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窓はリノベーションで変えられる?窓リノベーションの費用や注意点などを解説

リノベーションの際に変えられるところ・変えられないところ。今回は「窓」について解説します。

「窓」の特徴は、法律・管理規約などの取り決めがとても細かくあり、とにかくとても複雑でわかりにくい、というものです。窓の変更ができるかできないか、どんな風に変えることができるか。それはとても専門的な領域ですので、現実的にはリノベーション業者に相談・確認しながら検討していくのが最もスムーズでしょう。

というのも、窓はあくまで「共用部」(共用部などの説明はこちらの記事参照)になり、そもそも変更できないこともあれば、一部変更できることもあります。また、変更できても管理規約上の「届出」が必要だったりするなど、とにかく複雑です。ではとこまで何が変えられるのか。それは窓を構成する部材ごと(ガラスの種類/窓そのものの種類)に内容が異なります。以下、その概要を説明します。

リビングの窓の写真(親子)
こんな方におすすめの記事です
  • 窓の断熱性、防音性、防犯性、デザイン性などを高めたい方
  • 窓にはどんなリノベーション方法があるか知りたい方
  • 一戸建て住宅とマンションで窓リノベーションするときの注意点を知りたい方

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■窓リノベーションを行うメリットは?

そもそも窓をリノベーションすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

外壁の窓を断熱性能の高いサッシやガラスにしたり、二重窓にしたりすると、外から入ってくる暑さや寒さを軽減することができます。温度差が少なくなるので、窓の結露予防にもなるでしょう。

また複層ガラスや二重窓には防音効果もあり、外からの騒音を小さくしたり、音が外に伝わりにくくなったりするメリットも。窓を新設して採光や風通しを改善したり、防犯やデザイン目的で窓リノベーションを行ったりするケースもあります。

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■ガラスの種類の変更

まずはガラスの種類の変更について見てみましょう。ガラスには以下のような種類があります。

  • ・透明ガラス
  • ・網入りガラス
  • ・曇りガラス(型ガラス)

普段の生活では、窓ガラスの種類に注目することはほとんどないと思います。しかし、特に網入りガラスや曇りガラスをはめている場合は、実はきちんと意味・目的がある場合があるのです。

ガラスの種類

一般的に広く使われている「透明ガラス」。透明ガラスに網が入っている「網入りガラス」。曇っていて、外側からも内側からも見えにくくしている「曇りガラス」。これらにはどんな意味があるのでしょうか。特に注意すべき、網入りガラスと曇りガラスについて以下で説明します。

・網入りガラス

たまに見かける網入りガラス。これには、「火災などの災害が起きたときにガラスを飛散するのを防ぎ、延焼を食い止める」という機能があります。火災が起こった時、網が入っていないガラスは、熱を受けるとに崩れ落ちてしまいます。その崩落した穴から火が漏れ出れば、火は近隣にまで延焼してしまいます。一方、網があると、割れたガラスを網が支えてガラスの崩落を防ぎ、結果、窓から火が出にくくなるのです。

こうした機能を持つ網入りガラスは、建築基準法や消防法で設置が義務付けられる場合があります。
建物が密集している地域で、隣地から近い窓、道路に面している窓に、網入りガラスが良く使われているのはそのためです。結果として、網入りガラスを変更する場合には、法令上、変更可能か調べる必要があります。

・曇りガラス

曇りガラスが採用されるケースは、マンションの外部廊下を通る人や隣人との目隠しに使いたい、というものです。特に、隣人との目隠しについては、隣地住民との取り決めで「ここのガラスは曇りガラスにすること」と決まっていることも少なくありません。曇りガラスを透明ガラスに変更すると、自分も相手も、プライバシーが守られない可能性があります。曇りガラスの変更を検討するときは、隣地との取り決めをまず確認し、かつ曇りガラスを変更してもプライバシー上支障がないかを確認しましょう。

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■窓の種類の変更

「窓の種類」というと、さきほど述べた「ガラスの種類」も含むようですが、ここでは「ガラスの種類」以外について述べていきます。ここでいう窓の種類は、「ガラスとサッシの構成」、そして「サッシの種類」を指します。それらの変更を検討するケースとは、具体的には、以下のケースが多いでしょう。

