住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

狙い目の築年数が古い中古マンション(住宅)!

マイホームというと新築物件を思い浮かべる人が多いなか、割安で自分好みにリノベーションできる中古物件、特に中古マンションは注目されつつあります。しかし、購入してもいい中古物件はどんなものか、中古物件の寿命はどれくらいあるのか、築年数何年くらいの物件がいいのか、などいろいろ気にかかることがあるでしょう。ここでは中古物件を選ぶ際に役立つ情報をご紹介します。

■古くても大丈夫?中古物件の耐震性能

地震が多い日本では、これから購入しようとしている住宅や今自分が住んでいる住宅が、地震に対してどれだけ耐えられるかが気になるところです。しかも、日本では法令で建物に最低限求められる耐震基準がしっかり決まっています。法律上、現実上、どんな耐震性能が求められているのでしょうか。

地震大国・日本では大きな地震が起こるたびに、建物の耐震基準が見直され、法令が改訂を重ねてきました。ただし、現行の耐震基準は、耐震基準を大幅に見直した1981年6月1日施行の改正建築基準法(及び施行令)の内容を基本としています。その後も大地震が起きるたびに地震の被害を教訓にして法令が見直されてきましたが、大幅に耐震基準が改正された1981年6月の改正建築基準法が大きなターニングポイントになりました。そのため、1981年6月の建築基準法改正以降の耐震基準は「新耐震基準」、1981年5月以前の耐震基準は「旧耐震基準」と呼ばれ、新耐震基準が現行の標準となっています。

したがって、1981年5月以前の旧耐震基準時代の建物か1981年6月以降の新耐震基準時代の建物かで耐震性能が大きく異なります。そのため、中古住宅を選ぶときは、その物件が新耐震基準にもとづいているか、旧耐震基準にもとづいているかをしっかり確認してください。

・新耐震基準と旧耐震基準の違い

さて、ターニングポイントとなった新耐震基準と旧耐震基準の違いは何でしょうか?新耐震基準と旧耐震基準の大きな違いは以下の点です。

新耐震基準(1981年6月1日以降)旧耐震基準(1981年5月31日以前)
中規模の地震(震度5強程度)でほとんど損傷しないこと
(軽いひび割れ程度)
震度5程度の地震で即座に建物が崩壊しないこと
大規模の地震(震度6強~7程度)で倒壊・崩壊しないこと(基準なし)

旧耐震基準では大規模な地震(震度6強~7程度)については基準がありませんでした。したがって、旧耐震基準時代の建物は震度6以上の地震で倒壊する可能性があります。一方、新耐震基準では、頻繁に起こる震度5クラスの地震では建物にほとんど被害が出ないよう、まれに起こる震度6~7クラスの地震でも建物の倒壊で命を失わないよう、基準が大幅に引き上げられています。

地震が多い日本では、耐震性能の高さは住宅の寿命をのばす要因の一つです。新耐震基準で建てられた中古物件と旧耐震基準で建てられた中古物件を比較した場合、耐震性能が高い新耐震基準の物件を選択する方が安心なことはいうまでもありません。しかし、旧耐震基準時代の中古住宅でも、専門家による耐震診断を受け新耐震基準を満たすことが証明された物件や、十分に耐震補強工事をした物件であれば、新耐震基準の物件と同様に、地震に対する備えはできていると考えてよいでしょう。

・新耐震基準スタート直後に建てられた中古住宅は旧耐震基準の可能性あり

ちなみに、中古物件の築年月が建築基準法改正直後の1981年後半~1983年前半くらいの場合は、新耐震基準の建物と旧耐震基準の建物が混じっている可能性が高く注意が必要です。新・旧どちらの耐震基準にもとづいているかを確認するには、該当物件の「着工日」や「完成日」ではなく、「建築確認済証」の日付をチェックしましょう。

