住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

【新築・中古】×【マンション・戸建て】物件タイプによる違いとは

新築と中古、マンションと戸建てで何を選んだら良いのか、マイホーム探しで迷っていませんか。新築ならではの良さもあれば中古の利点もあり、マンションと戸建てによる違いもあります。そこで、新築マンションと中古マンション、新築戸建てと中古戸建てのそれぞれの違いや、新築と中古に共通する違いについてまとめました。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

CONTENTS

■新築マンションと中古マンションの違い

新築マンションと中古マンションでは、購入に必要な費用の面で大きな違いがあります。また、検討段階で確認できるものや間取りの自由度なども異なる点です。

・購入価格を抑えて資産価値を維持しやすいのは「中古マンション」

まずは、購入価格の違いを国土交通省の「不動産市場マンスリーリポート」から見ていきます。2019年1月の新築マンションの価格は、首都圏の平均価格は5,653万円、平米単価は81.3万円、近畿圏の平均価格は3,756円、平米単価は63.8万円です。一方、2019年1月の中古マンションの首都圏の成約平均価格は3,294万円、成約平米単価は51.46万円、近畿圏の成約平均価格は2,395万円、成約平米単価は34.4万円/㎡でした。平米単価で比較すると、首都圏では中古マンションは新築マンションの約6割程度、近畿圏では5割程度の価格で購入することができるのです。

では、マンションは築年数の経過によって、どの程度価格が下がっていくのでしょうか。東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」のデータから、首都圏の中古マンションの築年数ごとの平均成約価格と平均成約平米単価を見ていきます。築浅の築0~5年は平均成約価格5411万円・平米単価約81万円でした。築10年を過ぎた築11~15年では平均成約価格4,242万円・平米単価約61万円で、平均成約価格で1,000万円以上、平米単価は20万円下がっています。築20年を過ぎた築21~25年は平均成約価格2,528万円・平米単価約39万円で大幅に下がっていますが、その後は築26~30年は平均成約価格1,696万円・平米単価約30万円、築30年以上は平均成約価格1815万円・平米単価約32万円とデータ上は逆転するほど価格が安定しています。

新築マンションよりも中古マンションの方が購入価格を抑えられ、中でも築20年を過ぎたマンションを購入すると、資産価値を維持しやすいのです。

出典:国土交通省|不動産市場動向マンスリーレポート
http://www.mlit.go.jp/common/001278226.pdf
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000114.html

出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201902.pdf

・諸費用は「新築マンション」の方が安め

諸費用の目安は購入価格に対して、新築マンションは3~5%、中古マンションは6~8%が目安とされています。諸費用に差が生じるのは、新築マンションと中古マンションでは発生する費用に違いがあることなどが理由です。

修繕積立金は新築マンションに対してのみ発生しますが、20万円~30万円程度が相場です。一方、中古マンションの多くは、不動産会社の仲介によって販売されるため、仲介手数料がかかり、法律で上限が決められています。購入価格が400万円を超える場合は「購入価格×3%+6万円+消費税」が上限となります 。たとえば、購入価格が3,000万円の場合、仲介手数料の上限は「96万円+消費税」となります。新築マンションで必要な修繕積立金よりも、中古マンションの購入で発生する仲介手数料の方が額が大きいため、諸費用は新築マンションの方が安めです。

・「新築マンション」はモデルルーム、「中古マンション」は現物を見学

新築マンションは完成前に販売を開始する物件が中心です。売れ残った住戸や一部の完成後に売り出す物件を除くと、現物を見ることなく売買契約を結ぶことになります。そのため、販売センターやマンションギャラリーと呼ばれる場所で、モデルルームや模型、展示パネルなどを見て、もしくはパンフレットや図面集などの資料を見て購入を検討することになります。モデル住戸以外の間取りプランの住戸を検討する場合、図面集を見て違いを確認して想像しなければならず、また、家具配置が現実的なものではないケースが少なくありません。

