マンションリフォームは、なるべく費用をかけずに実施したいもの。しかしリフォーム費用を削りすぎてしまうと、満足度が下がってしまうこともあります。そこでうまく活用したいのが、国や自治体が支給している補助金や助成金です。適用するにはさまざまな条件があるので、事前に知識つけておきましょう。今回はマンションリフォームで使える補助金・助成金・減税制度について詳しく解説します。
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マンションリフォームに使える補助金は、制度ごとに申請時期に関するルールが異なります。各補助金事業の申請時期をしっかりとチェックして、工事のスケジュールを立てましょう。
リフォームに関する補助金は、工事が始まる前に申請が必要なものがほとんどです。制度によって異なりますが、着工後・工事完了後に申請をしても受け付けられないケースが多いので気をつけましょう。
また、申請した後、交付決定前に着工してしまうと、補助金の支払い対象外になってしまう制度もあります。交付がなかなか決定しない場合も考えられるので、工期が後ろ倒しにならないよう、余裕をもったスケジュールを立てておくことが大切です。
ほとんどの補助金は、リフォームを依頼する人が申請するのではなく、リフォーム会社が申請を行います。補助金に詳しいリフォーム会社に依頼をすれば、申請手続きやスケジュールをしっかりと管理してくれるので安心です。
そして多くの補助金では、「○年○月末まで」などと締切日が決められています。締切日までに申請手続きを済ませられるように、リフォーム会社探しなどを早く進めることも重要です。
また補助金制度には予算額が定められていて、その上限に達すると締切日がまだ先であっても終了してしまいます。特に人気の補助金であれば、あっという間に終了してしまうケースも少なくありません。まだ締切日まで余裕があるからと油断せずに、リフォームを検討しているのであれば早めに動き出しましょう。
なお制度によっては、一旦終了しても、また新たな予算を確保して再開される場合もあります。補助金の終了や開始は国や自治体のホームページなどで告知されているので、補助金を活用したい方は定期的にチェックするとよいでしょう。
関連記事/マンションリフォームの補助金・助成金制度について紹介! | マイリノジャーナル
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詳しくはこちら>>長期優良住宅へとリフォームするときに使える補助金制度です。具体的には建物の長寿命化のための「劣化対策・耐震性・維持管理・更新の容易性」の4項目について、一定の基準を満たすことが求められます。あわせて子供部屋をつくるために和室から洋室へ変更したり、三世代同居対応としてサブキッチンを追加したりと、さまざまなリフォーム費用が補助金の対象となります。
リフォーム後の住宅性能 | 補助金限度額 |
---|---|
長期優良住宅(増改築)認定を取得しないが一定の性能向上が認められる | 1戸あたり最大100万円 (※150万円) |
長期優良住宅(増改築)認定を取得する | 1戸あたり最大200万円 (※250万円) |
※三世代同居対応改修工事・省エネ性能を高める改修工事・若者・子育て世帯・既存住宅の購入者の改修工事
こちらは令和6年2月末をもって受付終了。令和6年度の再開の予定はありません。
こちらは2022年9月に募集開始された新しい補助金制度です。ZEHレベルの省エネリフォームをするときに使えます。たとえば開口部を二重サッシや複層ガラスに変更、高効率の給湯器を入れる、躯体の断熱化などのリフォームが対象です。部分改修では二箇所以上の開口部でZEH仕様基準を満たせばよいとされています。
建物の種類 | 補助限度額 |
---|---|
戸建住宅 | 1戸あたり51万2,700円 |
共同住宅 | 1㎡あたり2,500円 |
マンション(※) | 1㎡あたり3,700円 |
※共同住宅のうち耐火or準耐火建築物、延面積1,000㎡以上、3階以上のもの
令和5年7月3日をもって、予算上限に達したため受付を終了しました。
国と自治体が連携して取り組んでいる補助金事業です。リフォーム後の省エネ性能が、省エネ基準レベルなのかZEHレベルなのかによって補助限度額が変わります。