「建築確認」とは、これから建てようとする建物が関係する法令や規定を満たしているか、役所や指定確認検査機関の審査を受けることです。この審査に合格しなければ建築工事に着手することができません。審査の結果、関係法令や規定に適合していれば、建築確認済証が交付され無事着工の運びとなります。

しかし、建築確認済証が交付から建物が完成するまでには日にちがかかります。例えば、物件の完成日が1982年1月31日であっても、建築確認済証の日付が1981年5月31日であれば、旧耐震基準での建築確認審査となるため、旧耐震基準の建物ということになります。

そのため、物件の築年月日が1981年後半~1983年前半くらいの場合は、特に注意が必要です。物件の築年月日が1981年後半~1983年前半にあたる場合は、必ず「建築確認済証」の日付を確認し、対象物件が新耐震基準の建物か旧耐震基準の建物かをしっかりチェックしましょう。

事例集

■マンションの寿命は何年?

国土交通省の資料(※1)に、鉄筋コンクリート造建物の寿命について、有識者たちの研究結果が紹介されています。

 寿命根拠発表年
A.68年(住宅)

 

56年(事務所)

固定資産台帳をもとに家屋の平均寿命を推定2013年
B.117年鉄筋コンクリート造建物の減耗度調査にもとづいて物理的寿命を推定1979年
C.50年以上約50年経過した鉄筋コンクリート部材の耐久実態調査より1974年
D.120年(一般建物)

 

150年(外装仕上にて延命)

構造体としての鉄筋コンクリートの効用持続年数1951年
E.【参考】47年(住宅用)税務上の減価償却資産の耐用年数

(※1)国土交通省「平成25年8月「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」

国土交通省の資料によると、最短47年~最長150年まで、鉄筋コンクリート造建物の推定寿命にはかなり開きがあります。B・D・Eの数字は、部材や建物の「物理的な耐用年数」や「減価償却費計算上の耐用年数」を表していますが、「物理的な耐用年数」や「減価償却費計算上の耐用年数」が、実際のマンションの寿命と同じとは限りません。

なぜなら、マンションが物理的に居住可能でも「エレベーターがない」「家族構成が変わった」などの理由で人が住まなくなり、十分なメンテナンスができずにマンションの寿命を縮めてしまうケースがあるからです。また、日本ではマンションが普及し始めたのが1960~1970年代と歴史が浅く、メンテナンスをしてマンションの寿命をのばし住み続けた実例がまだほとんどありません。こういった日本の現状がマンションの寿命をわかりにくくしています。

しかし、上の表の有識者の研究結果のうち、AとCについては理論上の数字ではなく、実際の例をもとに算出しています。したがって、鉄筋コンクリート造のマンションには、少なくとも50~60年レベルの寿命があるはずです。

なお、欧米では定期的にマンションの補修をして100年以上住み続けているケースが少なくありません。日本でもマンションに必要なメンテナンスを定期的に行い、劣化が進んだ場合には抜本的にリフォームやリノベーションを実施することによって、マンションの寿命をのばすことは可能なはずです。

実際に、1981年以降の新耐震基準にもとづいて建てられた築20年~築35年クラスのマンションはリノベーション向け物件として需要があり、リノベーション後も人が住み続けています。したがって、マンションの寿命は最低でも50~60年、それから先は個別の物件の状態によると考えていいでしょう。

・一目瞭然!築年数早見表

中古住宅の築年月は和暦で表示されることが多く、複数の元号にまたがると築年数が計算しにくくなります。ここでは、西暦・和暦(令和~昭和)ごとに築年数が一目でわかる早見表を掲載しますのでご参照ください。

【令和・平成版】令和元年(2019年5月1日~)・平成31年~元年(2019年4月30日~1989年1月8日)