一方、中古マンションは現物を見ることができますので、実際の専有部分や共有部分を見て、日当たりや眺望、周辺環境を確認することが可能です。

・立地の選択肢が多いのは「中古マンション」

新築マンションは、購入を検討している時期に販売されるマンションが検討対象になりますが、希望するエリアでマンションの発売があるとは限りません。通勤先や子どもの通学先などへの交通利便性などをもとに、幅広いエリアで探す必要があります。これに対して、中古マンションは様々な物件が売り出されていますので、立地の選択肢を多く持てます。

・「新築マンション」は契約時期によっては仕様を選べる

中古マンションは基本的に現状での引き渡しとなります。一方、新築マンションのうち、完成前に販売している物件では、建具やフローリング、キッチンや洗面所、ユニットバスなどのカラーを2~3パターン程度から選べる物件もあります。ただし、申し込み期限が決められていますので、契約時期などに注意しましょう。

・リノベーション前提なら「中古マンション」は間取りの自由度が高い

新築マンションは完成前に販売されている物件では、仕様とともにメニュープランから間取りを選べる物件もあります。ただし、リビングの隣室を和室や洋室にする、あるいは部屋を設けずにリビングを拡張とするといった選択肢であり、専有部分全体の間取りを大きく変えられるものではありません。

一方で中古マンションはリノベーションを前提として購入すると、専有部分の間取りは変えることができるため、自由度が高いです。ただし、構造や管理規約による制約があり、物件によって異なります。まず、構造の面では、梁と柱で支えるラーメン構造の物件は間仕切り壁を自由に撤去できますが、壁と床で支える壁式構造の物件では、耐力壁となっている壁は撤去できません。(ラーメン構造と壁式構造の違いについては「ラーメン構造とは?壁式構造との見分け方やメリット・デメリット、違いを詳しく解説」でご紹介しています。)また、水回り設備の位置の移動の自由度は床下のスペースなどによります。管理規約の面では、既存の床材と異なる床材の使用に制限が設けられていたり、水回りの位置の移動が制限されていたりするケースもあるため、不動産会社を通じて管理規約を確認しておきましょう。

・築年数によっては「中古マンション」は耐震性能の確認が必要

建築基準法による耐震基準は、1981年6月を機に大きく改正されました。1981年5月までのものを旧耐震基準、1981年6月以降のものは新耐震基準と呼ばれています。ただし、マンションの完成ではなく、建築確認が下りたタイミングが1981年6月以降の物件が、新耐震基準に基づいたものです。建築確認が下りてもすぐに着工しないケースがあることや、工期として通常、階数+3~5ヶ月程度がかかることを踏まえて、築年数から旧耐震基準による物件の可能性がある場合は、不動産会社に耐震性能について確認しましょう。

・コミュニティを形成していく「新築マンション」と確認できる「中古マンション」

新築マンションは一斉に入居するため、コミュニティに参加しやすいです。一方、中古マンションは、後からコミュニティに参加することになりますが、購入を検討する段階で、管理状態を確認できるというメリットもあります。ゴミ置き場や自転車置き場などがルールを守って使われているか、内見の際に確認しておきましょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■新築戸建てと中古戸建ての違い

新築戸建てと中古戸建ても建物の経年劣化による価格差があります。また、維持費用や建物の性能なども異なる点です。

・購入費用を抑えられるのは「中古戸建て」

国土交通省の「平成29年 住宅市場動向調査」から、マイホームを初めて購入した一次取得層の平均の購入価格を比較していきます。新築注文住宅は4,082万円、新築分譲戸建ては3,750万円ですが、中古戸建ては2,732万円です。新築と中古では1,000万円以上の差があります。

また、購入時の諸経費で差が出るのは仲介手数料の発生の有無ですが、販売形態によって異なります。新築分譲戸建ては売主直売、販売代理、仲介の3パターンがあり、中古戸建ては個人が売主の物件が多く、仲介が中心です。たとえば、中古戸建てを2,700万円で購入して仲介手数料が87万円(+消費税)であったとします。購入価格の差を踏まえると、仲介手数料がかからない販売形態の新築分譲戸建てよりも、購入費用を抑えられるでしょう。

