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キャットウォークをリフォームで設置する費用はいくら?猫と暮らす家にするには?

キャットウォークをリフォームで設置する費用はいくら?猫と暮らす家にするには?

もふもふの毛並みと大きな瞳の猫との暮らしは、毎日を特別なものにしてくれます。そんな愛猫家の憧れといえば、キャットウォークのある住まい。リフォームでキャットウォークを設置するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?この記事では、キャットウォークの設置に関する情報や、猫と暮らす住まいづくりのポイント、リフォーム実例を解説します。

こんな方におすすめの記事です
  • キャットウォークのある家にリフォームしたい
  • キャットウォークづくりのポイントを知りたい
  • キャットウォークを設置する費用を知りたい

CONTENTS

■キャットウォークの基本とは

キャットウォークの基本とは

・キャットウォークとは

キャットウォークとは、直訳すると「猫の通路」です。一般住宅でキャットウォークといえば、ペットの猫が室内を自由に移動することを目的として、天井付近に固定した棚板や吊り橋状の細い通路を指します。最近は高所の通路に限らず、猫のために壁や天井に設けた設備全般をキャットウォークと呼ぶことも多いようです。柱状のものはキャットタワーと呼ばれ、キャットタワーとキャットウォークを組み合わせることもあります。

建築用語でキャットウォークといえば、体育館や舞台で天井から吊り下げられている点検用通路や、工事現場などで高所の足場に設けた通路のことを指します。また、ファッションショーでモデルが歩く細い舞台をキャットウォークと呼ぶこともあります。いずれも「高い場所にある細い通路」であることが共通です。

・猫が喜ぶ理由

猫の祖先は半砂漠や森林地帯に暮らしていたとされており、身体がしなやかでジャンプ力が高く、木登りが得意です。加えて、待ち伏せ型の狩りをしていた動物であることから、高い場所から空間を広く見渡すことが本能的に好きです。また、縄張り意識の延長から、室内をすみずみまでパトロールしたり、窓の外を長時間眺めたりもします。バランス感覚に優れているため、細い通路も踏み外すことなく歩くことができ、高い場所でそのまま眠ったりすることも多いです。

このような理由から、キャットウォークには猫の本能を刺激する要素が詰まっているといえます。住まいにキャットウォークを設けてあげれば、愛猫の暮らしがより充実したものになるでしょう。

■リフォームでのキャットウォーク設置費用

キャットウォークを設置するリフォームには、どれくらいの費用が掛かるのでしょうか?費用を決めるおもな要素を解説します。

リフォームでのキャットウォーク設置費用

・費用を左右する要素

●素材

キャットウォークの素材には、木材やプラスチック類が使用されることが多く、インテリアの雰囲気や予算に合わせて選ぶことになります。ただし見た目や価格だけではなく、十分な強度を持ち、長く使用できる素材を選ぶことが大切です。

キャットウォークに木材を使用する場合は、樹種によって大きく材料費が変わってきます。例えば高級家具にも使用されるチークやウォールナットなどの木材は仕上がりが美しく強度も高いですが、価格も高額になります。集成材や合板を選ぶと、コストを抑えることが可能です。

・無垢材…木からまるごと切り出した木材。木そのものの質感を楽しむことができ、耐久性が高い。
・集成材…ある程度の厚さ・幅のある木材を接着剤で固定した素材。無垢材に比べて伸縮や歪みが少なく、コストが抑えられる。
・合板…樹脂や木の薄い板を重ねて張り合わせた素材。軽量で加工しやすく、低コスト。

●規模

キャットウォークを設置するリフォーム費用は、工事の規模により大きく変わってきます。例えば壁の一部に棚板を設けるだけであれば、費用を大幅に抑えることができますし、部屋中にキャットウォークを張り巡らせるのであれば、その分コストは上がるでしょう。費用の内訳としては、棚板の材料費・設置費用のほか、壁や天井の強度を確保するための下地補強、クロスの張り替え費用が加算されることになります。

そのほか、壁に穴を開けて猫が出入りできるようにしたり、ハンモックやベッド、爪とぎポールなどを設けたりする場合も費用がプラスされます。

・費用の目安と予算の立て方

キャットウォークの設置費用は、使用する素材や規模によって大きく変わります。一部屋にシンプルなキャットウォークを設けるリフォームなら、5〜10万円ほどを見込むと良いでしょう。壁に穴を開けて猫が出入りできるようにしたり、複数の部屋をまたぐようにキャットウォークを設けたりと、大規模なリフォームを行う場合は20万円を超える場合もあります。

もしキャットウォーク以外の場所のリフォームも検討している場合は、できるだけまとめて実施するのがおすすめです。リフォームの範囲が広がるため費用は高くなりますが、工事を別々に行うよりも割安になります。