西暦和暦築年数 西暦和暦築年数
2019年令和1年(元年)新築 2004年平成16年15
2019年平成31年新築 2003年平成15年16
2018年平成30年1 2002年平成14年17
2017年平成29年2 2001年平成13年18
2016年平成28年3 2000年平成12年19
2015年平成27年4 1999年平成11年20
2014年平成26年5 1998年平成10年21
2013年平成25年6 1997年平成9年22
2012年平成24年7 1996年平成8年23
2011年平成23年8 1995年平成7年24
2010年平成22年9 1994年平成6年25
2009年平成21年10 1993年平成5年26
2008年平成20年11 1992年平成4年27
2007年平成19年12 1991年平成3年28
2006年平成18年13 1990年平成2年29
2005年平成17年14 1989年平成1年(元年)30

【昭和版】昭和64年~昭和元年(1989年1月7日~1926年12月25日)

西暦和暦築年数 西暦和暦築年数
1989年昭和64年30 1957年昭和32年62
1988年昭和63年31 1956年昭和31年63
1987年昭和62年32 1955年昭和30年64
1986年昭和61年33 1954年昭和29年65
1985年昭和60年34 1953年昭和28年66
1984年昭和59年35 1952年昭和27年67
1983年昭和58年36 1951年昭和26年68
1982年昭和57年37 1950年昭和25年69
1981年昭和56年38 1949年昭和24年70
1980年昭和55年39 1948年昭和23年71
1979年昭和54年40 1947年昭和22年72
1978年昭和53年41 1946年昭和21年73
1977年昭和52年42 1945年昭和20年74
1976年昭和51年43 1944年昭和19年75
1975年昭和50年44 1943年昭和18年76
1974年昭和49年45 1942年昭和17年77
1973年昭和48年46 1941年昭和16年78
1972年昭和47年47 1940年昭和15年79
1971年昭和46年48 1939年昭和14年80
1970年昭和45年49 1938年昭和13年81
1969年昭和44年50 1937年昭和12年82
1968年昭和43年51 1936年昭和11年83
1967年昭和42年52 1935年昭和10年84
1966年昭和41年53 1934年昭和9年85
1965年昭和40年54 1933年昭和8年86
1964年昭和39年55 1932年昭和7年87
1963年昭和38年56 1931年昭和6年88
1962年昭和37年57 1930年昭和5年89
1961年昭和36年58 1929年昭和4年90
1960年昭和35年59 1928年昭和3年91
1959年昭和34年60 1927年昭和2年92
1958年昭和33年61 1926年昭和1年(元年)93

■買い時の築年数は何年目なの?

いざ中古物件を購入しようとする際、気になるのは「築何年くらいの物件がおトクなのか」という問題です。ここでは物件の資産価値という観点から、中古物件の買い時をご説明します。

・資産価値が落ちにくい物件とは?

日本のマンションの市場価格は新築時が一番高く、一度でも人が住むと中古物件となってしまい価格が大きく下落します。なぜなら、新築物件の場合広告費用などの初期コストがマンション価格に上乗せされてしまうためにどうしても1~2割ほど割高になってしまうからです。

その後も価格は落ち続け、築20年~築25年を過ぎたあたりから価格の下落が止まり、若干右下がりの横ばい状態になります。したがって、価格の下落率が低くなり価格が横ばい状態になる20年~25年を経過した物件であれば、資産価値が落ちにくくなるため買い時といえるでしょう。

また、資産価値が落ちついた物件であれば、万が一住み替えなどで売却する場合も、買い値と売り値の差がさほど開かないため、「ローン残高が不動産評価額を上回り売ろうにも売れない」という悲劇にはなりにくいです。

次に、資産価値が落ちにくい物件のポイントは立地条件です。「すぐれた立地」は経年劣化しません。「駅近物件」「人気のエリア」はよい立地の定番条件です。「田舎に住んでのんびりしたい」「どうしても古民家に住みたい」という特別な希望がなければ、駅に近くスーパーやコンビニなどの商業施設があり、便利で人気のあるエリアの物件を購入することをおすすめします。

最後のポイントは建物自体です。マンションの資産価値を維持するためには、定期的なメンテナンスや、住宅の状態に応じたリフォームやリノベーションが欠かせません。したがって、①マンションの建物自体の構造がしっかりしているか、②マンションのコンディション・管理体制がよいかは、購入後に変更できないだけに注意すべきポイントです。

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■中古物件の価格の決まり方とは?

