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賃貸と持ち家購入で保険の種類はどう違う?火災保険や団体信用生命保険を解説

保険に加入しておくと、災害や事故といった万が一の事態に遭ったときに心強い味方になります。それでは、賃貸住宅と購入(持ち家)に住んでいる人では、加入する保険は異なるのでしょうか?この記事では、住まいに関する保険について解説します。

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■火災保険とは

住まいの「もしも」を補償するものが、火災保険です。

・火災保険の補償範囲

火災保険とは、火災による損害を補償する保険です。火災以外にも落雷・台風・雪・雹(ひょう)といった自然災害が原因の損害も対象としています。

ただし、地震および津波・噴火が原因で起きた延焼・拡大による火災は補償範囲外のため注意が必要です。これらの火災をカバーするためには、「地震特約」を付帯するか「地震保険」に加入する必要があります。地震保険の詳しい内容は次の章から確認してみましょう。

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■地震保険とは

地震保険は、地震・噴火による建物および家財の損害を補償する保険です。

地震保険の補償例
・地震が原因で家屋が倒壊した・損壊した
・地震が原因で家財が損害を受けた
・地震や噴火が原因起きた火災で家屋が焼けた
・地震によって起きた津波で家屋が流された・浸水した
など

参考:地震保険制度の概要│財務省
https://www.mof.go.jp/financial_system/earthquake_insurance/jisin.htm#1

・地震保険単体では加入できない

地震保険は、必ず火災保険とあわせて契約することになっているため、単体で加入することはできません。

また、地震保険に似た名称の保険に「地震補償保険」があり、こちらは単体で加入することも、ほかの保険とあわせて契約することもできます。地震補償保険とは、自治体により発行される「罹災証明」にもとづき支払われる保険です。保険金の使いみちは限定されておらず、引越し費用・避難費用・当面の生活費などに自由に充てられます。

・賃貸でも保険料控除の対象に

地震保険に支払った保険料は、その年の課税所得金額から必要経費として控除することができます。賃貸住宅・購入(持ち家)のいずれも対象です。保険料額が5万円以下の場合は全額、5万円を超える場合は5万円が控除されます。また、控除を受けられるのは地震保険料のみで、火災保険料は対象とならないので注意しましょう。

地震保険料控除を受けるためには、確定申告の際に申告書に必要事項を記載し、保険料の支払いを証明する書類とともに提出します。給与所得者の場合は、年末調整の際に勤務先に申請することも可能です。

参考:No.1145 地震保険料控除│国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1145.htm

・地震保険の契約件数は増加傾向

近年震災が続いたこともあり、地震保険の加入率は年々増加傾向です。地震保険に加入している世帯の割合は2008年には22.4%でしたが、東日本大震災が起きた2011年より上昇傾向が高まり、2017年には31.2%となっています。

世帯加入率の最も高い県は宮城県の52.1%で、愛知県41.0%、熊本県38.5%、東京都37.0%と続きました。これまでに地震で被災した県や、今後の地震(南海トラフ地震・首都直下地震など)で被害が大きいと予測される都県の加入率が高いことが分かります。

参考:グラフで見る!地震保険統計速報│損害保険料率算出機構
https://www.giroj.or.jp/databank/earthquake.html

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■賃貸住宅の火災保険

それでは、賃貸住宅における火災保険の補償内容やおもな特約の特徴を確認してみましょう。

・家財保険

火災保険の補償の対象は建物と家財(家電や家具など)に分かれており、それぞれ別に契約することも、両方契約することもできます。建物・部屋に対する保険は持ち主である貸主(大家さん)が契約しているため、入居者は家財に対する保険契約を結ぶことになります。

ただし、美術品・宝飾品・骨董品といった、30万円以上する物品については基本的に補償の対象外となります。これらの高額なものを補償対象に加えるためには、申込みの際の申告と保険証書への記載が必要です。補償内容の詳細は保険会社やプランによって異なるので、契約を結ぶ前によく確認しておきましょう。

・借家人賠償責任担保特約

賃貸住宅の一般的な契約では、退去時に室内を借りたときとの同じ状態に戻しておく「原状回復」が義務となっています(経年による自然劣化は対象外)。入居中の事故が原因で室内を破損・汚損してしまった場合、大家さんに対して原状回復の費用を補償する特約が「借家人賠償責任特約」です。火災による損害だけでなく、水漏れによる汚損なども補償の対象となります。

・類焼損害補償特約

民法709条「失火法」では、重大な過失(不注意)や故意(放火)が原因の場合を除き、自分の家から出た火災が近隣に類焼した場合、損害賠償の義務を負わないと定めています。

しかしいくら法律上の責任がないとはいえ、自分が出した火災がご近所に燃え移ったのに何もしないのは後味が悪い…と考える人は多いのではないでしょうか。そこで役立つものが、火災保険に付帯することができる「類焼損害特約」です。自身の住まいから出た火災の類焼による、近隣住宅および家財の損害を補償することができます。

参考:明治三十二年法律第四十号(失火ノ責任ニ関スル法律)│電子政府の総合窓口e-Gov
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=132AC0000000040

・不動産会社での火災保険加入は義務?

不動産会社で賃貸住宅を契約する際、同時に火災保険の契約をすすめられます。「言われるままに契約した」という人も多いのではないでしょうか。しかし、火災保険は不動産会社を通して加入しなければならないという決まりはないため、後日、ほかの保険会社に申し込んでも問題ありません。保険料は高すぎないか、不要な補償内容が含まれていないか等、補償内容をよく確認してから契約を結びましょう。

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■引っ越したら火災保険はどうする?