建物の種類 | 省エネ基準適用レベル | ZEHレベル |
---|---|---|
戸建住宅 | 1戸あたり最大76万6,600円 | 1戸あたり最大102万5,400円 |
共同住宅 | 1㎡あたり3,800円 | 1㎡あたり5,000円 |
「こどもみらい住宅支援事業」や「こどもエコすまい支援事業」の後継事業です。高断熱浴槽や窓の断熱改修、節水型トイレ、手すり設置、高効率給湯器などさまざまなリフォームで補助金がもらえます。新築部門では子育て世帯や若者夫婦世帯のみが利用できますが、リフォームの場合はあらゆるご家庭が対象となります。比較的幅広いリフォームに活用できる制度なので、ぜひご確認ください。
【必須となる工事(いずれか)】
・開口部の断熱改修
・外壁、屋根、天井、床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置
【必須工事と同時に行うと補助対象】
・子育て対応改修
・防災性向上改修
・バリアフリー改修
・空気清浄機能、換気機能付きエアコンの設置
・リフォーム瑕疵保険等への加入
※子育て世帯:2005年4月2日以降に出生した子を有する世帯
若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが1983年4月2日以降※に生まれた世帯
参考/子育てエコホーム支援事業
窓の断熱性を向上させるリフォームへの補助金制度です。補助金額は1戸あたり6〜200万円。窓の性能や大きさ、設置方法などに応じて金額が変わります。
【対象となる工事】
・ガラス交換
・内窓設置
・外窓交換(カバー工法・はつり工法)
・ドア交換(カバー工法・はつり工法)
高効率給湯器を設置するリフォームに対する補助金です。導入する給湯器の種類に応じて定額が補助されます。マンションの場合は、一戸あたりいずれか1台のみが補助対象です。またそれぞれの給湯器について高い性能要件A〜Cを満たす場合の加算額や、撤去工事の加算額も決められています。
給湯器の種類 | 1台あたりの補助額 | 性能加算額 |
---|---|---|
エコキュート | 8万円 | A:2万円 B:4万円 A・B:5万円 |
ハイブリッド給湯機 | 10万円 | A:3万円 B:3万円 A・B:5万円 |
エネファーム | 18万円 | C:2万円 |
※蓄熱暖房機の撤去で10万円、電気温水器の撤去で5万円の加算あり
参考/給湯省エネ2024事業
高性能の断熱材や、蓄熱・調湿建材など指定された素材を使ってリフォームすることで、補助金を受けられる事業です。改修区分が「外張り断熱・内張り断熱・窓断熱」の3つに分かれており、マンションでは「内張り断熱」が対象となります。具体的には断熱材と下地材が一体化された断熱パネルや、潜熱蓄熱建材を使った改修です。指定された建材を使うほか、製品ごとに細かいルールが定められているので、詳しくはリフォーム会社と相談しながら進めましょう。
建物の種類(内断熱) | 補助限度額 |
---|---|
戸建住宅 | 1戸あたり最大200万円 |
集合住宅 | 1戸あたり最大125万円 |
15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材を使ったリフォームに対して支援される事業です。具体的な建材としては、高性能な断熱材やガラス、窓、玄関ドアに加えて、熱交換型換気設備等の設置も対象となります。補助立はリフォーム費用の1/3以内で、マンションの上限額は1戸あたり15万円です。
建物の種類 | 補助限度額 |
---|---|
戸建住宅 | 1戸あたり最大120万円 |
集合住宅 | 1戸あたり最大15万円 |
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詳しくはこちら>>リフォーム促進減税とは、原則1年のみ所得税からリフォーム費用の一定額が控除される制度です。自己資金のみでリフォームされる方や、10年未満の短期のローンを組んでリフォームする方も利用できます。2021年まで「ローン型減税」と「投資型減税」の2つに分かれていたものが、2022年税制改正では一本化された形です。
こちらの控除を適用するには、耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化工事のいずれかが必須です。工事に内容に対して、それぞれ控除限度額が決められています。
