住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

物件の「相場観」を持つことの重要性

良い物件を購入するのに必要だが、見過ごされがちなポイント。今回は相場観について解説します。

物件を眺めるイメージ写真

良い物件を購入するために、絶対に押さえておきたいこと。今回はこちらの記事(「最高の物件を購入するため、絶対に押さえておきたいこと」)でお伝えしていること同様、とても大事なことをお伝えします。

ちなみに、こちらの記事では、「“良い物件”は他の人にとっても良い物件」ということを前提に、良い物件を購入するためには「決断することがとても大事」であること、そして「決断をするためのポイント」をお伝えしました。今回は、「相場観を身につける」について考えていきます。

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■大まかな条件として「予算」「エリア」「広さ」を検討しよう

住宅という非常に大きな買い物をするにあたっては、誰しも失敗はしたくないもの。自分の希望条件に合う物件はどこにどれぐらいあるのか、相場観を持った上で、候補物件をしっかりと吟味し、購入するかしないかを決断したいものです。

ここで強調したいのは、「相場観を持つ」ことの重要性。それも、不動産市況全般の相場観ではなく、「自分の希望に合いそうな物件の相場観」を作ることが重要です。(もちろん、不動産市況全般の相場観も、あるにこしたことはありません)

そもそもここで言う「相場観」とは何か、お伝えしておきましょう。ひとことで言うと「ある特定の条件の不動産が概ねどのぐらいの価格で売りに出されているか、今後はどうなるか、を押さえること」です。特定の条件とは、エリア、広さ、住居形態、駅・商業施設からの距離…など、その家を特徴づける要素のこと。早い話、この相場観を身につけることで、自分が気になっている物件の価格が相対的に「高いか/妥当か/安いか」を判断でき、結果として、購入するかしないかの判断をしやすくなり、満足いく買い物になる確率がぐんと高まります。

では、「相場観」とはどうやって身についていくものでしょうか。おそらく、多くの方は「難しそう」「時間がかかりそう」としり込みをしてしまうでしょう。確かに、家を探し始めたばかりの方は、ほとんどの場合、住宅事情の素人ですし、相場観を作るといっても簡単にはいきません。ただ、こちらの記事(「マンションを購入した人がたどる5つのSTEP前編後編」)でもお伝えしましたように、家を購入した方の多くはそこからスタートし、相場観を持ったことで住まい選び大きく前進させています。ここでのポイントは、「大まかな条件をまずは定めてみて、動き出す」こと。大まかな条件とはつまり、「予算」「エリア」「広さ」の三点です。

予算はいくらまでOKか

エリアはどのあたりが良いか

広さはどれぐらいが必要か

これらが具体的になれば、インターネットのサイトや情報誌、不動産業者などを通じて、

・条件に当てはまる物件の数

・その他の仕様(概ねどのぐらいの築年数か、など)

・具体的な物件価格や、修繕費用などのランニングコストなど大まかな支払額

などが明らかになります。条件に当てはまった物件の、外観・内観写真や間取り図、その他の情報を見て、方向性として間違っていなければ、さらに細かい条件を検討したり、モデルルームを見学したり、その条件に近い物件情報の提供を不動産業者にお願いするなどしていけば、おのずと相場観が身についてきます。

条件に当てはまる物件を探したけれど、自分の求めていたものと大きく異なる場合は、条件を再検討してみましょう。

ただし、「予算」「エリア」「広さ」といった大まかな条件を検討するときにも、気を付けるべきポイントがあります。というのも、ポイントを押さえず漠然と物件を見ていても、自分たちに合う「予算」「エリア」「広さ」の希望条件のラインを見つけるのに時間がかかってしまいます。もちろん、一番初めの段階では、そうやって見ていくのも悪くはありませんが、効率的ではありません。以下、それぞれのポイントをお伝えしていきましょう。

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■「予算」を考えるときのポイント

予算について、絶対に押さえておきたいポイントは、

①収入の「額面」ではなく「手取り」で考える

「物件価格」ではなく「支払額」で考える

③予算における限界のラインを設定する

です。

・ 収入の「額面」ではなく「手取り」で考える

例えば、勤務先にもよりますが、配偶者や子への各種手当てがあるため、同じ年収の方でも単身世帯と共働き世帯とでは手取り額が大きく異なる場合があります。購入する住宅の支払いはもちろん、額面ベースではなく手取りの中から行います。「額面」ではなく「手取り額」で予算を考えておきましょう。

・「物件価格」ではなく「支払額」で考える

実は実際に出ていくお金は「物件の価格」だけではありません。こちらの記事で詳しくお話していますが、不動産の取得やリノベーションには、「物件価格」や「リノベーション工事費用」以外にも多くのお金が動きます。購入後に「予想以上にお金がかかっている」という事態にならないよう、支払うお金についてあらかじめしっかり把握しておきましょう。

