住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

マンションの2020年問題、マイホーム購入はオリンピック後がいいの?

マンションの「2020年問題」をご存知ですか?
2020年以降、マンション価格が大きく変化するのではないかといわれています。マイホームを購入はオリンピック後まで待ったほうが良いという説は本当なのでしょうか。不動産価格を決める要因の解説と検証をしていきます。

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■マンションの2020年問題とは

2020年7〜8月に開催される東京オリンピックを前に、首都圏のマンション価格が高騰しています。

・東京オリンピック後に不動産価格が下落する?

2013年に、2020年夏季オリンピックの開催地が東京に決定。それまでゆるやかに上下しつつ横ばいで推移していたマンション価格が値上がりに転じました。特に東京を筆頭とする首都圏においては、新築・中古ともに値上がりが顕著です。

不動産データ会社の「東京カンテイ」発表のデータによると、中古マンション価格を70平米あたりに換算した平均価格は、2013年には2,791万円でしたが、毎年上昇を続け2018年には3,638万円となっています。

このように上昇を続けるマンション価格ですが、オリンピック開催後の2020年夏以降に、不動産価格が値下がりに転じるのではないかと予想する声があります。これが「マンションの2020年問題」です。

参考:
東京カンテイ プレスリリース/中古マンション価格(年間版)2019年1月24日
https://www.kantei.ne.jp/report/c2018.pdf
2020年五輪、東京開催が決定 56年ぶり│日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG07047_Y3A900C1000000/

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■マンションの価格が決まる要因

それでは何がマンションの価格を決める要因になるのでしょうか?

・資材価格や人件費

マンションを建築するための資材価格や人件費は、価格に直接影響します。

東京オリンピック開催に向けて、「新国立競技場(オリンピックスタジアム)」をはじめとした複数の競技会場や、期間中に出場選手が滞在する「選手村」が建築されています。建築資材と建築作業員は公共事業に優先されやすいため、資材価格や人件費が高騰しているのです。

・住みたい人の多さ

購入を希望する人=そこに住みたい人が多いほど、不動産価格は高くなります。近年は少子高齢化にともない人口が減少傾向にありますが、都心回帰傾向の高まりから、東京の人口はむしろ増加傾向です。

1975年より横ばいで推移していた東京の人口は1995年より増加に転じており、東京都政策企画局によると、ピークは2025年(区部は2030年)と予想されています。このように住みたい人が多いエリアでのマンション価格は、大幅には下がりにくいでしょう。

参考:
2060年までの東京の人口統計│東京都政策企画局
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/basic-plan/actionplan-for-2020/plan/pdf/honbun4_1.pdf

・投資家による売却

マンションを購入するのは、そこに住みたい個人だけではありません。不動産投資家は、家賃収入による収益を目的にマンションを購入する人や会社です。また、大きな価格上昇が見込める物件であれば、購入価格よりも高値で売却して利益を得ることもあります。

不動産投資家は、マンション価格に下落の傾向が見えれば、大きく値下がりしないうちに売り抜けようと考えます。2020年のオリンピック終了をきっかけに不動産市場に多くの物件が出回ると、競争が生まれてマンション価格が下がる可能性もあるのです。

・生産緑地の制限解除(2022年)

「2020年問題」のほかに、「2022年問題」もあります。

土地には種類があり、所有者であればどこにどんな建物を建てても良いわけではありません。都市計画法にもとづき「用途地域」が定められているエリアであれば、「商業地域」「工業地域」「第一種低層住居専用地域」など13種類に分けられており、建物の建て方や使用目的に制限があります。

用途地域以外にもさまざまな地域地区の種類がありますが、2022年問題の対象となる土地が「生産緑地」です。生産緑地は、治水や災害防止などを目的として緑地(農地)のまま保全することが指定されています。

生産緑地は宅地に比べて固定資産税の大幅な優遇の対象ですが、「建築物の新築・増改築ができない」のが特徴です。2022年以降、生産緑地の多くで指定解除が可能になるため、固定資産税の優遇が受けられなくなります。そのため持ち主が土地を手放し、大量の土地が市場に流通することで、相場が値崩れする可能性があるといわれているのです。

参考:
生産緑地制度│国土交通省
http://www.mlit.go.jp/toshi/park/toshi_city_plan_tk_000041.html
生産緑地制度│国土交通省 都市局 公園緑地・景観課
https://www.mlit.go.jp/crd/park/shisaku/ryokuchi/seisan/

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■消費税増税前後の不動産購入について

2019年10月1日に、消費税率が8%から10%に引き上げられます。これまでに2回、増税の先送りが実施されましたが、今回は予定通り施行される見通しです。さて、中古マンションを購入してリノベーションする場合、契約の締結から物件の引き渡しまでに期間があります。この期間が施行日をまたぐ場合は何%が適用されるのでしょうか?