■キャットウォーク設置時の安全性と快適性の確保

キャットウォークを設置する際にもっとも大切なことは、猫が安全で快適に過ごせる環境を整えることです。設置の際に注意したいポイントを確認してみましょう。

・安全性への配慮

●動線は行き止まりなく

キャットウォークを設計する際は、行き止まりのない動線を確保するのがおすすめです。高所で行き止まりになっていると、そこから無理に飛び降りてトラブルになる場合があります。特に複数の猫を飼っている場合は、キャットウォーク上で猫同士の小競り合いが起きたときに、片方が逃げるルートがあると安心です。また、すれ違えるように幅を30cm以上確保すると、猫同士のストレスを避けやすくなります。

●高齢になっても安全に使えるように

健康な成猫は高さ2mほどの壁を掛け上がるほどの運動能力を発揮することも珍しくありませんが、年齢を重ねるとともに空間認知能力や運動能力が低下していくものです。また、生まれつきの個性として運動能力があまり高くない猫もいます。そのため、キャットウォークの棚板の高さや距離が離れすぎていると、踏み外したり、飛び乗れなくなったりする可能性があります。猫の運動能力を過信せずに、無理なく移動できる動線を考えて設計しましょう。

●壁や天井にしっかり固定する

猫の安全を守るために、キャットウォークを壁や天井にしっかりと固定することが重要です。勢いよく飛び乗ったり飛び降りたりする際には、猫の体重の何倍もの負荷が掛かります。もし壁や天井の下地が入っていない場所にキャットウォークを設置すると、棚板の揺れや落下の原因になるため、特にDIYで設置する場合は注意しましょう。キャットウォークに破損やがたつきなどがないか、定期的に点検することも大切です。

●照明との位置関係にも注意

キャットウォークの配置によってはペンダントライトやシーリングファンなどに猫が飛び乗ろうとする可能性もあります。思わぬ事故を防ぐために、これらの設備に近くなりすぎないように設計しましょう。

・快適性を高める工夫

●窓辺の設計

猫は外を眺めるのが大好きです。キャットウォークを窓の近くに設置することで、景色をのんびり楽しむ場所を提供できます。

●日向ぼっこスポットの設置

自然光が差し込む場所にキャットウォークを設けると、日向ぼっこを楽しむことができ、猫の快適な休憩場所になります。

●アクセサリーの追加

キャットウォークにつめとぎやベッド・ハンモックなどを設けてあげるのもおすすめです。猫の遊び心を刺激する快適な場所が増えますし、つめとぎを多く設置することで大切な家具がボロボロになる可能性が減ります。

●メンテナンス性も重要

猫の快適性はもちろんですが、飼い主にとっての使いやすさも大切です。キャットウォークに溜まったホコリや抜け毛を取り除くことができるよう、すみずみまで掃除道具が届くかどうかを考慮しましょう。吹き抜けなどで高すぎる場所に設置すると、メンテナンスが行き届かなくなってしまいます。

また、猫は嘔吐や吐き戻しをしやすい動物のため、棚板は水拭きできる素材を選ぶと安心です。また、キャットウォークのある部屋の壁材は、防臭・調湿機能のあるもの(エコカラットなど)がおすすめです。

■キャットウォーク設置時場所の候補

キャットウォークを設置する場所は、猫の好みや家族のライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。以下にいくつかの候補を挙げ、それぞれの特徴を解説します。

・キャットウォーク設置場所の候補:リビング

人と猫が一緒にくつろぐ空間として、リビングがキャットウォークの設置場所の第一候補に選ばれることが多いです。複数の部屋にキャットウォークを設置する場合も、リビングを起点としてほかの空間に展開していくのも良いでしょう。飼い主さんにとっても長い時間を過ごす場所なので、人と猫の動線がぶつからないように設計することが大切です。

・キャットウォーク設置場所の候補:廊下

居室内だけでなく、廊下にキャットウォークを設けても便利です。猫専用の出入り口とセットで設置することで、家の中を自由に行き来できるようになります。例えば、リビングから猫トイレへ直行したり、ちょっと苦手なお客さんが来たときにこっそり避難したりすることができたりします。

・キャットウォーク設置場所の候補:寝室

寝室にキャットウォークを設置する場合は、猫が夜中に活動的になりやすいことを考慮する必要があります。深夜に猫が運動会を始めると、飼い主さんの睡眠が妨げられる可能性があるため、猫の性格や家族のライフスタイルに応じて慎重に検討しましょう。

・キャットウォーク設置場所の候補:猫専用部屋

家の広さに余裕がある場合、キャットウォークのある猫専用部屋を設けるのもひとつの方法です。猫が自由に過ごせる空間を確保することで、リラックスした環境を作り出せます。また、病気やケガをしたときなどの隔離部屋としても機能させることが可能です。

■リフォームに適したキャットウォークのデザインと素材

・人気のデザインとトレンド

●インテリアと調和させる

近年愛猫との暮らしに合わせたリフォームをする飼い主さんが増え、キャットウォークも大きく進化を遂げました。単なる機能性だけでなく、デザイン性に優れたリフォーム事例が多くなっています。インテリアと調和する色や素材を選ぶことで、部屋全体の雰囲気を高められます。