出典:国土交通省「平成29年 住宅市場動向調査」
https://www.mlit.go.jp/common/001287440.pdf
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000129.html

・維持費用を抑えられるのは「新築戸建て」

中古戸建ては、新築よりも内外装材や設備などの修繕や交換が必要になる時期を早く迎えることになるため、維持費用がかかります。また、築年数の経過した中古戸建ては、新築戸建てや築浅の中古戸建てと比較して断熱工事が不十分なケースが多く、冷暖房のための光熱費がかさむことも考えられます。

一方、新築戸建ての場合、入居から数年は修繕費用がかかることは少ないため、維持費用を抑えられます。また、断熱性の違いや省エネに配慮された最新の設備が導入されていることなどから、光熱費などのランニングコストも抑えられるでしょう。

・「新築戸建て」は契約時期によっては設計変更が可能なケースも

新築戸建てのうち新築分譲戸建ては既にでき上がっている物件を購入するため、何も変えられないというイメージがあるかもしれません。しかし、新築分譲戸建てでもまだ着工していない、あるいは着工して間もない時期であれば、軽微な設計変更であれば受け付けている物件も少なからずあります。ただし、販売している段階で建築確認は既に下りているため、建築確認の出し直しが必要ない程度の変更に限られます。たとえば、和室を洋室にする、将来的に2室に仕切れるように設計された子ども部屋を始めから仕切っておくといったケースです。

また、売買契約を結ぶ時期によっては、外壁、床材や壁紙、キッチンの扉材などの仕様を選べる物件も見られます。

・「中古戸建て」は2000年以前に着工した物件は耐震性能を確認

木造の中古戸建ては、旧耐震基準から新耐震基準へと変わる1981年6月の建築基準法改正に加えて、2000年6月の改正も耐震性能に大きく影響しています。まず、地耐力に合わせた基礎が規定されたことで、実質的に地盤調査の実施が必須となりました。また、柱が基礎や梁から抜けてしまうのを防ぐために、使用する金物の種類が規定されています。さらに、壁配置のバランス計算も必須となりました。新耐震基準の木造住宅であっても、2000年以前に着工した物件は耐震診断のうえ、必要に応じて耐震補強工事を実施することが望ましいです。

・「中古戸建て」はリノベーションで新築に性能を近づけられる

中古戸建ての中でも築年数の経過した物件は、性能の面で新築戸建てに劣るケースが多いです。しかし、設備の交換だけではなく、断熱材の追加、断熱サッシや複層ガラスへの交換を行うことで、断熱性能を向上させることは可能です。リノベーションで住宅の基本性能を向上させることもできるのです。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■新築と中古でマンション・戸建てに共通した違い

新築と中古の特徴の中には、マンションと戸建てに共通したものもあります。税制面や保証などの面から、新築と中古の違いを見ていきます。

・「新築」の方が住宅ローン控除の条件が少ない

住宅ローン控除を利用する際の条件は、新築と中古に共通する条件に加えて、中古は耐震性能に関する条件があります。共通する条件以外に2つの条件のいずれかを満たしていれば、中古でも住宅ローン控除を利用することが可能です。

1つ目は築年数に関する規定で、マンションなどRC造やSRC造の耐火建築は築25年以内、木造など耐火建築物以外は築20年以内であることです。つまり、この築年数の条件に合致しない場合に、2つ目の条件を満たさなければ、住宅ローン控除を利用することが原則としてできません。2つ目は耐震基準の証明に関するもので、耐震基準適合証明書の取得、住宅性能評価書で耐震等級1以上の取得、既存住宅売買瑕疵保険への加入のいずれかを満たせることが必要です。