消費税率の適用時期は、原則的に物件の引渡し時です。ただし、施行半年前までの経過措置が講じられているため、下記のようになります。

・2019年9月30日までに引き渡し→8%
・2019年3月31までに契約、10月1日以降に引き渡し→8%
・2019年3月31日〜9月30日に契約、10月1日以降に引き渡し→10%

・そもそも中古物件には消費税が掛からない?

2019年3月31日をすでに過ぎてしまったから、消費税が10%になってしまう…とガッカリされた人もいるかもしれません。しかし、中古マンションを購入する場合、そもそも消費税の影響はそれほど大きくない可能性があります。

マンションの価格は「建物部分」と「土地部分」の合計です。そのうち、土地は「消費されるもの」ではないとされているため、消費税の課税対象になりません。また、個人間の取引も消費税の対象外となるため、中古マンションの建物には課税されません(売り主が不動産会社の場合は課税対象です)。

なお、リノベーション費用や仲介手数料・各種諸費用には消費税が課税されます。

参考:
No.6201 非課税となる取引│国税庁
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6201.htm
消費税率等に関する経過措置│国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/01.pdf

・消費税増税にともなう支援策

新税率にともなう消費者の負担増の軽減を目的に、いくつかの支援策が用意されています。新築マンションや、不動産会社が販売するリノベーション済み中古物件などが対象です。

・住宅ローン控除期間の延長

住宅ローン控除とは、その年の12月31日時点の住宅ローン残高の1%を、10年間にわたり所得税および住民税から控除する仕組みです。2019年10月1日〜2020年12月31日までに取得した住宅の場合は、3年間延長した13年間が控除期間となります。

・すまい給付金の引き上げ

すまい給付金とは、消費税が5%から8%に増税した2014年に、住宅を購入する消費者の負担を軽減するために新設された制度です。年収(510万円まで)に応じて最大30万円が支給されます。今回の増税にあたり、住宅を消費税10%で購入する場合の給付金額が最大50万円まで引き上げられました。また、支給の対象となる人も年収775万円までに拡充されます。

・贈与税非課税枠の拡大等

「住宅取得資金贈与の特例」とは、自分で住む住宅の新築や増改築のための資金を父母や祖父母から贈与してもらう場合に、贈与税が非課税となる制度。これまで非課税枠は最大1,200万円でしたが、今回の増税にあたり最大3,000万円まで拡大されることになりました。なお、非課税枠は契約時期や住宅の性能などで異なります。

参考:
消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応について│国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr4_000036.html

・増税で支払額はどれくらい変わる?

今回の消費税増税で、マンションの購入費用はどれくらい変わってくるのでしょうか?おおまかに試算してみましょう。

・新築マンション
価格:5,000万円
土地:2,000万円(非課税)+建物:3,000万円(課税対象)
購入時諸費用:200万円(課税対象)
●課税対象額:3,200万円×消費税8%=256万円
●課税対象額:3,200万円×消費税10%=320万円

・リノベーション済み中古マンション
価格:4,500万円
土地:2,000万円(非課税)+建物:2,500万円(課税対象)
購入時諸費用:180万円(課税対象)
●課税対象額:2,680万円×消費税8%=214.4万円
●課税対象額:2,680万円×消費税10%=268万円

・中古マンションを購入してリノベーション
中古マンション:3,000万円(土地・建物ともに非課税)
フルリノベーション費用:1,000万円(課税対象)
購入時諸費用+仲介手数料:210万円(課税対象)
●課税対象額:1,210万円×消費税8%=96.8万円
●課税対象額:1,210万円×消費税10%=120.1万円

※新築マンションとリノベーション済みマンションの諸費用は物件価格の4%、中古マンションは仲介手数料を加味した7%で計算しています。

・駆け込み需要による影響

1989年の消費税導入以来、増税のたびに起きたものが「駆け込み需要」です。「値上がりする前に買っておこう」という心理から、多くの人が前倒しで購入することとなり、駆け込み需要が起きたあとは、その反動から物が売れにくくなります。需要が高いときには物の値段は下がりにくく、需要が下がれば価格は安くなりやすくなります。不動産も例外ではありません。

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■オリンピックだけじゃない、2020年以降の開発予定

2020年のオリンピック開催に向け、東京都心では主要駅周辺の大規模再開発事業や新駅の開業に向け工事が進められています。しかも、これらの開発は2020年以降も続く予定なのです。

