梁(はり)とは?種類や建築上の役割、梁を活かしたリノベーション事例を紹介!

梁(はり)とは?種類や建築上の役割、梁を活かしたリノベーション事例を紹介!

梁が目立つ古い日本家屋や、中古マンション。立地や広さは理想的でも「梁が邪魔になるのでは?」と購入を躊躇する方もいるかもしれません。しかし、梁は活用方法しだいで空間に個性と魅力を与えることもあります。今回は、梁の基本知識から、梁を活かした素敵なリノベーション事例まで幅広くご紹介します。梁が目立つ物件の購入やリノベーションを検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。

こんな方におすすめの記事です
  • 建築や住宅構造に興味がある方
  • 梁が目立つ物件の購入を考えているが、どう活用すればいいか悩んでいる方
  • リノベーションを検討中で、既存の建築要素を活かしたデザインを探している方

■梁(はり)とは?

梁とは、屋根や床を支える構造部材のこと。地面に対して水平方向に設置されます。使用される材料は木材、鉄筋コンクリート、鉄骨などさまざまです。

一般的な木造戸建て住宅では、天井裏に見えないように梁が設置されることがほとんど。しかし古い日本家屋では、天井を貼らずに梁が剥き出しになっていることも少なくありません。また築浅の住居でも、吹き抜けなどあえて梁を見せた設計で、梁をデザインの一部として取り入れることもあります。

鉄筋コンクリート造のマンションでは、梁はあまり邪魔にならない四隅の壁の近くに計画されることが多いでしょう。しかし、大空間やイレギュラーな間取りの場合、梁が部屋の中央などに出ることも。梁が邪魔だからといって抜くことはできないため、あえて目立たせてアクセントとして設計されることもあります。

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■梁(はり)と桁の違いは?

梁と混同しやすい部材に「桁(けた)」があります。どちらも建物に水平に設置される部材ですが、設置場所や役割が異なります。

「桁」とは、屋根の一番高いところに架ける「棟木(むなぎ)」と平行に渡す部材。桁の上には屋根材を載せる「垂木(たるき)」という部材が架かり、屋根からの負荷を分散しています。 一方、「梁」は、棟木や桁と直交するように柱から柱へと架けられ、屋根や二階の床などの荷重を柱へと伝えます。

項目梁(はり)桁(けた)
設置場所棟木と直交して渡す(大梁)
(建物の短辺)
棟木と平行に渡す
(建物の長辺)
役割屋根・天井・床などの荷重を柱に伝える垂木を支え、屋根からの負荷を分散する

ちなみに「桁」は、主に木造建築物で使われる用語です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造など他の構造においては、一般的に「梁」という呼称が用いられます。

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■梁(はり)と柱(はしら)の違いは?

次に、梁と「柱(はしら)」の違いについても押さえておきましょう。

梁と柱で大きく異なるのは、設置する方向。梁は地面と水平に設置されるのに対し、柱は地面に対して垂直に立てられます。

設置方向が違うということは、もちろん役割も異なります。柱の役割は、梁や桁などから伝わった荷重を、下部の土台や基礎まで伝達することです。地震や風などによる横揺れに抵抗するためにも必要となります。

項目梁(はり)柱(はしら)
設置方向水平方向垂直方向
役割屋根・天井・床などの荷重を柱に伝える建物に加わった荷重を土台や基礎に伝える
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■梁の種類や役割とその特徴

梁と一口にいっても、実はさまざまな種類があります。最も重要な役割を果たすのが、垂直に建てられた柱と柱をつなぐ「大梁(おおばり)」。そして大梁と大梁をつなぐのが「小梁(こばり)」です。

また使用箇所によっても、呼称が使い分けられます。小屋組(屋根を支える骨組み)の一番下に用いるのが「小屋梁(こやばり)」、床組み(床を支える骨組み)に用いるのが「床梁(ゆかばり)」、基礎に用いるのが「基礎梁(きそばり)です。

では梁の役割についても詳しく見ていきましょう。

・垂直方向の荷重を支える役割

梁のメインの役割は、上からかかる力に抵抗すること。屋根材など建物自体の重さ、上階の床にかかる人や家具の重さなど、梁にはさまざまな荷重がかかります。梁にかかった荷重は、柱を通して土台、基礎、地盤へと伝わり、建物を支えています。