控除期間 | 1年 |
最大控除額 | 105万円 |
借入期間10年以上の住宅ローンを組んでリフォームすると、住宅ローン減税の対象になります。リフォーム促進減税と同じく所得税の控除が受けられる制度ですが、こちらの控除期間は最大10年間と長くなっています。2021年までの控除率は年末ローン残高の1%でしたが、2022年からは0.7%に縮小。対象者は「所得金額2,000万円以下の方」に限定されています。
控除期間 | 10年間 |
控除率 | 0.7% |
最大控除額 | 140万円 |
固定資産税とは、その年の1月1日時点で所有している建物や土地などに対して課される税金です。要件を満たすバリアフリー・耐震・省エネ・長期優良住宅化リフォームをすると、翌年分の固定資産税が減額されます。自治体への申告期間が「工事完了後3ヶ月以内」となっているので、忘れないように気をつけましょう。
リフォームの種類 | バリアフリー | 耐震 | 省エネ | 長期優良住宅化 |
固定資産税軽減額 | 1/3 | 1/2 | 1/3 | 2/3 |
家屋面積 | 100㎡相当分まで | 120㎡相当分まで | 120㎡相当分まで | 120㎡相当分まで |
リフォームするにあたって、ご両親などから費用を援助してもらう方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなときに活用したいのが、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度です。
通常は個人から年間110万円を超える贈与を受けると、贈与税という税金がかかります。ところが住宅を建てたりリフォームをしたりするために受けた、父母や祖父母などの直系尊属からの贈与の場合は非課税枠が大幅アップ。一般住宅で500万円まで、高性能な住宅なら1,000万円までが非課税です。
住宅の種類 | 一般住宅 | ・省エネ性能の高い住宅 ・耐震性の高い住宅 ・バリアフリー性能の高い住宅 |
非課税枠 (令和4〜5年) | 500万円 | 1,000万円 |
注意したいのは、どんなリフォームでも適用できるわけではないこと。マンションの専有部分の床や間仕切り壁などの半分以上をリフォームする場合や、バリアフリー改修工事、省エネ改修工事などに対象が限られています。国税庁の情報をチェックしたり、税理士に相談したりすると安心です。
リフォームに大きなお金が動くケースはもちろんのこと、二世帯住宅など共有名義の家をリフォームするときも知らず知らずのうちに贈与税が発生することがあります。二世帯住宅をリフォームする場合などはご注意ください。
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詳しくはこちら>>マンションの耐震リフォームを個別に行うのは難しく、基本的に大規模修繕などで建物ごと補強していくことになります。そのため自治体の耐震リフォーム補助金も、分譲マンションなら管理組合、賃貸マンションなら所有者である個人や企業が対象です。耐震診断や補強設計、耐震改修のそれぞれに助成金額が決められているケースが多いでしょう。ここでは例として、東京近郊の自治体の制度を見ていきたいと思います。
自治体 | 東京都 千代田区 |
補助金制度 | 千代田区マンションの耐震化促進助成 |
概要 | 分譲マンションの管理組合もしくは賃貸マンションの所有者が、耐震診断・補強設計・耐震改修をするときの費用を助成する制度です。 |
主な条件 | 木造以外・過半の用途が共同住宅・昭和56年5月31日以前の建築確認・原則として建築基準法に適合している |
自治体 | 東京都 台東区 |
補助金制度 | 台東区マンションの耐震改修工事等助成 |
概要 | 区内の分譲・耐震マンションにおいて、耐震アドバイザー派遣・耐震診断・補強設計・耐震改修工事に対して費用を助成する制度です。 |
主な条件 | 木造以外・住宅面積の合計が延面積の1/2超・昭和56年5月31日以前の建築確認 |
バリアフリーリフォームとは、手すりの設置や段差解消などの工事のこと。介護保険が使えることもあますが、自治体によっては別途助成金が用意されていることもあります。介護認定が必要かどうかは自治体によってさまざま。また制度によっては、介護保険と併用できることもあります。
