住まいにアーチ壁(R垂れ壁)を設ければ、空間におしゃれな印象をプラスすることができます。この記事を読んでいただければ、アーチ壁の魅力やメリットについて理解を深めることが可能です。また、知っておきたいアーチ壁のデメリットや注意点についても解説しています。
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そもそも、アーチ壁とは何でしょうか?
「垂れ壁」「アーチ壁(R垂れ壁)」「梁」を比較しながら解説します。
垂れ壁とは、天井から垂れ下がるように設けられた30〜50cmほどの壁です。「下がり壁」と呼ばれることもあります。
アーチ壁とは、開口部(出入り口)の上部を半円形に仕上げたものです。垂れ壁の種類のひとつとして、「R(アール)垂れ壁」と呼ばれることもあります。Rとは、曲線や円を意味する言葉です。
アーチの形状は半円形が一般的ですが、セグメントアーチ(平たい曲線)、カテナリーアーチ(重力で形成される曲線)、三角垂れ壁(三角屋根のような形状)など、さまざまなバリエーションがあります。
垂れ壁に似たものに、梁(はり)があります。梁は、天井の水平方向に架けられており、建物を支える役割を持つ重要な部位です。梁はリフォーム・リノベーションの際に移動したり撤去したりすることはできませんが、壁と組み合わせて垂れ壁のように見せるプランもあります。
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詳しくはこちら>>アーチ壁(R垂れ壁)の柔らかな曲線は、空間を緩やかに区切る効果があります。直線のみで構成された開口部と比べて視線を自然に引き付けやすく、空間の切り替わりを意識しやすいです。「この先には何があるのだろう?」というワクワク感の演出にも適しています。
アーチ壁は、その独自の形状から空間に一定のデザイン性をもたらします。クラシックな雰囲気を持つ一方で、モダンな空間にもしっくりと溶け込み、インテリアの一部として住まいの印象をアップしてくれるでしょう。アーチと照明を組み合わせることで、フォルムを浮かび上がらせて強調したり、優美な影を作り出したりすることも可能です。
アーチ壁(R垂れ壁)には、平面的な空間に立体的な深みとダイナミズムを加えることができます。これは、アーチの曲線に視線を引き付け、ラインに沿って誘導する効果があるためです。視線が自然に上がるため天井をより高く感じることができ、曲線を意識することで部屋全体の視覚的な広がりが感じられます。
万が一の火災の際、アーチ壁(R垂れ壁)が防炎効果の役割を果たす可能性があります。熱や煙は天井に向かって上昇する性質を持ち、垂れ壁があると流れが一時的にせき止められます。そのため、万が一の火災の際に一酸化炭素や有毒ガスを含む有害な煙の流れを遅らせ、避難に必要な時間を稼ぐことが可能です。なお、建築基準法では天井面から50cm以上の垂れ壁を法律上の「防煙壁」と定めており、設置区画や素材などにも規定があります。
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詳しくはこちら>>さまざまな魅力を持つアーチ壁(R垂れ壁)ですが、デメリットも確認しておきましょう。
扉のない開口部を目隠しするために、カーテンやロールスクリーンを設置したい場合もあるでしょう。「突っ張り型」の製品であれば、ネジやビス穴を空けずに取り付けることができます。しかし、このようなタイプは設置面が平坦でなければならないため、アーチ壁(R垂れ壁)では使用できません。
アーチ壁(R垂れ壁)はおしゃれな空間を構成するデザイン要素となりますが、空間全体のバランスを考えることが大切です。例えば、あまり工夫のない平凡な空間のなかに優美な曲線のアーチ壁を設置すると、取って付けたような印象になってしまうことがあります。また、近い場所に直線的な要素とアーチ壁の開口部が混在すると、ごちゃごちゃとした印象になってしまうかもしれません。アーチ壁そのものだけでなく、周囲とのデザインの調和も考慮してプランニングしましょう。
アーチ壁(R垂れ壁)の開口部を施工するには、一般的な直線の開口部に比べてコストが高くなります。曲線をつくるために工事の難易度が上がり、作業の手間が掛かるためです。作業工程が増える分、工期も通常より長くなります。
アーチ壁(R垂れ壁)を設ける場所や高さによっては、視線の一部が遮られて開放感が妨げられることがあるので注意が必要です。特に、もともと天井が低い場所にアーチ壁を設けると、垂れ壁により頭上が更に低くなってしまいます。もちろん、あえてこもったような印象にしたいという意図があるのなら、このような使い方は効果的といえます。