●市販品と造作を組み合わせる

大工さんがイチから造作するオーダーメイドなら、住まいにぴったりとフィットするキャットウォークを設けることが可能です。また、市販のキャットウォークもデザイン性に優れた製品が増えています。気に入った市販品があれば、造作と組み合わせることで、理想のキャットウォークを実現しやすくなります。

●透明な素材を取り入れる

キャットウォークの一部にアクリルなどの透明素材を使用すると、スタイリッシュな印象になります。また、裏側からかわいい肉球の様子を眺めることができ、愛猫家にはたまりません。

・素材選びのポイント

キャットウォークの素材は、耐久性があり足が滑りにくい木材がおすすめです。また、棚板の一部にパイルや麻紐を巻いてつめとぎスペースを設ける場合は、ぼろぼろになったり汚れたりしたときに備えて、簡単に交換できる造りにしておくと便利です。

■猫と暮らすための家づくりのコツ

猫との暮らしを快適なものにするためには、キャットウォーク以外にも考慮すべき家づくりのコツがあります。

・キャットウォーク以外に考慮すべき点

●独立した部屋の確保

近年は開放的な間取りが人気ですが、ドアを閉めて独立させることができる部屋を確保しておくのがおすすめです。これは、病気などでほかの猫から隔離する必要がある際や、ガスの点検などで外部の人が訪れる際に特に役立ちます。器用な猫はドアや引き戸を開けることができる場合もあるので、簡易な鍵の設置も検討しましょう。

●猫にもおこもり空間を

猫も時には飼い主さんから離れて過ごしたいと感じることがあります。そのため、こもって休める場所を作ってあげると安心です。

●猫用品専用の収納をつくる

猫用品をまとめて収納できる場所を作ると便利です。猫砂やキャットフードの買い置きを管理しやすく、急いで動物病院へ連れて行く必要が生じた場合もキャリー類などをすぐに出すことができます。特に食いしん坊な猫はフードのストックを荒らすこともあるため、猫が開けられない場所にしっかりとしまうことが望ましいです。

・猫の行動を考慮した家の改善点

●高さを意識した動線

猫の生活はそれほど広さを必要としませんが、そのぶん高さを意識した動線設計がポイントになります。壁棚やキャットウォークを上手に配置しましょう。

●猫の気まぐれを受け入れる

猫はとても気まぐれな生き物です。せっかく猫用の設備を設けても残念ながら必ず使ってくれるとは限りません。しばらく見向きもしなかったのに突然使い始めることもあるので、長い目で見てあげましょう。

■キャットウォークを使った事例

フルリフォームでキャットウォークを設けた住まい実例をご紹介します。田園調布動物病院の日向院長監修による、猫との暮らしのためのリノベーションプラン「マイリノペットforねこ」で実現した住まいです。

LDKの天井に設けた、キャットウォーク

LDKの天井に設けた、キャットウォーク。壁のキャットステップから無理なく上ることができます。ナチュラルブラウンの家具と色味を揃えているため、インテリアに溶けこんでいます。壁面には消臭・調湿機能のある自然素材の塗り壁を採用しました。

窓際に設けたキャットステップは、キャットウォークにつながるように動線を設計

窓際に設けたキャットステップは、キャットウォークにつながるように動線を設計。また、カーテンのようによじ登ることができないプリーツスクリーンを採用していたずらを防止しています。

猫がくつろぐ様子を下から眺めることができる、格子のキャットウォーク

猫がくつろぐ様子を下から眺めることができる、格子のキャットウォーク。すき間から手を伸ばし、飼い主さんと猫じゃらしで遊ぶこともできます。

猫トイレのある洗面室には、いつでも自由に行き来ができるように猫専用の出入り口を設けました。

猫トイレのある洗面室には、いつでも自由に行き来ができるように猫専用の出入り口を設けました。

このリノベーション事例を詳しく見たい方はこちら

マイリノペットforねこ

■まとめ:キャットウォークで猫と快適に暮らす

猫との暮らしをもっと快適にするなら、キャットウォークを設置するリフォームがおすすめです。猫の探検心をくすぐり、楽しく健康的な生活をサポートすることができますし、デザイン性にこだわればインテリアに美しく溶け込みます。猫に特化した安全性と心地よさを実現するためには、専門家のアドバイスを受けたり、経験豊かなリフォーム会社へ相談したりすると安心です。キャットウォークの設置だけでなく、住まい全体を猫と人がともに暮らしやすいように生まれ変わらせることもできます。

■キャットウォークを活用したリノベーションにご興味あればグローバルベイスへ

住み替えをお考えなら、猫も人もより快適に暮らせる住まいにリフォームしませんか?グローバルベイスでは、動物病院院長監修によるリノベーションプラン「マイリノペットforねこ」をご提供。ワンストップサービスのため、中古物件探しから資金計画、リノベーションプランの作成まで、ひとつの窓口でご相談いただけます。無料セミナーや個別相談も実施していますので、お気軽にご相談ください。

編集者: 山口美智子

ウェブデザイナーを経て2014年よりフリーライターに。おもに住まいに関する記事を執筆しています。猫が大好きで、自宅のDIYリフォームが趣味。
監修者:原田 直生之
宅地建物取引士の有資格者。

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