実際に中古物件の売買では、どのようにして価格が決まっていくのでしょうか。中古物件の価格の決まり方を解説したうえで、査定方法を紹介していきます。

・中古物件の価格は査定価格がベースになる

新築マンションや新築分譲戸建てなど新築物件の販売価格は、原価積み上げ式と呼ばれる方法で決定します。土地の購入費用や建物の建築費用、広告などの販促費用などに売主の利益を加えて、販売価格が決定する方法です。新築マンションの場合、階数や方角によって個々の部屋の価格が調整されます。

一方、中古物件の場合は、建物は築年数の経過によって経年劣化し、土地の価格も新築時とは市場相場が異なっていることが考えられ、適正価格の判断が難しいものがあります。売主はできるだけ高い価格で売りたいと考えるものですが、売主のいい値で決めた価格では市場相場からかけ離れてしまいがちです。市場相場よりも高ければなかなか売れにくく、市場相場よりも安ければ、結果的に売主が損をすることになります。実際のところでは、中古物件の販売価格は不動産会社の査定価格をもとに、売主が決めます。また、最終的な売却価格は、買主と売主の交渉によって決定します。

・中古物件の査定価格の算出方法①「原価法」とは?

原価法とは、建物の査定価格の評価方法の一つで、再調達価格をもとに、築年数の経過によって価値が減少した分を差し引いて算出する方法です。再調達価格とは、現在の時点で同じ建物建てたときにかかる費用をいいます。再調達価格には、建物の原材料費だけではなく、人件費や設計費用なども含まれます。

原価法による中古物件の建物の査定価格は以下の計算式で算出できます。

建物の査定価格=再調達価格(㎡単価)×延床面積(㎡)×法定耐用年数の残年数/法定耐用年数

建物の原材料のグレードや工法などによる個別性から、再調達価格には違いがあります。法定耐用年数とは、税法上の減価償却資産の耐用年数のことで、使用に耐えうるとされている年数です。実際の建物の寿命と法定耐用年数は異なります。法定耐用年数は構造や用途によって決められています。

住宅用の用途の場合、法定耐用年数は以下になります。

<法定耐用年数>

法定耐用年数

出典:国税庁|確定申告書作成コーナー|耐用年数(建物/建物附属設備)https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

※一般的には鉄骨造のうち、鋼材の厚み6mm未満のものを軽量鉄骨造、6mm以上のものを重量鉄骨造と呼ぶ。

金融機関では、中古物件の資産価値を算出するにあたって、再調達価格の基準単価を構造ごとに決めています。金融機関によって異なりますが、以下が目安になります。

<再調達価格の目安:代表的な基準単価と幅>
● 木造…15万円(12万円~15万円)/㎡
● 軽量鉄骨造…15万円(12万円~15万円)/㎡
● 重量鉄骨造…18万円(15万円~18万円)/㎡
● RC造…20万円(18万円~20万円)/㎡

<原価法による建物の査定価格の計算例>
事例1:木造住宅、再調達価格15万円、延床面積100㎡、築10年
15万円×100㎡×12年÷22年=約818万円

事例2:木造住宅、再調達価格15万円、延床面積100㎡、築23年
15万円×100㎡×0年÷22年=0円
築年数が法定耐用年数を超えるケースでは、建物の査定価格は0円になります。

事例3:RC住宅、再調達価格20万円、延床面積100㎡、築23年
20万円×100㎡×24年÷47年=約1,021万円

・中古物件の査定価格の算出方法②「取引事例比較法」とは?

