうか。ウォークインクローゼットに必要な奥行や、2畳・3畳・4畳のウォークインクローゼットに向いているケースをまとめました。

・ウォークインクローゼットに必要な広さ

ウォークインクローゼットの奥行は、ハンガーをかけるスペースの50~60cm程度に加えて、引き出しを開けるスペースや通路スペースとして60cm程度は必要です。ウォークインクローゼットの中で着替えたい場合は、通路スペースは80cm程度確保しましょう。

衣類の収納に必要なスペースは、クローゼットの間口の幅で、成人男性は90~120cm、成人女性180cmが目安です。

・2畳のウォークインクローゼットが向いているケース

182cm×182cm の2畳の場合、中央に60cmの通路を確保したⅡ型のウォークインクローゼットを設けることができます。2畳のウォークインクローゼットは夫婦2人で使用するのに向いている広さです。

・3畳のウォークインクローゼットが向いているケース

182cm×273cm の3畳の場合も、中央に60cmの通路を確保したⅡ型のウォークインクローゼットを設けることが可能です。ハンガーパイプにかけたい衣類の量にもよりますが、一部を棚のみとした方が効率よく収納できます。3畳のウォークインクローゼットは、夫婦と子供2人の家族に向いた広さです。

また、3畳以上あるウォークインクローゼットの場合、鏡やドレッサーを置く場所を確保することもできます。

・4畳のウォークインクローゼットが向いているケース

273cm×273cm の4畳の場合、コの字型のウォークインクローゼットをつくることができます。夫婦と成人した子供2人の家族で使用するのにも十分な収納量があり、ファミリークローゼットとして活用できる広さです。ただし、通路スペースがデッドスペースになりやすい点や、プライバシーの問題から、成人した子供は独立したクローゼットがある方を好むことが多い点に留意しましょう。

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■ケース別ウォークインクローゼットのリフォーム費用

・既存のウォークインクローゼットに棚を設ける

リフォームの内容費用目安
可動棚の新設約15万円〜

既存のウォークインクローゼット内に棚を設置して、収納力をアップするためのリフォームです。上記表の費用目安は、壁に1.8m幅で棚受けレールを取り付け、合板の棚板6〜7枚を設置することを想定しています。設置箇所の状況によっては、下地の補強が必要になる場合もあります。

・押入れをウォークインクローゼットにする

リフォームの内容費用目安
押し入れをクローゼットにする約20万円〜
襖を折れ戸や引き戸にする約5〜15万円
襖を撤去してカーテンレールを設置する約2万円〜
中段の撤去約3万円〜

押し入れをウォークインクローゼット化するリフォームです。工事の内訳としては、中段の撤去、ハンガーパイプの取り付け、壁にクロスを張る、襖を撤去して折れ戸や引き戸へ交換する、といった内容になります。築年数が古い家や伝統的な押し入れは布団や座布団をしまう場所とされているため床や壁の耐久性が低いことが多く、現場の状態によっては下地の補強工事が必要になるケースが多いようです。

・居室をウォークインクローゼットにする

リフォームの内容費用目安
可動棚の新設約15万円〜
換気扇の新設約5〜10万円
開口部の新設(開き戸)約10〜15万円
開口部の新設(引き戸)約15〜20万円

使っていない居室や納戸を、使いやすいウォークインクローゼットにリフォームすることもできます。湿気が溜まりやすい居室の場合には、換気扇の新設がおすすめです。マンションの場合は外壁に穴を開けることはできないため、既存の排気ダクトにつなげることになります。また、既存のドアとは別に開口部を新設すれば、ほかの部屋からも出入りができるウォークスルークローゼットになり、動線を増やすことができます。

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■ウォークインクローゼットのリフォームの際の注意点

・通路幅を確保する

ハンガーパイプに服をかけた空間の奥行きは40〜50cmほど。人が通るために必要な通路幅は50〜60cmほどです。また、しゃがみこんで引き出しを開けたり、着替えをしたりする場合は、80cmほどの通路幅を確保したいもの。通路幅が不十分だと、衣類が取り出しにくく使いづらいクローゼットになってしまいます。ハンガーの配置にはI型・Ⅱ型・L型などの種類がありますが、どのような使い方をするのかを想定して通路幅を確保しながらプランニングをしましょう。

・照明やコンセントも忘れずに

ウォークインクローゼットの失敗例として「衣類の色が確認しづらい」「奥のほうが暗い」といった声があります。ハンガーいっぱいに服を掛けることを想定して、奥まで光が届くように照明の位置や明るさを決めましょう。また、暖色系の照明は近い色(ブラックとネイビー、ワインレッドとブラウンなど)の見間違えが生じやすくやすくなることがあります。昼間の自然光と同じような見え方にするには、昼白色の照明がおすすめです。

クローゼット内にコンセントを設けると、コードレス掃除機を充電したり、除湿機を運転したりできるので便利です。広めのウォークインクローゼットであれば、ズボンプレッサーやアイロンを使用して衣類のメンテンナスもできます。

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■ウォークインクローゼットのおすすめ設置場所

・寝室内

ウォークインクローゼットの設置場所としてポピュラーな間取りが寝室内です。衣類をはじめ季節外れの寝具も収納することができ、寝室をスッキリと保ちやすくなります。プライベート性が高い空間のため、出入りしやすいよう扉を設けないプランも人気があります。その場合、寝室の出入り口側からクローゼット内が丸見えにならないようにレイアウトするのがおすすめです。