賃貸住宅を引越しする際、火災保険の契約期間が残っている場合はどうすれば良いのでしょうか?

・賃貸借契約と火災保険は異なる

住宅の賃貸借契約と火災保険はセットではなく別の契約のため、引越し後も保険を継続することができます。保険会社に連絡して、契約内容の変更を申請しましょう。

・引越しのたびに加入し直さなくて大丈夫

火災保険は、引越しのたびに加入し直さなければならないわけではありません。新居がそれまでと同等の住まいであれば、登録内容の変更だけでそのまま契約を継続できることもあります。ただし住まいの専有面積や建物の構造、家族構成等が引越し前と変わる場合は、追加の保険料が必要になる可能性が生じます。

また、引越しを機に加入プランを見直しや、保険会社の乗り換えを検討するのも良いでしょう。火災保険を途中解約する場合、解約返戻金が受けられます(契約期間や支払い方法によっては返戻金がない場合もあります)。ただし解約日をさかのぼって設定することはできないため、退去日が決まったら保険会社に連絡して解約手続きをしておきましょう。早めに手続を行う分には問題ありません。

・新たに加入した場合は解約を忘れずに

火災保険の契約を新たに結んだ際、すでに加入している火災保険があれば忘れずに解約しておきましょう。

資産としての意味合いもある生命保険は、複数の契約を結んでいればそれぞれに保険金が降ります。一方、火災保険は損害によるマイナスを穴埋めしてゼロに戻すことを目的としているため、2つ以上の契約があっても損害額以上の保険料が支払われることはありません。

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■マイホームを購入した場合の火災保険

ここからは、購入した住まい(持ち家)の保険について解説します。

・質権設定とは

住宅ローンを利用してマイホームを購入する際、火災保険契約に対する「質権(しちけん)」の設定を金融機関に求められることがあります。質権とは、保険金が降りたときに、優先的に受け取ることができる権利のこと。通常、火災保険を受け取るのは契約者ですが、質権を設定している場合は金融機関に保険金が支払われ、住宅ローンの返済に充てられます。なお、質権設定により金融機関が受け取れる保険金の上限は、ローン残債と同額です。

・火災保険(建物)の評価基準

火災保険で建物にかける保険金額の評価基準は、「新価」と「時価」に分けることができます。

新価(再調達評価額)

保険をかける建物の新築時の価格です。新価を基準に火災保険に入っておけば、万が一のときに住まいを建て直す(購入する)ことができます。

時価

新築時の価格から、経年による消耗分を差し引いた価格です。支払う保険料を抑えることができますが、築年数が古いほど受け取れる保険金額も低くなります。

中古マンションなどで、新築時の価格がわからない場合には、建物の構造(鉄筋コンクリート造・木造等)、地域、床面積などから算出します。

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■住宅ローン契約にともなう保険「団信」

住宅ローン契約の条件として、「団信(だんしん)」への加入を義務としている金融機関も多いです。

・団体信用生命保険とは

「団信(だんしん)」の正式名称は「団体信用生命保険」で、その名の通り生命保険の一種。契約者の死亡や高度障害を負ったことで住宅ローンの返済ができなくなった場合に、保険金が金融機関に支払われ、ローン残債が完済される仕組みです。団信の保険料は、ローン金利に上乗せして支払うタイプ、ローンとは別途支払うタイプ、金融機関が負担するタイプがあります。

・補償特約付き団信

団信には「補償特約付き」のプランもあります。保険金額が支払われる条件を広げ、補償の内容を手厚くしたものです。特約の種類はおもに「がん」「3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)」「8大疾病(3大疾病+高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)」があります。特約付き団信はプラン名が同じでも金融機関によって補償内容や条件が異なるため、加入を検討する際はきちんと比較しましょう。

・団信のメリット

団信に加入しておけば、契約者に万が一のことが起きても住まいが手元に残ります。収入が途絶えてしまっても、配偶者や子どもが住まいを失う不安がありません。

・団信のデメリット

団信に加入することで、保険料の分、毎月の支払い額が高くなります。金利上乗せするタイプでは、団信のみ途中で解約することはできません。また、持病のある人は、団信に加入できない可能性もあります。

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■保険契約の注意点

最後に、保険契約に関して注意しておきたい点や確認しておきたい点を解説します。

・補償内容に無駄がないか

補償内容を確認し、不要な特約がないか確認してみましょう。例えば、マンションの高層階や高台の家など、洪水や高潮のリスクが低いと判断した場合に水災特約を外すという選択肢もあります。

・契約、補償に重複がないか

複数の保険に加入していると、補償内容が重複していることがあります。火災保険をはじめとした損害保険では、被った損害以上の保険金は降りません。補償内容に重複があれば、どちらかの特約を外す・解約するなど整理しましょう。

・家計に対して負担が大きすぎないか

もしもに備えて補償の充実した保険に入っておけば、大きな安心が得られます。しかし、保険料が毎日の暮らしを圧迫するようでは本末転倒です。家計に対して保険料の負担が大きすぎないか、過剰な保険を掛けていないかを見直す機会も設けてみましょう。

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■まとめ

住まいの保険をご紹介しました。火災保険は賃貸住宅と購入(持ち家)とで、保険の対象が異なります。住宅ローンを利用する際には、団信へ加入する人も多いです。保険会社によりプランや特約の内容が異なるので、よく比較して選びましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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