・予算における限界のラインを設定する

③は①②を押さえたうえで「これ以上は払えない」という予算の限界のラインを前もって明らかにしておくということです。予算の限界のラインを決めておくと、実際に見に行く物件を絞ることもできます。予算の限界のラインが決まっていないと、「この物件、良さそう!」と思っても、この物件に決めてもよいかどうか確信が持てず、購入の決断もできません。また、仮に購入に至ったとしても、「思ったよりローンの負担が重い」などといった後悔が無いとも限りません。あらかじめ予算の限界のラインを明らかにしておくことは、住まい選びを効率的に行ううえでも、後悔しない買い物にするためにも非常に重要です。

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■エリアを決めるときのポイント

相場観が定まっていない初期段階で、エリアを考える際に押さえたいポイントは「仮でもよいので、希望エリアをしっかり絞り込むこと」です。相場観もないのに自分の希望エリアを絞ることは、多少なりとも抵抗があるかもしれませんが、絞り込むことにより、特定のエリアで特定のスペック(築年数、最寄り駅、駅からの距離、広さ、間取りなど)の物件情報を知ることができ、相場観が身についていきます。もし絞り込んだエリアで希望条件に合うものが無ければ、徐々に条件を緩めてみればよいのです。重要なのは、「仮決めして動き、実際の情報に当たってみる」ことなのです。

希望エリアを最初から絞り込まず、物件を探すことは、大海原から針を拾うようなものです。例えば「新宿駅から電車で50分以内」というケースを考えてみましょう。こうなると、ざっくり調べただけでも、

・京王線、高尾山口駅(東京都八王子市)

・小田急線、海老名駅(神奈川県海老名市)

・西武鉄道、本川越駅(埼玉県川越市)

までまたがることになります。西は八王子、南は海老名、北は川越と、非常に広い範囲です。これらの範囲すべての中で物件を探すのはとても時間がかかることでしょう。「新宿駅から電車で50分」という条件は、なんとなく設定してしまいがちな条件ですが、この条件では「家を探す」というアクションを次にとることができず、結局エリアに関する条件を設定していないのに等しいのです。

とはいえ、最初からいきなり「ここ!」と絞込むこと自体、簡単ではないと感じるかもしれません。その場合は、第一段階としてまず希望エリアをしっかり絞り込んで探してみて、第二段階として、「なぜそのエリアが良いのか」を考え、その理由から逆算して、その理由に当てはまるエリアの物件をさがしていくとよいでしょう。「そのエリアが良い」という理由には、

・そのエリアだけが持つもの

・他のエリアでも代替可能なもの

があるからです。例えば、吉祥寺や恵比寿などのエリアを選ぶ理由には、

・そのエリアの持つ雰囲気

・通勤の利便性(通勤時間、路線の数など)

・都心へのアクセス

・生活環境(スーパーや病院などの商業施設・便利施設が近いなど)

・教育環境(近辺に教育水準の高い学校が多いなど)

などがあげられることが多いですが、代替できないものと言えば、一番上の「エリアの雰囲気」でしょう。それ以外の理由であれば、多くの場合、最初に挙げたエリアと異なりつつも、希望を満たしてくれるエリア候補が見つかります。自分で分からない、思いつかない場合は、どのエリアがどんな特徴があるか、広く押さえている不動産業プロにも相談してみると良いでしょう。

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■広さを決めるときのポイント

家探しの初期段階で、広さをシビアに考えていくことは簡単なことではありません。それというのも、世帯によっては「十年後の未来」のことを含むからです。例えば、「今は夫婦2人でも、これから出産・育児を考える」という世帯にとっては、その後の家族構成次第で、必要な部屋の数・広さが異なるため、見極めが難しいでしょう。

裏を返せば、「広さ」に関しては「希望」ではなく「必要性」で広さを検討し決定しておくことは、物件購入の決断に際して非常に重要です。「必要な広さの見極め」は最初からできるものではありません。家探しと並行して、長期的なライフプランを家族で検討していく中で、イメージができてくるというのが実際のところでしょう。

したがって、物件探しの初期段階では、「必要な広さを見極める」よりも、まずは「少なくともこれ以下はNG」というラインを持っていればよいでしょう。物件探しをしていると、物件を購入した人との会話や、専門家のブログ等、様々な情報源から、自分の家族に必要な本当の広さがわかってきます。必要な広さがわかったら、条件を修正すればよいのです。

また、その時点でよい物件にめぐり合えていなければ、修正した必要な広さを条件に改めて物件を探してみましょう。必要な広さを条件に物件を探すと、希望条件で探した物件とは異なる物件に出会える可能性が高まります。

今回は「予算」「エリア」「広さ」を条件にした相場観を身につける方法をお話しました。相場観を磨いていくと、希望条件と必要条件が決まり、物件の価格、エリアの選択などに対し感覚が敏感になって購入物件の候補がみつかるようになります。また、「予算」「エリア」「広さ」の条件の決め方や自分の相場観が不安なときは、不動産のプロである不動産会社の担当者に確認するとよいでしょう。担当者に相談すると、類似したエリアや広さなどもアドバイスしてくれます。

編集者: マイリノジャーナル編集部
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