・洗面室の隣

身支度しやすいウォークインクローゼットにしたいなら、洗面室から出入りできるレイアウトがおすすめです。着替え〜洗顔やメイク〜持ち物の準備がしやすくなります。

・ランドリーの隣

家事動線を最優先するなら、ランドリーに隣接するウォークインクローゼットがおすすめです。洗濯後の衣類を、最短の家事動線で収納することができます。

・廊下

廊下から出入りできるウォークインクローゼットを設ければ、家族の誰もがアクセスしやすくなります。家族の衣類や家電類をまとめて収納するファミリークローゼットにおすすめです。

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■ウォークインクローゼットに取り入れたいアイデア

ウォークインクローゼットで気になるのが換気の問題。窓はあった方がよいのでしょうか。また、ウォークインクローゼットを人に見せたくなるような「見せる収納」のアイデアをご紹介します。

・ウォークインクローゼットに窓は必要?収納の換気の話

日当たりのよい場所には、リビングや子供部屋、寝室などを設けるため、ウォークインクローゼットは窓のない、住まいの奥に設置されることが多いです。ウォークインクローゼットは空気がこもりやすいため、特に断熱が不十分で結露が起こるケースや換気をしていない場合などでは、湿気からカビが発生してしまうことも考えられます。ウォークインクローゼットに窓があると換気をするのには便利です。しかし、ウォークインクローゼットに窓を設けると、収納に使えるスペースが狭くなる、日当たりがよいと日焼けで衣類などが変色しやすいといったデメリットもあります。湿気対策であれば、換気扇をつけておくとよいでしょう。

ウォークインクローゼットに窓や換気扇がない場合は、天気のよい日には隣接する部屋の窓とウォークインクローゼットのドアを開けて、風を通すようにしましょう。ウォークスルークローゼットの場合は、二方向を開けられるため、換気がしやすいという面からのメリットがあります。

・収納アイデア「見せる収納」

ウォークインクローゼットは広さがあるため、収納スペースをうまく使いこなしにくい面もあります。そこで、おしゃれに「見せる収納」にするためのウォークインクローゼットの作り方や収納グッズの使い方のアイデアをまとめました。

◇ハンガーパイプを縦に取り付ける

一般的にはウォークインクローゼットのハンガーパイプは、横向きに設置されています。縦方向に設置すると、ジャケットやシャツ、スカート、パンツなどをアイテムごとに収納することができます。一番手前にお気に入りの服をかけておくなど、服を見せる収納をすることが可能です。

◇壁にオープンボックスを設置する

壁にオープンボックスを取り付けると、セーターやTシャツなどを畳んでしまえるスペースができます。引き出しよりも出し入れがしやすく便利です。ただし、アースカラーのTシャツを一つのボックスに入れるなど、色味を考えてしまっていく必要があります。

◇フックを取り付ける

空いている壁にフック取り付けると、バッグを収納するのに活用できます。ディスプレイするようにバッグをかけましょう。

◇枕棚の上は段ボール製の収納ボックスや不織布ボックス

ウォークインクローゼットの上部の枕棚の上は、軽量な収納グッズを活用すると安心です。同じデザインの段ボール製の収納ボックスや不織布ボックスを並べて使うと、すっきりと見せられます。段ボール製の収納ボックスは100均でも入手可能。オフシーズンの衣類などをしまっておくとよいでしょう。

◇バスケットを取り入れる

段ボール製の収納ボックスや不織布ボックスだけを並べるとシンプルで整った空間になります。ナチュラルなテイストにするなら籐やラタンのバスケット、スタイリッシュに見せるなら、ステンレスなどのワイヤーバスケットを組み合わせると、遊び心も感じられるワンランク上のインテリア上級者のコーディネートができます。また、一度着た服を仮置きしておく場所として、バスケットを用意しておくと便利です。

◇吊り下げ収納を活用する

吊り下げ収納は帽子や、畳んでしまうシャツやセーター類を吊り下げて収納できるため、出し入れがしやすい便利なアイテム。ただし、中身が見えるため、おしゃれにしまいたい場合には注意が必要。オープンラックと同様に、同系色の衣類をまとめて入れるなどして、雑然とした雰囲気にならないようにしましょう。

◇キャスター付の引き出し収納を使う

ハンガーパイプの下は、プラスチック製の引き出し収納を用いることが多い場所。衣替えをせずに収納できる場合は、キャスター付きのタイプを選ぶと、季節によって取りやすい場所に入れ替えしやすいので便利です。

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■まとめ

ウォークインクローゼットは、広すぎるとデッドスペースになったり、不要なものをため込む場所となったりしてしまいがちです。衣類などの量にあったスペースを確保し、取り出しやすさに配慮した収納計画を立てることが大切です。リノベーションなら、自分や家族に合ったウォークインクローゼットをつくることができます。

編集者: 美智子山口

ウェブデザイナーを経て2014年よりフリーライターに。おもに住まいに関する記事を執筆しています。猫が大好きで、自宅のDIYリフォームが趣味。

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