・都心の大規模再開発は2020年以降も続く

・渋谷駅周辺(〜2027年)
渋谷駅周辺では、100年に一度といわれる規模の再開発事業が進行中です。6つのプロジェクトが進行し、2019年11月には複合商業施設・渋谷スクランブルスクエア東棟が開業します。さらに2020年以降も開発は続き、2023年に渋谷駅桜丘口地区の竣工、2027年には渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟が開業予定です。

参考:
渋谷再開発情報サイト│東急電鉄
https://www.tokyu.co.jp/shibuya-redevelopment/index.html
「50年、100年に一度」の再開発 渋谷大改造の全貌│日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO75793590Y4A810C1000000/

・高輪ゲートウェイ駅周辺(〜2024年)
JR山手線・田町駅〜品川駅間に、「高輪ゲートウェイ駅」の新設と周辺の開発プロジェクトが進行中。東京オリンピックに合わせて2020年に駅を暫定開業し、2024年にまち開きが予定されています。

参考:
品川開発プロジェクト(第I期)が都市計画決定されました│JR東日本
https://www.jreast.co.jp/press/2019/20190416.pdf

・リニア新幹線と品川駅

最高時速500km、品川〜大阪間を最短67分で結ぶ、リニア中央新幹線計画。新たに開業する駅の周辺では活性化が期待されます。始発となる品川駅でも、再開発事業が進行中です。品川〜名古屋間は2027年、大阪までの全線開業は2045年を予定していましたが、最大8年前倒しされる見通しです。

参考:
全線開業へのプロセス│リニア中央新幹線
https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/plan/kaigyoprocess/
FAQ│リニア中央新幹線
https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/faq/
リニア中央新幹線 東京―大阪を67分で結ぶ│日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO02792110W6A520C1EA2000/

事例集

■価格が下がりにくいマンションの特徴

一般的にマンションは築年数が浅いほど購入を希望する人が多く、価格は築年数の経過とともに下っていくもの。しかし、築年数が古くても値崩れしにくいマンションがあります。どのような特徴があるのでしょうか?

・交通利便性の高さ

最寄り駅までの距離が近いマンションほど、値下がりしにくいです。特に、急行や特急が停まる駅、複数の路線が乗り入れているターミナル駅周辺や、徒歩で複数の駅が利用可能な立地も人気です。

・住環境の充実

周辺に、毎日の生活に欠かせない商業施設や公共施設・病院などが充実していること。歴史があり美しい街並みなど、ブランド力が高く人気の高い街の不動産も音が下がりくいです。

・管理体制が健全

マンションの管理体制がしっかりしていることも大切です。同じ築年数のマンションでも、日頃の管理や適切な修繕工事が実施されているかどうかで建物の快適性は大きく異なってきます。

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■マイホーム購入はオリンピック後まで待つのがお得?

それでは、マイホームを購入するのならオリンピック後にしたほうが良いのでしょうか?

・マンション購入を2年先送りした場合の家賃試算

マンション購入を2020年以降とするため、これから2年間賃貸住宅に住み続けると仮定します。ファミリー向け2LDKを想定、2年ごとの更新費用は計算に入れていません。

・家賃:10万円/月
・共益費・修繕積立金:1.5万円/月
・2年分の家賃:(10万円+1.5万円)×24ヶ月=276万円

購入時期を2年先送りにすることで必要となる住居費用は276万円と算出されました。また購入を先送りにした分、住宅ローンの完済時期も先になります。

・金利の変化も想定しておく

2013年に実施された金融緩和を発端として、近年の住宅ローン金利はこれまでに類を見ない超低水準で推移しています。ただし今後も今のような低金利が続くとは限りませんから、金融情勢や金利の変化にも目を向けておくと良いでしょう。

参考:
財政金融政策の動向│内閣府
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je17/h01-03.html

・不動産との出会いは一期一会

「不動産は同じものは2つとない」と言われます。たとえ同じマンション内にある同じ間取りの物件でも、部屋ごとに階数や方角が異なるもの。気に入った物件を買い逃してしまった場合、ふたたび同じ物件を購入できる可能性はほとんどないといえるでしょう。

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■まとめ

不動産の価格を決める要素は、オリンピックや消費税増税以外にもさまざまで、2020年以降にマンションの価格がどう変化していくかは誰にも分かりません。「オリンピック後まで待つべき」「金利が低いうちに買うべき」といった意見にとらわれるよりも、そのマンションが自分や家族にとって価値のある物件かどうかが大切なのではないでしょうか。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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