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玄関の「上がり框」の必要性や高さの目安は?おしゃれな施工事例4選

玄関の上がり框(かまち)は注目されることが少ない場所かもしれません。しかし、上がり框のデザインは玄関の印象を左右し、高さは使い勝手に影響します。とはいえ、最近では上がり框を設けないケースもみられます。そこで、上がり框の必要性や高さの目安、素材などについて解説したうえで、おしゃれな施工事例を紹介していきます。

こんな方におすすめの記事です
  • 上がり框の適切な素材や高さについて知りたい方
  • リノベーションで上がり框は設けるべきか悩んでいる方
  • 上がり框のおしゃれな施工事例を探している方

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■そもそも「上がり框」とは?

上がり框は玄関框とも呼ばれ、玄関の土間とホールの段差の上端に、フローリングなどの床材の断面を隠すために取り付けれる横木をいいます。日本では玄関で靴を脱ぐ習慣がありますが、靴を脱ぐ場所となるのは上がり框の手前です。

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■上がり框が必要な理由や役割は?

上がり框は単にホールの床材の断面を隠しているだけではなく、日本の住宅で様々な役割を持っています。

・家の外と内の境界線

上がり框は靴を脱いだり、靴を履いたりするときの堺として、家の外と内の空間を分ける境界線となるものです。外から帰ったときには、靴を脱いで上がり框の段差をまたいで、家に上がります。そんな上がり框は住まいや玄関の顔ともなるものであるため、高級な素材が用いられることもあります。

・コミュニケーションの場

最近はマンションなどで低い上がり框が設置されることも少なくありませんが、従来の日本の住宅の上がり框は高さがあり、来客があった際に腰をかけて話すことができます。上がり框は家に上がって話すほどではない、ちょっとした用事で訪れた来客とのコミュニケーションの場としても使われています。

・靴の脱ぎ履きで座る場所

高さのある上がり框は、靴を脱ぎ履きするときに座ることができます。特に家族に高齢者がいる場合やブーツを脱ぎ履きする際に便利です。

・一時的な荷物置き場

上がり框は、買い物から帰ったときや旅行に行くとき、あるいは戸建てで庭でガーデニングをするときなど、一時的な荷物置き場としても用いられています。

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■上がり框のデザインの種類

上がり框で一般的なのは直線状の「ストレートタイプ」ですが、リノベーションでは多様な形状のものが設置されています。

曲線状の「カープタイプ」や「斜めラインタイプ」はいずれも、土間部分を広く開放感のある雰囲気に見せることができます。特に「斜めラインタイプは、限られたスペースで上がり框を長くとれるというメリットもあります。どちらもおしゃれに見えるデザインですが、「カーブタイプ」はやさしい雰囲気を醸し出し、「斜めラインタイプ」は、スタイリッシュな印象を与えることも特徴です。このほかによくあるのは、「L字型」や「コの字型」の形状です。

また、上がり框に幅や厚みがあると風格が感じられますが、最近はあえて幅を薄くしたモダンなデザインとされることもあります。

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■上がり框に使われる主な素材は?

上がり框に用いられることが多い素材は、木材と石材、タイルです。上がり框は玄関の土間とホールのいずれかの床材と同じ素材を用いるケースが多いですが、あえて異素材を使うとアクセントになります。

・木材

木材は上がり框の定番といえる素材です。樹種によっては高級感が感じられ、温もりある雰囲気もつくれます。

木材の上がり框は、ホールのフローリングと同じ樹種を使うケースが多いですが、樹種を変えることもあります。フローリングの木目の模様が目立つ場合は、木目が目立たない樹種の框を組み合わせると、すっきりと見えます。

また、建築用建材に使われる木材には広葉樹と針葉樹がありますが、上がり框に向いているのは広葉樹です。広葉樹は硬くて耐久性が高く、キズがつきにくいのが特徴です。上がり框に使われる樹種で、高級感のある銘木として従来から人気があるのは、ケヤキやカバザクラ、ニレ、タモといった木目の美しい樹種です。また、ブラックウォールナットやオーク、メープルなどの樹種も上がり框に使われています。