アーチ壁をインテリアに取り入れる際には、やみくもに設けるのではなく、空間のつながりや視線の抜け方を入念にシミュレーションしながらプラニングしましょう。
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詳しくはこちら>>アーチ壁は存在感があるため、ほかの要素とのバランスが取れていないと悪目立ちしてしまい、空間全体の調和を乱す場合があります。アーチにはクラシックなインテリアに適しており、「ロマンチック」「優美」といった雰囲気を演出しやすいです。そのような印象とは対象的な「モダン」や「インダストリアル」といったスタイルの家具や雑貨とむやみに混在させると、統一感がなくなってしまうことがあります。ひとつのスタイルに統一するか、あるいは異なるスタイルを上手に組み合わせるテクニックが必要です。インテリアスタイルのミックスはハードルが高いと感じる方は、インテリアデザイナーやコーディネーターに相談すると良いでしょう。
アーチ壁をクロス(壁紙)張りで仕上げるには、高い技術力が必要です。曲線部分の施工は丁寧に微調整しながら巻き込んでいく必要があり、アーチの角度がきつくなるほど難易度も上がります。平面部分に張られたクロスでも、経年とともに浮きや剥がれが生じてくる場合がありますが、アーチ壁の場合はそのリスクが更に上がるでしょう。特に、アーチの頂部や曲線部分はクロスの剥がれが起きやすいです。
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詳しくはこちら>>住まいのなかに、アーチ壁を(R垂れ壁)どのように取り入れることができるのでしょうか?リノベーションでアーチ壁を採用した事例をご紹介します。
こちらは、ダイニングに隣接する独立キッチンの出入り口をアーチ壁にした事例です。「調理する場所」と「食べる場所」という用途ごとに空間を切り分けることで、ダイニングのくつろぎ感を強調。アーチ壁の曲線が、デザインのアクセントにもなっています。
アーチ壁によりキッチンがほどよく目隠しされ、ここから美味しい料理が生まれるというワクワク感の演出にも一役買っています。
ベッドルームに隣接するウォークインクローゼットの開口部を、アーチ壁にしました。こちらの物件は室内の収納に扉を設けず、オープンにしていることが特徴。オープンクローゼットは扉を開ける・閉めるというアクションが不要なので、忙しい朝の身支度の際にも出入りがしやすいです。大切な洋服を収納する空間を、アーチ壁の優しい曲線で演出しています。
L字型キッチンの奥に設けたパントリー。その出入り口をアーチ壁にした事例です。冷蔵庫も収められているため、キッチン側はスッキリとした印象。奥の壁に張ったコンクリート打ち放し風のクロスが、アーチの曲線に切り取られるように見え、白を基調としたキッチンのアクセントとなっています。
シューズクローゼットにもアーチ壁(R垂れ壁)を設けました。玄関に隣接しており自転車やスーツケースがそのまま収納可能です。退屈な印象になりがちな収納も、アーチ壁の曲線でやさしい雰囲気になっています。
LDKの一角に、アーチ(R垂れ壁)のあるフリースペースを設けました。淡いピンクが優しい雰囲気で、角も直角ではなく優美な曲線で仕上げています。
珪藻土の塗り壁と、アーチ壁(R垂れ壁)が印象的なおこもり空間。書斎や読書はもちろん、趣味を思う存分楽しむ場所、お子さまの遊び場など…自由な発想で使えます。
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詳しくはこちら>>アーチ壁(R垂れ壁)はインテリアに洗練された雰囲気をプラスする要素となります。アーチ壁のメリットは、空間を緩やかに区切れることと、デザイン性が高いことと、空間の立体感を演出できること。また、火災時には煙を抑制する効果も期待できます。
デメリットは、設置コストが掛かることや、設ける場所によっては開放感を損なってしまう可能性があること。また、アーチに存在感があるため、ほかのデザイン要素(建具や家具)と調和するかどうかをしっかりと考えてプランニングすることが大切です。
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詳しくはこちら>>アーチ壁のある家に住みたい方取り入れたいとお考えの方、中古物件を購入しようかなとお考えの方、住まいのリフォーム・リノベーションを考えている方は、グローバルベイスの無料セミナーや相談会に参加してみませんか?リフォーム・リノベーションをすることをまだ決定していなくても大丈夫です。お気軽にご相談ください。