取引事例比較法は、中古物件の査定で用いられることが多い評価方法です。多用な取引事例の中から、査定の対象となる物件と条件が近い取引事例を収集。事例ごとに事情補正や時点修正を行った後、地域的要因や個別的要因を考慮して比較を行って、査定価格を算出します。

事情補正とは売却価格に影響を与える特別な事情がある場合に価格を補正することをいいます。例えば、売主に借金がある、引越しの予定があるといった事情で売却を急いでいるケースでは、一般的な取引よりも価格が低くなっていることが想定されるため、補正を行います。時点修正とは、取引事例の発生した時点と査定を行う時点で、不動産市場の価格水準に補正することです。

取引事例比較法は近隣地域や、対象物件と代替関係や競争関係にある地域を指す同一需給圏内の類似地域で、対象物件に似た物件の取引事例がある場合に有効です。ただし、不動産鑑定士による感覚的な部分が査定価格に影響する点に留意する必要があります。

・中古物件の査定価格の算出方法③「収益還元法」とは?

収益還元法とは、対象物件が将来生みだす収益をもとに査定価格を算出する方法です。収益還元法は主に、賃貸用物件など事業用不動産の査定価格を算出する際に用いられています。収益還元法には直接還元法とDCF法という種類があります。

◆直接還元法とは?

直接還元法は、家賃収入から必要経費を引いた純利益を還元利回りで割って査定価格を算出する方法です。還元利回りはキャップレートとも呼ばれ、類似する不動産の取引事例などをもとにした収益の想定による利回りを用います。例えば、類似する物件の利回りが5%であった場合、対象物件の方が最寄り駅から近ければ、利回りを高めに調整します。直接還元法では、還元利回りの設定が大きく査定価格を左右します。

直接還元法による査定価格は以下の計算式で求められます。

査定価格=1年間の純収益÷還元利回り

<直接還元法による査定価格の計算例>
事例:1年間の収益300万円、経費30万円、還元利回り5%
(300万円-30万円)÷5%=5,400万円
5,400万円よりも安く購入できる場合は、収益を上げられると判断できます。

◆DCF法とは?

DCF法の「DCF」とは、ディスカウントキャッシュフローの略で、不動産投資の上級者向けの計算方法です。DCF法とは、不動産を所有している間に運用して得られる収益や売却価格を、現在の価値に割り引いて算出する査定方法をいいます。中古物件の資産価値は、通常、経年劣化によって下がるため、例えば1年目よりも5年目に売却した方が価値が下がることを考慮したものです。

DCF法による査定価格を算出する計算式は、以下のようなイメージになります。

毎年得られる純収益の現在価値の合計+将来の売却価格の現在価値

■古い物件でも住宅ローンは組めるの?

もちろん、中古物件(一戸建て・マンション)でも住宅ローンを借りることはできます。例えば、メガバンクの三井住友銀行とみずほ銀行は、新築物件でも中古物件でも申込み可能で、返済期間も新築物件と同様に1年~35年です。ただし、金融機関によっては中古物件の場合、「50年-築年数」以内というように35年より短い返済期間を上限に設定している場合もあります。また、そのために毎月の返済額が増えてしまう可能性はあります。

基本的には中古物件だからといって住宅ローンの申込みを受け付けてもらえないということはありません。しかし、中古物件は担保の評価額が新築物件と比べて低いために借入可能額がどうしても低くなり、「審査に通らなかった」「希望額から減額された」「リフォーム費用までは借りられなかった」という可能性があります。

そういった場合に中古物件で住宅ローンを利用するときは、頭金をしっかり用意することをおすすめします。また、審査に不安があって夫婦共働きの家庭の場合は、配偶者を連帯債務者や連帯保証人にして収入を合算する、夫婦向け「ペアローン」を利用するといった方法も検討してみましょう。

■中古でも住宅ローン減税制度を受けられるの?