国税庁|No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm

国税庁|No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1214.htm

・ローンを借りやすいのは「新築」

新築物件と中古物件では、建物の担保価値が認められるのは新築の方です。そのため、新築は中古よりも金利などの借入条件が中古よりも有利なケースが多いです。また、中古物件の場合、金融機関が設定する担保価値と購入価格に差があり、フルローンを借りることが難しいケースもあります。

・「新築」の方が税制優遇を受けられる

新築物件と中古物件では、新築の方が税制上の優遇を受けることができます。登録免許税は建物の登記に関して要件を満たしていると、2020年3月31日まで優遇税率の適用を受けることができます。新築物件の場合、建物の保存登記の登録免許税は、「建物分の固定資産評価額×0.15%」になります。中古物件の場合には所有権移転登記が必要ですが、「建物分の固定資産評価額×0.3%」です。

また、不動産取得税も建物部分に関しての優遇が設けられています。新築物件の場合、課税評価額となる固定資産税評価額から1,200万円の控除を受けられますが、中古物件の場合は築年数によります。

国税庁|No.7191 登録免許税の税額表
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

東京都主税局|不動産取得税、固定資産税(土地・家屋・償却資産)・都市計画税(23区内)に関する軽減制度
http://www.tax.metro.tokyo.jp/common/genmen.html#kei03

・保証の面では「新築」が有利

また、民法では瑕疵担保責任を負う期間を買主が瑕疵を発見してから、1年間とされ、住まい全体にも適用されます。しかし、買主と売主の合意により、瑕疵担保期間を短く設定することが可能です。ただし、売主が宅建業者である不動産会社の場合は、2年以上の瑕疵担保責任期間をとることが義務付けられています。実際のところは中古は個人が売主の物件が多いため、瑕疵担保責任を2~3ヶ月、あるいは瑕疵担保責任を負わないとする契約とするケースが多く、中古物件は保証の面では不利です。

・「中古」はエアコンなどがついていることもある

新築物件の場合は各居室の照明器具やエアコンは別途購入しなければなりません。中古物件の場合は、こうした付帯設備がついた状態で販売されるケースがあり、費用を抑えられます。

・設備の違いは築年数による

設備の違いは、新築と中古というよりも築年数によるため、新築と築浅の中古物件では大きな違いはありません。ただし、築10年を超えると設置されている設備に古さを感じる可能性があります。また、一般的な新築マンションや新築分譲戸建てには、最新の設備が導入されているとは限らず、物件のグレードにもよります。

・「中古」は修繕費用がかかるが、リノベ済み物件もある

中古物件は状態に応じて修繕費用が必要です。一般的に築5年程度までは新築に近い状態で、築10年を過ぎると傷みが目立つようになります。たとえば、築15年程度の物件では壁紙の張り替えなどを行う必要があるケースが多く、給湯器、洗面台やユニットバスの交換も実施することが多いです。中古戸建ての場合は、外壁の塗装や屋根の修繕の費用も見ておくことが必要になります。

また、修繕を行うには工事完了までに時間を要することも考慮に入れておくべき点です。リフォームやリノベーションには、工事開始前の見積もりやプランニングが必要なため、工事規模によって、1ヶ月強から半年程度かかります。すぐに中古物件に住みたい場合は、リノベーション済の物件を探すと良いでしょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■まとめ

新築と中古、マンションと戸建てそれぞれにメリットとデメリットがあり、どれが良いとは一概にいえません。ただし、資産価値の面から見ると、価格を維持しやすいのは中古です。リノベーション前提で中古を購入する場合、リノベーション会社に相談しながら、リノベに向いた物件を探していくと良いでしょう。
新築と中古では価格面などで中古が有利ですが、物件の状態に不安を感じるかもしれません。ホームインスペクションを利用すると、住まいの状態や修繕が必要な箇所を把握することができます。ホームインスペクションを利用するには、不動産会社を通じて売主の許可が必要ですが、上手に活用してマイホームを選びましょう。

編集者: マイリノジャーナル編集部
お探しの情報が見つかります