・石材

石材は高級感がある素材であり、上がり框に用いると格調高い雰囲気になります。上がり框に使われる石材として一般的なのは大理石と御影石です。上がり框が大理石の場合、土間の部分にも大理石が使用されていることが多いです。一方、上がり框が御影石の場合も、土間にも御影石が使用されることが多いですが、ホールの床材はフローリング、土間の床材はタイルといったケースなどで、素材を変えて使われることもあります。

・タイル

床用タイルの一部は上がり框の部材が展開されているため、土間と同じタイルで仕上げることができます。また、昨今、人気がある素材のモザイクタイルは、上がり框にも使われることがあります。

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■上がり框の適切な高さは?

従来は戸建ての上がり框は30cm程度が一般的でした。しかし、30cmという高さは階段の一段分よりも高いため、昇り降りの負担が大きいです。一方で、上がり框の高さを1~2cm程度とすると、靴の裏についた汚れが室内に入りやすいというデメリットがあります。また、家族に高齢者がいる場合、上がり框が低い方が昇り降りの負担が軽減される反面、座って靴の脱ぎ履きがしにくいことが問題になることがあります。こうした理由から、最近では戸建ての上がり框の高さは15~17cm程度とするのが主流となっています。

それから、これまでの住まいの上がり框の高さによっても、適した高さは異なります。新築マンションの上がり框は5cm程度が一般的です。マンションの低い上がり框に慣れている人は、15cm程度の高さでも、高く感じる可能性があります。

それから、上がり框の高さは見た目の印象も左右します。上り框が低い場合は、土間とホールが緩やかに仕切られます。一方、上がり框に高さがあると、明確に土間とホールが仕切られ、メリハリのある空間になります。

上がり框の高さには明確な基準はありませんので、使い勝手を重視したうえで、デザイン面も考慮して決めましょう。

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■上がり框がない玄関もある?

日本の住宅の玄関は、従来は土間とホールは上がり框による段差があるのが一般的でした。しかし、昨今では上がり框がなく、玄関を入ると床がフラットな状態で土間からホールへと続いている住宅もあります。

上がり框がない玄関の仕上げは主に2パターンあります。1つは土間からホールまでを石やタイルなど統一した素材を張っているケースです。2つ目は土間部分は石張り、ホール部分はフローリング張りといった形で素材を分けるケースで、間に金属の見切り材を入れることもあります。

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■上がり框のない玄関のメリット

あえて上がり框を設けない玄関には、使い勝手や見た目の印象によるメリットがあります。

・玄関をバリアフリー化できる

上がり框のないフラットな玄関にすることで、バリアフリー化を図ることができます。高齢になって足腰が弱くなってくると、上がり框による段差を低く抑えていても、つまずく危険性が残ります。上がり框のないフラットな玄関にすることで、より安全性が高まります。

・開放感があり、広く見える

上がり框や段差のない玄関は開放感があり、広く見えることもメリットです。特にホール部分と土間部分の素材を揃えると、空間に広がりが感じられます。

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■上がり框のない玄関のデメリット

上がり框のない玄関にはメリットがある一方で、使いにくさを感じることも考えられます。

・靴を脱ぐ位置がわかりにくい

上がり框は住宅の外と内を分ける境界線の役割を持っています。そのため、上がり框がない場合、訪れたお客様がどの位置で靴を脱ぐか戸惑うことが考えられます。また脱いだ靴が目立ちやすいため、整理整頓をしないと雑然とした印象になりやすいとい点もデメリットです。

・ブーツなど靴の脱ぎ履きがしにくい

上がり框のないフラットな玄関は座って靴を脱ぎ履きしにくい点もデメリットに挙げられます。家族に高齢者がいない場合も、ロングブーツの着脱がしにくいです。上がり框のない玄関にする場合、靴の脱ぎ履きをするときのためのスツールを置いておくのも手です。