住宅ローン減税制度とは、各年の住宅ローン年末残高の1%(上限40万円)を10年間、その年の所得税から直接控除でき、所得税で控除しきれなかった分は住民税(の一部)からも控除できるという制度です。この減税制度の効果は10年という長期にわたるため大きなものとなります。この制度を受けるには、一定の要件を満たし、確定申告をして「住宅借入金等特別控除」(住宅ローン控除)の適用を受ける必要があります。ただし、この制度は2021年12月までの入居までの期限付き制度です。

この住宅ローン減税制度を受けるための条件はゆるく、主な要件は以下のとおりです。

  • 住宅取得日から6か月以内に入居し、控除を受ける各年の12月31日まで住んでいること
  • 床面積が50平方メートル以上で、うち2分の1以上が自己の居住用
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上あること(親族・知人からの借入は不可)
  • 増改築などの場合は工事費が100万円以上
  • 年収が3,000万円以下(合計所得金額が3,000万円を超えた年は控除なし)

さらに、中古住宅の場合は、次の①②のうちいずれかの要件を満たしている必要があります。

①築年数が一定の年数以下

– 耐火建築物(鉄筋コンクリート造など)の場合:築年数25年以内

– 耐火建築物以外(木造)の場合:築年数20年以内

または

②現行の耐震基準を満たしている

– 「耐震基準適合証明書」「住宅性能評価書」などの証明書類を提出

つまり、鉄筋コンクリート造などの中古マンションの購入の場合、築年数が25年以内であれば、中古住宅でも特に用意するものはありません。25年を超えている物件でも、物件が現行の耐震基準を満たしていて、証明書類が入手できるのであれば問題ありません。

ただし、物件の売り手が耐震基準に関する証明書類を用意していない場合は、建築士や登録住宅性能評価機関などに耐震診断と書類の作成を依頼しなくてはならないため、手数料と手間がかかります。

■ニーズ別中古マンションの選び方

実際に中古マンションを購入する場合、どのような基準で選んでいくと、お得感のある物件が手に入るのでしょうか。中古マンションの購入検討者の重視したいニーズ別に、堅実重視ニーズ、価格重視ニーズ、立地条件重視ニーズという観点から解説していきます。

・堅実重視ニーズ

資産価値のある物件を堅実に選びたい人におすすめなのは、築15年前後の中古マンションです。2000年4月に「住宅と品質確保の促進等に関する法律」、通称「品確法」が施行されました。これにより、住宅性能表示制度の創設や住宅専門の紛争処理体制の整備、新築住宅の瑕疵担保期間10年の義務化が行われ、一定の品質が担保されていることが期待できます。

また、2003年7月の建築基準法の改正によって、換気設備の設置が義務付けられたため、24時間換気が設置されるようになりました。2000年代以降のマンションは、ダブルオートロックや防犯カメラの設置が当たり前となって来ています。また、床スラブ厚の標準が18㎝~20㎝になったことで、遮音性も向上しています。こうした共用部分に関わる躯体や設備は所有者個人で、改修を行うことはできません。最近のマンションでも設置されている設備などが導入されていることも、築15年前後の中古マンションをおすすめする理由です。

また、価格面では、原価法による査定価格にもとづくと、建物部分の評価額が新築時の3分の2程度になるため、購入価格を抑えられます。住宅ローン減税も、耐震基準への適合の証明が不要となる、築25年以内に該当するため、新築マンションと同様の条件をクリアすれば利用できます。

つまり、築15年前後のマンションは、最近できたマンションと同程度の性能がありながら、購入価格を抑えられ、住宅ローン減税の対象になるのです。

ただし、マンションの共用部分の大規模修繕工事は12年~15年に1度実施するのが目安であるため、適切に実施されているか確認することが大切です。まだ、大規模修繕工事が実施されていない場合は、大規模修繕工事が実施される時期や修繕積立金の積立状況を確認しましょう。修繕積立金が十分に積立てられていない場合は、将来的に修繕積立金が値上がりする可能性があります。