  • 複層ガラスへの変更
  • 合わせガラスへの変更
  • 二重サッシへの変更
  • サッシの等級の変更
窓の種類の変更

以下、それぞれ具体的に何を指すのか、どんな意味があるのか、概要を説明します。

・ 複層ガラスへの変更

まず、一点目。「複層ガラス」とは、窓にはまるガラスが2枚で構成され、その2枚のガラスの間に「中間層」と呼ばれる空間があるガラスのことです。複層ガラスの機能は、その中間層の存在により、「窓の断熱性能」を高め、冷暖房効果の低下、結露の発生などの問題を予防・解決するというものです。

・合わせガラス

二点目の「合わせガラス」はガラスとガラスをくっつけて(合わせて)作られたガラスです。
2枚以上のガラスを樹脂膜などで接着して一体化し、その樹脂膜などの力で、そもそもモノなどの貫通性が低くて割れづらく、かつ、割れてもガラスの破片が飛び散りません。こうした特性から、

・人がぶつかっても貫通せずに窓を貫通して転落することを防止してくれる

・バールなどでたたいても叩いても割れづらく、不審者の窓からの侵入を防止する

・割れても尖った破片などが飛び散らず、被害の拡大を防ぐ

・騒音の進入を防ぐとともに、室内の音の外部への漏れを防ぐ

など、様々なメリットがあります。

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・ 二重サッシ

三点目の「二重サッシ」は窓をはめる枠である「サッシ」自体を二重にし、通常の窓の内側にもうひとつ窓をつけられるものです。「二重窓」などともよく言われます。その特徴は複層ガラスや合わせガラスのそれに似ており、断熱性能が高まり、冷暖房効果の低下の抑止や、結露の発生を抑えてくれます。こうした機能を持つことから、日本国内では北海道や東北地方などでよく使われています。また、窓自体が二重になることから、防音効果も高いのも特徴の一つです。

・ サッシの等級

最後に、「サッシの等級」の変更です。サッシには、

・耐風圧性 ・・・ 強風など内外からの力に対してどの程度耐えられるか

・水密性 ・・・ 屋内への雨水浸入をどの程度防げるか

・気密性 ・・・ サッシのすき間からどの程度の空気の出入りがあるか(断熱性、防音性、防塵性にも影響)

・断熱性 ・・・ 屋内の熱移動をどれくらい抑えることができるか

・遮音性 ・・・ 屋内・外への音の出入りをどの程度遮ることができるか

という観点ごとに、その性能別に等級を分類しています。それぞれの分類ごとに、一般住宅を想定せず、中高層ビルなどを想定しているものも有りますので、全てが選択肢に入る訳ではありません。しかし、立地環境やこだわりたいポイントに合わせ、必要な範囲の中で、サッシの等級変更を検討することも良い選択肢になるでしょう。

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■【目的別】窓リノベーションの方法

先述したとおり、窓リノベーションには断熱だけでなく防音・採光・風通し・防犯・デザインなどさまざまなメリットがあります。目的に合わせた工事方法や製品を選ぶことが大切です。

窓リノベーションの方法

・断熱・結露予防

窓から伝わる暑さや寒さが気になる方、あるいは結露でお困りの方は、断熱や結露予防の窓リノベーションをしましょう。

窓サッシやガラスを交換する方法として、手軽なのは「カバー工法」です。今ある窓サッシの上から新しい窓サッシをかぶせるため、外壁を壊す必要がありません。単板ガラスを複層ガラスに、アルミサッシを樹脂サッシに交換することで、断熱性能をアップ。温度差が少なくなり、結露防止にもつながります。

マンションの管理規約の制限で窓の交換が難しい場合は、インナーサッシ(内窓)を設置するのも一つの方法です。今ある窓には手を付けることなく、内側にもう一枚窓をつけて二重窓にすることで、断熱性能を向上させることができます。

・防音

窓は熱だけでなく、音の出入り口にもなっています。交通量の多い道路に面していたり、繁華街が近くにあったりすると、音が気になってなかなか眠れないなどの悩みを持たれるかもしれません、また反対に、楽器音や子供の声、ペットの鳴き声などが近所に音漏れするのが気になるケースもありますよね。