・雨の日の水滴や汚れが入りやすい

上がり框による段差がないことで、雨の日に水滴や靴の裏の汚れが室内に入りやすいことも考えられます。そこで、玄関マットを敷いておくと汚れを防げるとともに、靴を脱ぐ位置をわかりやすくゾーンニングできます。

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■上がり框を設置する際の注意点

上がり框のない玄関もありますが、上がり框を設置する場合に注意するべきポイントをまとめました。

・耐久性に配慮する

上がり框は踏み込むときに荷重がかかり、荷物を置いたときなど、物をぶつけて角が擦れたりしやすい場所でもあります。そのため、上がり框には耐久性の高い素材を選ぶことが大切です。

・介護が必要な家族がいる場合の高さの考え方

介護が必要な家族がいる場合、上がり框を高くすると昇り降りの負担がかかり、低めにすると靴の脱ぎ履きがしにくいという問題が生じます。そこで、上がり框は低めにしたうえで、腰をかけられる場所を設けておくと外出がしやすくなります。

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■上がり框があるおしゃれな玄関の施工事例

上がり框は玄関の印象を左右するものでもあります。マンションのリノベーションでデザインや素材などを工夫した、上がり框があるおしゃれな玄関の事例を紹介します。

・スタイリッシュで広がりのある「斜めラインタイプ」

スタイリッシュで広がりのある「斜めラインタイプ」

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=119

新築マンションの玄関の上がり框は「ストレートタイプ」が中心で、土間の部分が狭いケースが少なくありません。最初に紹介する事例では、リノベーションで上がり框を「斜めラインタイプ」にして土間の部分を広げ、スタイリッシュで空間の広がりが感じられる玄関を実現しました。壁一面に貼った鏡も、空間に奥行を感じさせます。また、デザイン性が高いだけではなく、靴を履いていないホール部分と靴を履いた土間部分のどちらからでも、鏡で身だしなみをチェックできるという利便性のよさもあります。

・開放感あふれる「L字型」

開放感あふれる「L字型」

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=125

次に紹介する事例では、リノベーションで土間の部分を広げて、上がり框を「L字型」としました。上がり框が2辺あり、壁に挟まれていないため、開放感が感じられます。また、シューズクロークからも玄関ドアからも、出入りしやすい玄関となりました。

・上質な空間にマッチする石の上がり框

上質な空間にマッチする石の上がり框

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=7

石張りの土間から連続する石の上がり框が、上質な雰囲気を醸し出している事例。カーペットはもちろん、壁面の石調タイルやダークブラウンの収納の扉などともマッチして、ホテルライクな玄関を演出しています。

・光が灯る陰影が美しい上がり框

光が灯る陰影が美しい上がり框

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=115

最後に紹介するのは、照明による美しい上がり框の事例です。上がり框の下に仕込まれた間接照明やホールを照らす照明による光の陰影が美しく、幻想的な空間となっています。

腰掛のある上がり框

また、一般的なマンションと同様に上がり框の高さは低めですが、腰をかけられる場所が設けられているなど、デザインだけではなく、実用性にも配慮されています。

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■まとめ

上がり框は玄関の顔としてデザインにこだわりたい場所であるとともに、高さへの配慮が必要な場所でもあります。リノベーションで家族構成やライフスタイルに合った、こだわりの上がり框のある玄関を実現しましょう。

編集者: u-room

メーカー勤務のかたわらインテリアスクールに通い、インテリアコーディネーターに転身した経歴を持つ。現在はフリーランスのライターとして、住宅関係のほか、求人広告やインタビュー取材などの執筆を手掛ける。インテリアコーディネーター資格を保有。ワインとビール、インテリアショップ&美術館巡りが好き。夫と2人の息子の4人家族。

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