・水平方向の荷重を支える役割

梁のもう一つの重要な役割が、地震や強風など横向きにかかる力に抵抗すること。建物が横揺れしたときに、梁が柱を補助しながら抵抗し、建物の負担を抑えています。ちなみに水平方向の荷重を支えるのは柱に直接つながっている大梁のみで、小梁は垂直方向の荷重のみを支えています。

・空間の仕切りやシンボルとしての役割

邪魔もの扱いされがちな梁ですが、アイデア次第で空間を魅力的に見せる役割も果たします。例えばリビングとダイニングの間に大きな梁を露出すれば、開放感は損なわずに緩やかなゾーニングができるでしょう。コンクリート梁でインダストリアルな印象を与えたり、木材を貼って下がり天井のように見せたりと、さまざまな活用法があります。

・内部設備の取付け先としての役割

部屋の中央を横切る梁は、照明やエアコン、音響設備などの設備の取付け先として活用されることもあります。例えば、梁にダクトレールを取り付ければ、スポットライトやペンダントライトなどをレール上で自由に組み合せたり、スピーカーやプロジェクターを吊り下げたりすることもできます。

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■梁(はり)に適した木材は?

木材を大きく分類すると「広葉樹」「針葉樹」の2種類。構造体には強度が必要なので、梁にも硬さのある針葉樹がよく使われます。

樹種によっても強度は異なり、圧縮強度が高いものは柱に、曲げへの強度が高いものは梁に向いています。曲げへの強度とコストパフォーマンスを考えたとき、よく採用されるのがベイマツ・杉・カラマツ・レッドウッドなどです。
なお、梁は高い位置に設置されるため、柱や土台に比べるとシロアリのリスクは低め。耐蟻牲が弱めの素材が採用されることも多いです。

また、梁を隠すのか見せるのかによっても、選ぶ素材は変わってきます。天井に隠れるのであれば集成材の方がコストを抑えられ、強度も安定しているでしょう。一方で梁をデザインの一部として扱うために、見栄えのよい無垢材を使うこともあります。

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■梁(はり)を活かしたリノベーション事例

では最後に、梁をうまく活かしたグローバルベイスのリノベーション事例をご紹介します。

・事例①コンクリートの梁でつくったインダストリアルな空間

事例①コンクリートの梁でつくったインダストリアルな空間

当初はリノベーションにおける難点だった天井の梁の出っ張り。逆に梁を活かすような間接照明を取り入れて、インダストリアルな空間演出をしました。趣味の映画鑑賞のために大きなスクリーンを設置していますが、そのバーが剥き出しになっていても違和感がない無骨でかっこいいスタイルです。

→こちらのリノベーション事例を詳しく見る

・事例②梁に木目柄クロスを貼ってアクセントに

事例②梁に木目柄クロスを貼ってアクセントに
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=12

海外インテリアを参考にして、黒と濃紺で落ち着きある空間にリノベーションした事例です。部屋の隅に出っ張っている梁には木目柄クロスを貼ることで、まるで下がり壁のようなおしゃれなアクセントになりました。

→こちらのリノベーション事例を詳しく見る

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■まとめ

梁は建築構造において、屋根や床を支え、地震や風の力にも抵抗する重要な部材です。構造上の機能だけでなく、空間デザインのアクセントとしても活用できます。梁を隠すか見せるかによって部屋の雰囲気も大きく変わるので、リノベーションの際には梁をどう取り扱うのか設計士とよく相談してみましょう。

■梁(はり)を活かしたリノベーションをご検討ならグローバルベイスへ

梁を活かしたリノベーションに興味をお持ちの方は、ぜひグローバルベイスにご相談ください。既存の建築要素を活かしながら、お客様のご予算や好みに合わせた魅力的な空間づくりをご提案いたします。梁を活かしたリノベーションで、あなたの住まいをより魅力的で快適な空間に生まれ変わらせましょう。

執筆者情報マイリノジャーナル編集部
■ 編集者:村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!
建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

■ 監修者:原田 直生之

宅地建物取引士の有資格者

→詳しいプロフィール
編集者: 村田日菜子

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