自治体 | 東京都 目黒区 |
補助金制度 | 住宅リフォーム支援助成 |
概要 | 室内リフォームやアスベスト除去工事、空き家や空き室のバリアフリーリフォームに対して、工事費用の10%が助成される制度。バリアフリーリフォーム工事の上限金額は10万円です。 |
対象工事 | 例)手すり取り付け、段差解消、滑り防止の床材変更、引き戸への交換、洋式便器への交換など |
自治体 | 東京都 世田谷区 |
補助金制度 | 障害者住宅改修費助成 |
概要 | 在宅で生活する障害者の方に、日常生活の利便性を向上させる自宅のリフォーム費用を助成する制度です。 |
対象工事 | 例)手すり取り付け、段差解消、滑り防止の床材変更、引き戸への交換、洋式便器への交換、レール走行型の屋内移動装置設置など |
自治体によっては市外からの転入や、若い世代の定住化促進などを狙って、二世帯住宅リフォームに補助金を支給していることもあります。実家をリフォームして、ご両親との同居をしたいとお考えの方は検討されてはいかがでしょうか。
自治体 | 神奈川県 海老名市 |
補助金制度 | 三世代同居支援リフォーム助成金 |
概要 | 市内で三世代同居をされている方や、新たに三世代同居をしようとする方にリフォーム費用として上限20万円を助成する制度です。子世帯に満22歳以下の子供がいるご家庭が対象となっています。 |
対象工事 | 例)水回りのリフォーム、オール電化工事、内装工事、間取り変更、造作家具工事、バリアフリー改修工事、防音工事など |
自治体によっては、書斎のために間仕切りを設置したり、デスクを造作したりする工事にも補助金が出ることがあります。勤務先がテレワークに対応した方や、自宅に集中できる書斎がほしい方は調べてみるとよいでしょう。
自治体 | 東京都 八王子市 |
補助金制度 | 八王子市居住環境整備補助金 |
概要 | ワークスペース設置改修工事のほか、バリアフリー化改修工事や台風対策改修工事など安全で安心して住み続けられる居住環境を確保するリフォームに対して支給される補助金です。 |
対象工事 | 例)間取り変更、室内の造作工事など |
自治体 | 静岡県 |
補助金制度 | テレワーク対応リフォーム補助制度 |
概要 | テレワークをはじめとした、新しい生活様式に対応するリフォームへの補助制度です。テレワーク対応と同時に行った感染予防や家事軽減負担、換気、省エネなどのリフォームも対象になります。 |
対象工事 | 例)机の造作、間仕切り壁の新設など |
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詳しくはこちら>>手すりの設置や段差解消などの介護リフォームには、介護保険から住宅改修費が支給されることがあります。最大20万円のリフォーム費用のうち、介護保険の自己負担分1〜3割を引いた金額が支給される仕組みです。たとえば1割負担の方であれば、最大18万円が支給されます。
介護保険の支給対象となるリフォーム |
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手すりの取り付け、段差の解消、床材または通路面の材料の変更、引き戸などの扉の取り替え、洋式便器などへの便器の取り替え、以上の改修に伴って必要となる工事 |
適用されるには、要介護もしくは要支援認定が必要です。すでに認定をお持ちであれば、ケアマネージャーにリフォームプランを相談しましょう。身体機能や家の状態に合わせて、必要なリフォームのアドバイスがもらえます。
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詳しくはこちら>>お住まいの地域や時期によって、マンションリフォームで活用できる補助金制度は異なります。特にバリアフリーや耐震、省エネなどに関わるリフォームの補助金制度は豊富なので、使えそうなものがないか必ず確認しましょう。
ままたほとんどの補助金制度は、事前の申請や準備が必要です。あとから補助金の対象になることを知って後悔しないよう、事前の確認や準備が大切です。今使える制度がわからないという方は、マンションリフォームに詳しいリフォーム会社に相談するとよいでしょう。