・価格重視ニーズ

価格を重視したい人におすすめなのは、築20年~25年程度の中古マンションです。築20年~25年程度のマンションは建物の価値が下がっているため、築年数の経過による価格の下落率が低くなり、資産価値を維持しやすいというメリットがあります。つまり、比較的安い価格で手に入り、価値が下がりくいお得感のある築年数なのです。

築20年~25年程度の中古マンションは、新耐震にあたるため、耐震性の面でも安心できます。資産価値を維持しやすいため、売却することになっても、立地条件にもよりますが、残債が残るといった事態に陥りにくいです。また、築25年以内であれば、住宅ローン減税の利用に耐震基準の適合証明が必要になりません。

ただし、築20年~25年の中古マンションを購入する場合は、老朽化が進んでいることが考えられるため、リノベーションをすることが前提になります。フローリングや壁紙の張り替え、キッチンやトイレ、ユニットバス、給湯器の交換を行うなど、フルリノベーションする必要がある可能性が高いことを前提に考えることが必要です。一方で、フルリノベーションを前提にしても、新築マンションを購入するよりも費用を抑えられ、間取りやデザインの自由度が高いというメリットもあります。

・立地条件重視ニーズ

生活の利便性が高く、災害によるリスクが低い立地条件の良い中古マンションは、資産価値を維持しやすいというメリットもあります。また、新築マンションで検討できるのは、購入を希望する時期に販売されている物件に限られますが、中古マンションであれば多くの選択肢の中から探すことができます。立地条件を重視して選ぶ場合、ポイントになるのは交通利便性と生活利便施設の充実度、住環境、安全性です。

まず、交通利便性の面では、都心へのアクセスのしやすさが重視するべき点です。通勤にかかる時間が短ければ、遅くまで仕事をする、映画を見に行く、お酒や食事を楽しむなど、時間を有効に使えます。交通利便性の面から理想的なのは、複数路線が乗り入れるターミナル駅が最寄り駅の物件で、駅から徒歩10分以内の物件です。また、各駅停車しか停まらない駅よりも、急行が停まる駅の方が利便性が高くなります。エリアによっては、バス停が近くにあることも立地条件の良さにつながります。車での移動が中心のエリアでは、幹線道路にアクセスしやすいこと、敷地内駐車場が確保されていることがポイントです。

次に、生活利便施設の充実度の面では、近くにスーパーやドラッグストア、あるいは商店街、病院、銀行、郵便局といった施設があると暮らしやすいです。ただし、家族構成や生活スタイルによって、近くにあると便利な施設には違いがあります。子育て世代なら、公園や小学校が近くにあると暮らしやすいです。一人暮らしやDINKSの場合は、夜遅くまでやっているスーパーがあると便利です。

そして、住環境の面では、公園や街路樹が整備されている、緑豊かな閑静な住宅地など街並みがきれいに整っているといった点が住み心地の良さにつながります。

それから、安全性の面では、治安が良いことと自然災害に強いことがポイント。夜、暗い道を通って帰宅するのは危ないため、購入を検討する中古マンションが見つかったら、最寄り駅まで通る道に街灯が整備されているか、夜に実際に歩いてみて確認することが大切です。また、子供のいる世帯では、交通量が多く危険な道路が周辺にないかチェックしましょう。

災害に弱い場所は、自治体が公表しているハザードマップで確認することが可能です。川や沼を埋めたてた場所は、水害に弱いことが懸念されますが、図書館などで古い地図を知らべると、把握できます。また、古くから人が住んでいる土地は安全性が高い傾向にあります。

■まとめ

中古物件は新築物件より価格的に割安で、きちんと管理されていて建物の状態がよいものであれば、長く住んだり住宅ローンを借りたりするのに問題はありません。また、中古物件は新築物件よりも数が多く、いろいろな選択肢のなかから選ぶことができます。

また将来的に住み替えも視野に入れ物件を探したいという方のために「将来の売り貸しも考えた賢いマンションの買い方講座」というセミナーも行っておりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

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