窓の防音対策でおすすめなのが、インナーサッシを設置するリノベーションです。内側に厚めのガラスを設置して二重にすることで、遮音効果が高まります。

また音の出入りを減らすには、高い気密性が重要です。窓ガラスから伝わる音は少なくても、窓サッシのまわりに隙間がたくさん空いていると、音が漏れてしまいます。隙間の少ない防音用サッシに交換したり、隙間のできにくいインナーサッシを設置したりすることで、音をシャットアウトできるでしょう。

・採光

窓が小さかったり、窓の方角が悪かったりすると、日中でも薄暗い部屋になってしまいます。採光面を改善するなら、窓の大きさや位置を変更したり、新しい窓を増やしたりする窓リノベーションが効果的です。

新しい窓を増設するには、外壁を壊して窓サッシをはめ込むという大掛かりな工事が必要です。マンションでの実施が難しいのはもちろんのこと、一戸建て住宅でも構造上できなかったり、予算オーバーしてしまったりするかもしれません。

外壁面に窓を増設するのが難しければ、室内窓を増やして採光をとるのも一つの手です。たとえば北側の部屋が暗ければ、隣接する南側との部屋の間に室内窓をつくることで、隣室から光を入れることができるでしょう。室内窓は専有部分の工事になるため、マンションでも行いやすい工事になります。

・風通し

家の風通しをよくしたい場合は、窓を新設したり、大きな窓に変更したりする窓リノベーションがあります。風の入口と出口をつくるように、対角線上に2つの窓をつくると効果的です。室内窓で風の通り道をつくったり、FIX窓を開閉できる窓に交換したりする方法もあります。

また左右にスライドする「引き違い窓」は、建物と平行に吹く風が素通りしやすいです。風をキャッチしやすい「縦すべり出し窓」に交換すると、積極的に風を取り込めるようになるでしょう。通気性のよい網戸に交換して、採風率を向上させられることもあります。

・防犯

窓は空き巣や泥棒の侵入経路になりやすい場所です。よくある侵入手口が、ガラスの一部を割って手を入れ、鍵を開けられてしまうケース。特殊フィルムが挟んである「安全合わせ複層ガラス」や「防犯安全合わせ複層ガラス」に交換すると、外からガラスを割られにくくなります。

また侵入に手間がかかる家は、泥棒に狙われにくくなるともいわれています。インナーサッシをつけて二重窓にしたり、シャッターや雨戸をつけたりするのもよいでしょう。採光・採風用の穴がついたシャッターなら、閉めたままで光や風を取り入れることができます。またトイレや浴室など家の裏側にある窓には、防犯用の格子をつけるのもおすすめです。

・デザイン

窓はインテリアにも大きく影響する部分です。窓サッシの色はシルバー・ホワイト・ブラウン・ブラックなどがあり、違う色に変更することでイメージが変わります。シルバーやホワイトで白い壁になじませるのもよいですし、反対にブラックやブラウンなど濃い色で引き締めるのもよいでしょう。フレームが目立たないデザインの窓なら、フレームに視界を遮られることなく、窓いっぱいに外の景色が広がります。

またお部屋のイメージを変えるには、室内窓を新設するリノベーションもおすすめです。隣室まで視界が抜けて開放的な空間になったり、窓のデザイン自体がインテリアのアクセントになったりします。木製のナチュラルな窓、レトロな雰囲気の格子窓、黒いシャープな窓などデザインもさまざまです。

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■窓リノベーションをおこなう場合の注意点

窓リノベーションをおこなうには、いくつか注意すべきポイントがあります。一戸建て住宅とマンションでは状況が変わってくるので、それぞれ抑えておきましょう。

・一戸建て住宅の場合

一戸建て住宅では、窓リノベーションも比較的自由に行えます。しかし新しく窓をつくったり、窓の位置や大きさを変更したりする場合は注意が必要です。建物を支えている壁に穴を開けると、耐震強度が下がってしまう場合があるからです。また壁の中に筋交いという斜めの部材が入っている場所には、窓をつくるのは難しいことが多いでしょう。筋交いを切断するという手もありますが、耐震性が落ちるため、他の場所を補強しなければなりません。構造上、窓リノベーションができるかどうかは業者に相談しましょう。

・マンションの場合

マンションには管理規約があるため、一戸建て住宅より自由度は低め。共有部分と専有部分があり、共有部分については原則リノベーションすることができません。外壁に開いている窓は共有部分に含まれるため、窓サッシを交換したり、窓の新設や大きさの変更をしたりするのは難しいでしょう。ただしマンションでも工夫しだいで窓リノベーションは可能です。内窓をつけて断熱・防音性を高めたり、室内窓をつくって室内を明るくしたりと、管理規約の範囲内で実施できる工事はあります。マンションの場合はリノベーション会社に相談の上、管理組合や管理会社に工事可能かどうか確認しましょう。

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■窓リノベーションの事例6選

ここからはグローバルベイスが手がけた窓リノベーションの事例をご紹介します。

事例①マンションでもカバー工法を実施

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=82

こちらのマンションでは、カバー工法で全ての部屋の窓ガラスをペアガラスに変更。断熱性能を向上させて、結露や防音対策をしました。カバー工法は既存の窓に新しい窓をかぶせる工事。通常はマンションでのカバー工法は難しいのですが、大規模修繕と合わせて実施できました。リビングの窓からは井の頭公園の木々が見え、春は桜、秋は紅葉を楽しむことができます。

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事例②インナーサッシで大きな窓の防音・断熱性能をアップ

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=25

もともとある窓サッシの内側にインナーサッシをつけ、二重窓にすることで断熱性能をアップ。インナーサッシの設置は共有部分には手をつけないため、マンションでも実施しやすい工事です。こちらの事例ではすべての窓にインナーサッシをつけたので、家全体のすごしやすさが向上しました。大開口からたっぷり光が入ってくる、明るく開放的なお部屋です。

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事例③インナーサッシで静かなリビングと寝室に

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=101

こちらも既存の窓サッシの内側にインナーサッシをプラスしたリノベーション事例です。目黒駅まで徒歩5分という便利な立地で、家の目の前も比較的大きな道路になっていますが、インナーサッシをつけることで外からの騒音が気にならなくなりました。インナーサッシのある寝室で、夜もぐっすり眠れそうです。

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事例④室内窓で仕事部屋を明るく開放的に

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=146

新築マンションを一部リノベーションされた事例です。自宅で仕事をされているお施主様からは「仕事部屋を閉鎖的でない空間にしたい」というのがご要望。リビングとの間、廊下との間にそれぞれ室内窓をつけることで、光が入る開放的な仕事部屋になりました。ご家族とのコミュニケーションも捗りそうです。室内窓は色やデザインにもこだわり、お手持ちのインテリアに合わせた、おしゃれなお部屋が完成しました。

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事例⑤ベッドルームに高窓をプラスして光と風を取り込む

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=100

中古物件を購入して、グローバルベイスにリノベーションをお任せいただいた事例です。リビングの隣にマスターベッドルーム、その隣にはもう一つのベッドルームがある間取り。各部屋の風通しをよくし、光も取り込むために、マスターベッドルームとベッドルームの間には高窓を設置しました。リビングとマスターベッドルームの間の引き戸を開けてつなげると、家中に光と風が通り抜けます。建築関係のお仕事をされているお施主様ですが「おまかせしてよかったです」と大満足です。

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事例⑥デザインにもこだわった室内窓

https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=125

リビングと隣室の間に、おしゃれな室内窓をもうけた事例です。室内窓はデザインにこだわりを。以前見学されたお部屋には小さめの長方形の窓があったそうですが、「どうしても正方形で格子のデザインがいい!」と希望されました。FIX窓ではなく、上の一段が開閉できる窓なので、風も通すことができます。

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■窓の種類の変更は事前確認が大切

冒頭でも述べましたように、窓部分の変更は、ルールが非常に複雑でケースバイケースになります。それというのも、窓ガラスもサッシも部屋の内側は専有部分、部屋の外側は共用部という扱いになるからです。つまり、窓ガラスやサッシの変更に関しては、「共用部(専用使用部分)の変更」になるので、少なくとも管理組合に届け出る必要があるということです。

また、あらためてになりますが、ガラスの変更は、近隣との取り決めやプライバシーの問題を確認してからにしましょう。いずれにしろ、窓の改装はリノベーション業者や管理会社に事前確認をして、そもそも改装できるかどうかをヒアリングしてから行うと良いでしょう。

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編集者: マイリノジャーナル編集部
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